アホー旅がらす 


                 おっ母(かぁ) 姉(あね)さん 振り切って
                 格好つけて 渡世の人生(みち)に
                 縞の合羽を なびかせて
                 どこへ行くのか 親不孝
                 利根の川風 まともに受けて
                 あゝ すすき枕に 今日も泣く


                 緑のふるさと 夢に見て
                 可愛いあの娘 今頃誰と
                 縞の合羽に 身をくるめ
                 寒い世間を 逃げている
                 筑波おろしを 背中に受けて
                 あゝ 月の刃(やいば)も 責めるのか


                 ふるさと斜めに 潮っ風
                 今さら寄れぬ 泪で家に
                 縞の合羽も 色あせて
                 落ちる我が身を 笑うのか
                 久慈の川風 寂しく吹けば
                 あゝ どこに着くやら アホー旅





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