嵯峨野恋歌 


                  この川が 海に流れて消えるよ(ぅ)に
                  流せるものなら 流したい私の心
                  渡月橋から目に映る 十六夜月に
                  胸の芯まで 照らされて
                  恋する女が 奏でる調べ
                  嵯峨野恋歌 想いは深し


                  竹林の 天まで届く竹のよ(ぅ)に
                  素直に生きたい まっすぐに私の心
                  耳を澄ませば笹の葉が さらさらさらり
                  届かぬ心 けしかける
                  恋する女が 奏でる調べ
                  嵯峨野恋歌 秋色深し


                  化野(あだしの)の ろうそくの火に灯されて
                  ゆらゆらゆらりと 揺れ惑う私の心
                  一つ一つの御仏が 想いを込めて
                  せつない吐息 語りかけ
                  恋する女が 奏でる調べ
                  嵯峨野恋歌 冬の音近く





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