これは酒と莫迦の日々とともに、ずっと書きたかったテーマ。徒然なるままに、役にたたない下らないことを酔ったように書いていきたい。 (じっさい酔っている)
 夢とうつつとは、本来は夢と現という字です。つまり、夢と現実ということなのだろうけど、私のは、夢と欝つということ、欝という字は、 うっとおしすぎるので、こう書く。
 これも読めばわかります。(強引だな)


 平成16年4月30日(金)

 この二週間ほど、本当に日本が哀しくなった。
 原因は、イラク人質と、人質家族への心無いバッシングだ。それについて、私ができる範囲で、抗議してきた。
 このことは、さまざまな問題を孕んでいるからだ。
 そもそも、どうしても、この戦争に正当性があるとは思えない。
 アメリカは利益のために戦争をし、そして日本は日米条約のために、アメリカに尻尾をふらざるをえない。
 そして毎日、イラクの地で女性や子供達も大勢含まれる罪もなき人々が亡くなり、広島・長崎の何万倍にも相当する 放射能を出す、劣化ウラン弾が、ばらまかれているという。
 私は、日本を愛するものとして、こうした戦争に加担する形をとったことを、本当に悲しく思う。
 そして、最初から、パウエルさんのように、彼等が日本のいい面を、世界に広めてくれたと思っていた。
 そうした、志のある若者達に対して、日本人の少なくない人々がとった態度は、まるで犯罪者の扱いのようだった。
 私は、情けなくて涙が出た。週刊誌では、人質の私生活まで、スキャンダラスに暴かれた。
 メールでは、誹謗中傷の嵐。お雇い識者みたいな人たちの、いっけんもっともらしい、正論めいた、お為ごかしも、じつに 汚らしい感じだ。自分の家族が友達か゛恋人がそうなったら、という想像力がないのだろうか、とすら思う。

 この問題は、またたんなる弱いもの虐めではなく、お上に逆らったら、酷い目にあわ せるぞ、という脅迫めいた圧力が恐ろしいものでもある。

 だいたい、いろいろとセコイじゃありませんか。金のことなどいうが、いったいどのぐらいの無 駄金がばらまかれているかちょっと考えてみてもわかる通りだが、銀行や企業が、役 所が自己責任をとったという話は聞かない。私の知るの公共の建物でも、数十億の金 かけてパーよ。そんな話があちこちに転がってるでしょう。
 一方、アメリカは、軍事費でどれぐらい益するか。
 国益と言うなら、人質をバッシングした日本人こそ、外国からは物笑いだよ。
 私の友人の欧米人識者達も、日本人のメンタリティには驚いています。

 いつも、政治のことなど考えたくありませんが、今回のことは、本当に日本人は、 「武士の情け」や「義理・人情」の心を忘れていると思いました。
 愛国者とは、善意の心で行った人たちを、少なくともバッシングしない人です。
 特に、弱いものを匿名で虐めることは、誇りある日本人としてはしてはならないと思います。
 生まれて初めて、こんなに怒って、体調も悪くなってしまったから、人質のPSDKというのも、よくわかりますよ。

 今井紀明さん、郡山総一郎さんの記者会見を見た。
 じつに立派だつた?
 今井さんは、若いにも関わらず、落ち着いてきちんと答えていた。
 サムライのようだった。
 郡山さんは、一人で質疑応答に答え、しっかりと自己責任とは、「ジャーナリストとして、ちゃんと報道すること」と語った。
 私は、彼等を誇りに思い、応援しようと思う。
 高遠さんの、一日も早い回復、そして悲惨な戦争の終焉を望む。


 平成16年2月某日

 某蕎麦屋にて。お父さんと息子がいるところに、若々しいちょいきれいなお母さんが。 見るところ、パパは中小企業の経営者。
 メガネの息子は、お受験。ママは、今は勝ち気な教育ママ。
 酒を飲む、混んでいる蕎麦屋なのに、ママは「○○はまだ?」と催促ばかり。ちょっと野暮。息子は、「子どもなのに、ソバは血液がさらさらになる んだよね」と語って子どもにしてはイヤミなませ方。
 しかし、きつそうな女性だが、まあこういう人は、裏表がないので、そんなにイヤじゃない。場の空気が読めないだけだ。
 ソバリエの会で話をすることに決まり。ただ、ソバって考えてみれば、蘊蓄好きが多い。うどんの蘊蓄はあまり聞かないのに、ソバ好きは語り好き が多いのはなぜだ。
 ワインも蕎麦もコーヒーも、語るならあっさりと。でも、水のような日本酒はイヤだし、それぞれはフルボディな方が好み。人生と恋愛は少しドロドロ と重く。


 平成16年2月某日

 街に出ると、自衛隊海外派遣反対の運動をしているので、サインする。寄付を求められるのだが、求められることは嫌いなので300円にしようと 思うと、財布の小銭は12円しかない。釣りをもらうのも野暮なので、思い切って? 1000円出すと、バッチを二つくれて「つけて下さい。お友達にも あげて下さい」という。私はバッジも嫌いだから、たぶんつけない。好きな人がいたらあげようと思う。自衛隊派遣は遺憾だが、イラクは何とかしない といけないと思う。
 アメリカより、日本人に近いところのあるアジアっぽい人なつこい人々。
 ところで、私が学生のとき、仲の良かった友達が、「戦争がなくなったらいいのにね」と言った。私は、「なくならないよ。戦争が好きな人たちがいる から」と答えた。
 正義感の強い友達は怒りだして、「あなたのような人がいるから、戦争はなくならない」と、激しく言った。
 今、彼女は養護学校の先生。立派である。
 でも、この二つは矛盾しない。私は、どんな戦争も反対である。ただおそらく、戦争はなくならない。
 正しいものが勝つのではない。ただし、決して強いものが勝ち続けるわけではない。
 ただしもちろん弱いから勝つわけでもない。勝ち負けは嫌い。


 平成16年2月某日

 久々に、ご無沙汰のブティックを覗くと、「お忙しいですか」と言われる。
 この言葉には、いつも答えに困る。
 彼女はもちろん、皮肉を言っているわけではない。でも、忙しいと答えるのも、嫌らしいし、こんなに遊んでいるのだから、忙しいとはいいたく ない。でもじつは、いろんな用があって、時間をとられていることは事実。
 ところが、同じ日、敏腕なライターであった先輩のX氏からも「忙しいですか」と言われたのだ。
 これはたぶん慣用句で、つまり何気なく人に挨拶のように聞いてしまうのだろう。
 忙しいとは、心を亡ぼすと書くので、私は全く好きな言葉ではない。
 しかし、ある人々は、忙しいことを誇りにしているので、「忙しいですか」と聞かれても、誉め言葉と受け取るのだろう。
 「忙しいですか」の答えに、「ひまです」も、ウソだから、「まあまあです」と答える。それしかいいようがない。


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