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2007年11月16日(金)
ブログ始めました

このたび、新たに「マーケットホーム・ルーム」のブログを始めました。

http://www.market-homeroom.jp/

掲示板を元の双方向のコミュニケーションの場にしたいというのが
大きな理由です。

どうぞ、訪問して頂けると幸いです。

2007年8月12日(日)
今週号のメルマガ発信致しました

今週号のメルマガを発信致しました。
お時間のある時にお読み頂けると嬉しいです。

http://blog.mag2.com/m/log/0000194870/

2007年7月22日(日)
今週のメルマガ発信致しました

今週号のメルマガを発信致しました

http://blog.mag2.com/m/log/0000194870/

2007年7月15日(日)
今週号のメルマガを発信致しました

今週号のメルマガを発信致しました。

http://blog.mag2.com/m/log/0000194870/

2007年3月23日(金)
チャート作成方法について

私の伝家の宝刀である、「スパンモデル」と「フラクタルモデル」の作成
方法に関しまして、ワカバヤシFXの中の、Forex Intelligenceという
コーナーの中で、詳しく説明させて頂いております。

ぜひ、これを機会に、試して頂いて、両モデルの凄さをご体験して
頂ければ幸いです。

2007年3月4日(日)
いつもご愛読ありがとうございます。

いつもご愛読ありがとうございます。

お蔭様で本ホームページ並びにメルマガ等を通じて、数多くの読者の
方に相場の真髄をお伝えすることが出来、大変光栄に思っております。

昨今、数多くの外国為替関連の情報が氾濫しておりますが、真に皆様
のお役に立てる情報提供および、投資手法の伝授に今後とも努めて
参りたいと思っております。

どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

2006年7月17日(月)
お知らせです

今後、出来るだけ、私の生のチャート分析をお伝えしようと思っております。

そのチャート分析は、ワカバヤシFXの「Forex Intelligence」( http://www.forexintelligence.com/ )内にて、ご紹介して参りたいと考えております。

いつも掲示板にてマーケット分析を行いつつも、視覚に訴えるものでなければ、効果がないと思われます。このホームページの本来の趣旨である、「後講釈」を排除した徹底的な実践的な分析をお届けする為にも、生きた情報をお伝えしてまいる所存です。

どうぞ、今後とも宜しくお願い致します。

2006年5月14日(日)
「掲示板」リニューアルに伴って

「掲示板」リニューアルに伴って、色々なご質問にもお答えさせて頂くつもりですが、新規の投稿が入るとその都度、最新として、最上段に掲載の位置が変更になります。

私としましては、皆様全員とコンタクトを取らせて頂けるように、最善を尽くすつもりです。

2006年5月13日(土)
「メルマガ」を始めました

この度、無料メルマガを始めました。

「マーケットホームルーム〜『最強の外貨投資法』を伝授」というタイトルです。

このホームページのトップページに登録の設定欄がございますので、ぜひ、一度お試しにご一読頂けると幸せです。

どうぞ、末永く宜しくお願い致します。

2006年5月7日(日)
多くの皆様の投稿に感謝

最近は、「掲示板」への投稿がとみに増えて、感謝の気持ちで一杯です。

「掲示板」の一日当りのアクセス件数は平均でも4000件、多い時は5000件を突破するほどの盛況です。

しかも、常連として、マーケットの動きについてリアルタイムで情報提供して下さる方もいらっしゃってこの上ない喜びです。

このHP、「掲示板」が多くの方々に支えられ、益々読者の数が増えることを切に期待しています。

というのも、ここまで世の中で外貨証拠金取引を始め、外貨投資熱が高まっている状況下、時間の無駄と思える情報提供や、中には悪質な詐欺まがいの商法も散見されるのは残念なことだからです。

私は、微力でも、個人投資家の方々にとって本当の意味で有益な情報を誠意をもって提供出来ることが願望です。そのためにも、出来るだけ実践に役立つマーケットコメントを書き続けたいと思っています。

2006年4月13日(木)
ワカバヤシFX

このホームページを読まれて、少しでも為替に興味を持たれた方、既に外国為替証拠金取引をされていて、更なる突っ込んだ相場コメントをご希望される方は、ぜひ、ワカバヤシFXに資料請求をしてみて下さい。

尚、私自身もワカバヤシFXのストラテジストの一員としてコメント、コラム等を書かせて頂いております。

資料請求は、このホームページのトップページの中にワカバヤシFXのバナー広告がありますので、クリックしてみて下さい。

2006年1月14日(土)
「掲示板」をどうぞご覧下さい

昨年に続き、こちらの相場日誌をアップデートする余裕がございません。その代わり、「掲示板」は毎日アップデートさせて頂いております。
投稿者のマーフィーは私自身であり、いわば、「掲示板」は私の相場日誌だと言い換えても過言ではありません。
どうぞ、皆様、今年も、「掲示板」を「相場日誌」として可愛がって頂けると大変光栄です。宜しくお願い申し上げます。

2006年1月2日(月)
今年2006年の抱負

2006年を迎えることが出来て、本当に幸せに思う。
相場の世界に身を置き続けることの困難さは誰よりも本人が一番理解しているつもりだ。金利であれ、為替であれ、株式であれ、さらにクレジットであれ、市場性のある商品で収益を上げるには、並大抵の努力だけでは不可能であり、不断の精進が必要である。攻める時には攻める勇気、根性、大胆さ、そして守るべき時には守る、これまた勇気、慎重さがなくては、絶対に長くは成功しない。
今年も、買うか、売るか、何もしないか、出来るだけ、はっきりとした投資戦略を公表出来るように、日夜、マーケットと格闘し続くたいと思う。同時に、マーケットでの経験等を踏まえて、成功哲学、人生哲学を究めたいと強く思う。それが自分の使命であると痛感している。

2005年11月19日(土)
初押し買うべし、初戻り売るべし

これは、実践の相場にて役立つ名言である。
すなわち、相場が上昇を始めてまだ若い相場であると、初押しがあれば、そこを買い場のチャンスと判断するということだ。この押し局面は、反発して再び、上昇トレンドに戻っていくものである、ということを言っている。もちろん、相場の強さが今一歩であれば、この初押しの後の上げは力ないものになりがちであるが、それが分かれば、売りで攻めるか、保ち合いの相場と読んで、次の一手を考えることも可能になるわけだ。
一方、売り転換した後の初戻しは売れという。即ち、強い下げ相場が始まれば、初めての戻りは絶好の売り場となるわけだ。その戻りの後の下げは本格的な下げとなるわけだ。この場合も、先ほどと同じく、
初戻りの後、大きく上げたり、高値を再び越えていけば、上昇相場継続と判断して、ついていけば良いわけだ。
相場を大局観で捉える
ことの重要性が理解出来る名言だ。

2005年10月23日(日)
「もう」は「まだ」なり、「まだ」は「もう」なり

相場上昇でも下降でも、もういいころと思う時は、まだまだであり、まだ大丈夫と思う時は、もう変化する時分だというわけだが、この見定めが難しい。
自分のポジションが逆境にある時は、「もう」天井だ、、「もう」下げ止まると思いがち。一方、順境の時(利が乗っている時)は「まだまだ」という思いがつのる。
市場の人気が「もう」に傾いているのか、「まだ」というムードかを見極める努力を怠りたくないものだ。
この最近の相場に参加していて、つくづくそう思うのは私だけではないだろうと思う。

2005年9月13日(火)
わからないものはわからない

人間、分からないものでも分かったつもりになりたい衝動にかられることがある。しかしながら、分からないものは分からないとはっきりと正直に言える人は大したものだと思ってしまう。相場を分からないものと定義する人もいるくらいだから・・。
それでも、「分からない」相場を分かろうとする勇気ある人が
いるのも事実だ。私もそういう意気込みで相場に臨みたい。

2005年9月7日(水)
買いにくい相場は高い(売りにくい相場は安い)

材料や市場のムードがいかにも買いにくい時がある。相場の値位置と日柄にもよるが、むしろ高くなる場合が多いという意味。
売りの材料が多い
場合がそうであるが、例えば、今回のドル円相場。自民公明与党の衆議院選での優勢が伝えられ圧倒的に勝利するとの思惑、外国人の執拗な日本株買い需要の観測とそれに伴う円買い需要、ハリケーンが影響して米国の金利引き上げが休止されるとの思惑等々が市場を支配しており、なかなかドル円を買うムードにない。こういう時は意外と予想に反してドルが上昇したりすることがある、といった意味の格言である。もちろん、その時の相場の位置(価格、時間)にもよるが、前回の「人の行く裏に道あり花の山」と似たような意味合いがある。

2005年9月5日(月)
人の行く裏に道あり花の山

人気の裏に道がある、相場は人気の裏に出る、といった意味だ。
市場のコンセンサスに沿ってポジションを張るのは気楽に見えて、実は、相場では儲かり難いものが実情で、人気の逆行をして、世の中の大勢の相場観と逆のポジションを張ると大儲けするチャンスがあるということだ。
もっとも、人気がしばらく続くことも多く、人気に乗じて儲けるチャンスもある。そして、いつも人気の逆ばかりやっていると、タイミングが早い時に限っていつも損をすることもある。やはり、相場は「タイミングが命」かもしれない。

2005年9月4日(日)
相場は一度に仕掛けてはならない

証拠金目一杯に、一度に仕掛けるのは戦術として薦められない。
初めは様子見を見るための小さな玉で仕掛ける。それから本格的に二回か三回に分けて仕掛けることが大事。ただし、同値水準で仕掛けるようなことは避けたい。

2005年9月3日(土)
黄河の猛きも三日にすぎず

 黄河のような大河の氾濫でもそう長く続くものではない。大災難でも一番きついのは三日ほどである、との内容の格言である。
 相場にも「3日」というのは
非常に意味のある数字ある。今回のステージも111.79円の高値から昨日金曜日まで3日下げた。その背景の最大の要因は「ハリケーン」だったと言えよう。

2005年9月2日(金)
「失敗は小さな成功」だと思いましょう

 たとえ、相場でうまくいかないことがあっても、それを失敗だと思わないでおきましょう。全ては、将来の成功の為に必要なこと。とにかく、自分にそう言い聞かせることが大切です。絶対に失敗はないのだということ、を。
 失敗だと思うと、やはり、後ろ向きの発想になり、何も残しません。全ての「うまくいかなかったこと」をこれからのディールに生かしましょう。

2005年8月31日(水)
いつも謙虚でいよう!!

市場の流れをつかむことが出来ればこっちのもの。
その為には、常に謙虚でなければならない。
威張ってばかりいて、自分の相場観に固執すると、市場の流れを
つかむことは出来ない。
いつも謙虚でいれば、相場の流れの変化をすぐに察知出来るはずだ。

2005年8月27日(土)
自分のスタイル

 最近の為替相場は、往来相場というか、保ち合い相場の展開となっている。トレンドフォロータイプのディーラー、即ち、上昇すれば買い、下落すれば売りでついていくディーラーにとっては実に難しい相場展開となっている。
 昔からそうであるが、一方通行の相場には強く、ボックス相場には弱い、もしくはその逆のパターンというのはよくある話である。むしろ、どっちつかずのディーラーが一番儲けが少なく、キャリアープロフィットも小さいだろう。
 要は、自分のパターンを作ることが大切だ。そして、負けを如何に少なくするかに知恵を絞っておれば、自ずからキャリアープロフィットが増加していくだろう。どっちつかずの「自分のスタイル」のないディーラーが最悪だ。

2005年6月20日(月)
毎度毎度のことで恐れ入りますが・・・

毎度同じ事を繰り返し申し上げますが、相場日誌をなかなかアップデート出来ませんが、その分、「掲示板」は極力アップデートを増やしたいと思って、努力しております。どうぞ、「掲示版」をご覧頂ければ幸いです。

2005年5月24日(火)
相場に対して、謙虚さを失わない大切さ

 相場に参加している以上、相場は相場に聞け、というスタイルが結局は長生きするコツである。そして、如何に相場に対して、謙虚になれるか、これが大切である。そもそも、自分の目、耳に入ってくるマーケット情報なんてものは、世の大半が既に知っていると思っておいた方が無難。

 所謂、ある材料をマーケットが織り込んでいき、最終は材料出尽くし感にて、相場は反転、とはよくある話。見ざる、聞かざる、言わざる、は「けだし名言」だとつくづく思う。

2005年5月18日(水)
この最近のマーケットと中国人民元問題
 ここ最近の株式市場の動きは明らかに米国、中国に加えて今週末の日銀政策決定会合にていよいよ「出口論議」が活発化するのを嫌気した海外投資家の日本株売りが影響しているようだ。日銀当座預金残高目標額である30兆円割れを容認し、「技術的要因」(福井総裁も自ら講演で言及し、今日の新聞各紙でもまるでやらせの記事が出ている)とは言え、投資家はやはり警戒している感じだ。明らかに信用収縮懸念が強まっており、リスク資産の圧縮が世界レベルで発生しているのだと思う。

 昨日発表になった日本の第1四半期のGDP数値も確かに数値こそ事前予想値よりも良かったものの、内容は4−6月期に不安を残すものと分析出来る。実際のマーケットのリアクションも発表直後は株買い、債券売り、円買いで反応したものの、すぐに反転した。株は本日TOPIXにて終値ベースで年初来安値を更新した。

 中国人民元の切り上げ絡みのニュースは毎日のようにメディアに出ているが、中国は国内景気の過熱、特に住宅投資のペースを落とす政策を取っている。成長率こそ、マクロで見れば落ちていないが、やはり中国株式市場の地合いは悪いようだ。上海A,B株共に、ほぼ一方的に下げている。こういう時に、人民元を切り上げすると、更なるネガティブ要因となる可能性が高く、首脳部は「国内要因」重視という意味からも切り上げの外圧に抵抗している。

 以上のように世界の株式市場の地合いは明らかに弱い。債券投資には好環境となっているのかというと必ずしもそうではなく、最近のGM、フォードショックに見られるようにクレジットへのリスクに過敏になってきている。「リスクフリー」の国債についても、エネルギー資源価格上昇地合いを初めとする、先行きの物価インフレ圧力の呪縛から逃れられず、投資家はナーバスになっている。

 ITバブル崩壊、同時テロ、米会計疑惑等を背景とした歴史的金融緩和の下に進んだ世界的過剰流動性がここに来て収縮を否応無く迫られており、特に、更なる米国金融引き締め観測は未だ健在だ。最近は、先のGMショック等でヘッジファンドが巨額損失を被ったのではないかとの観測が市場に広がり、昨日もJPMorganの首脳が「融資リスクはない」と懸念を打ち消す発言を行っている。

 中国人民元問題はこのような複合的な要因を背景に特に米中で摩擦が生じていることが原因であるが、今後の世界の株式、債券、為替市場を見通すと、実に不安定要因となっていると言える。ただ、中国にとっては、あくまで最重要課題は国内経済の安定成長であるのは明らだ。「中華思想」の彼らにとって、米中、欧中の貿易摩擦は確かに小さくはないが、優先順位にてトップには位置づけられていないと考えられる。現在の中国首脳部は別に国政選挙でもって国民に選んでもらったわけではなく、それだけに、決して「失敗」は許されないということだ。何が「失敗」かというと、国内経済の歪んだ発展であり、特に農民の暴動の発生ということだ。絶対に失策は許されない運命に置かれた現首脳部は中国人民元問題をどう解決してくるのか、益々歴史的意味を持ってきているようだ。

2005年5月15日(日)
一目均衡表遅行スパン

 私は普段から、一目均衡表を信頼して頼ることが多いが、一目均衡表理論の中でも最も重視しているのが、時間分析と遅行スパンである。

 時間分析は、一目均衡表理論の中でも骨子をなすものであり、原本でも
多くのページをさいて説明されている。ただ、理解と実践への応用には相当の経験を要するものだけに、生半可な利用は逆に災いを招くかもしれない。

 一方、遅行スパンはそれほど知識、経験がなくとも、利用可能であり、即効性という意味では、一目均衡表理論の中で最も使える武器であろう。一般的には、26日遅行スパンが有効であり、もちろん26週遅行スパンも有益である。私は、加えて、21日、33日、52日などの遅行スパンも利用している。又、東京終値だけを用いた遅行スパンも重宝している。そして、遅行スパンは60分足でも有効であり、日中60分足を使える方は利用するととても有効だ。

2005年5月3日(火)
思うこと

 「相場日誌」と言いながら、ほとんどアップデート出来ずにいる。「掲示板を自分の日誌代わりにしているから、余計そうかもしれない。もし、私のHPを開けて頂いて、「相場日誌」を見て、「な〜んだ。全然更新していない。」と思われてもある意味自業自得かもしれない。(反省)

 「相場をやる」ということはどういうことだろう。これは月並みな質問、疑問かもしれない。お金儲けのため?ワクワクしたい為?人それぞれ、目的があるのだろうけれど、やはり、結局は「人間の性」なのかなと思ってしまう。

 「相場をやる」ことは一種の冒険である。自分の会社をつくることもある種の冒険だろう。人間に生まれたからには、何かしらの自分が生きた証拠、軌跡を残したがるものだ。自分の子孫を残し、種族を継続させたいのも、その種の願望であろう。

 ちょっと大袈裟な例えをしたかもしれない。しかし、こうも言えるかもしれない。人間は「動いているもの」に興味がある。そして、「そう簡単に手に入らないもの」にも興味がある。だからこそ、「相場」に惹かれる。

 山男はこう言う。「何故山に登るのか。何故ならそこに山があるから。」相場をやるのもまったく同じ次元なのかもしれない。そんな気がする。 

2005年4月2日(土)
「外貨証拠金取引会社」の役目

 恐らく、外国為替証拠金取引に参加されている多くの人達は、自分の取引会社から様々な市場レポートを受け取られていることと思う。そういったレポートの多くは、日米の経済指標に関するものか、市場のセンチメント等の市場の動きそのものか、為替需給に絡む分析等であろう。そして、各取引会社のトレーディングシステムの使用方法等、技術的なことも提供されていることと思う。中には、短・中・長期の相場観に関するレポートなどもあろう。

 10年近く前まではほんの一部の大銀行の為替ディーラーしか手に出来なかったマーケット情報までが今は自宅に居ながらにして手にすることが出来るようになった。本当に様変わりである。しかも、証拠金の何倍もの金額のポジションを張ることが出来る世の中である。ほとんどド素人までもが簡単に市場に参加出来てしまう。ある意味実に恐ろしい。それだけに、最近は取引に関するトラブルも多く、様々な諸問題に対処すべく、今年から金融庁が本格的に監督を始めるということになったわけだ。

 実は私の実家にも外貨証拠金取引会社
から電話があり、取引を勧められたと、老齢の父から電話があったくらいだ。さすがに父は知識はほとんどないものの、この世の中そんなに簡単な儲け話などあるはずがないと断った、と聞いて私自身はほっとした次第である。

 とにかく、言えることは、外国為替で儲け続けることほど
困難なことはないと幾ら強調してもし過ぎることはない。そういう意味で、様々な取引会社主催のセミナーにて、上記のような内容の講習を行う前に、十分に外国為替取引の難しさを説明して頂く必要があろう。最も、取引会社にとっては、如何にお客さんの数を増やして、手数料を稼ぐかにあるわけで、最初からお客さんを脅すような野暮なことはしたくないのも分かる。ただ、長い目で見て、本当にお客さんの為になる内容のセミナーを催せば、お客さんが幸せになり、その会社も素晴らしい発展を遂げるであろう。これからは、益々自己責任で運用をする時代になるだろうというのは火を見るより明らかだ。各取引会社のスタンスが問われる時代になったと断言出来る。

2005年4月1日(金)
どうぞ「掲示板」をご活用下さい

 以前にも申し上げましたが、最近は相場に関するコメントをこの「相場日誌」ではなく、「掲示板」に「マーフィー」の名前で書いております。
 なかなか、「相場日誌」を書く暇がなくて、申し訳ないですが、「掲示板」を参考にして頂けると幸いです。

2005年3月14日(月)
ここぞと言う時

 相場が膠着状態に入って、買っても売ってもレンジをブレイクしない期間が長ければ長いほど人間は相場に対して鈍感になる。

 そしていざ動き出した時には
反応出来なくなり、指をくわえて眺めているだけの状態に陥る。よくあるパターンだ。だからこそ、相場を純粋に「相場そのもの」としてみる習慣が大切になってくる。

 よほど相場に対する天才的な勘のある人間でない限り、相場が動き出そう
としているかどうかはやはりチャートに頼るのが一番であろう。別に高度なテクニカル分析など必要ではない。何気なく眺めていれば、「直感」で分かるものだ。「右脳」的判断と言ってもよいかもしれない。

 もっともっと
「勘」を大事にしたいものだ。

2005年3月12日(土)
最近思うこと

 最近は相場日誌に書き込むことも少なくなり、自身反省している。それでも、掲示板にはいつものこながら「マーフィー」名で相場を追いかけているつもりだ。

 外国為替相場というものは、一日24時間、365日(ではないが、
その感覚に近い)、動いており、一時も目が離せない。最近はそうでもないが、かつては、トイレに行く時もポケットロイターモニターを手に持ち、平日は決してモニターの電波の届かない地下のレストランには行かず、地下鉄は出来るだけ避け(最近は地下鉄でも電波が入りようにない、安心)ていた。

 本当に為替ディーラーという職業はきつい仕事である。最近、個人の投資家が増えたと聞くが、ちょっとやそっとで儲かる商品ではない。別に株式より簡単と言っている訳ではないが、相場そのものが一日中動いているだけに、下手にストップオーダーを置くと夜中について戻ってくるということがある。もちろん、逆にオーダーを置かずに置くと、大損をすることもある。

 
とにかく、この商品は心して係らねばならない。

2005年2月19日(土)
グリーンスパンFRB議長の議会証言
 グリーンスパンFRB議長が2月16日米上院銀行委員会にて半年次金融政策報告を行った。
これは米国の金融政策を占う上で極めて重要であり、要旨をまとめておきたいと思う。


*実質FF金利がかなり(significantly)引き上げられたが、依然として、かなり低い。
 (remains fairly low)と表現している。

*米長期金利が抑えられている理由として以下の5点を挙げている。
 1)内外の過剰流動性
 2)原油価格高騰による将来の成長期待の低下
 3)各国中央銀行による買い需要
 4)モーゲージ関連の買い需要
 5)グローバルな現象(国境を越えた貯蓄の利用)

*グローバリゼーション(Globalization)
 全世界の国々同士の一体化に伴って、国境を越えた貯蓄利用が可能になったとし、
 これを背景とする良好なインフレパフォーマンスが期待インフレ率を低下させている。
 現在のところ、世界の債券市場の動きは難問(conundrum)のままだ。


*米国の景気拡大持続、物価安定見通しに自信の発言をしている。

*住宅価格上昇についても家計に純資産増加という意味で肯定的な評価。

 ただし、こうした流れが逆転すれば、家計は消費を減少させるだろうと、警戒。

*企業部門は設備投資、雇用に慎重な一方、金融市場は楽観的に動いており、信用スプレッドが大きく縮小している。

以上が要旨であるが、グリーンスパン議長も来年に任期満了を控えており、この時期FRBの失策を認めたくないだろうが、証言内容からは、やはり今の世界経済が構造変化(グローバリゼーション)に伴って中央銀行の金融政策が困難な状況にあるとの認識をもっていると感じざるを得ない。

米長期金利の最近の動きが、昨年6月にFFレートを切り上げ初めてから上昇するどころか、逆に低下傾向にあるという歴史的に見ても特殊なケースであることの背景、理由等々は充分考えているだろうと思われる。

2005年2月17日(木)
日本の2004年10-12月期GDP
「停滞」示した2004年10−12月期GDP

今回のGDP速報では、昨年10−12月期が前期比0.1%減となり、日本経済が4−6月期以降、3四半期連続で小幅のマイナス成長を続けていたことが明らかになった。

ここで、日本の経済がいったいどうなっているのか、GDPの発表をきっかけに私見も含めてまとめておきたいと思う。

結論から言うと、基本は、企業、それも大企業の業績がリストラ等でコストをセービング出来たお蔭で伸びたことが原因で、設備投資は伸びる傾向にある一方、個人ベースの消費等は一部住宅取得(減税絡みの駆け込み需要のせい)が伸びた以外は、今一歩の状況。マイナス成長を続けていながら、政府は「踊り場」という表現を続けている。どうも、政府の中では、「景気後退」という言葉の使用はタブー視されているという話を聞く。国民をあまりネガティブに刺激してはいけないという使命感でもあるのか、うわべだけの講釈を垂れている感がしてならない。情けない話ではある。

輸出の伸び悩みで海外需要が成長の足を引っ張った上、暖冬などの影響で個人消費も2四半期連続のマイナス。設備投資もゼロ%台の伸びにとどまり、日本経済が「停滞」状態にあることを裏付ける結果となった。

鉱工業生産指数の伸びは鈍化。

機械受注は、11月の特殊要因による上昇が剥落、再びマイナスに。

景気動向指数は景気判断の分かれ目となる50%を下回る。

欧米の海外メディアは日本を「景気後退入り」と表現。

<企業収益は復調>

 今後のカギを握るのは企業部門の動向。日本経済新聞社の集計によると、上場企業の今年3月期の連結経常利益は前期比19.2%増と、2期連続で過去最高になる見通し。

 業種別にみると、デジタル景気の減速で電機や精密機械が業績予想の下方修正を迫られる一方、鉄鋼や化学など素材関連業種は絶好調だ。特に自動車や造船からの引き合いが殺到している鉄鋼では、在庫の減少が続いており、需給は引き締まっている

大企業中心で伸びる設備投資>

 10−12月期の設備投資は3四半期連続の増加となり、前期よりもわずかに伸びが高まった。設備投資の先行指標である機械受注(船舶・電力除く民需)は、昨年10−12月に前期比6.0%増となった後、今年1−3月は同9.9%の増加が見込まれており、目先は底堅く推移する。

今回は製造業、非製造業ともに拡大とすそ野は広い。新年度の実質設備投資の伸びは前年比ゼロ%台まで低下する公算が大きいものの、底割れは避けられる見通し。

個人消費は弱い>

 企業業績の好調さに比べると、雇用情勢はまだら模様だ。有効求人倍率は上昇が続いている。企業による労働分配率の引き下げ圧力は根強い。

 これまで消費者マインドの好転に支えられて健闘してきた個人消費は、2四半期連続の減少となった。昨年後半の台風や地震、暖冬などの特殊要因も影響したとみられる。

 今後は所得の低迷に加え、税金や社会保障など公的な負担増の重みが増し、家計の手取り(可処分所得)は減少傾向となる。消費に対する向かい風が強まるため、改善は頭打ちとなる。

海外の景気減速は緩やか>

 米国では所得税減税の恩恵が消えたため、個人消費の動向が懸念されていたが、ブッシュ大統領は大型減税の恒久化を公約。当面は消費が腰折れする可能性は薄れている。また、中国では政府による引き締め政策がとられているが、実質成長率は前年比9%台の拡大が続いている。

デフレ脱却にはまだ時間

 10−12月期のGDPデフレーターは前年比0.3%低下と、下落幅は急速に縮まった。ただ、今回のデフレーター縮小は国内企業物価が上昇した影響が大きい。

今年前半の景気のもたつきで内需に過熱感も出にくいため、デフレーターの下落幅は再び拡大する公算が大きい。本格的なデフレ脱却にはまだ時間がかかりそうだ。

2005年2月2日(水)
ユーロ圏の景気とユーロ相場
 ユーロ圏の実質GDP成長率は、2004 年通年では+1.8%程度と見込まれる。ただし、これは外需に押し上げられた割合が大きく、7-9月期は前期比年率+1.1%まで鈍化した。10-12月期も同+1.4%前後だった模様だ。

2005年については、通年の成長率は+1.5%程度にとどまるとの予想が目立つ。インフレ率については、ここ1、2 ヵ月の原油反落もあり、2005年1-3月中にもECBの目標上限である前年比+2%を下回りそうだ。2005年通年では+1.8%程度の予想が多い。

以上のようなマクロ経済環境下、ECB(欧州中銀)は少なくとも、2005年央まで政策金利を現行の2.0%で据え置くと予想される。次の一手は利上げだろうが、その時期は2005年後半まで延びる可能性が高い。もっとも、米系大手投資銀行の見解は、次の一手は利下げと見ており、注意は必要だ。

従来、2004年後半の成長率の鈍化は一時的な景気の踊り場との見方が大勢を占めていたが、最近の環境変化を勘案すると、景気再加速の時期は2005年後半までずれ込む可能性がある。今までのユーロ高の悪影響や実質的な雇用の回復ピッチが弱いことも景気回復を遅らせる要因と言われている。

ECB は1月13日の定例理事会にて、原油相場がピークアウトしたとの判断から予想外に「引き締めバイアス」を弱めている。また、インフレ率についても、最近の上振れにもかかわらず、年内に+2%を下回るとしており、年末までに利上げに踏み切る可能性は小さい。

一方、足元のユーロ圏の長期金利は景気失速リスクを過度に織り込んでおり、やや下振れ気味と思われる、今後は緩やかに上昇リバウンドする可能性があるが、本格上昇に向かうとは考えにくい。

ユーロの対ドル相場は12月30日の1.3670 ドルがピークに下落基調を辿っている。昨年来、市場で材料視されてきた「米国双子の赤字」から次第に欧米の金利・景況格差に比重が移ってきている。そして、これまでのユーロ高の悪影響が経験的に1〜2 四半期のラグを伴ってこれから顕在化する可能性が高いことから、景況感の観点からは、ユーロ安基調が続く可能性は高い。そして、従来から指摘されている各国中央銀行の外貨準備のユーロへのシフトからの需要も当面一巡したと判断出来、ユーロの先高観は和らぐのではないだろうか。

2005年2月1日(火)
債券市場の動向
 現在の債券市場のコンセンサスは、1年を通じて、価格安、金利高のようだ。幾つかの証券会社レポートによると、足元の金利低下にもかかわらず、金利先高観の根強い様子がうかがわれる。市場のコンセンサスは往々にして裏切られるものだが、今回はどうであろうか?

 こうした金利先高観の背景には、今春以降の景気の底入れ観測があるようだ。最も注目している債券価格変動要因として「景気動向」が目立ち、「株価動向」への関心度は下げている。最近の株価の値動きが冴えなかったことが原因となっているのだろう。
「債券需給」への関心度は引き続き高く、先月来の相場上昇が需給相場によるものであるとの債券市場の認識を映している。世界的な金融緩和による債券バブルは今やコンセンサスであり、米FRBのグリーンスパン議長も懸念していることだ。実際、FRBの金利引き上げ観測はさらに強くなっている。

 根強い金利先高観を背景に、市場参加者の長期の投資スタンスは総じて慎重だ。デュレーションの短期化や債券のアンダーウェイトなど、先月来の金利水準の低下を反映している。「買い遅れ」、「需給相場」など、いつもの相場の後講釈も多く聞かれる。しかしながら、金利スワップ市場にては、市場参加者がフレキシブルに動けるのか、金利低下圧力は根強く、中長期ゾーンを中心にレシーブ意欲が満々だ。結果としてブルフラットニングが進んでいる。今週に限って言えば、FOMC,日本の10年債入札、米雇用統計、G7などを控えていても、おかまいなしというムードだ。

投資家の焦りから、クレジットスプレッドは尚もタイト化しており、「いったいどこまでいくの?」という感じだ。相場の動きをじっくり見極めて、エントリーするべきだが、世の機関投資家を初め、予算があるわけで、どこまで我慢出来るかだろう。避けなければならないのは、シビレを切らせて飛び出すことだろう。振り回されるとロクなことはない。自らのスタンスを定め、想定した金利水準で押し目買い、戻り売りを「淡々と」行うことが大切だ。しかし、言うは易し、行なうは難しということだろう。

2005年1月28日(金)
財務省が米国で日本国債売り込み
 財務省理財局は、昨年末、平成17年度の国債発行計画を公表した。その中で、平成17年度国債発行計画においては、新規財源債は約34兆円と前年度より減額されたものの、借換債が約104兆円と大幅に増加する結果、国債発行総額は約170兆円となる、としている。2004年9月末の時点で、国債、借入金、政府短期証券の合計残高は731兆円(財務省理財局発表数値)であり、地方債も加えると、債務残高は1000兆円に迫る巨額である。これは、2004年度の対GDP比150%を優に超えるほどで、G7諸国の中で断トツである。

財務省は、昨年末発表の国債発行計画の中で、海外投資家の国債保有の促進を図るため、海外投資家が日本国債を非課税で保有する際に必要となる諸手続・諸書類等を簡素化し、海外投資家の国債保有の促進に資するため、国債に係る海外説明会(海外IR)を実施するとしていた。そして、実際に、さる1月20日、ニューヨーク市内で日本国債の投資家向け説明会を開いた。

外国人に購入を促すのが狙いで、財政健全化に向けた取り組みや非居住者が国債を購入しやすいようにした制度変更などを説明した。日本政府が米国で国債の購入を呼びかけるのは、日露戦争の戦費調達のために実施した1904年の説明会以来、101年ぶりという。
 説明会には機関投資家の担当者ら170人が出席。財務省側は、日本国の経済情勢を説明しつつ、国債保有のメリット等を訴えた。非居住者の国債保有率は現在4%ということで、財務省はこの比率を引き上げる意向で、海外投資家に購入を呼びかけたのであろうが、それにしても、およそ100年ぶりに海外投資家向けに説明会を催した事実は、事の重大性を物語っていると言えよう。

日本は巨額の財政赤字という巨大な爆弾を抱えているわけだが、国債のほとんどを日本国内で消化しているということで、事態は深刻に捉える必要はないという識者もいるが、果たしてどうだろうか?日本国債のマーケットにいる人間にとって、最近で言うと、2003年夏場の長期金利急騰などを目の当たりにすると、懸念を持って当然であろう。ましてや、強い経済指標ではなく、「札割れ」などという国債入札絡みが要因だったわけで余計心配にさせる。この日本の抱える「巨大財政赤字」問題は、今までも時に取り上げられてきたものの、ほとぼりが冷める度に存在感が薄れてきた。しかし、今回の財務省による海外投資家説明会をきっかけに、注視する必要が出てきたと言えそうだ。

2005年1月27日(木)
インフレ懸念、金利先高感を感じさせる直近のFOMC議事録
 ここ最近、マーケットの関心は、欧米金利差、景況感格差という循環的要因に向いてきている。今後の米国金利の動きを予測する上で、米連邦準備理事会(FRB)の催す米連邦公開市場委員会(FOMC)とその議事録が大いに参考になる。今回のドル上昇のきっかけとなった1月4日発表の昨年12月14日開催のFOMC議事録の内容を一応「おさらい」しておこう。

 12月14日のFOMC議事録によれば、多くのメンバーがインフレの上方リスクに言及した。声明文にあったように、最終的には、インフレのリスク評価はこれまで通り上下同等と判断されたものの、FRB内部でインフレに対する懸念が高まっていることが示された。景気に関して比較的楽観的な見解が示されたことと合わせて考えれば、FRBは金融緩和を解除するための利上げを継続する意向だろう。2月1-2日のFOMCにて利上げされる可能性はかなり高い。

 今回の議事録は、議事録の公表が今回より3週間早まったことから、今まで以上に重要になった。FOMCの討議内容が、次のFOMCまでの期間中の、それも中間点で公表されることとなった為、議事録の編集の仕方によってはFRBが市場により明確なメッセージを送ることが可能になったことの意味は大きい。
 それでは、議事録の内容を見てみよう。

 第1に、景気に対して楽観的な見方が示された。即ち、個人消費は、株や住宅価格の上昇による純資産の増加、雇用の増加、原油反落による実質購買力の上昇、市場金利の低水準により支えられるとした。設備投資についても、減税の終了、IT投資減速の兆候、利鞘の縮小など懸念材料はあるものの、生産の拡大、低い資本コスト、高い収益、潤沢な手元キャッシュなどがプラス材料と判断が示された。

 第2に、多くのメンバーが「国内および世界の金融不均衡(=双子の赤字)」に懸念を表明したこと。財政赤字の先行きについては見方が分かれた。


 第3に、数人のメンバーから金融緩和長期化の弊害が指摘された。金融市場で過剰なリスクテイクが起こっている可能性が指摘され、証左として、クレジットスプレッドの極端な縮小、IPOの急増、M&Aの増加、住宅価格上昇などが挙げられた。

 第4に、多くのメンバーがインフレの上方リスクに言及したこと。原油価格が依然として高水準にあること、ドル安、労働生産性の低下とその結果としての単位労働コストの上昇に加えて、経済が潜在水準に接近している可能性が指摘された。


 第5に、利上げ継続の必要性が明確に述べられたこと。当該FOMCでの利上げ後も、実質金利の水準はインフレを抑制し、生産高を潜在的な水準に維持するために必要な水準を下回ると指摘された。そして、景気拡大がこれまで以上にしっかりしてきたことで、金融緩和をさらに取り除かなければ、コストと価格圧力が良好な経済パフォーマンスの継続にとって明確な中期リスクになる公算が大きいと判断された。

 以上から、少なくともFOMC議事録を見る限りにおいては、米国経済の先行きに楽観的な見通しがコンセンサスとなっていること、金利上げ継続スタンスが確認された格好だ。為替市場が米金利の先高観を材料視する度合いはかなり高まり、価格への織り込みも相当進んだとは思われるが、ドル高をメインシナリオに挙げる向きの最大の「口実」であるのは明らかであり、今後も注意する必要はありそうだ。

2005年1月24日(月)
これまでのドル相場の動きと今後の予測
 そもそも今回のドル安局面は、昨年10月に米政府高官の発言もあり、人民元の早期切り上げ観測が高まり、アジア通貨も連れ高となり、円高に推移しつつあったところへ、予想を下回った米国9 月の雇用統計を受けてドルは主要通貨に対して全面安となった。そして、昨年11月2日の米大統領選挙後に、投機筋が米国の「双子の赤字」問題に改めてスポットを当て、ドル売りを仕掛けたのが始まりだった。そこに、ユーロの基軸通貨への“昇格”や第2期ブッシュ政権のドル安政策(第2のプラザ合意へ)といったシナリオが付随していった。それまでの為替市場は膠着感を強めていただけに、エネルギーを一挙に放出する格好になったわけだ。

 一般論として、為替市場のメインテーマはころころと移り変わってゆく。私は、そういった相場材料を「ファッション」と認識している。米国の「双子の赤字」という構造問題が底流を形成し、そこに景気や金利といった内外の循環的要因が絡んで、局面に応じて「材料」「ファッション」が入れ替わるわけだ。そして、為替市場では現在、市場参加者の関心が米国「双子の赤字」問題から、経済面の循環要因の方へとシフトしつつあると言うのが一般的な解釈だ。

 確かに、今年に入って1月4日発表の米FOMC議事録に対する為替市場の反応は意味深であった。即ち、為替市場は、インフレ懸念および利上げピッチの加速を示唆した当該議事録をドル買い戻し材料と位置付けたわけだ。ドル円相場は金利差拡大の思惑から、1ドル102円台から104円台へと2円 も急騰した。為替市場の「ファッション」が構造問題だったならば、そうはならなかっただろう。すなわち、為替市場は「インフレ→利上げ加速→景気オーバーキル→スタグフレーション→ドル危機」といった悲観的なシナリオに沿ってドル売りが勢いを増したはずだからだ。

そして、現在、ドルは乱高下を繰り返しながらも、少なくともユーロ等対欧州通貨では堅調地合いを保っている。昔から、欧米間の為替相場は金利差に対する反応度が高く、金利差と為替相場の相関度は高いという経験則がある。一方、円相場は欧州中央銀行(ECB)や米政府の高官発言などもあって、アジア通貨にプレッシャーがかかり、円買い圧力は依然として根強いのは周知の通りだ。

 それでは、果たして、為替市場のメインテーマは完全に米国構造問題から循環問題に移ってしまったのであろうか?結論から言うと、今しばらくはそういった判断・認識は正しいかもしれないが、結局は元に戻っていくであろうと判断している。大体、1月から2月の相場というのは、相場が上下しやすく、乱高下の中で市場参加者を疲れさせるケースが多々見られる。今回も、2月のG7等もきっかけに、再び、米国の構造問題に焦点が移っていくものと思われる。しばらくは、持ち合い(と言いながらも乱高下に近い)相場が続くであろうが、ここでやたらとポジションを大きくして疲弊せず、次なる動きに備えるべきであろうと思うのだ。

2005年1月23日(日)
FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
 FRB(米連邦準備制度)が先週発表した地区連銀経済報告(通称ベージュブック)によると、改めて景気の底堅さが示されている。製造業活動は多くの地区でさらに改善し、設備投資に関しても企業は引き続き前向きだった。住宅部門も引き続き好調。さらに、低迷が続いていた商業不動産もかなり明確な改善が報告された。労働市場は改善、賃金は引き続き落ち着いていたが、前回同様一部で賃金圧力がみられた。物価も引き続き抑制されていた。最終価格の上昇は総じて緩やかであった。結局、今回のベージュブックからは、2月1-2日、ないしそれ以降のFOMCでの利上げを思いとどまらせるような材料および兆候は認められなかった。
 最近、市場では米景気減速の兆候ありとのレポートが目立つが、ベージュブックを見る限りは、米経済はまだまだ堅調だということか。どうも、先行きまだまだ不透明な気がするのだが・・・。
2005年1月20日(木)
ヘッジ外債について

 先日、日経金融新聞に、日本の生保のヘッジ外債比率が下がる傾向にあるとの記事が出ていた。日本の生保は、通常、3〜6ヶ月の先物為替、オプションでヘッジする。満期がくれば、ロールオーバーする方式でもって保有外債をヘッジしている。そのヘッジ率は、各生保によってばらつきがあるものの、直近の全体平均は70%程度らしい。

 去年後半以降、米短期金利の上昇に伴い、ヘッジのコストが上昇、採算に合わなくなってきており、オープン外債(ヘッジをしない)を増やす傾向にある。 ただ、ヘッジ率を下げていくと、今後、円高になった時の為替リスクが大きくなり、 一気に大量の円買いをする必要に迫られる状況も想定され、更なる円高に晒される恐れもある。かつては、日本の生保のヘッジ率が上昇すれば、円安のサイン、下降すれば円高のサインとなる傾向があった。いわば「逆指標」となっていたわけだ。

実際に、多額のオープン外債を抱えて、為替差損を抱え、その後破綻に追い込まれた中小生保も存在する。こういった過去の出来事を見るだけでも、日本という国が全体として、為替リスクに晒されているという事実が浮かび上がってくるのが分かる。

それにしても、米国の政策金利が上昇してくると、以上の理屈からヘッジ率が下がる傾向にあるとすれば、米金利の上昇による外債投資活発化は決して前向き、積極的なものではなく、コスト意識した、どちらかというと後ろ向き、受身的なものだと分かる。何とも皮肉なもので、米金利高につられたオープン外債の増加は将来の円高リスクをただ温存していくものだと言っても過言ではなさそうだ。特に最近のようにイールドカーブがフラットニングしている状況下では、「受身ヘッジ」のケースが増える可能性がありそうだ。

2005年1月18日(火)
「米国の双子の赤字」という「材料」について

 昨年来、米国の「双子の赤字」、とりわけ、「経常赤字」が市場で材料視されてきた。現在も、依然として、ドル安の原因として最大の材料として頻繁に引き合いに出される。一方、今年になって、「米国の金利上げ観測」がドル買い要因として脚光を浴びだした。そして、市場参加者の中には、「双子の赤字」はあまりにも市場に織り込み過ぎた、だからドル反転は近い、と如何にもプロの相場師のごとく論理を述べる。何だか、ドルが上がり始めると、そういった講釈が誠にもっともな解説に聞こえてくる。それはある意味当然のことで、全て相場の要因を挙げているのは事実であり、目の前の相場が上がるか、下がるかで、それぞれの解説が正しく聞こえたり、間違って聞こえたりするのだ。

そもそも、上記の問題は、為替市場の規模があまりにも大きくなり過ぎている上に、相場にはオーバーシュートというのがつきものであり、自立反転が常に生じる構造にある、ということだ。もし、全ての為替相場が論理整然に説明可能であるなら、世のエコノミストが全て正しい相場観をもつことになる。しかしながら、現実は周知の通り、極めて稀な話だ。あの、米国連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長でさえ、「為替相場を予測するのは困難。」と言い切っているのだ。

もちろん、超長期の相場トレンドを考えた場合、やはり深い経済分析をベースとした予測はある程度役に立ってくるとは思われ、決してファンダメンタルズに基づく予測を排除するつもりはない。メーカー、機関投資家等、少なくとも3年程度以上の中長期経営計画を立てる役員にとっては為替の予測はその企業の命運を左右するだけに、正確な分析が必要となってくるのは当然だ。

私なりに結論を述べると、全ての相場には「上げ要因」「下げ要因」が存在し、上がる相場には買い材料を、下がる相場には売り材料を探し出してきて、説明がなされる。米国の双子の赤字をドル売りの材料にするのが間違っているのではなく、ある時期に市場参加者がその材料を「ファッション」にするからこそ、市場全体の関心がそちらに向くわけだ。そして、相場が一段落すると、新たな材料を探し出す。米国経常赤字という材料は、過去30年以上も存在し続けており、ドル売り材料としては、まさに大義名分を与えてくれる。事実、世界の為替市場の需給構造は少なくとも長期的には、ドルロングになる傾向にあり、長期ドル安トレンドの説明として外れているわけではない。

要するに、「双子の赤字」が言い尽くされたと言う前に、相場の根底の動きは何が原因なのかが分かっていれば、そういう論理、講釈にすら影響を受けずに済む、ということだ。少なくとも、短期、中期の相場を予測する上では、相場を材料からではなく、相場そのものをまず分析し、世の中の「材料」に振り回されないようにすることが大事だということだ。テクニカル分析の意義は以上のような理由から存在するのだと思う。本質として大切なことは、「こだわらない」「執着しない」ことだ。まさに、仏教の「般若心経」が教える「色即是空 空即是色」であり、「心無圭礙」の境地ということかもしれない。

2005年1月15日(土)
今後のドル円、ユーロ円相場の予測

 週末の海外市場でドル円相場は、安値101.78円と昨年の安値を割り込み、ユーロ円相場は133.33円と昨年9月以来の安値をつけた。今回の円高はドル安と言うよりは、円高、ドル安、ユーロ安である。欧米の政府や、中央銀行の高官発言等もあり、中国人民元を初めとするアジア通貨へのプレッシャーがかかっているが、主要国際通貨であり、投機対象としても流動性のある円に特に焦点が当ってきている。 今後、G7に向けて、さらに、円高圧力が高まることも予想されるが、今、市場で相場要因として注目されている、米国の双子の赤字や、米国の金利引き上げ観測等、ドルを軸とした様々な要因から、今後は円そのものの需給要因に注目が集まってくると予想される。
 今の外国為替市場は
実需に基づく割合は極端に小さく、投機目的を原因とした売買額が巨額に上り、ちょっとしたポジション調整でもレンジは大きく振れる。それだけに、相場の大きな流れを掴んでおいたところで、ただ一日の動きに振り回されるだけに終わる危険もある。
 ところで、ドル円相場に関しては、101.83円という昨年の安値を割り込んだ以上、今後更なる円高圧力がかかってくる可能性が高い。5年という時間サイクルがドル円相場には見受けられ、このステージでは、一旦底を打って、ドル戻し局面に入ると予測していたのだが、あくまで短期的な戻りは期待出来ても、中長期的なドル円の大幅な戻しは期待出来そうもなさそうだ。
 マーケットのコンセンサスというのは往々にして、はずれるものであり、ここ最近見聞きする市場の相場観も円高を予想する向きが多いのは事実である。その意味で、一時的にはそういった相場観で出来上がったポジションを崩すような調整局面が見られる可能性は引き続き充分に高いとは思われる。
 そういった意味で、目先の日計りディールと中長期ポジションは区別して考える必要がありそうだ。今後は恐らく、一日の動きの振れ、ボラティリティも高くなるのは必至であり、ポジションテイカーにとっては、かなり辛い日々が続くと想定される。それだけに、臨機応変、柔軟な「相場術」が必要とされよう。ただ、大きな流れとしては、円が対ドル、対ユーロでかなり強くなる可能性が高いということだけは頭の隅に置いておいた方が良さそうだ。 

2005年1月12日(水)
年末年始のドル相場
 
 年末12月31日にユーロドルは1.3660まで上昇、ドル円は102.32まで下落(ドル円の安値は12月2日の101.83)したものの、年始からドルが買い戻され、特に英ポンドを初めとする欧州通貨に対して反騰した。ユーロドルは1月7日に1.3025、ドル円は1月6日に105.19までドルは続伸した。それでは、このドル上昇の理由は何であろうか?
 実際のところ、特に何の大きな政治、経済情勢の変化があったわけでもなく、市場を揺るがす要因が見られたわけではない。昔から相場のことは相場に聞けという格言があり、年末年始の動きをやたらとファンダメンタルズの変化をもって説明しようとすると、やはり無理がある。そういう意味で、特に投機性の高い「金融商品」である外国為替はマーケットの流れを後から説明、「後講釈」をせざるを得ないのだろう。
 そうは言っても、やはり、何らかの要因は見出されないのか?まず大きな要因は年末にかけて積みあがったポジション調整といったところか。「米国の双子の赤字」を材料にドルを売り込んだ市場参加者のポジションが2005年の開始と共に、一部あぶり出されたといったところか。短期プレーヤー達は損益を毎日時価評価しているだけに、プライスが2〜3%も動けば、損切り(利益確定)をしてくるのは当然の行動である。特にマーケットの流動性が落ちてくると、そういった損切りオーダーを狙って一部投機筋が仕掛けてくることは昔から大いに繰り返されてきた。
 それでは、「きっかけ」「口実」は何であったのか?一つ考えられるのは、金利の動き。特にユーロについては、昨年12月の時点で政策金利の水準が米欧で逆転した事実の意味は大きい。とは言っても、逆転と同時にユーロが下落始めたわけではなく、かなりのタイムラグを伴った。いつもそうであるが、為替市場でポジションを張っていると、実際の客観的相場・経済要因が自分の思惑通りに変化があっても、むしろ相場そのものは、必ずしもその思惑通りに動くことはない。もちろん、突拍子もないニュースがあればその通りにいきなり反応したりすることもあるが、それは珍しいケースだ。時には、数時間、数日、数週間、否数ヶ月ズレることだってある。後で「何だ、やっぱり最初に思った通りの動きではないか。」と後で悔しい思いをすることは日常茶飯事である。
 だからこそ、メインのトレンドで勝負する時には、根っこのポジションは小さめにしておいて、目先の動きに振り回されないように工夫する必要がある。短期日計りディールは極めて投機性が高いので、成功の可否は、ディーリングテクニックが占める度合いが高い。「戦略」よりも、「戦術」といったところが重視される。
2004年12月28日(火)
ディーラーとしての執念

 昔、邦銀でディーラーをやっていた時のこと。1980年代後半であったか、ニューヨーク支店でのこと。為替班チーフディーラーはディーリングの世界に入ったのはかなり年齢を過ぎていた。しかし、他部門での実績を買われてニューヨーク支店の為替班チーフのポストにおられた。その後しばらくして、あるベテラン先輩ディーラーがロンドン支店の為替チーフから転勤してきたにもかかわらず、その年配チーフの下に入ることになった。私は、ドル円ディーラーとして、同じ為替班にいてこの先輩2人をよく観察させて頂いた。ロンドンから転勤されてきた先輩ディーラーは人望も厚く、親分肌で、ディーラーとしての実績もある。一方、チーフの方は銀行員として出世は早かったが、ディーラー経歴は浅い。バランス感覚がよく、大ボス(ディーリングルームの全体チーフ)のお相手も得意な方であった。当然ロンドンからの先輩ディーラーはどうしても、ディーラーとしては自分のほうが実績があることに誇りも自負もあるのだが、如何せん日本の銀行である為、彼がチーフになるわけにはいかなかった。そこで、彼は、収益で何としても、為替班で最高額を上げるべく大きくポジションも張った。確か、年末であったと思うけれど、ぎりぎりまでポジションを張っていた。マーケットは薄くなるし、トレンドは見られたものの、反転のリスクもあり、相当勇気のある行動をとっていた。そして、年末最終日までポジションを張ったお蔭で、最高の収益を上げられた。まさに「あっぱれ」だった。先輩ディーラーの意地を見た感じがした。現在のマーケットを見ていると、世の中のどこかで同じような境遇でポジションを張っているディーラーがいるように思えて仕方ない。

2004年12月25日(土)
最近のドル相場

 12月に入ってもドル売り圧力は根強い。特に対ユーロでのドル売りは年度末になっても衰えを示さない。各国中央銀行が外準をドルからユーロへの移し変えていること、米国の巨大な経常収支改善の為に、米国政府がビナインニグレクト策的にドル安を容認するとか、地政学的なドル売りリスクは依然として残っている、原油の決済通貨がユーロにシフトされるとの話が絶えない等々の要因、口実がヘッジファンド等を中心にドル売りを継続させているのだろう。中国RMBの切り上げ観測が特に対円でのドル売り圧力にもなっている。
 どれもこれも、確かに後から聞くと納得のいく「材料」に聞こえはするのだが、個人的には、今ひとつ理解に苦しむところもある。今年途中までは、米国の金利引き上げ観測や、堅調な米国経済ファンダメンタルズ、日本の巨大な財政赤字等弱いファンダメンタルズ等々を背景にドルが買われていたのに、10月以降、一気にドル売りが活発になってきたわけだ。米国の株価は堅調地合いを保っており、もたつく日本の株価に比べるとはるかにしっかりしている。日本の財政赤字は、先進国の歴史では前代見聞の水準に達しているし、凄まじい超低金利が何年もの間続いたままである。これも有史以来の最低のレベルである。
 しかし、現在は誰も指摘しない。きっと、ドル円が
上昇始めると、そういった「円売り要因」が一躍脚光を浴びるのだろう。それまでは一休みといったところか。為替市場というのは、通貨と通貨の相対的な価値を決める市場であるだけに、極めて投機性が高く、時に不可解な動きをする。しかも、24時間、年中休まず動いている。昨日は、ニューヨーク市場では金利、株式市場は休場ということで、まったく動きはなかったが、為替市場は動いていたわけだ。
 その理由の一つに電子ブローキングの
影響もある。24時間、世界中のどこからでもアクセス出来てしまうからだ。為替ディーラーは実にタフな仕事である。金利、株式、債券市場の参加者に比べて、絶対的とは言えないものの、かなり厳しい世界である。しかも、「勝てば官軍」、相場の世界に生きている以上は、何の言い訳も許されない。面白いし、チャレンジングであるが、冷酷な世界である。

2004年11月8日(月)
ドルが急激に下げてきた背景

 「後講釈しやすい相場ほど、実践は難しい。」と言われるが、敢えてこの最近のドル相場を後講釈すると、以下のような説明も可能かと思われる。

1)日米欧共に、景気減速感が広まる中、弱い米国経済指標を理由に金利引き上げペースが弱まるとの観測も出現、相場が膠着化していた。

2)米8月の証券投資統計や、FRB高官の発言をきっかけに米国の経常収支赤字に市場の関心が移行した。又、中国人民元の切り上げ圧力が再び高まった。原油高が米国景気減速懸念へと繋がり(米国は日本よりもエネルギー効率が悪いとの分析もある)、米大統領選を前に不透明感が広がった。 その結果、レンジ相場に慣れていたこと、ヘッジファンド等の市場のポジションがレンジ相場に合わせ たものであったことから、反動が入り、溜まっていたエネルギーが一気にドル売り方向で噴出したわけだ。オプション絡みで相当の損切りが一方向への動きを助長したものと思われる。

3)ドル円相場に関しては、原油価格の高騰と中国のハードランディング懸念から市場心理は円に対し て極めて弱気になっていたと言える。もっとも、対円でのドル下落幅は他通貨に比べて小さなものに留まっている。当局の介入警戒感や、原油相場の日本に与える影響が材料視されている影響だと推測される。

4)尚、ドル実効レートと米国経常収支の関係は約2年半程度のタイムラグをもって相関性が存在することが確認されており、2002年以降米国で経常赤字が拡大したことから推測して、まだドル売り圧力が継続するものと予想される。

 相場の流れを振り返るとざっとこんなものであろうか。
特に相場が膠着していたという事実の意味は大きいと思われる。市場参加者はどうしても、目の前の相場の動きに影響され、それこそ、知らず知らずのうちに市場のセンチメントを自らの「潜在意識」の中に吸収していくのである。そうして、理屈でもって講釈を始めた時、自らを洗脳してしまうのだろう。相場と言うのは実に恐ろしいものである。もっとも、、普段から相場を「任運自在」に冷静に見つめることが出来る極少数の人達が存在するのも事実である。

2004年11月3日(水)
ドル相場

 最近、なかなか「相場日誌」に書き込めなく、申し訳ないと感じています。今後は出来るだけ努力をして書けるようにします。
 それにしても、ここ最近のドル下げには恐れ入った。それでも、後から振り返ると、やはり時間的にはある程度リズムに合った上げ下げを繰り返していると分析出来るから興味深い。今回で言えば、ドル円、ユーロドル共に、25〜26週を達成するまでは一相場が「終焉」(まだ決定ではないが)出来ないということが分かる。幾ら価格的には上下しても、時間的に、ある一定の時間を経過しないと、相場は終わらないということ。これは極めて重要なことだと思う。しかも、60分単位でも、同じことが言えるわけだ。まさに、「フラクタル」(相似)なわけである。世の中には時間の単位は違っても、同じ形状を描くことが発生している。相場についても同様の現象が生じているわけだ。

2004年10月24日(日)
ドル相場

 今週は極めて重要な分岐点になる可能性を秘めた週である。ドル円、ユーロドル相場、共に、25〜26週という重要時間サイクルに影響を受ける週であるからだ。しかも、今月の最終週でもあり、月足の分析の上でも、重要である。特にドル円は107円を割り込んでいくとなると、「景色が変わる」ほどの変化が生じるかもしれない。もちろん、今のマーケットセンチメントから言うと、少々のオーバーシュートはあるだろうから、それほど、ピンポイントに拘るのは危険であるのは言うまでもない。「陰の極」か、「相場の始まり」か、いよいよ決着がつくかもしれない。

2004年10月7日(木)
ドル円相場中長期予測

ファンダメンタルズ要因
  1)日米金利差
    日米共に景気が減速してきたとは言え、米国の成長率の方が高い。
    FRBによる金利引き上げ(修正利上げ)局面は続行中。

  2)原油価格
     日本の原油依存度が高いこと、及び、エネルギー効率の悪いアジア経済が減速すれば、日    本経済が影響を受けやすいこと。当面、原油高トレンドが終息しそうにはないこと。原油相場   と円相場の相関性が高い(原油高=円安、原油安=円高)こと。

  3)日本の財政赤字問題

    他国比大幅に悪化している財政赤字問題が日本の長期金利先高観につながり、債券投資収支において外国人の処分売りが予想されること。

  4)日本経済への過度の期待の反動が予想されること。そして、今回のG7後、中国元や円への切り上げ圧力が要因的にはマーケットに消化し尽された感があること。

テクニカル要因


  1)長期時間サイクルからは、1999年11月の安値101.25円から2002年1月の高値135.20円までが27ヶ月。この高値から今年2004年3月の安値103.40円までが同じく27ヶ月ということで、対等時間に相当する。その後、持ち合い相場が続いているわけだが、三角持ち合いの展開も次第に収束してきている。

  2)52週移動平均線の方向が今週上向く可能性が高まっている。これは2000年9月後半に52週移動平均線が上向いて以来であるが、当時も今回と似ていて、三角持ち合いを続けた後、52週移動平均線が上向くのに呼応するかのように上離れた。

  3)13週移動平均線と52週移動平均線とのクロスであるが、今年2004年7月に52週移動平均線を13週移動平均線が上抜いた(クロスした)。同じような展開が2000年7月に発生しており、当時は一旦上抜いた後は、52週線への押しが絶好の買い場を提供した格好になった。

  4)NEW一目均衡表週足によると、4週前に陽転しているが、同じような動きが2000年9月に発生している。どちらのケースも、陽転する前の陰転時代(期間)はほぼ同時間となっており、ダマシが発生していない。

 需給要因

     財務省発表の国際収支統計を分析してみると、株式投資収支(証券貸借取引を除く)が2000年の約2兆4千億円のネット出超(円売り)から2001年の約2兆5千億円のネット入超(円買い)へ転じているにも関わらず、中長期債投資収支(証券貸借取引を除く)にて2000年の約7千億円のネット入超(円買い)から2001年の約9兆6千億円のネット出超(円売り)に転じたことが大きく為替需給に影響を与えている。結果として、対円でのドル買いにつながっている状況証拠が見られるわけだ。

     もっとも、経常収支にて日本の大幅黒字が見られる(2000年は約12兆6千億円、2001年は約11兆円 )ので、基礎収支、総合収支共に、大幅黒字であることに変わりはない。ただ、輸出、輸入に占める外 貨建ての割合が相当程度異なる為(輸入の方が圧倒的に外貨建てが多い)、それほど単純には黒字幅だけで相場への影響を説明することは出来ない。

      いずれにしても、マーケットでよく指摘されている外国人の日本株買いを過大に評価して「感覚的に」 円買いが多いと判断するのは多いに危険である。私自身、経験から言えることだが、需給でもって相 場の方向性を予測するのはあまりにも困難だ。それこそ、ヘッジファンドのポジションまで含めて広義の 為替需給を見なすならば、とてつもない膨大な資料、情報を集めなくてはならず、現実論として、不可能に近いし、相場に乗り遅れることになり、お奨め出来ない。それにしても、為替相場予測ほど困難なものはないとつくづく思う。

2004年10月2日(土)
相場に勝つということ

相場に勝つということはどういうことだろうか?
相場の動きを予測出来ることだろうか?
明日の相場が上がるか、下がるか、来週の相場が上がるか、下がるか、「当てる」ことだろうか?
相場の世界に生きている人は、基本的に「博打」が好きなはずである。しかし、同時に、相場の裏にある、ロマン、夢を追い求めることに生きがいを見出している人でもある、と思う。私自身、相場は実に深いと思うし、将来(これからの数分後も含めて)の相場を予測することに大いなる喜びを感じていることも事実である。
 しかし、相場に勝つことの意味は、やはり、相場でお金を残すことであろう。相場を楽しむだけであれば、別に損をしようが、儲けようが、その瞬間が楽しければ良いのだろうと思う。しかし、私は、やはり、お金を残せて始めて相場に参加していることを実感出来ると思うし、喜びを感じることが出来るのだと思う。
 人生を楽しむために、相場に参加している自分としては、やはり、刹那的に博打感覚で相場を行うことは出来ないし、そんな経済的余裕もない。相場をやりながら、世の中の政治、経済情勢を知る喜びを感じれることはこの上ない幸福である。しかし、やはり、お金を残せて始めて、相場をやって良かったと思うと、正直思う。だから、相場を面白おかしく語るだけの人は心底信じることは出来ない。お金を如何に残せて、人生を楽しく、過ごせるかのノウハウを人に伝授出来る人になれればと思う。

2004年9月23日(木)
一目均衡表と遅行スパン

 私は一目均衡表を研究しながら、益々その分析の深さに感銘を覚えたのを思い出す。一目山人翁は「スパン」と称してその膨大な著作の中で多くのページを割いている。彼の分析の中心は「時間分析」であり、その意味で「スパン分析」なわけである。転換線、基準線は確かに重要かもしれないが、私なりの解釈では、スパンであり、その中でも遅行スパン、先行スパンの分析は一目均衡表の理論体系の中でも中核をなすものと理解している。そして、この遅行スパンの威力は恐ろしいほどである。その重要性は幾ら強調してもし過ぎることはない。そして、この遅行スパンと先行スパンの位置関係も常に注意しておく必要がある。それこそ、四六時中眺めていても意味があるかもしれない。本来チャートと言ってしまうと、大雑把過ぎるが、日本が世界に生んだ一目均衡表理論の偉大さはエリオット波動理論と並んでこの世の真理の追究の結果であったと理解して良いのかもしれない。

2004年9月19日(日)
日経225の分析と予測

 日経225は、9月9日の掲示板にて分析、報告したように、9月8日の高値11357.85円は重要なポイント(価格、時間両面において)と判断している。その水準を抜けるまでは、下値リスクが存在し続けると思っている。21日ボリンジャーバンドに関しても、収束しており、又、MACDは下降トレンドを示している。時間分析としては、週足にて大雑把ではあるが、8週下げた後、4週上昇した格好となっており、その4週目、及び5週目のローソク足の形状から判断出来るように、上値を試しては重さを確認した格好(上ヒゲを残している)になっている。そして、前週の高値、安値を抜けずに推移した後だけに価格的に見て今週のポイントはまさに先週の安値である、11046.10円を抜けるかどうかにかかっている。抜けずに上昇に転じた場合は、もちろん先週の高値がポイントとなるが、相当良い材料が出ない限り厳しそうだ。尚、最近気になっている週足一目均衡表の遅行スパンは依然として、下方リスクを抱えている点は引き続き指摘しておきたい。

2004年9月19日(日)
ドル円相場予測

 ここ最近のドル円相場を分析した上で、今後のドル円相場を予測してみたい。
 まず、私が重視している、オリジナルのニュー一目均衡表によると、先週週足ベースにて、陽転を確認している。今週も引き続き、相場トレンド転換後の2週目となる。ボリンジャーバンドにおいては、日足、週足にて収束しており、エネルギーが蓄積されていることを証明している。MACD(個人的には重視している)に関しては、日足、週足、月足共に、ぎりぎりのライン上ではあるが、上昇トレンドを継続中。
 さて、もう少し、細かいところを見ていくと、
ここ数週間のローソク足からも見られるように、前週の高値、安値を越えたり、割れることなく、はらむように展開している。即ち、いつもポイントとして挙げているように、来週、今週の高値を越えるか、安値を切るかによって、一つのサインを表してくると判断して、一旦は「離れにつく」ことに妙味があると判断して良さそうだ。上記の幾つかの指標から上に抜ける(ドル上昇)可能性が高いとは思われるが、拘りは禁物。
 尚、来週は103.40の安値を
つけた週から26週目にあたり、時間サイクルから判断して重要な週であるのは言うまでもない。このように見てくると、来週は転機の週になる可能性が高いとみて良さそうだ。最近、動きが鈍く、レンジも狭まっているだけに特に要注意しておきたい。

2004年9月12日(日)
相場日誌

 相場日誌というからには、本来毎日書くべきものかもしれない。しかし、現実には無理な状況で、その代わり「掲示板」だけでもアップデートするようには努めている。ホームページのアクセスカウンターが毎日少しずつ増加しているのを見るだけでも、正直、幸福な気持ちを覚える。画面の向こうに「ファン」の方がいると思うだけで、元気が出るものだ。多分カウンターの数値にほとんど変化がなければ、率直に言って、書き込めないでいるかもしれない。最近は、自身、職場にて難題を抱えており、目の前のマーケットを追うのも辛くなる時がある。職場でどんなに嫌なことがあっても、マーケットのことを書いている時は至福の幸福感を覚える。多分、マーケットで生きてきた人は皆そうなんだろうと思う。市場の動きには所謂「トラップ」なるものが存在するのは周知の通りだ。特に最近の動きには目立つ感じがする。越えるとトレンドが変化すると思われる水準を越えたにも関わらず、翌日には元に戻るとかいうのはざらだ。こういう「トラップ」なるものも、相手が市場、マーケットであると思うと、何だか、許せるような気がする。一方、人間社会というのは実に複雑だ。「トラップ」だらけである。そして、どうしても許せる気分にはなれない。どうして、こんな不条理なことが世の中に存在するのかと思うと、無念の気持ちになる。人間社会に「相場」なるものが存在するとは考えにくいが、「損切り」に相当するものがあるとすれば、早めの損切りがこちらの命を縮めない唯一の策かもしれない。

2004年9月3日(金)
相場の心構え

 相場に関する本が溢れている。相場のテクニカル分析、ファンダメンタルズ分析、さらに相場に参加するにあたっての心構え等々きりがない。しかし、色々な本を読んで、見て感ずることであるが、果たして本当の意味で相場に生きてきて、キャリアプロフィットを十分なプラスにして、相場の実践に基づいて書かれた本がどれほどあるのだろうか?いつも思うことであるが、終わった相場のことを後講釈的にくどくど説明するのは所詮国語力があるかどうかであり、相場を究明しているかどうかとは全く別の次元の問題である。損切り、一つをとっても、多くの過去の生の体験に基づいた上で、さらにその人間の心理、背景まで探求した分析は少ないと思う。昔、一目均衡表の創始者である一目山人翁が、高齢になった時に、世の中で一目均衡表理論が勝手に一人歩きしていることを危惧されて、正しい理論をこの世に残そうと思われて書物にされたと自筆されている。一見単純明快に読める、見えるだけに誤解が生まれにくいとされている一目均衡表理論でも実際には全く歪んで伝わっているわけである。私の尊敬する友人がくれた小林秀雄氏の講演CDの中で小林氏が世の中の人は原著作を読まずして、借り物の知識でうわべばかりで知ったふりをしていることを非難されていた。全くそうだと思う。テクニカル分析一つとっても、奥深いものがあり、そのことを探求して一つの真理として自分の信念の一つにまでもっていかなければ利用することは危険すら伴うのだろうと思う。何事も、「本物」に触れて初めて語れるのだと思う。

2004年8月28日(土)
ドル円相場分析

 ドル円日足は、金曜日、下ヒゲをしっかりとつけて高値圏に引けたものの、週足で見ると、上ヒゲの長さも気になるところ。遅行スパンについては、日足、週足いずれも、ドル上昇トレンドをキープした位置関係にある。時間分析については、まず先々週の安値である108.95に対して、先週の安値109.01ということで、いつも注目している1単位前の安値(高値)を割れずに推移していることから、上昇トレンド継続と判断出来る。6月24日の安値107.02をつけた週から、安値108.95をつけた先々週までが9週であり、その9週目の安値108.95を先週割り込まなかったことは注目。
 要するに上昇トレンドを継続する条件を保ち続けていると判断出来る。
移動平均線に関しては、55日線に絡みながら推移、中期トレンドのシグナルである55日線との攻防をしている最中にある。長期トレンドを表す200日移動平均線の上方に依然位置しており、長期上昇トレンドの中の中期トレンドの確認中といった感じである。21日ボリンジャーバンドのマイナス1σをぎりぎり越えて引けている点も下値はサポートされていることを示している。
 総合的に判断して、先週は下値を確認する週で
あったと判断され、30日以降の来週、109円を割り込むかどうかで、目先のトレンドが続くかどうか、確認出来るであろう。遅行スパンの位置関係から判断しても、109円を割り込んで引けると下値リスクが高まると言える。言い換えれば、109円をクリアーに割り込むまではドル円ロングキープといったところか。
 最近のような相場を目にすると、どうしてもポジションを
キープすることに我慢出来なくなりがちであるが、往々にして相場が大きく動く前というのはこういったものである。心理戦といったところだろう。

2004年8月22日(日)
ドル円相場の時間、価格分析

 ここ最近のドル円相場の価格、及び時間分析をしてみたい。
 1)価格分析であるが、6月24日の107.02から7月29日の112.49まで5.47円上昇、その後、先週末8月20日に108.95にかけて3.54円下落。上昇幅5.47円の64.7%下げたことになる。
 2)時間分析であるが、6月24日の安値107.02から26日かけて7月29日の高値112.49まで上昇、ここから17日かけて先週末安値108.95をつけている。即ち、26日65.4%の時間でもって、押しを入れていることがわかる。
 価格、及び時間共に、65%(3分の2)の変化幅でもって上昇から下降に
転じて先週末を迎えたわけである。以上から先週末は節目の価格、時間であると判断出来る。
 3)一方、遅行スパンは日足、週足共に、今週月曜日以降、上昇を暗示している。先行スパンとの位置関係も踏まえると、109円以下で引けてくると、下値リスクが高まることが予想されるものの、恐らく、市場は週末の終わり方からセンチメントはベアに傾くと予想される。こういう時が、一種の「罠」であると思われる。任運自在に対処したい。

2004年8月10日(火)
日経225とドル円相場
 日経225とドル円相場の動きを昨年11月以降について分析してみた。
 ここ最近指摘されているように、円高=株高、円安=株安の相関関係が存在している。日本株への外国人投資家の動きを要因とする需給要因とそれに伴う思惑等が重なりあって動いているものと分析出来る。
 ところで、価格、並びに時間分析であるが、
1)11月19日の安値9614円から1月20日の高値11193円まで39日、そこから2月10日の安値      10299円まで16日。即ち、上昇に要した時間日数39日の41.0%でもって安値をつけている。
2)2月10日の安値10299円から4月15日の高値12189円までが47日、そこから517日の安値     10489円までが19日。即ち、上昇に要した時間日数47日の40.4%でもって安値をつけている。  ここで、高値を4月26日の12195円にとらない点が注意。
3)5月17日の安値10489円から7月14日の高値11664円まで43日、そこから8月9日の安値10737円  まで18日。即ち、上昇に要した時間日数43日の41.9%でもって安値をつけている。先程と同じ  く、高値を7月1日の11988円にとらない点が注意。
 以上から、ボトムボトムサイクル分析から、日経225は当面の安値をつけた可能性が高い。逆に言うと、ここからさらに続落すると、中期的に下げる可能性が出てくる、と判断出来る。
 今夜のFOMC後にドル円が下げると、日経225が上昇するパターンになり、逆にドル円が上げると、日経225が下落するパターンになる可能性が高く、今日、明日の動きが非常に重要だと言えよう。本日はドル円の直近高値から9日目であり、短期での節目である。先週の安値109.82を割り込まないで、今週の安値をとった後、明日以降本日の高値を越えて上昇すればドル円は意外と押し目が浅く、早くも上昇に転じるかもしれない。逆に、ドル円が109.82を割り込むか、明日以降、本日の安値を割り込んでいけば、続落の可能性が高まろう。日経225がその影響を受ける可能性があることは言うまでもない。
2004年8月5日(木)
相場は諸行無常

 8月の相場は怖い。1990年以降の外国為替相場で言うと、1990年の8月に入ってすぐにイラクのクエート進攻があり、ドルは急騰した。1991年の8月半ばには、ロシアのクーデターがあり、同じくドルが急騰、特にマルクに対して急伸、長期ドル下げトレンドの中でドルショートポジションを持っていた連中がことごとくスクイーズにあった。私もその一人だ。記憶では確か、8月19日の月曜日に夏休みをとっていて、車で家族とドライブ中に何とFM放送の中で当時のゴルバチョフ書記長の逃亡のニュースが流れてきたのを聞き、思わず、電信柱にぶつかりかけたのを覚えている。ドルマルクのショートポジション20本だけ持って安心して休みを取っていたのだが、急いで車を安全なところに止めて、自分の銀行のディーリングルームに電話して上司に尋ねた時、「ポジションは仕方なく切っておいたから。」と上司に言われ、全身の力が抜けていったのを今さらのように思い出す。1998年に147円のドル高値をつけた時も8月11日だった。その後の何十年に一度しかない大波乱相場が始まったのは誰でも知っていると思う。
 
というわけで、8月の相場は怖いのである。市場参加者が減少するというのもあるが、理由は何であれ、高値、安値をつけることが多いのである。決して油断は禁物である。こういう時期だから、手を出さないという人もいると思うけれど、大きなチャンス到来でもある。12月はクリスマス休暇などがあって、同じくマーケットが薄くなり相場が荒れることも多いが、逆にその後にはっきりとしたトレンドが生まれることも多いのは歴史が示している。何となくマーケットに手を出さないとか言う前に、しっかりと相場を観察して、タイミングを逸しないように努めたいものである。それが、プロの相場師としての最低の心掛けであろう。

2004年7月30日(金)
相場予測

 最近は多忙ということもあって、なかなか相場日誌を書けないでいる。一日に一度は掲示板に書き込むようにはしているが、「多忙」なんて、所詮言い訳になってしまっている。銀行の自分の机の前にはブルーンバーグやらロイターモニター、会社のPCインターネットなど色々と情報ソースは見ているが、その中でも、為替のコーナーは情報端末の隅っこのほうである。それでも、本能的に関心は常に向いており、レートの動きは自然と追いかけてはいる。やはり、何年もやってきた自分の好きな「金融商品」であるからして、無理をしなくても頭にすっと入ってくるようだ。
 それにしても、為替相場というものは
よほど根気、根性がないとマーケットを追いかけることは出来ないと思う。一日24時間動いているわけであり、まして、その結果収益を上げるなんてことは、いつも思っていることであるが、「至難の業」である。極端なことを言うと、世間の逆をやっていれば相当収益率は上昇するのではないか、と思ってしまう。特に東京タイムはそうだ。朝一番に見聞きする、メディアを通じてのディーラーのその日の相場観なんて、ほとんど「当たった」ためしがない。夕方に見聞きするコメントも後講釈ばかりだ。ある意味仕方ないようにも思える。大体相場が動き出してから、強そうだとか、弱そうだとか、何となく感じて、ポジションを張ってみるディーラーが多いわけで、その日の朝一番からしっかりとした相場観を持った者など極めて少数なのが現状だからだ。だから初めからそういうものだと理解した上で聞けば、何も腹を立てるほどのことでもない。
 私は、本来、短期だとか、中長期だとか相場を不連続に捉えることはしない。
全ての相場には波動があり、「ある大いなる力」によって動いており、何らかの法則が存在すると理解している。相場は心理戦だとかいう人はいるが、もっともっと深いものであると思う。相場に勝つことと、お金を残せるということは違うものと理解しているが、相場を予想することとはかなり隔たりが存在すると思っている。単なる「相場予想屋」に成り下がらないようにしたいとは心がけているつもりだ。そして、為替ディーリングのみならず、相場の世界で長きに亘って儲け続けられる「術」を考え出すのは自分の永遠のテーマだと思って、日夜マーケットと「にらめっこ」をしている。

2004年7月18日(日)
相場分析

 人それぞれ、自分の相場分析手法をもっていると思います。ファンメンタルズ分析重視派、テクニカル分析重視派、両方を分析しながら最後は自分の感覚でディールする人、千差万別だと思います。要は、自分の手法を確立した上で、信念をもって、自分を信じて、リスクを取る覚悟があるかどうか、だと思います。ほとんどの人たちは、結局は周りの意見等々に左右され、何となく納得のいかない結果に終わっているのではないかと思います。もちろん、かく言う私もその一人です。いつも反省の連続です。それでも、少しずつ前進していっているのではないかと、プラス思考でやっております。
 ところで、今まで、テクニカル分析を突き詰めてきた中で、特に重要な分析手法だと思っている中に、一目均衡表の中の「遅行スパン」があります。一目山人翁もいみじくも仰っているように、彼の膨大な分析体系の中でも「スパン」、特にその中でも「遅行スパン」は重要だと指摘されています。日足との関わり、先行スパンとの関わりはもとより、遅行スパンそのものだけでも、分析の対象として深いものがあります。日本が生んだ世界的にも最高水準の分析手法の奥義をまだまだ探求し続けたいと思います。

2004年7月12日(月)
ドル円相場

 ドル円ブル派にとって重要なサポートポイントは、やはり一目均衡表の遅行スパンが先行スパンとぶつかるレベルであろう。本日現在では107.87である。この水準を割り込んでニューヨーク市場を引けてくると、黄色信号が灯る。そして、やはり107円ミドル割れ、そして、6月の安値である107.02を割り込むことはどう見ても赤信号である。逆にそこまでは押し目買いのスタンスでも良いのではないかと判断している。毎日逆張りして結果として儲けるというのはあくまで「結果論」。やはり、自分のポジションを張る方向は基本的に統一しておくのが良いと思う。もちろん、60分足で勝負して、夜も寝ずにディールするのも勝手ではあるが、体が持たない。
 以前、親しかったディーラーは何処の組織にも属さず、自己ポジションで連日連夜勝負していた。
為替だけでなく、株式も相当な額のポジションを張っていた。よく私に電話をくれたものだ。女性であったが、人間的にも大変魅力のある方だった。私に株式相場、それもJASDAQの面白さを教えてくれた恩人でもある。その彼女が亡くなったのは1999年秋のこと。40歳になるかならないかで世を去った。全く信じられなかった。その夏に人間ドックも受けていたのにもかかわらずである。それにしても、人間の運命、否、宿命というのは分からないものである。彼女については、又の機会に触れてみたいと思う。

2004年7月5日(月)
ドル円相場分析

 ドル円相場のメインシナリオは、以下の通りと考える。
 3月31日の103.40が今年の安値であり、最初の一波が114.90まで。この1波の天井から107.02までの押しが2波。今後3波に入っていくものと考える。そして、このシナリオの見切り損切りポイントは、107円丁度のところ。本日時点で、ニューヨーク時間午後5時(休日ではあるが、24時間マーケットはオープンしていると判断)にて、108円台半ば以上であれば、強気のサインが又一つ増え、109円丁度以上で引けると、確率は一段と高くなる。市場のコンセンサスからは離れた相場観だけに、ちょっと勇気の要る判断ではあるが、少々違っているのも、逆に参考にしてもらえるのではないかと敢えて書いてみる。「掲示板」にも述べたごとく、ドル円の需給は外国人投資家の動きを抜きにしては語れない。もちろん、ニューヨークダウの動きも重要だけれども、世界中をお金が一瞬にして回る世の中だけに、今まで積み上がったポジションの傾きは大きい。債券の動き、株式の動き、ゴールドの動き、原油相場の動き、全て密接に絡み合っている。もちろん、金利市場も言うまでもないことだけれど、これに関しては、米国金利高を織り込み過ぎた感はあり、反動からはドル売り要因の一つと言えよう。

2004年6月30日(水)
FOMC、日銀短観

 いよいよ、今夜(早朝)FOMCと明日の朝に日銀短観の発表を迎える。まさにメインイベントだ。それも月末月初に重なるという、時間サイクルを重んじる自分にとって、何か因縁めいたものさえ感じると言えばちょっと言い過ぎか。いまさらエコノミスト、アナリストでもない私がFOMCの予想を言っても意味はない。
 ただ、一つ言えるのは、今回の金利引き上げに際して、過去に比べて、
あまりにもマーケットが先を織り込み過ぎている感がある。いや、実際上、FFレート先物を見てもそうだし、米国2年債のイールドが現時点のFFレートを1.8%程度も上回っているということ事態が過去の数値と比較しても行き過ぎているのだ。もちろん、現在のFFレートが歴史的にみてあまりにも低いのは事実だ。だからこそ、「金利を上げる」のではなくて、「金利を元に戻す」と言うのももっともな論理かもしれない。それ故に、今回はマーケットが先を織り込み過ぎているように見えるのかもしれない。
 いずれにしても、これだけ、金利のポジションが出来ている以上、反動も相当程度あるのではないかと予想してしまう。上げ幅と同時にFOMC後の声明が注目されているが、依然として「慎重な(Measured)」と言う単語が使われるか、さもなくばそれに順ずる単語が使われるとしても、金利の反落が予想される。ならば、ドル売り、株高、そして、東京市場でも株高、円高、というシナリオになるかもしれない。まして、かなり強めの数字が予想されている日銀短観も控えているわけだから、反応は倍増と言った感じだ。
 はてさて、逆の場合も考えられる。声明文も今後の積極的な金利引き上げを匂わせるものであったりすると、市場は盛り上がっているだけに、一気に先の先まで織り込みにいくだろう。そういう時に限って、日銀短観も意外に弱かったりする。すると、やはりドル高、株安、円安というシナリオが描きやすい。今の相場の流れからいくとドル高に見えるのだが、株についても、月足の遅行スパンがどうも気になる。反落の可能性があるからだ。兎にも角にも要注意だ。

2004年6月25日(金)
ドル円時間サイクル分析

 ここ最近のドル円相場の時間サイクルを分析してみたい。
 今年2月以降、大きな逆V字型のボトムボトムサイクルが見受けられる。
2月11日のボトム105.16から3月8日のトップ112.34までが19日、このトップから3月31日のボトム103.40までが18日。以上を第1逆V字波動とする。
 そして、この3月31日のボトム103.40から5月14日のトップ114.90
までが33日、そしてこのトップから昨日6月24日のボトム107.02までが30日。これを第2逆V字波動と見なすことが出来る。
 しかも、この最初の第1波動の
19対18の比率は第2波動の33対30に呼応する。(正確には33対31になって本日前日の安値を割れるとぴったりといったところだが。)比率からは、非常に意味のあるサイクルに来ていると言えよう。即ち、少なくとも当面のボトムが近づいていると考える一つの根拠と言える。 一方、一目均衡表の日足遅行スパンが先行スパンをぎりぎり割れずに反発していることは重要。
 以上から、少なくとも目先はドル円の下げリスクは
和らいだかもしれないと判断出来そうだ。逆に来週月曜日以降、今週の安値を割れていくと大きく下げていくリスクは高まる点は否めない。

2004年6月16日(水)
今後のドル円相場の「材料」について

今後のドル円相場を予測する上でポイントになる点は以下の通り。
1)為替需給面から外国人投資家の円資産取得、処分の動向
2)米利上げ観測と米国経済ファンダメンタルズ
3)原油価格や商品相場
4)中国の金融引き締め観測の行方
 個別に見てみよう。(1)に関しては、財務省公表の対内証券投資収支から判断すると、株式は、4月以降、公社債は3月以降、外国人投資家の処分が目立っている。歴史的には、特に株式や公社債の投資収支動向とドル円相場との相関性は高く、ここ最近の動きは円売りが優勢になっている。背景の一つとして、米国低金利を利用してグローバルキャリートレードを行ってきたヘッジファンドや投資家が米金利引き上げ観測をバックにポジションを整理していることがある。この点は(2)にも関連することであるが、米国の超金融緩和局面は一旦終了して今月末のFOMCにて金融引き締め局面に入るというのはコンセンサスであり、市場参加者の織り込み度合いが短期的にみて相場波乱要因となっている。グリーンスパンFRB議長は市場の反応を探りながら、モニターしてゆくと思われるが、金利高ドル高の構図である点には変わりないだろう。同じ金利面では(4)の中国の動向が気になるが、中国元の切り上げ思惑などを背景に大量に中国に流れ込んだ投機資金がここ最近の中国利上げ観測でポジションが傷んでいると思われる。(1)にも関連することだが、そういったホットマネーがアンワインディングされ、自国回帰になる局面でドル買い(乃至はユーロ買い)需要が発生する可能性はある。(3)の原油価格の動向は、サウジ情勢が懸念され地政学的リスクが依然高く、今秋にかけて上昇圧力が存在し、やはりドル円相場を下支えする要因の一つとなろう。総じて、ドル円上昇圧力が下落圧力を上回ると予測しているが、リスクシナリオとして、イラク情勢、米国におけるテロの危険、米大統領選動向、米FRBの利上げペース(予想以上に遅れる場合)などがドル売り(波乱)要因として存在し続けると思われる。

2004年6月13日(日)
ドル円相場時間分析

 右往左往しているドル円相場であるが、ここで少し、現在のドル円相場を時間面から認識してみたい。 まず、3月31日の103.40の底値から、5月5日の108.33の押しまで、ボトムボトムサイクルで26日。この108.33から6月9日の108.66の押しまで、同じくボトムボトムサイクルで26日。又、3月8日のトップ112.34から3月31日の103.40までの下落に要した日数が18日。 一方、5月14日のトップ114.90から6月9日の108.66までの下落に要した日数が19日。即ち、下落に要した時間はほぼ同じである。
 以上から、
先週の6月9日の108.66は時間的にみて単なる押し目ではなく、意味のある底になる可能性を持っている。逆に言うと、先週の安値でもある108.66を割り込むと、下値リスクが大きくなるということである。
 もちろん、全体観としては、103.40からの上昇トレンドの
中での調整局面であるとの見方には変わりない。一方、先週の高値、110.90を越えると、上昇トレンドに勢いがつくと判断して良いだろう。

2004年6月5日(土)
日米長期金利差とドル円相場

 昔から、日米長期金利差がドル円相場に影響を与えることは広く知られている。一般的に、10年物国債利回りで日米金利差が3%以上拡大すると、本邦機関投資家の外債投資が活発化し、その結果、ドル円相場を押し上げる要因として働くと言われている。
 ちなみに、先週末金曜日の日本の新発10年物国債である260回6月債は1.595%で引けている。一方、米国長期金利の指標となる表面利率4.75%の10年物国債利回りは、4.77%で引けている。5月の米雇用統計が予想を上回る雇用情勢の改善を示し、6月末のFOMCに向けて一段と利上げ観測が広がった感じだ。ということで、日米の10年物国債金利差は3.175%となっている。
 3月には、米国の長期金利が月央にかけて大幅に低下する一方、
日本の長期金利が株高を嫌気して上昇した為、月中平均でみると、2.5%程度まで日米金利差は縮小した。これは、「運用部ショック」など、日本の長期金利が急上昇していた99年1月にみられた一過性の金利差縮小局面を除くと、96年1,2月以来の低水準であった。ところが、4月に入ると、米国の3月の雇用統計にて非農業部門雇用者数が急増したことをきっかけに、FRBによる早期利上げ観測が高まり、米国の金利があらゆるタームで上昇した。日本の長期金利はやや連れて上昇する場面もあったが、日銀が量的緩和を粘り強く続ける姿勢を鮮明にしていることや、東証株価下落が債券の買い材料視されたこともあり、日本の長期金利は上昇幅が限定的なものにとどまった。結局、その後、日米金利差は3%台前半へ大幅に拡大するに至ったわけだ。
 過去、日米金利差とドル円相場の相関性は高いわけだが(実際に、日米10年物国債金利差とドル円のチャートを合わせて見ると一目瞭然である。)、1999年には日米金利差拡大と関係なく、円高ドル安が進行した時期があった。理由は外国人投資家が大規模な日本株買い越しに動き、円買い需要を引き起こしたことが大きい。最近の動きを見ても、外国人投資家の日本株買いの動向がドル円相場にも大きく影響を与えているわけであり、注視する必要があるのは言うまでもない。
 以上のことから、日米金利差を考えた場合、今後の日米の金融経済情勢を背景に金利差は拡大こそすれ、縮小することは考えにくい。世界的なテロ、それも米国を狙ったテロでも発生すれば話は別だが、当面はドル円相場に対して、ドル円買い要因として働く可能性は高いとみたほうがよさそうである。

2004年6月3日(木)
今後の相場予測

 今後の為替相場はどう展開していくか、昨今の相場要因の材料を簡単に整理してした上で、これからの動きを予測してみたい。
1)米国金融緩和の間に積み上がったグローバルキャリートレードによるポジションの巻き戻しがドルの買い戻しにつながっている。エマージング市場においても債券が値崩れしているのも投資家、ファンド筋のポジション調整に原因がある。米国への資金還流が生じているわけだ。もちろん短期間の調整であれば、所詮、買いのチャンスを提供してくれているわけであるが、予想以上に長引くと判断している。
2)直接の要因は、今年に入ってからの米国雇用統計の改善を初めとする、景況感の改善による米金利上昇であり、最近で言えば、中国の過剰投資抑制の為の金利引き上げ観測である。
3)米国株式市場は年初から「業績相場」の様相を帯びて堅調に推移したものの、米国金利上昇観測の高まりと共に、軟調地合いに転じ、まさに「金利相場」の展開に転換した格好だ。
4)ドル円に関しては、外国人投資家の日本株買いに伴う円買い需要に支えられ、3月末にドル円安値をつけたわけだが、最近は外国人の日本株処分に伴う円売りが目立っている。昨年から今年にかけて政府・日銀による空前の金額のドル円買い介入を通じて米国債が購入されたわけであるが、それが原因で米国債市場が支えられ、金利が低位安定したわけである。3月中旬以降、日銀が介入を止めた途端に一瞬円高に振れたものの、その後円安に転じたのは上記の資金の流れが原因と言えよう。もっとも、相場そのものがオーバーシュートした結果、「陰の極」に達したわけで、その反動でドル円相場も反転した、との見方が直感的なマーケットの分析としては、しっくり理解出来る。
5)今後の相場展開は、ドル円に関しては、今年の安値は3月31日の103.40と判断しており、今後時間をかけて最低でも118〜9円、恐らく122〜3円程度まで上昇があると予測する。即ち、年内一杯はじりじりと上昇基調を辿ると読む。上昇スピードとしては、この夏場に加速する可能性があるので、注意したい。

2004年6月2日(水)
6月相場はどうなるか

 5月相場は調整波であったと判断出来るが、値幅はドル円で50%も出ることになった。押しとしては、よくある程度とはいえ、結果的には6円近く動いたわけであり、ちょっと「もったいなかった」気がする。今後はもう少し丁寧に60分足のNew一目均衡表を利用して、収益チャンスを増やしたいと思う。為替に特化しているわけではないので、どうしても注意散漫になった自分に反省。
 さて、6月相場はどうなるか。ドル反転上昇相場と読む。ドル円は上昇、
そして、ユーロドルは下落、ニューヨークダウは下落、日経平均も下落、米国債価格は下落、イールド上昇、JGBは米金利につられてやや金利上昇。頭の中では、米金利がどんどん上昇するのはどうも理解に苦しむのだが、最近のドル軟化局面でも金利が下がらなかったのがどうも気にはなる。ただ、明後日の米国雇用統計が最重要な指標であることは間違いない。何といっても、今年は米国雇用統計の度ごとに金利が大きく動く。3ヶ月金利が下げた後、2ヶ月金利上昇、Non-farm payroll の数値に素直に反応しているわけだが、こんなに毎回激しく動く年も珍しい。
 
ドル円に関しては、外国人の株式投資収支状況が大きな需給要因になっている。1月から3月にかけては、財務省の国際収支統計を見る限り、大幅な株式投資収支ネットイン、即ち、円買い要因になっている。結果、3月31日に103.40まで円上昇という相場が生まれた。これからの株式投資収支がどう変化するか、大きな材料であるが、それだけに日本株市場の動向には注意したい。世の中はまだまだ株式市場にブルなだけに反動がくると大きいかもしれない。

2004年6月1日(火)
ドル円相場予測

 とりあえず、109円前半の重要サポートの集中する近辺は破られず、下げ止まっている。ボリンジャーバンドの目標値からは、108円台半ばまでの下落リスクは存在するが、中長期スパンの一つの分析対象である、月足をベースにした分析からは、109円丁度を転換レベル(見切りポイント)と判断して、今後の動きを見守りたい。前日の安値、前週の安値を常に意識して相場に臨むスタンスで良いと思う。
 6月に入ったこともあり、月末、月初の高値、安値は相場を占う上で非常に重要である。3月もそうであったが、後で、大きな転換であったということが頻繁にある。かつては、波乱相場の中、値幅を伴って大きく動くことも多かったので、転換点になるケースは多く見受けられたが、最近は、静かな中にいつの間にか相場が転機を迎えていたということがある。注意しておきたい。

2004年5月31日(月)
ドル円相場予測

 ドル円相場は予想以上に押しを入れることになった。正直、ここまで下げてしまうと、中長期予測の正確さも危ぶまれる状況と言える。さて、109円台前半はどういう意味があるか、少し分析してみたい。
 まず、109.15。この水準は、一目均衡表の基準線。そして、日足遅行スパンが日足にぶつかる所。言い換えれば、今回の安値103.40から高値114.90までの上昇幅の50%押しである。又、月足のボリンジャーバンドのマイナス1σが109.10近辺ということで、これを月足終値で上で引けるか、下回って引けるかどうかは、大きなポイント。尚、日足ベースの「New一目均衡表」にて、本日現在、109.15は強いサポート。加えて、週足ベース、「New一目均衡表」にても、109.30近辺は、強いサポート。そして、それより上か、下かでトレンドの転換を示すことの多い、55日移動平均線が本日現在、109.05。実に様々なライン、サポートラインが存在しているのが分かる。ちなみに、今月、月足のパラボリックがヒットしたが、これは、中長期トレンドの転換を意味する大きなサイン。
 いずれにしても、
大きな岐路に差し掛かっているのは事実。ここまで、下げれば、114円台からショートポジションで儲ければよかったなんて、後から言うのは簡単だが、ロングをを利食うか、減らし、押し目を拾ってきた戦略に間違いはなかったと思っている。大相場にいつでも乗れる準備をした戦略ポジションを取っているかどうかは、ディーラー人生の中で、儲けを大きく、負けを小さくするという鉄則に逆らうものではないと信じている。

2004年5月22日(土)
NEW一目均衡表」

 私は、「NEW一目均衡表」なるものを作っている。これは、何かというと、かつて、一目均衡表をコンピューター上にて作成していて、たまたまパラメーターを間違えたのであるが、しばらくそのままチャートを見ていると驚くほどの法則性が見つかったのだ。「これは使える」と思って、「NEW一目均衡表」と名づけ、その後お世話になっている。間違って「たまたま」発見したものであるので、恐らくほとんど誰も知らないか、見たこともない、「一目均衡表」だと思う。その後の数々の検証を重ねた結果、時間ユニット、即ち、5分足であろうが、60分足であろうが、週足、月足までも、法則性が生かされてワークするということが分かった。ワークするという意味は、所謂キャリアプロフィットがプラスであり続けるということだ。もちろんのこと、当然「だまし」も存在するわけで、その時は、ストップロス、損切りを行うという、当たり前のことをすることは大前提である。そして、「大数の法則」とでもいうべきか、回数が大きくなるにつれて、成功率は上昇する。特に、大相場に強いので、収益への貢献度は大きいと判断している。ただ、言ってみれば、他の色々なチャート分析も継続して上手に利用すれば、それぞれ、収益を生むはずなのだが、使っている側が人間である以上、どうしても「煩悩」が入るわけで、結局、チャートを利用していると言いながらも、本当の意味でチャートでディールしている人は極めて少ないのではないかと思う。
 相場に生きている人は誰でも、自分独自のディール方法を
確立していると思うが、利食い、損切りのルールは絶対に守らなければならない鉄則であろう。ただ、人それぞれ、狙っている値幅等は違うのは当然で、しかも前提となる資本、元手のサイズが大きく影響を与えることになる。ある一定期間、収益が上がっても、その後の期間で失うという大きな過ちを犯すと、ただの博打打に成り下がってしまう。やはり、キャリアプロフィットを如何に増やすかということが永遠のテーマになろう。

2004年5月19日(水)
ドル相場

ドル円長期トレンドの転換を確認させるシグナルが次々と点灯。114円90銭をつけた後は、さすがに達成感(理由は掲示板にて掲載)もあり、現在は調整局面に入っている。それでは、調整局面はどこまでか、と言うと、112円台で終わると判断している。ここ数ヶ月の持ち合い相場がまだ続いているとすると、112円では調整が終わらない可能性もあるのだが、大転換後の調整である以上、深い押しはないと読んでいる。上値については、115円は確かにポイントであるが、私は通過点と見ている。再来週以降、114円台後半から115円絡みレベル以上で週足の終値が上昇してくると、上昇に弾みがつく可能性がある。要注意だ。もちろん、先の話なので、今から慌てる事はない。リスクシナリオは、112円を割れて引けてくる場合。110円割れの可能性も出てくる。109円台を固めないと上昇力は生まれなくなる。その時は恐らく、米金利も相当下がっているのだろう。それはそれで、良いことなのだが・・・。

2004年5月14日(金)
米国金利

 それにしても、先週のFOMCと雇用統計の発表を受けて、これほどもマーケットのセンチメントが簡単に変わるものなかと驚いてしまう。世の大半のエコノミストも一気に金利予想を変更した。多くの米系証券は今年のFFレート利上げはありえないと言っていたし、景気回復の弱さを指摘し続けていた。それが、ここに来て、年末FFレートは2%がコンセンサスになってきている。残り4回のFOMCの度ごとに25BPの利上げを行わないと追いつかないペースだ。
 あるレポートによると、
第2次世界大戦後、米国では実質FFレートは1%が平均だ。即ち、CPIが現在のレベルだとすると、FFレートが3%でも「平均」だということだ。即ち、「異常な低FFレート」を「正常なFFレート」に戻すと言う意味では今後金利が上昇するのは当然といった論理になろう。ところで、グリーンスパンFRB議長が就任したのは1987年8月11日だから、約17年になろうとしている。その期間中FRBが利上げをしたのは5回。うち2回は単発に終わっている。後3回は1988年、1994年、1999年、それぞれの局面で300bp、300bp、175bp利上げを行った。しかも、利上げ期間は約1年程度続いた。それでも、利上げの局面は合計で3年程度。グリーンスパンが在任の中ではほんのわずかな期間だけが利上げ局面だったと言えよう。
 今年は、米大統領選を
11月に控えており、そう頻繁に利上げを行うかは疑わしい。それにテロの危険もある。実際、過去2回の利上げが単発に終わった2回はそれぞれ、ブラックマンデーやアジア通貨危機が起こり、直後に緊急利下げが実施されている。今回もどうなるか、市場があまりにも利上げを織り込んできているだけに注目だ。

2004年5月8日(土)
米金利とドル

 この週末は又しても、米国雇用統計に振り回された結果となった。今年に入ってからの米国雇用統計後のマーケットの動きは異常だ。米債は指標の発表毎に、イールドが最低でも10bp、20bp以上動くことも普通だ。多くのエコノミストが米金利の上昇を予想していなかったし、FRBがFFレートを引き上げるのは今年はなく、恐らく2005年に入ってからというのが大勢だった。その大きな理由と指摘されていたのは、私も納得は出来るのだが、回復の遅れている米雇用情勢と低い設備稼働率であった。それが、4月、5月とサプライズとでも言うべき数値が発表になっている。まだまだ予断は許さないと個人的には思うのだが、このペースで雇用が増え、失業保険請求者が減少していけば、FRBも金利上げを真剣に考えてくるのは当然だろう。FFレート先物市場は完全に利上げを織り込んできているが、今回、期待上げ幅をさらに増加させてきている。過去、米大統領選挙のあった年は秋に金利を上げたケースはほとんどないが、それだけにこの夏場の上げ幅が大きくなる可能性が高まったと言える。ブッシュ政権は、減税等景気刺激策を前倒しに進めてきた結果、恐らく今年の第3四半期には景気減速は免れないだろうとの観測がよく聞かれたが、来週以降のエコノミストのコメントがどう変わるか、注目だ。
 ドルはどうなるか。私は、ドルと米金利の相関性は依然として高いと見る。ならば、金利が上昇すればドルが上昇すると判断する必要性が出てくる。ただ、今回の米国株式を見ていると、金利上昇を嫌気してじりじりと下げてきている。「業績相場」であれば、良好な業績を好感して金利が上昇しても株式も上昇しておかしくないのに、現状はまるで、その逆、「金利相場」となっている。私は、今回のドル、金利、株式相場は、今までの過剰流動性が調整されて、自国回帰していっている現象だと思う。日本の株式相場は多分に外国人投資家によって支えられてきたわけだが、ここ最近は外国人がネットで売り越しが続いている。株安、ドル高になるのも窺える。米国債券市場は、今まで外国人(日本や中国を始め)による買い越しが支えてきたと言えるが、ここにきて流れに変化が見られる。私自身は、米国の景気は又息切れすると思っており、金利も下がり始めると予想しているが、資金の流れが現在の相場を作っているのだと思われる。
 ドルについては、以上の背景は別にしても、今年の安値はすでに見た(ドル円は3月末、ユーロは2月)と判断しているが、金利、株式市場の動き、それと今後波乱材料になると思われる政治問題が市場の「ファッション」になってゆくものと考えられる。イラク問題もしかり、かなり読みにくい「材料」が山積みだ。個人的には時間サイクルを丁寧に分析して、世の大勢に流されないように努めようと思っている。

2004年5月3日(月)
米国金利動向

 市場では、4日(火曜日)に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)にて声明文から「利上げに対して辛抱強くなれる」という表現を削除するかどうかに大いに関心が寄せられている。ブルーンバーグの調査によると、今回調査した23社のプライマリーディーラーのうち、17社は「辛抱強く」の表現を削除すると予想している。そして早ければ6月には利上げ、8月にはかなりの確率でFRBが利上げを実施すると読む市場参加者が増えている。実際、FFレート先物市場では完全に夏場の利上げを織り込んだ動きとなっている。ここ数週間の2年債のイールドの上昇は相当なものだ。2年債は政策金利に敏感なことで知られているが、2002年7月以来の水準にまで金利上昇しているのは、それだけ、市場参加者のセンチメントが傾いていることを表している。
 今回のFOMC後の声明に注目するのは当然であるが、今週末の米国4月の
雇用統計が全ての鍵を握ると思われる。何といっても、今年は、米国雇用統計の度ごとに、金利が大きく動く年となっている。1、2、3月と弱い雇用統計の数値が発表になるごとに金利が下がり、4月の3月雇用統計の数値が強い数字になりサプライズ効果を与えた結果、金利が急上昇、その後の強い経済指標も手伝って、市場では金利先高観が根強くなっている。ポジション、持ち高の偏りから判断すると、ここから先の金利上昇はかなりペースが落ちると個人的には思っており、逆のネガティブサプライズが起こるのではないかと予想している。
 上記のコンテクストから、米金利の動向次第では当然ドルも影響を受けると思われる。米金利の低下が米ドルの下げにつながると読んでいる。米金利は中長期的には上昇する可能性は高まっていると言わざるを得ないが、目先は調整が入るのではないだろうか。5月のドル相場を予測した上で、「ファンダメンタルズ」を逆に予測すると、どうも金利が弱含むというシナリオに落ち着くのである。5月はドルは持ち合い相場になる可能性が高いと読んでおり、金利も一気に上昇していくとは思えないのだが・・・。

2004年4月28日(水)
ドル円相場長期サイクル

以前に分析したように、ドル円の月足ベースでの長期サイクルの一つに1999年11月の安値101.25から2002年1月の135.20までが27ヶ月。この高値から先月の安値103.40までが同じく27ヶ月。対等時間である。そして、今日現在、今月4月の月足は大陽線となっており、しかも実態部分は先月分をすっぽり包んでおり、キーリバーサルの様相を呈している。まだ残り、本日を入れて3日あるので、決定的な事は言えないが、今月の月足の形状は大いに注意する必要があろう。日足一目均衡表にても、転換線、基準線、遅行スパン、先行スパン、全てにおいて陽転している以上、マーケット力学的には上昇力が働く。

2004年4月25日(日)
ドル円時間分析

 2月11日の安値105.16から19日かけて3月8日112.34まで上昇。その後、18日かけて3月31日に103.40まで下げた。それから、17日要して4月22日に109.90まで上昇。ほぼ対等時間で上げ下げを繰り返している。103.40を達成した時間は、中期的にも長期的にも非常に重要な時間帯に示現。今年のドル円安値になる可能性すらある。現在は、その後の上昇サイクルに入っているわけだが、先ほどの短期時間サイクル、及び、ボリンジャーバンドの形状、一目均衡表の逆相関などから、一旦の目先目標達成と言える。ここからは、押し目をどう拾っていくかが課題。計算値から108円割れがいいところだと判断する。それにしても、一目均衡表にて基準、転換の陽転、基準線の陽転、遅行スパンの陽転と、重要シグナルが買いに転換している点は気にはなる。長期サイクルから判断して、月足上、今月の終値がそれほど安くなるとは思えない。よって、深押しはあまり期待出来ないかもしれない。108円から107.50円といったところがせいぜいか。非常に強い上げ相場だとすると、108.50を割り込むことすら難しいだろう。そして110.50あたりまであっさりと伸びる可能性がある。そして、再び押し込む、といった展開が予想される。 全ては各人の相場観、リスク許容量に依存することは当然のことではある。米金利が予想以上に上昇しており、特に短期金利の上げには注意だ。FRBの夏場のFFレート引き上げをほとんど織り込んで動いている。こういったことを材料というか「口実」にドルを買い上げてくる投機筋が増えてくるものと思われるので、要注意だ。

2004年4月23日(金)
米国金利動向
 それにしても、様変わりとはこういうことを指すのだろうか。20日の上院銀行委および、 21日合同経済委でのグリーンスパンFRB議長の証言を受けて、市場では米金利 早期利上げ観測が急速に広まっている。議長が、「デフレの脅威はすでに 問題ではなくなった」「価格支配力が徐々に回復しているのはかなり明白である」 「銀行業界は金利のエクスポージャーを適切に管理している」「必要とあれば 行動を起こす」などと語ったことが原因だ。
 どれだけ経済情勢に変化があったのだろうか、
と考えると、まさに今月に入って発表された経済指標がそうであろうことは間違いない。 3月の雇用統計、小売売上高、消費者物価指数であり、それこそ、今夜の米耐久財受注など である。しかしながら、単月のデータであり、そう簡単に経済ファンダメンタルズに 変化が生じるのか、はなはだ疑問である。例えば、FRBが重視していると思われる設備稼働率 は依然低迷しているし、肝心の雇用の内容はまだまだ懸念材料だ。時間当たり賃金の伸びが低迷していたり3月に失業保険を使い果たした 人の数が毎週約8.5万人と2000年9月の3.5万人に比べ大幅に増加していることなど、ブッシュ政権にとって最大の課題とも 言うべき雇用問題は前途多難である。今年前半の時点でグリーンスパン議長が 「忍耐強く」とのフレーズを使った時の経済情勢と比べ大きな変化があったとは とても思えない。
 結局、グリーンスパン議長が今の超低金利の状況が「歴史的異常」であると認識しており、金融界、産業界で
低金利を前提と考えて行動を起こすことを制止させる為か、少なくとも「モラルハザード」を 起こさない為の予防策だと考えてるのが適切かもしれない。事前の策重視、手遅れに なってからでは遅い、という彼の哲学が多いに含まれていると思えて仕方がない。 個人的には、米国の雇用問題、家計の問題は相当根が深いと思えるのだが・・・。
2004年4月19日(月)
米金利と為替
米金利上昇、米ドル上昇の想定「リスク」シナリオ
       1)日本の景気回復に伴い資金需給が発生、米国債投資から日本へ資金回帰。

中国経済の成長に加え、米ドルペッグ制から決別し人民元が変動相場制へ徐々に移行
    する。中国政府は外貨準備に占める米ドルの比重を減らし、米国より資金を引き揚げ
    始める。将来的には国際金融市場での人民元の選好度が高まる。
     うがった考え方をすれば、現在、米国は日本を低成長に押さえておき、出来るだけ
     長い期間金融緩和政策を続けさせ、米国債等への投資を通じて、国内の資本市場を
     安定させる。財政赤字のファイナンス役を日本が引き受けているわけだ。円高への
     恐怖を煽りながら、日本単独のドル買い円売り介入には直接的には牽制しない。
     自国の経済成長を考えれば全て「シナリオ通り」というわけだ。ところが、日本の
     景気回復が本格化し、上記(1)のシナリオが発生すると、米金利に上昇圧力が加
     わることが必至であろう。
    中国については、米国は中国に対し人民元レートの米ドルペッグ制を非難し、自国
     の製造業者の対中国国際競争力を上昇させる方向であらゆる機会で牽制発言を行っ
     ている。しかし、中国が今や世界第2位の外貨準備国になり、米国債を大量に抱えて
     いる現状では上記(2)のシナリオから結局、米国にとっては、マイナス効果も大
     きい。いずれにしても、悪い金利上昇、ドル上昇パターンが見られる一つの過激シ
     ナリオではあるが・・・・。
2004年4月16日(金)
米国金利動向

米国金利動向であるが、今週13日に発表された小売売上高、14日に発表された消費者物価が、ともに事前予想を上回る強い内容であったことから、利上げ期待が一段と強まっている。米10年債利回りは、フラットニング・トレード(短期債売り&長期債買い)の影響もあるのか、やや上げ渋る格好になっているが、2年債利回りは続伸し、一時2.13%と、昨年来高値(2003年12月1日の2.15%)に肉薄した。FFレート先物相場でも、既に夏場8月頃のFFレート25bp引き上げを織り込んできている。今後、市場では利上げ期待がくすぶる可能性は高い。
 それにしても、気になるのは、マーケットエコノミストが、数回の経済指標ですぐに影響を受けるということだ。FRBの政策担当者はそう簡単に金融政策を変更してくるとは思えない。FOMC声明で初めて「かなりの期間」が使われたのは8月12日であった。そして、「かなりの言葉」を外したのは1月28日のFOMCであった。今後も、FED関係者の金利に関するコメントには要注意であろう。かつてFEDが金利を引き上げた時も、その前にグリーンスパン議長の変化を臭わす微妙な発言があったのは事実だから・・・。
 ここで、問題になるのは私自身の相場分析の中で、ドル高、特に対欧州通貨で起こると読んでいる点だ。過去の相関性から言って米金利上昇を伴うことが多いだけに要注意である。「相場が材料を作る」という私の相場理論から、何かしらきな臭い気がするのは正直なところだ。

2004年4月14日(水)
ドル相場

ドル円は順調に上昇。この局面(短期)での、とりあえずの目標値は118円の前半であり、その後は、107円丁度近辺をサポートに揉みあい、その後、上昇基調を辿っていくものと思われる。超目先の動きでは、本日のニューヨーク市場での108円台は利食い探りと言えよう。そして、ユーロドル相場は、じり安展開は変わらないが、現在、ユーロ円相場のショートカバー圧力が根強く、ユーロドルの下値が固く見えることもあるが、上昇力には極めて限度があると判断している。
それにしても、米金利の上昇を伴った今回のドル上昇はこの最近のドル、金利、株式相場の相関性を極めて如実に表している状況と言える。株式相場の下落が今回の場合、因果関係上発生するわけだが、この最近のフローの動きから言って頷ける。自分の頭の中では、今後数ヶ月単位で起こる予定の相場は、ドル高、金利高、株安となるのだが、「ファンダメンタルズ」の材料を如何に探し出そうか、なんて考えてしまう。私の場合、往々にして、相場が先にありきで、「相場要因探し」を後で行うことはざらである。今回で言えば、例えば、ニューヨーク株式市場が軟化して、資金回帰が発生、日本や欧州から米国に資金が戻るシナリオ。果たしてそうなるのはどういった材料か。テロか、米企業業績の悪化、ブッシュ政権のマイナス材料、等々。考え込んでしまう。

2004年4月13日(火)
ドル相場

ドルは対ユーロ、円にて再びトレンド方向に動き出した格好。
米金利の上昇を伴っているだけにしっかりとした動きだ。ユーロドルは先週の安値1.1980を本日、火曜日にして下抜けし、典型的な続落パターン。ドル円もマーケットのベアセンチメントを嘲笑うかのように、じり高の推移。ショートが各レベルで出来上がり、切りきれないまま、上昇しており、本日現在の21日線の106.00丁度近辺をニューヨーク終値で越えてくると、上値が短期間に伸びる可能性が高まる。
 ところで、現在トレンドに沿った動きをしているが、逆にリスクシナリオを考えておくと、ドル円に関しては、21日ボリンジャーバンドのマイナス1σを割り込んで引ける場合、即ち本日現在で104.85近辺より下でニューヨークが引ける場合である。米国内でのテロ、極端に悪い経済指標、米金利急落、等々の「材料」がついてくると思われるが、あくまで「相場が先にありき」という考えに変わりはない。現在は、数年来のユーロドルの高値をつけた後の動きであり、上昇は調整の動きとみる。ドル円は少なくとも、中期的にみて底をつけた後の動きであり、押しは絶好の買い場と判断。
 確かに、日本株買い絡みの外国人投資の円買いは国際収支統計を見るまでもなく明らかである。国際収支統計上の資本収支統計の中の、株式投資収支、特に証券貸借取引を除く部分(この点が重要、さもないと為替に絡まない数値も入るから)から判断すると、1999年にも同じように、外国人の日本株買いが大量に入った。実際、その年の終わりには101円台まで円高が進んだ。しかし、その後は2年以上に亘りドル円は上昇した。外国人の株式投資は当然、ある程度のところで、利食い、持ち高調整が入る。今回の場合、ドルベースでみた日経平均株価は安値から70%程度上昇している。反動に気をつけたい。

2004年4月6日(火)
ドル相場

久々のドル円急騰劇の東京市場。ドル円相場は、本日現在21日移動平均線の位置する107.20近辺で頭を抑えられた格好。とはいえ、トレンド転換が確認されたと言って良いだろう。本日、ニューヨーク市場が105円丁度以下で引けない限り、ドル円ロングポジションで良いと思う。荒っぽい展開ではあるが、終値に注目したい。一つ気になるのは、米金利。先週の米雇用統計を受けて上昇している米金利が一段落しそうである。短期時間サイクルから言って、金利下げ、債券価格上昇のステージに再び入る気配がある。又、米国株式相場も同様のサイクルが見られる。即ち、ひとまず「休憩」といったところか。いずれにしても、ドル円に関しては、丁寧に押しを拾ってゆきたい。世の「雑音」に悩まされないようにしたい。信念をもったディーラーであり続けたい。

2004年4月3日(土)
ドル相場予測

 3月31日の103.40で当面(中期)の底を打ったと読んでいる。19日上げて、18日目に底を打ち、19日目に上昇に転じた格好。予定としては、4月一杯上昇トレンド(少なくとも、持ち合い)に入ったと思われる。それでは、ドル円ロングポジションを作るタイミングはというと、ニューヨーク終値ベースで21日ボリンジャーバンドのマイナス1σを越えたところ、例えば今日現在では104.95レベルと言える。横軸の時間サイクル、縦軸の価格の「値頃感」からはすぐにでも作りたいところだが、謙虚にいきたい。そして、上昇トレンドが確認出来れば、目標値は同じくボリンジャーバンドのプラス2σ、即ち112円レベルということになる。流れに乗れば、103.40をストップにして、目標値を達成するまでは「値頃感」で売らない方が良い。キャリアプロフィットを増やすには損切りを浅く、利食いを深くする必要がある。いくら相場観が正しくとも、損切り、利食いの「ルール」を守れないと、結局、儲けのない投資家に堕してしまう。
 ユーロドル相場は、ベアトレンドの中で持ち合いを終え、下げが再び始まるといったところ。少なくとも1.18程度はみるものと思われる。金曜日の米雇用統計にて米金利が大幅上昇、雇用統計の内容はそれほど楽観視出来るものではないが、市場にて、米金利上げの話が再び盛り上がるのは必至だ。市場というものは薄情なものである。一つの経済指標等々で一気にセンチメントが変わる。しかし、私は「材料」が「トレンド」を作るというより、「トレンド」が「材料」を生むものと思っている。何故なら、「材料」の「判断」は多分に主観的なものだからだ。そして最も重要なことだが、市場には「市場力学」なるものが存在し、「大いなる力」によって動かされていると思われるからだ。

2004年4月1日(木)
ドル円時間サイクル

ドル円時間サイクルの分析。まず日足については、2月11日の105.16から3月8日の112.34まで19日、このトップ112.34から昨日の103.40までが19日にて対等時間。月足について、1999年の11月の安値101.25から2002年1月の高値135.20までが27ヶ月、このトップ135.20から先月末日の安値までが同じく27ヶ月にて、対等時間。時間サイクルからは、重要な変化時間に差し掛かっているのは事実だ。そして、以前にも分析したように、3月末日、4月初日というのは、過去、高値、安値を示現した重要なアニバーサリーでもある。目前の動きは確かにドル円下げ一色に見えるが、やはり気に留めておきたい。

2004年3月26日(金)
ドル円相場

 今回のドル円の下げは5波を描いていると読める。そして、起点である3月8日の112.34から現在5波目の最終局面にいると判断している。即ち、112.34から最初の押しである110.20までの値幅2.14円に対し、4波の戻り3月22日の107.65から同値幅をとると、105.51となる。105.55までつけている現況から判断して、縦軸(値幅)からは必要値幅を達成したと思われる。確かに112円台からの押しは深いものの、2番底のシナリオの中で、大底105.16よりわずかに高い位置まで押し込んでいる現在の相場は調整局面の最終段階だと判断している。
 ユーロドルの下げトレンドがメイントレンドになっている現在、確かにユーロ円の売りが勝ってはいる。4月初の日銀短観での改善をマーケットは織り込みつつあり、市場のセンチメントはとみにベアになっている。この局面は逆張りで臨みたい。

2004年3月24日(水)
ドル相場予測

 ドル円に関しては、きわどいレベルまで下げてきている。しかし、依然として、2月11日の105.16から3月8日112.34への立ち上がり1波に対する押し2波とみている。最初の波動に対する調整波は深押しすることはある。ただし、今回の場合、終値で106円丁度を割れてくると危険信号ではある。逆にブル派の拠り所と言えよう。
 ユーロドルの26日、52日サイクルから本日(水曜日は)
極めて重要な日柄。下押しすると相場が離れる可能性がある。東京タイムにS&Pによる日本国債格付け見通しをネガティブからポジティブに変更したことで更に「円買い材料」が出ている。確かに若干の下げの動きは見られる。ここからの動きがポイントであろう。「材料」対「相場」の構図である。

2004年3月22日(月)
財務省貿易統計

3月11日発表の確報ベースの財務省貿易統計によると、2003年下半期(7〜12月)の日本の輸出は円価で28兆2370億円、輸入は22兆3900億円であった。通貨別の金額を見てみると米ドル建ては、輸出48.0%、輸入67.8%に対し、円建ては、輸出8.9%、輸入4.7%であった。ポイントは幾つかある。
第一点は、2003年1月〜12月の円売り介入額は20兆
575億円であり、2004年1月が7兆1545億円、2月が3兆3420億円。即ち、過去14ヶ月で昨年下半期の貿易黒字以上の円売り介入をした格好だ。為替需給面で多大な影響を与える金額であることは明らかだ。
第二点は、日本の対外貿易に占める米ドル建ての比率は最近減少傾向にあるとはいえ、依然高く、特に輸入の67.8%は先進国では断トツだ。そして、自国通貨である円建ての割合は依然低い。対アジア諸国の輸出で円建て比率が44.9%と増加傾向にあるものの、対米国ではたったの12.5%である。輸出業者が為替リスクに晒されている現実が良く分かる。
一方、対米国の輸入におけるドル建て比率は79.9%、対アジアでも70.6%に達する。輸入に占めるドル建て比率が高い為に、ドル建てだけに限った輸出入のバランスは赤字(半期で約1兆6千億円)となる。東京市場の仲値ベースでドル円が買われる傾向にあるのはこういった統計事実に基づくわけだ。昔は(1980年代)この傾向がもっと著しかったわけで、仲値でドル円を売れば、その日のうちに低いレベルで買い戻す戦略がワークしたのを思い出す。(今でもまだ一年を通してみればワークしていると思う)いずれにせよ、円の国際決済通貨としての地位は、向上したとは言え、依然他のG7諸国等に比べ劣ると言わざるを得ない。その結果として、日本においては昔から、為替リスクに対し敏感であり、円高への恐怖が存在するのである。
ところでこういった実需に基づくドル円需給の世界のドル円取引に占める割合はほんの数%であると言うのも事実だ。世界中を瞬時に動き回るホットマネー、短期投機筋の取引金額は莫大な金額である。近年のオプションなどデリバティブ取引の増加に伴い、投機マネーは慌しく動いている。同時に、超長期の実需に基づく取引、長いタームでのリーズ・アンド・ラグズ、例えば、よくチャーリー中山氏が指摘していた欧州の船会社などの取引は何百億ドルにも達するという。彼らは、米国のヘッジファンド等々に比べ長期でポジションを持つ為、市場にじわりと需給面で影響を与える。そういうわけで、上記の貿易統計や日銀介入などからは想像を絶する動きを為替市場はするわけだ。ただし、広義狭義いずれにしても、投機に基づく玉は結局は最後にポジションを手仕舞うわけで、通してみるとニュートラルだということだ。

2004年3月21日(日)
ドル相場予測

ユーロドルのトレンドは大勢下げトレンドにおける調整局面、戻し局面だと判断している。1.2400から1.2500丁度にかけての強いレジスタンスゾーンは上抜けするのは相当困難だと思われる。さらに戻す(上昇)局面があるにしても、最大で今週の水曜日までと判断している。逆に、1.21台ミドルを割り込むと急落のリスクを抱えていると読む。
ドル円相場に関しては、今回の調整(依然そう判断している)局面は押しも深く、時間も長引いているが、過去数年間の2番天井、2番底をつけ局面でも80〜90パーセント近い戻り、ないしは完全に2番天井、2番底を形成する局面があり、今回もそういうパターンの中での動きと読んでいる。言い換えるならば、深押しするとその後の上昇が伸びる可能性も十分あり、要注意とも言えよう。

2004年3月19日(金)
ドル相場予測

ドル円相場の今回の押しは確かに予想以上だ。1999年11月の安値111.25から2002年1月の高値135.20まで27ヶ月かけて上昇、その後、今年の安値105.16まで26ヶ月かけて下落、一目均衡理論でいう対等の時間帯にボトムをつけたと判断している。過去、25〜27ヶ月のサイクルで大きな潮目の変化を迎えながらドル円のみならず、ユーロ相場も動いている。超長期のドル下落トレンドが消えたと言えないにせよ、それなりのリバウンドは期待出来ると予測している。今年2月11日の安値、105.16を起点として、3月8日の112.34までが第1波(衝撃波)と判断出来、その押しを今回迎えている訳だが、往々にして最初の押しは深くなるものである。今回のように直近トップから6円もの押しを入れるのは確かに深いが、逆に今後はボラティリティも上昇し、大きな動きが期待出来るとも言える。ドル円特有の管理相場、大量介入から来る需給の歪み、市場参加者増によるポジションの積み上がり等々、波乱含みの展開が予想されるが、谷深ければ山高しで、当たり前の事だが、市場参加し続けることにより収益機会を増やしたい。
 ドル円は確かに苦しい言い訳も続いてしまっているが、ユーロドル相場は、依然として、大きなユーロ安トレンドに入っていると思う。1.24アラウンドは絶好の売り場提供のステージだと判断している。今月の米雇用統計の直後、まるで今までの繰り返しの展開になってしまった。即ち、米金利低下、ドル安という最近のパターンが現れた格好だ。米株式が久々の大幅な調整局面を迎えたことも大きな材料。従来の相関度から言って、ヘッジファンド等がポジションを手仕舞ったり、逆に造成してくるのも当然かもしれない。再び、悩ましいドル円相場についてだが、やはりニューヨーク終値で117円を回復してこないと厳しいものがある。私が重視しているインディケーターの一つに一目均衡表の遅行スパンの位置関係があるが、どうも117円丁度近辺のレベルはキーポイントである。

2004年3月17日(水)
FOMC声明文

3月16日に行われたFOMCは予想通り、FFレートを据え置いたものの、声明文にて表現の変更が見られた。1)景気判断については、前回の「生産は拡大している」(expanding brisky)という楽観的な表現から、「生産は堅調なペースで拡大を続けている」(continuing to expand ata solid pace)という幾分弱い表現に改められた。2)物価のリスク・バランスに変更はなかったものの、一部のアナリスト、エコノミストが予想していた「almost」の単語が省かれるとの観測はハズれた。3)最近の労働市場に関して、グリーンスパンがどういったコメントを加えるかと期待していたものの、結局、「新規雇用者数は回復が遅れている」(new hiring has lagged)との表現になり、さすがに雇用問題が再び懸念材料として浮かび上がってきたことは窺えた。新規雇用者数が伸び悩んでいることはFRBの政策担当者に多大なプレッシャーを与えていることが想像出来る。私は、これぐらいのことはグリーンスパンのことだから事前に予想していたのかなと思っていたが、あっさりと表現を変えてくるとは、ある意味でがっかりした。
自分の発言や、声明が市場に与える影響を直接肌で感じながら、マーケットと対話していこうとするスタンスが踏襲されているとは思うものの、何だか、拍子抜けがしたと感じたのは自分だけではないと思う。

2004年3月15日(月)
FOMCとグリーンスパン

明日16日(火曜日)FOMCがある。 ブルーンバーグの直前の調査によっても金利上げを予想する向きは誰もいないとのこと。私も確かにそう思う。
しかし、こんなことは誰が考えても同じことだからある意味愚問とも言える。いや、事の本質は果たして何なのだろうか?今年に入って雇用統計の発表の度に、雇用の伸びの低迷が指摘され、米国金利は素直に反応してきた。それまでは米国10年債イールドが4%近辺を底と予想するエコノミストも多かったように記憶する。即ち、FRBがFFレートを引き上げる時期が昨年来予想されていた時期、たとえば2004年後半から前半へ前倒しに予想を変更する向きが増えたのは事実だ。それが、再び金利引き上げ時期を先延ばしする方向にあるのが現在の姿だ。う〜んと唸ってしまう。今年は大統領選もある、景気を良くしたいというブッシュ政権からの暗黙のプレッシャーもある、依然設備稼働率は低い、繰り返しになるが雇用は最大の問題だ。このように、FRBが金利を引き上げる可能性は益々遠のくようにも感じられる。不思議なのは最近のグリーンスパン発言である。どうも、景気回復に重きをおいたコメントが目立つ。米国景気はさほど悪くないぞ、と強調しているようなのだ。そして直近では、雇用についても楽観的な見通しを述べている。さすがに我々は当惑してしまう。これは彼持ち前の意図的な発言なのか?よく彼は、ある発言をしてみて、マーケットへの反応を探ることを過去よくやったように記憶するが、今回もそうなのか?ますます唸ってしまう。

2004年3月12日(金)
ドル、金利、株式の相関関係2

 よく言われることであるが、株式市場には、「業績相場」と「金利相場」がある。
「業績相場」はまさに企業の業績に比例して株式相場が動くわけであり、金利の影響はさほど受けない。一方、「金利相場」は金利が下がれば株式市場は好感し、上昇、金利が上がれば嫌気し株式市場は下落するパターンだ。企業業績が良い時は金利が上がろうが下がろうが株式市場は上昇するわけだ。一方、景気が低迷し、企業業績が悪い時は金利低下を促す傾向があり、現象としては株式市場軟調地合いが金利低下局面を招くということだ。
 歴史を見ていると、景気低迷時は金利低下サイクルに入る事が多いのが事実だ。
 ドル対欧州通貨の関係は、金利が大きな要素を占める。繰り返しになるが、タイムラグがあるものの、金利のより高いほうの通貨が高くなる傾向が強い。そして、短いところでは半年サイクル、長いところでは2年サイクルが存在する。特に25ヶ月サイクルは注目だ。ユーロドル相場で言っても同じであるが、25ヶ月サイクルが存在し、結論から言うと、2002年2月の上離れから25ヶ月目の先月の1.2930にて天井をつけた可能性が高いということだ。今後米ドル金利の上げタイミングの話題が相場要因の「ファッション」になる可能性が十分あり、一方、欧州のもう一段の金利下げの話がくすぶる以上、欧州と米国の金利差が為替相場要因として、「ファッション」になる公算が高いと見られる。
 もう一つ付け加えると、高金利通貨、ポンド、豪ドル等の対ドル相場がピークを打った可能性が非常に高いことだ。この点の詳細については別の機会に触れたいが、意外とこれらの相場を見ているとドル相場を予測する上で極めて参考になると思われる。それにしてもポンドドル相場昔から1と2の間を行き来している感がしてならない。壮大なボックス相場な訳である。 

2004年3月11日(木)
ドル、金利、株式の相関関係

米国株(ダウ)、米国金利(米国10年債イールド)、対欧州通貨米ドル為替(ドル/スイス)のそれぞれ互いの相関度を測ってみた。統計学的数値は省略して結論のみを紹介する。

過去10年の相関性(月足をベースとする)

1)株と金利
  株高ーー金利上げ、下げ両方マチマチ
  株安ーー金利安がほとんど(例外94年前半)
2)金利とドル
  金利高ーードル高
  金利安ーードル安
  98年以降の傾向
  ただし、98年以前は相関度低い
3)株とドル
  株高ーードル高
  株安ーードル安
  96年以降、相関度高い
  03年3月以降は逆相関
  94年は株横ばいドル安、95年以前は株じり高ドル安

今後予想するメインシナリオは
大勢トレンドは米ドル高。米株は調整あるも深押しはない。米金利じり高。
目先的には米ドル横ばい。米金利下げ。米株下げを予想。その後米株が下値を確認した後、米金利は上昇。米ドルも上げトレンド本格再開を予想。

2004年3月10日(水)
ユーロ相場予測

ユーロは対ドルで今後軟調に推移する可能性が高いと見る。
まず第一に、ユーロドル1.3近辺でのEUの高官からの度重なる牽制発言である。
第二は、金利の動きである。歴史的に見て、欧州通貨と米ドルの為替相場は両方の国の金利差が大きく影響を与えている。かつてのドルマルク相場もそうであった。1999年以降のユーロ金利と、米ドル金利の動き、金利差、ユーロドル為替レートの推移を見ると、一目瞭然であるが、ユーロ金利が米ドルを上回る時はユーロ高の傾向、逆の場合はユーロ安の傾向がある(若干のタイムラグはあるが。)現在は両通貨の金利はほぼ拮抗しているが、今後米国の利上げが益々焦点になり、一方、ユーロ圏はまだまだ金利下げの可能性を残している以上、ユーロが対米ドルで売り圧力が続く可能性は高い。
第三に、金(GOLD)の動きである。
金とユーロ相場の相関性も相当高いのも事実だ。私の分析によると、長期的に金は一旦調整局面を迎えており、最低でも数ヶ月単位で金価格は下落する可能性が高い。そうなると、ユーロ安圧力が働こう。

このところ、米国の双子の赤字がドル売り要因になっているが、私からすると、この手の要因は所詮その時々の「ファッション」であり、マーケットの関心が向けばそういう扱いになるだけのことである。昔、と言っても1987,8年のことであるが、米国の財政赤字のことがドル買いの材料になっていたことがある。それ以前は財政赤字からくる政府負担をドル売りの材料にしていたにもかかわらず、ある時期から財政赤字の増加は金利の上昇につながることから、ドル買い材料になったのだ。「同じ材料」が買い材料になったり、売り材料になったりするのが、マーケットの常である。そういう意味で私は昔から「ファッション」という言葉が最も適していると感じている。
今後、マーケット関心が米国の財政赤字から、米国の景況感、そして、米欧の景況感格差に向かう可能性は十分ある。そうなると、金利相場への影響から、特に欧州通貨ユーロが対米ドルに対して、軟化する可能性は十分あると考えられる。

2004年3月7日(日)
相場予測の基本スタンス

相場を予測するに当たって、注意したいのは、あくまで「後講釈」的なものに成り下がってしまわないことだ。世の中には、相場を評論家のように「語る」連中があまりにも多い。恐らく、自分でポジションをもっていないことから、無責任な発言をしてしまう傾向にあるからであろう。それでも、プロとしての自覚がある人はそのような過ちは犯さないものだ。一般的に、邦銀勤務の人の予想は今一歩、外資系の人のそれは信頼度が高い,と言われるが、一概にそうとは言えない。あくまで属人的なものである。ただ、外資系には包丁一本で生きているという連中が多いのは事実であり、その分、真剣味が違う。私自身、邦銀、外銀と両方の世界を経験してきているが、外資の世界が厳しいのは事実だと個人的には思う。とにかく、無責任な発言だけは慎みたいよう、最善の努力をしたい。

2004年3月7日(日)
ドル円相場予測

2月20日に109.35まで上伸した後、ニューヨーク市場を109.00近辺にてクローズした日を境に、ドル円相場はドルブルトレンドに入ったわけだが、その後の足取りを見ても、順調にトレンドに沿った動きをしている。5日(金曜日)現在、110.17にある一目均衡表基準線あたりをサポートに当面は底固い動きをしそうだ。21日ボリンジャーバンドの1シグマが110円ちょうど近辺に位置しており、これもサポートとしてワークしそうだ。さすがにこのレベルまでドル円が上昇するとドルブル派も増えそうだが、中長期的にドルベア派がまだまだ多数を占める環境の中では、ドルロングは積み上がりにくいと判断出来る。本邦輸出筋の値頃感からのドル売りに下押しすることもあろうが、大きな深押しは期待出来そうにない。
そうは言っても、新規にドル円ロングポジションを作るには現レベルは高いと言わざるを得ず、やはり、先ほどの一目均衡表の転換線か、ボリンジャーバンドの1シグマあたりへの押しを我慢強く待ちたいところだ。

2004年3月7日(日)

本日より相場日誌を始める。
内容は出来るだけ現実の相場に即した、実践的なものにしたい。
一般に見られる「後講釈」的な評論家調の内容にならないように
相場を真に探求した意味のあるものにしたい。

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