いつかは、こんな日が来ることは解っていました。
それが遅いか…早いかの違いで。
やはり、私は『永遠の命』を生きられるような者ではないから。
大好きな人たち。
最後まで、身勝手でごめんなさいね?
けれど…私はこの国に来て、とても幸福でした。
沢山の人たちに会えたから。
そして……誰かを愛することが出来たから…
ああ、貴方の最後の声が聞こえます。
……待ちなさい、って仰って下さるのですね?
ありがとうございます。
こんなに近くに、貴方を感じることが出来るなんて、思っていなかった…
逝くなら、貴方の傍で…なんて思っていましたけれど。
それが叶うなんて、少し夢みたいです。
全ては、私の我侭でしたから……
ああ、でも。
この我侭のお陰で、なんて沢山の素晴らしい時間を、
貴方から頂いたことでしょう。
溢れる程、毎日幸せで…幸せで……。
会えない日々の不安さえも愛せる程に。
それなのに、貴方はまだ、そのことを信じて下さらない。
それだけが少し残念です。
悪魔でも、誰かを幸せにすることは出来るのにね? ふふふ……
だから、貴方の役に少しでも立つなら。
私はとても嬉しい。
貴方の傍にいたことが、無駄にならないのなら。
……本当は。
もう一度、その手で抱いて。
もう一度、キスをして。
もう一度…『愛している』と仰って欲しかった…
でも、それは今の私には過ぎた願い。
けれど、もし……
何百年も、何千年も経って。
貴方が私を覚えていて。
少しでも、会いたい……と思って下さったら。
どうか、私を呼び還して下さい。
この名を呼んで下さい。繰り返し、繰り返し。
そうしたら、きっと帰って来ますから。
貴方の元に。
今は、ありえないことのように思いますが。
このくらいの希望は、残しても構いませんよね。
だから、さようならは言いません。
ずっと、愛しています。
この世界にある全てのものを。
そして、貴方を。