破れ傘


                   雨降りお月さん 雲間で泣くな
                   破れ傘だぜ この俺も
                   気がつきゃ懐かし 合羽橋
                   久しぶりだぜ なぁ女将さん
                   惚れたはれたで 世間をせばめ
                   ひとにゃ語れぬ えぇ・・・過去もある
                   変わっちゃいねえなぁ 昔のままだ


                   浅草生まれで 地下鉄通い
                   雨の銀座で 待ち合わせ
                   語るも懐かし 過ぎた夢
                   艶も増したぜ なぁ女将さん
                   添えりゃ年上(あね)さん 女房のはずが
                   電話一本 えぇ・・・手切れ酒
                   昨日のようだぜ コップに浮かぶ


                   嵐を呼ぶよな 形(なり)していても
                   破れ傘だぜ 胸ん中
                   弱みは見せない 男伊達
                   逢えてよかった なぁ女将さん
                   まさか遣らずの 雨ではなかろ
                   今度生まれて えぇ・・・添えるまで
                   張り替えきかねぇ 憂き世の傘だ





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