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OMC by.mina様

…それなのに、その少女ときたら、
「…いくら着飾っても、私では美しくなんてなりませんから…」
なんて言う。
特に艶やかで触り心地もいい、長い黒髪を、彼女は欠点のように思っているのだ。
「なんてもったいない!!」
仮面のデュークに使えることに誇りと喜びを感じている侍女たちは、口を揃えて言った。
「お任せ下さい。私たちがすみからすみまで磨き上げて、
立派なレディに仕立てて見せますから」
「そうそう、あの伯爵でさえ、惚れ惚れするような姫君に」
そう言われて、少女の白すぎて石像のようにも見える頬に、ぽぉっと赤みが差した。
彼女に足りないのは、美貌ではなく、
自分が美しくありたいという、女性が本来持っている筈の願望であると、侍女たちは見抜いていた。
そこに色を付けてやるには、一滴の恋心を注げばいい。
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●ぷち小説仕立て。
仮面のデュークの城のメイドさんたちは、
可愛くって、元気で、しっかり者。
魔界では、エルスをデュークから伯爵への貢物だと思っている人も多く。
公爵も、時々彼女をパーティに連れ出すことがあるとか。
そんな一コマ。
モドル