〜ファイナルファンタジー10 〜

 

【君へ〜ほんとはね〜】

 

 ほんとはね、私、心の何処かでは判ってるんだ。

 君がもういないってこと。
 君ともう会えないってこと。

 でもね。

 ・・・・・・・・・・・・。

 でもね、それでも私、君にまた会えるって思っていたかった。
 君にもう一度会えるんだって信じていたかった。
 あんな風にいなくなっちゃった君だけど、きっと何処かで元気にしてるって信じていたかったんだ。

 だから・・・。
 だから、また旅に出ようと思うんだ。
 君にまた会えるって信じて、旅に出ようと思う。

 以前の旅は、『シン』を倒すって目的があったから、私、頑張れた。

 だから、今度の旅は・・・。
 君を探すってことを目的にして、私、頑張ってみようと思う。

 世界を巡って、知らない人たちといっぱいいっぱい出会ってね。
 そして、君がほんとにこの世界にはいないってこと、実感できたなら・・・。

 今度こそ、私、泣いてもいいよね?
 自分のために泣いてみても、いいよね?

 君のために泣いみても、いいよね?

 君が私たちに残してくれた平和な世界。
 君が見ることのできなかった平和な世界。

 君の代わりに私が見てこようと思う。

 いつか再び、君に会うことができた時。
 胸をはって『平和っていいよね』っていえるくらい。
 しっかりと世界を見てこようと思う。

 

 ほんとはね、私、君がもういないってこと、心の何処かで感じてた。

 でもね、君がいるかもしれないって思っていても。
 そう、君にまた会えるかもしれないって思っていても。

 いいよね?
 私のこの思い、大切に抱いていても、いいよね?

 そして、『召喚士』のいらないこの世界でだったら・・・。

 私は自分のために生きてみても、いいよね?
 心のままに自由に振る舞ってみても、いいよね?

 

 ほんとはね、私、心の何処かで思っているんだ。

 君の笑顔がもう一度見たいって。
 君にもう一度抱きしめて欲しいって。

 いつか、無理することなく、君にさよならを言えるようになるその時まで。
 私、君に会えることを信じていたい。

 たとえそれがどんなに空しいことでも。
 たとえそれがどんなに愚かなことでも。

 私、いつか君に会えるってこと、信じていたい。

 ねえ、もし、もう一度君に会えたなら、私、ね・・・・・・。

 

 

END

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