〜 ファイナルファンタジー9 〜
本当はね、ぼく、はじめて逢ったとき、ジタンがとっても恐かったんだ。
何故かって?
だって、ジタンたら、有無を言わさずに、ぼくをゴタゴタに巻き込んでくれたんだもん。わけがわからなくて、ぼく、いっつも冷や冷やしてたんだよ?
まあ、その後は、ぼくの意志を確認してくれたし、それを『ソンチョウ』してくれたけど・・・・・・・・・・・・。
でも、きっと、ぼくにはそのぐらいが丁度よかったんだと思う。あの頃のぼくには『自分』というものがなかったんだから・・・・・・。
あれからいろいろなことがあったんだ。何度も死にそうな目にあったりして、結構、大変だったんだ。
でも、そのお陰で、ぼくは『自分』というものを手に入れることができた・・・・・・と思う。まだまだ未熟で、いつも迷ってばかりいるそんな『自分』だけど。
あのとき、あの場所でジタンに巡り会えなかったら、きっとぼくは今でも『自分』というものを持てず、ただ何となく日々を過ごしていたんだろうね。そして『生きるということ』や『死ぬということ』の意味を考えようとせず、ただ息をしているようなつまらない毎日をおくっていたんだろうね。
でも・・・・・・・・・・・・。
ねえ、ジタン。
『生きる』って、どんなことなのかな?
『死ぬ』って、どんなことなのかな?
ぼくが、そのどちらもちゃんと『知っている』って、言ってくれた人がいたけれど、本当にそうなのかな?
『生きる』ってことは、素晴らしくって楽しいと、確かに思うけど・・・・・・。『死ぬ』ってことは、悲しくってつらいと、確かに思うけど・・・・・・。
でも、それだけ・・・・・・・・・・・・だ。
ねえ、これでも、ぼくがどちらもちゃんと『知っている』ってことになるのかな?
ぼくはぼくなりに、一生懸命考えているけれど・・・・・・・・・・・・。
いつか、ぼくなりにちゃんとした『答え』を、ぼくが導き出せる時が、くるのかな?
その時は、ぼくがぼくらしく『生きている』こと、証明できるのかな?
ねえ、ジタン。
ジタンはどう思う?
END