神のご計画の中にとどめられる

１．主イエスとの出会い

バプテスマのヨハネが主イエスに出会いました。翌日、そのバプテスマのヨハネによって、アンデレが主イエスに出会いました。またその翌日、アンデレによって、シモンが主イエスに出会いました。彼らの主イエスとの出会いは、その出会いを周囲の人たちにも語らずにはいられないほど、彼らの人生にとって決定的な出来事でした。

２．主イエスがこの世にとどまる

そのような出会いをもたらす主イエスとは、どのようなお方なのでしょうか。

アンデレ達は、主イエスに、どこに泊まっているのかを尋ねました。すると、主イエスは、「来なさい。そうすれば分かる」と言われました。そして、主イエスは、ただ宿泊している場所を教えるだけではなく、ご自分が誰であるかを示されました。主イエスは、御自身がメシヤであることを自ら明らかにしてくださいました。それは、この「世」にメシヤが到来したことが明らかになる出来事でした。

実に、主イエスは、メシヤとして、すなわち救い主として、この「世」に来られ、この「世」に留まってくださいました。

３．シモンが神のご計画の中にとどめられる

このような主イエスとの出会いは、衝撃的な出会いだったことでしょう。ところが、シモンにとっては思わぬ事態に至ります。主イエスはシモンに対して、「あなたをケファと呼ぶ」と言われました。シモンは主イエスから新しい名前をつけられたのです。

シモンは漁師でした。しかし、この主イエスと出会いによって、シモンは、漁師の仕事を捨てて、主イエスの弟子となります。やがて、主イエスの復活を経験し、シモンは、主の羊を飼う者、すなわち牧者として主によって立てられます。そして、シモンは、信仰者の交わりと福音の宣教において重要な役割を果たします。こうして、シモンの働きの上に、教会が建てられてゆくことになります。

シモンにつけられた新しい名前、ケファとは、「岩」という意味です。教会の土台としての岩という意味です。つまり、シモンが主イエスから新しい名前を付けられたことは、売れない芸能人が名前を変えてイメージを一新して出直すような、人生の出直しではありませんでした。シモンが主イエスと出会って、ケファと名付けられたことは、この世に教会が立てられていく、その土台が据えられたということでした。

シモンの主イエスとの出会いは、この「世」に教会が立てられてゆく神さまのご計画のはじまりでした。シモンは、その存在と人生とが、神のご計画の中に留められました。

４．わたしたちも神のご計画の中にとどめられる

主イエスがこの世に来られたことは、人間が生きるこの「世」の中に、メシヤが、すなわち救い主が留まってくださった出来事でした。そして同時に、シモンが主イエスと出会ったことは、神の救いのご計画の中に、シモンの人生が留められた出来事でした。わたしたちが、わたしたちの人生の中で出会う主イエスも、シモンに出会ってくださったのと同じお方です。わたしたちが出会う主イエスは、人の世に留まって下さった救い主です。そして、その出会いは、シモンと同じくわたしたちも、神の救いのご計画の中に留められる出来事です。

主イエスとの出会いは、単なる人生の出直しではありません。主イエスとの出会いによって、わたしたちには、新しい人生が始まります。主イエスとの出会いは、決定的な出来事です。そして、シモンと同じようにわたしたちもまた、神の救いのご計画の中で、教会の形成のために用いられてゆきます。

主イエスは、この世に留まっておられます。そして、わたしたちは、神の救いのご計画の中にいます。