〜ファイナルファンタジー10 〜

 

【優しい願い】

 

 なあ、覚えてるか?
 俺とチャップ、それとルー。
 四人で一緒に遊んだ遠い昔のこと。

 チャップはいない。
 もう、どこにもいない。

 でも、一緒に遊んだこと、忘れてないだろ?
 あん時の温かい思い出、忘れてないだろ?

 それでいいんだ。

 そうした温かい思い出が、心の中にあればよ。
 これからどんなにつらいことがあっても、きっと乗り越えていける。
 真っ直ぐ自分の選んだ道、進んでいける。

 だからよ、そんな哀しい顔するなって。
 見てるこっちまで、つらくなっちまうだろ?

 そりゃ、俺だって、色々と哀しくなるけどさ。
 それに捕らわれちまってたら、先、進めないだろ?

 俺が選んだ道、それは最後まで歩いて行かなくちゃいけない道だ。
 たとえどんなにつらくても、哀しくても。
 この道は俺が歩いていくべき道だ。

 ユウナにはユウナの道がある。
 それは自分で選んだ道だろ?
 その道がどんなに険しくても、選んだ以上、歩いていくのが筋ってもんだ。

 わかるだろ?

 でもよ、どうしようなくつらかったら、時々後ろを振り返ってみろよ。
 俺が、俺たちがそこに必ずいるから。
 俺たちに、何もかもぶちまけちまえっての。

 そしたら、哀しいの少しは楽になるよな。

 なあ、ユウナ。

 俺たちがいつも一緒にいるって、覚えててくれよな。

 

END 

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