〜 ファイナルファンタジー9 〜
ぼくが、人形だって?なんでそんな奇妙なことを言うのさ。ガーランド様?
ぼくの体のなかにはぼくの魂が入っているし、ここにこうして、ぼくはちゃあんと生きているのに・・・・・・。
そう、黒魔道士たちとは違って、ぼくには魂があるんだ。
それなのに、ぼくが人形だって?どこをどう推したらそんな考えになるんだい?ねえ、教えてよ、ガーランド様?
ぼくには力がある。ガイアを戦乱に巻きこんでみせたほどの大きな力が・・・・・・。
そうさ、あんなちっぽけな力しか持たないデク人形の黒魔道士たちとは違うんだ。
実際、戦乱を引き起こすのは簡単すぎて、ぼくには物足りなかったぐらいだよ。
本当、簡単すぎてしまって、笑っちゃうね。なんで貴方が手を拱いていたのか不思議なくらいだよ。
各国の軍事バランスを大きく崩してあげるだけで、あっという間に世界は乱れてくれた。
まあ、あの象女が身の程知らずな野望を抱いてくれたから、さらに巧くいったけどね。
これでもぼくが人形だと?まだそう言うつもり?
じゃあ、どうすれば、ぼくが人形じゃないって証明できるっていうのさ。
ぼくが貴方にかわってガイアとテラ、二つの世界の支配者にでもなれば、証明できることなのかな?
それとも、あの、ぼくの代わりだとかいう小生意気なジタンのことを消してしまえば、いいのかな?
どちらもぼくにとってはとても簡単なことだ。
さて、どちらを選択しよう?
・・・・・・・・・・・・。
困ったな。ぼくにはどちらも選べないよ。ふたつとも、とてもとても素敵なアイデアだから。
じゃあ、ぼくがとるべき道はひとつしかないよね。どちらも選択すればいいんだ。
なんて素敵な考えなんだ!とても、胸がどきどきするよ。この気持ちって、すでに恋に似てるよね。
さあ、最後のゲームを始めようか。ぼくがぼくらしくあるために、ぼくがぼくだってことを証明するために。
素敵な素敵なゲームの幕開けだよ。
ああ、心がうきうきしてきた。
もちろん最後までつきあってくれるよね。
ねえ、ジタン。
ねえ、ガーランド様。
END