なんだ坂こんな坂 


                   「なんだ坂こんな坂」 言いながら
                   いくつの坂を越えたやら
                   気が付きゃ 五十路のど真ん中
                   気が付きゃ おまえも老けたかな
                   ただただ前を向いてきた
                   おまえのことは かまわずに
                   おまえのことを かまわずに


                   「なんだ坂こんな坂」 口ぐせに
                   わき目もふらずにやってきた
                   気が付きゃ 先逝く友もある
                   気が付きゃ おまえと二人きり
                   わがままばかり言ってきた
                   苦労かけたね おまえには
                   過ぎた女房(やつ)だよ この俺にゃ


                   「なんだ坂こんな坂」 言いながら
                   今日という日を 感謝して
                   ほんとにおまえのお蔭だよ
                   ほんとにおまえよ ありがとう
                   これから先はゆっくりと
                   手を取り二人 歩きたい
                   おまえとおれの 夫婦道





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