今月のキーワード
〇 ブルートフォース攻撃

 ブルートフォース攻撃とは、パスワードやログイン情報、暗号鍵などを特定するために、考えられるすべての文字、数字、記号の組み合わせを総当たりで試行するサイバー攻撃の一種です。この攻撃は「総当たり攻撃」や「力任せ攻撃」とも呼ばれます。

 ブルートフォース攻撃は、人間が手動で行うには時間がかかりますが、自動化ツールを使用することで効率的に実行されます。攻撃者は、ユーザーIDを固定し、パスワード欄に考えられるすべての文字列を次々と入力し、正解が見つかるまで試行し続けます。

 ブルートフォース攻撃には、いくつかの種類があり、辞書攻撃(一般的な単語やフレーズのリストを使用してパスワードを試行)、ハイブリッドブルートフォース攻撃( 辞書攻撃と通常のブルートフォース攻撃の要素を組み合わせ、一般的な単語に数字や記号を追加して試行)リバースブルートフォース攻撃(パスワードを固定し、ユーザーIDのパターンを総当たりで試行)などがあります。

 ブルートフォース攻撃によりパスワードが破られると、アカウントへの不正アクセスや乗っ取り、サービスの改ざん、クレジットカードの不正利用、個人情報や機密情報の盗難など被害があります。


〇 「N=1」マーケティング

 N1マーケティングとは、特定の顧客1人(N=1)を徹底的に深掘りし、その行動や心理、ニーズの本質を理解して、商品開発やマーケティング施策に活かす手法です。

 従来のマス(多数)の顧客を対象とした統計的な分析とは異なり、1人のユーザーを深く観察することで、多くの顧客に共通する普遍的なニーズや課題、アイデアを発見することを目指します。

 N1マーケティングの特徴には、「顧客への深い理解」「隠れたニーズの発見」「普遍的な価値の発見」「具体的な施策への転換」「演繹的アプローチ(仮説→検証)とは異なる帰納的発想」があります。

 ただ、「1人の意見をどこまで一般化できるかの議論の余地がある」「分析対象となるユーザーの選定が難しい」などの課題もある。



コラム
■ リードジェネレーションからリードクオリフィケーション、そしてレベニューオペレーション
 
 マーケティングには、見込み顧客を獲得し、その見込み顧客の見込み度合を引き上げる育成をして、さらに育成した見込み顧客を選別し、有益な営業アプローチにつなげる活動があります。

そして、セールス、マーケティング、カスタマーサクセス(CS:顧客満足度)、財務の関連部門の基盤を整え、組織全体の収益を最大化するレベニューオペレーション(Revenue Operations:RevOps)というアプローチがあります。

その見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)、見込み顧客の選別(リードクオリフィケーション)について、簡単に解説します。

〇 リードジェネレーション
 リードジェネレーションのリード(Lead)とは、「きっかけ」や「手がかり」を意味する英単語に由来し、マーケティングの世界では自社の商品やサービスを将来的に利用してくれる「見込み客」のことを指します。そして、リードジェネレーションはリードを獲得する(generatioin)という言葉の通り、マーケティング活動によって見込み顧客情報を獲得する活動のことを指します。

 例えば、「展示会での名刺獲得」「Webサイト上での問い合わせ獲得」「SEO対策」はリードジェネレーションの一部です。

 販売促進活動を行う上で、対象の製品やサービスが万人に利用されるようなものであれば、不特定多数にアプローチする手法も効果的ですが、属性が限定された個人や法人を対象にした製品やサービスの場合は、リードジェネレーションを行うことが重要になることが多いです。

〇 リードナーチャリング
 リード(lead)を育成する(nurturing)という言葉のように、これまで獲得してきたリード(見込み客)に対して、有益な情報提供を続けながら自社サービスの教育をすることによって、見込み度合いを上げる活動のことを指します。

 例えば、「メールマガジンの配信」「導入事例の提供」「セミナーの案内」「無料トライアルの案内」のような活動がリードナーチャリングに当たります。

 こうしたリードナーチャリングを行い、ニーズが顕在化したリードに対して営業がアプローチすることで、より有益な商談に注力することができるようになります。

〇 リードクオリフィケーション

 リードクオリフィケーション(lead qualification)はリードナーチャリング(見込み顧客の育成)の段階からとくに購買意識の高い顧客に対して選別を行うマーケティング手法です。リードに対して、この状態に選別できた場合には、既に自社サービスに対して興味や関心を抱いていることから、営業やPRがしやすい状態にあります。

 リードの購買意欲を選別するための方法は「お問い合わせ」「サービス資料のダウンロード」「セミナーへの参加」「サービスサイトの閲覧」「営業からのアプローチ」のような方法です。

 そして、選別したうえで顧客に対して「顧客の属性(業種、職種、役職など)」「行動履歴」「顧客が手にしている情報」など要素を分析を重ねていき、そして、選別基準を見直し続ける事によって、有益な営業アプローチリストを作ることです。


 これらの3つの活動の先にあるRevOpsの活動分野には、ITが深く関連し、近年導入が進んだ生成AIとも関連が深まっている状況です。
例えば、膨大なデータを迅速に処理・分析し、リアルタイムの洞察を提供し、予測分析や機械学習を活用して、より正確な収益予測と戦略を策定を行い、そして、生成AIを活用して、個々の顧客に合わせたコンテンツやオファーを作成し、コンバージョン率(見込み顧客のうち最終的に成果に至った割合)と顧客満足度の向上を図ります。
 ただ、 データセキュリティ、プライバシーの確保、ヒューマンマシンコラボレーション(人間とAIのコラボレーション)の最適化、初期コストやリスクの評価などが課題として残ります。




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更新 2025年12月4日

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