暖かい、夢を、見た。
君と、一緒に旅をしていた、あの日を。
君のちょっとはにかんだ笑顔。
今でも、私、ちゃんと覚えてる。
私が、君と並んで旅をした、一緒にいられた暖かい時間。
今でも、私、ちゃんと覚えてる。
穏やかな日差しに誘われてとった午睡のなかで見た、暖かい夢。
それを、私は取り戻したいって思ってる。
平和になった今だからこそ、この手に取り戻したいって、強く思ってる。
でも、それは手に入るかどうか判らない、夢幻の時間。
振り返ってまで望んで良いのか少し不安になる、夢のような大切な日々。
もう一度手に入れることができるかもしれないから、どうしても手放すことのできない大切な思い出。
本当に、暖かい夢を、見た。
君に良く似た誰かの姿を見てしまった。
そんな時だからこそ・・・。
私の心がくれた、ほんの少しの希望。
暖かい、大切な、夢。
頬を伝い落ちる涙を、私は感じていた。