本著『ネルグゥエブル家の冒険者たち〜その光と影〜』を綴るにあたり、この書を記すきっかけとなった
代々の冒険者たちに感謝の言葉を捧げる。
そして、冒険者としての道を歩めず、また、剣の一門としての務めを果たせずにいる私に、これを記す
機会をくれた最愛の君へ感謝の言葉を捧げる。
我がネルグウェブル一族は、代々剣を司る一族として、また王侯貴族の剣の指南役として、輝かしい
歴史を積み重ねてきた。
そんな武一辺倒な我が一族に、ある時、占術という全く新しい力を身に秘めた者が現れた。
その者の名は、シーレン・ネルグウェブル。
彼の者は優秀な剣の使い手であるにも関わらず、占術という全く異なる力を是とし、一族から離れる
ことを決意した。
そして占者として名を馳せるようになってから後、彼は突如として冒険者への道を歩み始めたのである。
何がそうまでして彼を冒険の旅へと誘ったのか。
それは定かではないが、彼こそが冒険者としての我が一族の祖であった。
彼のこの第一歩が、我が一族へ新たなる歴史を刻みつけたのである。
そんな初代冒険者の記録とともに、我が一族代々の冒険者の記録を此処に記す。
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