<注意>以下は小説の一部です。中盤地点・・・ある意味、佳境??
レッスン3
以前は、痛みを訴えていた骨格矯正を施しても、今はつらくは無いらしく、静かに
ベッドで寝ていたエドワードだった。
しかし、大佐が全身のマッサージに移ると、奇妙な事が起こったのだ。
時々、エドワードが変なうめき声をあげて、身体を揺すり、大佐の顔を見上げて睨むの
だった。
「どうした? どこか痛い部分でもあるのか? 」
今日のマッサージは、痛みがあるような物ではなかった。どちらかと言うと、気持ちが
良い部類だと思うので、マスタング大佐は、不信そうな表情でそう尋ねた。
すると、エドワードは、少しうろたえるようにビクリと身体を震わせて、「別にそういう
ワケじゃ無いけど……。」と言いよどんだ。
大佐は、思った事を何でも言って欲しいので、さらに理由を訊ねたが、エドワードは
押し黙ったまま、頬をうっすらと桃色に染めただけだった。
しかし、上半身のマッサージが終わり、下肢に移った時、大佐もある事に気が
ついてしまった。エドワードのたった一枚だけ身につけた薄い下着が、ほんの
少しだけ盛り上がっている事に。
少年は、明らかに勃起している。
気持ちが良いのも理由だろうが、マッサージによる血流の改善で、その部分にも
血液が多量に流れ込んでいるのだろうと大佐は思った。
別に、そう可笑しな話では無い。
それに、わざわざ言うほどの事でもない。
大佐も同じ男であるので、そのような生理現象も理解できるからだった。
しかし、この後。大佐は、エドワードの言動に驚きのあまり腰を抜かしそうに
なったのだった。
大佐が、ちょうどエドワードの大腿部の付け根を指で揉んでいた時の事だ。
エドワードの身体は、まるでボイルされているエビのように何度か跳ね上がった。
「うわッ! もう、駄目だッ! 大佐、俺、オシッコがしたいッ!
あ〜、もう出ちゃうよッ! 」
その声と共に、大佐は、暖かな滑りを指先に感じてしまった。驚いて、彼の大腿部に
目を向けると、トロトロとした白い粘液が下着の間から滴り落ちているのを目撃した。
「なッ?! 」
エドワードは、ベッドの上でそのまま射精してしまったらしい。
呆然としている大佐に向かって、エドワードは真っ赤な顔でわめきだした。
「うわ〜んッ! だから、言ったのに! 俺、オシッコを漏らしちゃったよぉッ!
大佐が、トイレに連れて行ってくれないからだっ! 」
マスタング大佐の身体を、拳でボコボコと叩きながら、そんな悪態をついている
エドワードに対して、大佐は、違う理由で驚愕していたのだった。
(こ、こいつ。まさかと思うが、この年になって精通も知らないんじゃ無いだろうな? )
放心状態になっていた大佐は、しばらく、エドワードに殴られるままになっていたが、
何度か深呼吸をして心を落ち着かせた後で、こう言ったのだった。
「君は、これが小水だと、本気で思っているのかね? 」
大佐の真剣な表情に気圧された様子で、エドワードは殴るのを止めたが、
何の事がわからない顔をして、こう答えた。
「やっぱり、これって普通のオシッコじゃ無いの? 何かの病気?
大佐はこういう病気の事も詳しいの? 俺、最近、こういう白いオシッコが
出るんだよ。ねえ、これって変な病気じゃ無い? 」
恐怖を感じているのか強張った顔で、そう言ってくるエドワードと見つめ合いながら、
ロイ・マスタング大佐は眩暈を覚えていた。
(一体、この子は……。どんな環境で今まで生きてきたんだッ! )
エドワードは、幼少期からずっと弟と二人で錬金術師としての修行をしていたらしい。
回りにいる大人で、彼らに性教育をきちんと教えてあげる者がいなかったのだろうか?
「大佐。俺って、もしかして、死んでしまうくらい具合が悪いのかな?
俺、そんなの困るよ。俺が死んだら……アルが一人っきりになってしまう。
そんな事、絶対に出来ないよ。」
大佐の思いつめた表情を見て、エドワードは、自分の病気がかなり悪いものだと
思ったらしく、目尻に涙を浮かべ始めた。
自分の身体の事よりも、一番に弟を心配する姿に、マスタング大佐は、この少年が
不憫になってしまった。
「これは……、心配するような事じゃ無い。別に病気では無いから安心しなさい。
君は本当に知らないようだが。これは精通と言って、二次成長の済んでいる男なら、
誰でもある事だ。ごく普通の事なんだよ。」
大佐の言葉に、エドワードは瞳を光らせた。表情に見る間に活気が戻ってくる。
「えっ? そうなの? じゃあ、大佐も同じように白いオシッコが出るの? 」
「これは、尿ではない。精液と言うんだ。確かに、同じ場所から出てくるが、
生成される所は全く違う……。」
大佐は、エドワードにもわかるように、簡単な単語を使いながら、成人した男性の
機能について話を聞かせた。
エドワードは、不思議な物語を聞くような複雑な顔をして、じっと大佐の話に耳を
傾けていた。 大佐が、『女性と子供を作る時に必要な機能だ。』と解説を始めた
ところで、エドワードが初めて口をはさんできた。
「大佐。今、《女性の身体を見た時に男性器が大きくなる》って言ったよね。
俺、そういう時にオチンチンが立った事は無いよ。昔、湖でウェンリーと水浴び
したけど、そんな事は一度も無かったよ。」
大佐は、苦笑した。
「女性なら、誰でも良いってワケじゃ無いからね。異性として意識して見た時に
そうなるって話さ。」
エドワードは、意味が理解できないらしく、首をしきりにかしげていた。
「じゃあ、君は、どういう時に、勃起する事があるんだい? 最近、良く
《白いオシッコが出る》と言っていたけれど。どんな時に、そういう状態になるんだ? 」
その質問に、エドワードは、元気にこう答えた。
「俺は……。大佐に、身体を押してもらった後かな? いつも訓練した後、帰る時に
オチンチンが腫れている事が多いんだよね。で、部屋に帰ってベッドに入っても、
なかなか眠れなくて。痛くて辛いから、手で撫でているウチに、白いモノが
出る事が多い……。」
マスタング大佐は、それを聞いてため息が出てしまった。自分の施している
マッサージで、この少年は、とんでも無い状態になってしまうらしい。
話を聞いた様子では、初恋もまだらしい子供に、自慰を覚えさせてしまった事に、
大佐は大きな罪の意識を感じてしまっていた。
打ちひしがれている大佐に、さらに追い討ちをかけるように、エドワードは、
こんな事を付け加えた。
「それに、俺。大佐と話をしていても、オチンチンが自然に立つんだよね。今もね。
大佐の話を聞いていたら、だんだん身体が熱くなって……、こういう感じになってきた。」
エドワードは、突然、腰を上げると、仰向けに寝たまま、身につけていた下着を
降ろし始めた。
<何も知らない>割りには、<積極的で攻撃性の高いマメ>に翻弄される
可哀相な大佐の話です。この後は、完全成人指定・・・と言っても良いかと
思われます。宜しければ、イベントで手に取ってもらえれば嬉しいです。
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