4ページ目/全4ページ 名前、性別、年齢……ゾロとは、同じ年らしい。 しかし、その下にあるの表示には、全て、謎マークが記載されていた。 力も、物理能力も、魔力も、特技も、必殺技も、全て不明とされている。
そして、最もゾロを驚かせたのは、王子の現在のレベル値だった。 《 冒険者レベル1 》 「いちぃ〜?? 何だ、そりゃあ? 」 それは、弱いなんてシロモノでは無かった。 まず、成人男性では、そんな数値の人間は見た事が無かったからだ。 基本的には、戦闘などをしなくても、加齢による人生経験と共にレベルは少しずつ上昇する。 どんなに安穏と生きている人間でも、十九歳ならば、レベル10以上はあるはずなのだ。 《 レべル1 》とは、《 生まれたての赤ん坊 》しか持っていない数値なのである。 ゾロは、あまりの事にガクリと肩を落としていた。 (俺は、赤ん坊と一緒に旅をするのか? ) しかし、考えてみると、そういうレベル上げの試練なのかもしれない。 (冷静に考えて……コイツと一緒に行く事で、俺に良い事があるとは到底思えねぇ。 でもなあ、この城から脱出しねぇ〜と、修行もへったくれもねぇ〜からなぁ。) ゾロは、サンジと言う名だとわかった王子様を睨みつけると、このように返事をした。 「まあ、こうなりゃ〜仕方ねぇな。お前と一緒に旅でも何でもしてやるよ。 ただし、お前が旅先でのたれ死んだとしても、俺には関係の無い話だからな。 せいぜい、足をひっぱらねぇようにしろよ。アホの国の王子様! 」 そう叫んだゾロの腹部へ、黒い靴を履いた王子の足蹴りが跳んできた。 なかなか切れ味の鋭いスピードに乗った蹴りだったが、腰の位置で、ゾロは 刀の鞘で防いだ。 (どう考えても、この蹴りの威力でレベル1は、ありえねぇ〜んだがなぁ。 故障でもしてんのか? ) ゾロが、不可解な表情でレベルカウンターをプルプルと振っていると、 ガチリと扉の錠前が外れる音がした。 「ふん。扉が開いたぜ。行くぞ、アホ下僕! 俺様の後について来いッ! 王子のシモベが、城内で迷子になるんじゃね〜ぞッ!! 」 そう言って部屋を飛び出したサンジの後に続いて、ゾロも慌てて走り出した。 「誰が下僕なんだよッ! 勝手に決めるな、このドアホ王子。」 確かに、自分は、良く道端で迷子になるが、金髪男の下僕になった覚えは無い。 そういう突っ込みだけは、ゾロは忘れなかった。 第4話 プリンス様の秘密へ続きます。作成中 ![]() ![]() 3ページ目へ戻る 小説目次ページへ戻る |