現在に至るまで、中原利郎氏が亡くなってから約１１年、遺族の方々が労災保険法による遺族補償給付を申請してから約９年の月日が経過して参りましたが、本日、中原弁護団は、最高裁の和解勧告により、佼成病院に対する損害賠償請求事件について、佼成病院と和解し、これにより、中原利郎氏にかかる法的請求は全て終了することとなりました。
最高裁から、よりよい医療の実現のためには、本件は和解により解決するのが妥当であるという考えが示され、弁護団もそのような最高裁の意向に賛同したこと、そして和解の前提として、病院側が、中原利郎氏の死亡が新宿労働基準監督署長により労災認定された事実を真摯に受け止め、弁護団も病院のそのような姿勢を評価したことから、和解に至った次第であります。
本件は和解をもって終了となりましたが、現在も、医師不足や医師の過重労働が社会問題となっております。和解調書の前文にもありますように、医師自身はもちろん、国民の健康と幸福を守るために、日本全体の医師不足の改善や医師の過重労働の改善が必要不可欠であることを、改めて皆さんに理解していただき、よりよい医療の実現に向けて協力していただきたいと思います。
また、 長い期間に亘り、労災認定とよりよい医療の実現を目指して精力的に活動してこられた、中原のり子さんをはじめ、ご家族の皆様、本当にお疲れ様でした。そして、中原のり子さんやご家族、我々弁護団の活動を支えてくださった支援の会の皆様、関係者の方々に、深く御礼申し上げます。
以上
２０１０年７月８日
弁護士 遠藤 直哉
弁護士 川人 博
弁護士 岩崎 政孝
弁護士 弘中 絵里
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