其は楽園を知らぬ光。
闇に輝く月の涙。

アトガキです。
子供の頃、楽園は目指すものではなく創るものだと思っていました。
おかげで、私の書く物語の子たちは、大体酷い目に合っています(苦笑)

これは、あるチャットの『キャラクター』の設定として考えたお話でした。
その子があまり、『ヒロイン』らしくない女性だったので、この物語も『ヒロイン』らしくないものになっています。
設定は過去にあったこと、そして、変わりようのないことです。
ですから、お話としては広がりのない、つまらないものになったかもしれませんが。
取り合えずここまで書くことが出来てホッとしています。
彼女の旅は、ここから始まりました。
そして、彼女の最愛の人が終わらせてくれるまで、続くことになります。




セフィロトと、逆さまの樹

逆さまの樹は、セフィロト(生命の樹)の一形態で、天に根を張り、地に枝を伸ばす樹として描かれます。
王国にあったのは、これを模倣した人工の樹。
生命の樹は、アッシャー界(物質界)イェツィラー界(形成界)ベリアー界(創造界)アツィルト界(神性界)を貫いて存在します。 人間と神を結ぶ魔術的な道であり、天界では智天使(ケルビム)が守っていると言われています。
人は、智恵の実と生命の実を両方手に入れると、神と同等のものになれる…という教えにより、生命の実を手に入れるため、 その樹を登る過程がセフィロトの道です。そして、彼の国の神殿の儀式は、それを具現するための魔道実験に過ぎませんでした。


ケセドの青

生命の樹には、マルクト(王国)からケマル(王冠)まで10のセフィラがあります。
そのうちの一つ、ケセドは天から数えて4番目のセフィラであり、それを象徴する色は青。
天使はツァドキエル。神聖名はエルで、創造の神と言われています。(エル・エリューシアの”エル”はこれです)
セフィラに配置される神聖名は、絶対神の力を分けたもので、複数の神がいるわけではありません。
(注:作者はカバリストというわけではありませんので、名称だけを使用させて頂いております)


絶対神

ここでの『絶対神』は、肉体と人格を備えた天界人ではなく、純粋なエネルギーと思考が形作る、高次の存在です。 人々が『いる』と思うから『いる』のであり、集団意識の不確定理論モドキ(観察者が居るが故の存在)なイメージ。
普通は、アッシャー界で認識できる範囲には存在しません。
巫女などの媒体を通して降臨します。その干渉力を強めるのが、巫女姫のような媒体質の人間を使用した儀式です。
しかし、儀式の途中で媒体たる巫女が神を拒んだ時…その力は反転し、神の怒りとして王国の滅びを招きました。










終ワリハ始マリ。