綺麗な、夢を、見た。
あいつらと、一緒に大声で笑っている、あの日を。
あいつらの無邪気な笑い顔。
何時だって、俺はちゃんと覚えてる。
俺たちが、ちっぽけな島で、何も知らずにいられた綺麗な時間。
それを、俺はちゃんと覚えてる。
囚われの心が少しだけ解放されたときに見た、綺麗な夢。
それを、俺は取り戻したいって思ってる。
俺の総てをかけてでも、それを取り戻したって、強く思ってる。
でも、それは今のままでは叶えられない、茫漠の時間。
手が届きそうで届くことのない、実際には存在しない泡のような脆い幻。
自分から手放してしまったがゆえに、切なく尊い大切な日々。
本当に、綺麗な夢を、見た。
あいつらのまえに立ちはだからなければならない。
そんな時だからこそ・・・。
俺の心が生み出した、忘れてはいけない思い。
綺麗な、大切な、夢。
頬を流れていく涙を、俺は感じていた。