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〜Petit Story act1 ああ、どうか。 哀しまないで。 私の愛しい星の子。 この世界が、貴方を愛さないと言うのなら。 私が、世界の代わりに貴方を愛するわ。 何時の日か、貴方が誰かを愛せるように。 炎の中で、その人は確かに微笑んでいた。 「………あ」 花が咲き乱れる庭で、一人の女性が立ち止まる。 「どうしたの?」「何かあったの?」と、彼女の肩に止まった小鳥たちが問い掛けた。 「今、懐かしい方の声を聞きました……」 うっとりと、甘い香に身を委ねるように、女性は笑った。 「それは…予言?先見?」 「……そうかもしれません」 女性は手にしていた小さな籠に、枯れた花を摘んだ。 色とりどりの花びらが、彼女の手の中でその艶と香を取り戻す。 「一体どんな予言を聞いたかしら?」 「ねぇ、教えて?」 鳥は、くちばしを傾げるようにして尋ねる。 「………。秘密」 ぽぉ、とほのかに頬を染めて、女性は答えた。 「意地悪。教えてくれてもいいでしょ」 「駄目。魔法の言葉は、簡単に口に出してはいけないの」 彼女は紅い唇に細い指を当てて、ふんわりと微笑んだ。 そして……いつか。 誰かを愛した貴方は、新しい星を生むのだから。 to be continued? |