今月のキーワード
〇 スプーフィング(Spoofing)

 スプーフィングとは、サイバーセキュリティ用語で「信頼できる存在になりすまして行う詐欺行為」を意味し、ユーザーやシステム、アプリケーションなどが誤った行動をとるように誘導する行為全般を示します。

 スプーフィングを用いた攻撃は非常に種類が多く、攻撃者は自身の身分やメールアドレス、IPアドレス、ドメイン、ARPプロトコル、電子署名、システムが送信するメッセージなど、様々な要素になりすますことで、情報の窃取や金銭の窃取、あるいはシステムのダウンといった目的を達成します。

 今話題の発信者番スプーフィング(電話番号偽装スプーフィング)もこのスプーフィングの一つです。これは実在する警察署の電話番号を表示させ、信用を得てから不安を煽り、指定した口座への送金を誘導する新手の特殊詐欺です。警察庁によると2024年1月から25年3月中旬までに1458件確認されています。特に、「+」から始まる国際電話で末尾が0110となる番号が多い状況です。

 なお、+881から+883までの3桁は、インターネットなどを通じて電話サービスを提供する特定の国に属さない国際電話会社向けに振り当てられた番号です。

〇 クリエイティビティ

 クリエイティビティ(creativity)は、 創造力、独創力といった意味を持つ英単語です。
 マーケティングにおいては、顧客の感情を動かし、ブランドを強く印象付ける意味になります。

 マーケティングでは「量産・量販モデル」に基づき、マスメディアを活用したマスプロモーション時代、デジタル技術の進化により、顧客データ分析を通じてターゲット層にメッセージ配信するターゲティングアプローチ時代、そして、CRMやAI技術を活用し「心地よい」購買体験を提供する「One to One」コミュニケーション時代へと変遷しています。

 しかし、消費者がパーソナライズに慣れ、こうした手法だけでは強い印象を残し競合との差別化することが難しくなっています。今では顧客の感情を動かし、ブランドを強く印象付けるために、クリエイティビティを活用することが重要となっています。データとクリエイティビティを融させ、驚きや感動、共感を生み、顧客にブランドを強く印象付けるアプローチが事業成長に寄与すると期待されています。



コラム
■ リードジェネレーションからリードクオリフィケーション、そしてレベニューオペレーション
 
 マーケティングには、見込み顧客を獲得し、その見込み顧客の見込み度合を引き上げる育成をして、さらに育成した見込み顧客を選別し、有益な営業アプローチにつなげる活動があります。

そして、セールス、マーケティング、カスタマーサクセス(CS:顧客満足度)、財務の関連部門の基盤を整え、組織全体の収益を最大化するレベニューオペレーション(Revenue Operations:RevOps)というアプローチがあります。

その見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)、見込み顧客の選別(リードクオリフィケーション)について、簡単に解説します。

〇 リードジェネレーション
 リードジェネレーションのリード(Lead)とは、「きっかけ」や「手がかり」を意味する英単語に由来し、マーケティングの世界では自社の商品やサービスを将来的に利用してくれる「見込み客」のことを指します。そして、リードジェネレーションはリードを獲得する(generatioin)という言葉の通り、マーケティング活動によって見込み顧客情報を獲得する活動のことを指します。

 例えば、「展示会での名刺獲得」「Webサイト上での問い合わせ獲得」「SEO対策」はリードジェネレーションの一部です。

 販売促進活動を行う上で、対象の製品やサービスが万人に利用されるようなものであれば、不特定多数にアプローチする手法も効果的ですが、属性が限定された個人や法人を対象にした製品やサービスの場合は、リードジェネレーションを行うことが重要になることが多いです。

〇 リードナーチャリング
 リード(lead)を育成する(nurturing)という言葉のように、これまで獲得してきたリード(見込み客)に対して、有益な情報提供を続けながら自社サービスの教育をすることによって、見込み度合いを上げる活動のことを指します。

 例えば、「メールマガジンの配信」「導入事例の提供」「セミナーの案内」「無料トライアルの案内」のような活動がリードナーチャリングに当たります。

 こうしたリードナーチャリングを行い、ニーズが顕在化したリードに対して営業がアプローチすることで、より有益な商談に注力することができるようになります。

〇 リードクオリフィケーション

 リードクオリフィケーション(lead qualification)はリードナーチャリング(見込み顧客の育成)の段階からとくに購買意識の高い顧客に対して選別を行うマーケティング手法です。リードに対して、この状態に選別できた場合には、既に自社サービスに対して興味や関心を抱いていることから、営業やPRがしやすい状態にあります。

 リードの購買意欲を選別するための方法は「お問い合わせ」「サービス資料のダウンロード」「セミナーへの参加」「サービスサイトの閲覧」「営業からのアプローチ」のような方法です。

 そして、選別したうえで顧客に対して「顧客の属性(業種、職種、役職など)」「行動履歴」「顧客が手にしている情報」など要素を分析を重ねていき、そして、選別基準を見直し続ける事によって、有益な営業アプローチリストを作ることです。


 これらの3つの活動の先にあるRevOpsの活動分野には、ITが深く関連し、近年導入が進んだ生成AIとも関連が深まっている状況です。
例えば、膨大なデータを迅速に処理・分析し、リアルタイムの洞察を提供し、予測分析や機械学習を活用して、より正確な収益予測と戦略を策定を行い、そして、生成AIを活用して、個々の顧客に合わせたコンテンツやオファーを作成し、コンバージョン率(見込み顧客のうち最終的に成果に至った割合)と顧客満足度の向上を図ります。
 ただ、 データセキュリティ、プライバシーの確保、ヒューマンマシンコラボレーション(人間とAIのコラボレーション)の最適化、初期コストやリスクの評価などが課題として残ります。




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更新 2025年6月9日

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