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   名前、性別、年齢……ゾロとは、同じ年らしい。

   しかし、その下にあるの表示には、全て、謎マークが記載されていた。

   力も、物理能力も、魔力も、特技も、必殺技も、全て不明とされている。





  名前:サンジ

  性別:♂  年齢:19歳

  仕事:王子(現在、廃業中)

  特技:?

  得意技:?

  趣味:?

  嗜好品:?

 冒険者LV.1
 次のレベルまでに必要な経験値
     ?ポイント






























   そして、最もゾロを驚かせたのは、王子の現在のレベル値だった。

   《 冒険者レベル1 》



   「いちぃ〜?? 何だ、そりゃあ? 」

   それは、弱いなんてシロモノでは無かった。

   まず、成人男性では、そんな数値の人間は見た事が無かったからだ。

   基本的には、戦闘などをしなくても、加齢による人生経験と共にレベルは少しずつ上昇する。


   どんなに安穏と生きている人間でも、十九歳ならば、レベル10以上はあるはずなのだ。

   《 レべル1 》とは、《 生まれたての赤ん坊 》しか持っていない数値なのである。



   ゾロは、あまりの事にガクリと肩を落としていた。

   (俺は、赤ん坊と一緒に旅をするのか? )

   しかし、考えてみると、そういうレベル上げの試練なのかもしれない。

   (冷静に考えて……コイツと一緒に行く事で、俺に良い事があるとは到底思えねぇ。

   でもなあ、この城から脱出しねぇ〜と、修行もへったくれもねぇ〜からなぁ。)


   ゾロは、サンジと言う名だとわかった王子様を睨みつけると、このように返事をした。

   「まあ、こうなりゃ〜仕方ねぇな。お前と一緒に旅でも何でもしてやるよ。

   ただし、お前が旅先でのたれ死んだとしても、俺には関係の無い話だからな。


   せいぜい、足をひっぱらねぇようにしろよ。アホの国の王子様! 」

   そう叫んだゾロの腹部へ、黒い靴を履いた王子の足蹴りが跳んできた。

   なかなか切れ味の鋭いスピードに乗った蹴りだったが、腰の位置で、ゾロは

   刀の鞘で防いだ。


   (どう考えても、この蹴りの威力でレベル1は、ありえねぇ〜んだがなぁ。

    故障でもしてんのか? )


   ゾロが、不可解な表情でレベルカウンターをプルプルと振っていると、

   ガチリと扉の錠前が外れる音がした。


   「ふん。扉が開いたぜ。行くぞ、アホ下僕! 俺様の後について来いッ! 

    王子のシモベが、城内で迷子になるんじゃね〜ぞッ!! 」


   そう言って部屋を飛び出したサンジの後に続いて、ゾロも慌てて走り出した。

   「誰が下僕なんだよッ! 勝手に決めるな、このドアホ王子。」

   確かに、自分は、良く道端で迷子になるが、金髪男の下僕になった覚えは無い。

   そういう突っ込みだけは、ゾロは忘れなかった。



       第4話 プリンス様の秘密へ続きます。作成中





                           
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