*2007年4月のワタクシ。前編*
4/1(日)桜、満開!
母と鎌倉へ花見に行く。3時から和裁教室なので、早めに出てササッと廻ろうと思ったが、結局遅くなってしまった。
今回は鎌倉駅から、すし詰めの江ノ電に乗って(すごい人出!そりゃそうだ)極楽寺駅で下車。
とても風情のある駅。すぐ近くの極楽寺は、渋い藁葺きの門をくぐると参道は桜並木。見事に満開!で、来た甲斐もあったというもの。サルスベリ、紫陽花も有名なんだそうだ。可愛らしいピンクの花梨の花が印象的だった。
入り口付近に茶屋があって、フラフラと入って甘酒をいただく。甘酒は薄かったけど縁側の緋もうせんは居心地が良かった。藤棚にはツボミがいっぱい。
これまたムードたっぷりの
切り通しを抜けて行くと、虚空蔵堂、星の井、御霊(ごりょう)神社と抜けて長谷寺へ。入るとすぐにお庭の枝垂れ桜が目に入るが、残念ながらもう殆ど散ってしまっていた。石段を登って大黒堂前では、ソメイヨシノの見事な木が満開。ここは展望台にもなっていて、街越しに海が見渡せる。サーファーがいっぱい。休憩用のテーブルが並んでいて、買って来たお弁当を広げた。日差しが強くて、暑い。鎌倉駅のコインロッカーに大荷物と上着を預けて来て良かった。
長谷寺は広く、立派な十一面観音像、ぐるぐる回せる経蔵とか、桜ばかりかシャガの花が咲き乱れる展望散策路(花好きの母は大喜び)、水子供養の膨大な数の地蔵(近頃はお地蔵さんの手に持った錫杖にストラップを付けるのが流行りのようだ)、食堂と名物長谷団子、胎内巡りみたいな弁天窟。殆どアミューズメント。側を歩く老夫婦が「これで入場料300円なら安いもんだ」と話し合っていたが、分かる、それ(笑)。
長谷寺からさらに歩いて、暑さに負けてソフトクリームを買い食い。高徳院(大仏殿)こと、有名な奈良の大仏様へ。
うーん。久しぶりに見たが、やっぱりでかい。20円払うと大仏様の中に入れるんだが、並んでたのでやめた。
ここも桜が綺麗だったが、絵葉書にあるように桜と大仏様を一緒に撮そうと思うとかなり無理がある。あれは望遠カメラ?来た道を戻って光則寺。
ここも“花のお寺"で有名らしく、敷地はそんなに広くはないが、とにかく庭中花だらけ!
今はピンクのカイドウが花盛りだが、椿も何種類も咲いている。黄色い椿を始めて見た。紫陽花の季節も良さそうだ。
光則寺を出ると、もう長谷駅はすぐ近く。
…と、気が付けば3時まであと15分ばかり。
あーあ、そうなるんじゃないかと覚悟はしていたけど、大遅刻だ。
行き以上にすし詰めの江ノ電に乗って、鎌倉で母と分かれて和裁教室に向かった。鎌倉からJR線で50分。
汗だくになってしまって、Tシャツだけでも着替えたいと思ったけど駅のトイレが有料だったんでやめた(笑)。
いささか歩き疲れたし急ぐので、20分ばかり歩くのを端折ってタクシーに乗った。
あ、歳かしら。
今日あたり、ずっと縫ってる“肌襦袢"が出来上がるかな?と思っていたんだけど、3時間の教室で1時間半遅刻して、肌襦袢完成は夢と消えた。残念!
来週は行けないから、再来週から、浴衣にトライだ!和裁教室の後、メンバーと隅田川へ花見に出かけた。
先日行ったばかりの浅草で下車して、先発隊と合流。
男性3人、女性1人がバリバリ和服で、私を含む男女2人ずつが洋装。いいなぁ、やっぱり、着物。
なんとか着て歩けるようになりたい。作るよりそっちが先だったかな?
暗くなった浅草の街は初めて。イルミネーションが華やかで驚いた。
“金のウンコ"の方へ進むと、すぐ隅田川べりに出た。あらら、こんなに近かったのね。知りませんでした!
実は隅田川、川から船で通った事はあったが、川沿いを歩くのは初めてかも。少なくとも桜のシーズンには来た事がない。
すごい、すごーい!!
なにしろ桜。むちゃくちゃ満開。ピンクのぼんぼり、川の流れ、行き交う屋台船。川面に映る船灯り。あんなに暑かったにも、今は涼しい風が心地良い。ムード最高!
でも、なんか河原の土手下でイベントをやっていて、大音響でディスコ系の音楽をガンガン流して若者?が踊っていて、うるさかった。見物人も多かったけど、私は興醒め。センスないなあ、あんなイベント企画した奴。
和裁の先生の持って来てくれた日本酒を開けて、プラコップでチビチビやりながら桜並木をブラブラ歩く。美味しい!けど、8人がかりでアッという間に空いてしまった。浅草側を吾妻橋から歩いて言問橋を渡り、反対岸を戻る途中で、急に雨が降り出した。けっこう大粒。
あんなにいいお天気だったのにー!傘の用意もしていない。
着物の人達は、さあ大変!やはり水には弱いらしい。
駅前に戻って、アーケード街をウロウロして入れる店を探す。やはり混んでいて、なかなか8人入れる店が見付からず、
やっと店が見付かった頃に雨が上がった。まあ、いいんだけど(笑)。 しかし浅草って、仲店通りと浅草寺しか知らなかったけど、こんないい所だったのね。
また来よう。(写真は仕事場の近所の川沿いの桜。木は大きくないけど花の付きはすごくいいです)
お正月にアシスタントに行った漫画家さん・K先生からまた依頼をいただいて、お手伝いに行った。
今回は5泊。10日あたりまで、と言われたんだけど、9日から2泊3日で金沢に旅行が決まっていて、8日までにしてもらった。
お仕事の途中で抜けさせてもらうのは、どうも心残りと言うか申し訳無いし、特に今回はアシストが私一人で、9日から他の人が入るという事で間が空いてしまう。ご免なさい。金沢へは、最近金沢へ移り住んだ漫画家さん・B先生を訪ねて行く。
桜の季節が最高、とB先生が言うので、開花予想に合わせて日取りを決めて、安上がりなビジネスパックを予約した。
詳しい日程が決まったら連絡するはずだったのに、最終決定の報告を入れ忘れた事を思い出したのはK先生の仕事に向かう電車の中。仕事の合間に携帯から電話すればいいや、と思ったら、なんとB先生の新しい番号が登録していなかった!がーん。
…もう、この上は仕方ない。だいたいの日程は言ってあるし、出発前日の夜に「明日行きます」と電話して、あちらの都合が合わなかったらそれまでだ。前回もそうだったが、初日が一番辛い。
身体が仕事に慣れるまでが大変みたい。
お正月にそれで辛い思いをして、帰ったら自分の仕事をちゃんと続けよう、と思ったのに、2月に一本描いたきりまたグータラ生活に戻ってしまっていた。ああ、喉元過ぎれば何とやら。
おまけに、一時は夏日が続いたというのに、また寒波が到来、真冬のような寒さ。初日は豪雨。
先生は片付けてしまったガスストーブをまた出して来た。電気ヒーターではとても間に合わない寒さ。着る物もそんなに用意していなかったので、とにかくありったけ重ね着してしのいだ。
3日目からだんだん日が差して暖かくなって来て、助かったー!天候で気分はかなり左右されるもんね。今回は最初から最後まで1人だったので、仕事はきつかったが寝る前にゆっくりストレッチ等ができたのは楽だった。
肩凝りと足の冷えが、なにしろ辛いので。ああ、年寄り臭い(泣)。
でも、前回で懲りたので無理に我慢しないでこまめにストレッチをして、酷い状態は回避できた。
ネコの“がっちゃん"ともだいぶ顔見知りになって来て、ちょっと遊んだりできた。鳴かないネコだけど、ご飯が欲しい時は声を出す、とか、自分の名前はちゃんと聞き分けるとか、まあ、色々分かって来て面白い。
生き物がいる環境って、やっぱりいいな。ちょうど選挙が重なって、真面目なK先生は仕事に入る前に不在者投票を済ませて来たそうだが、私は時間が取れなかった。
20年ぶりくらいの棄権。まあ、いつもそんなに信念を持って投票しているワケでもないけれど、やっぱり義務放棄はイカン。
以後、気を付けます。
しかし、宣伝カーはやかましいし、日中何度も票取り電話はかかって来るし。漫画家の修羅場にこれってキツイ。
いつも思うのだけれど、選挙の票集めの方法って、もっといいやり方は無いのでしょうか?今回の作品、舞台は戦後間もない昭和20年代、という事で、昔風の日本家屋をいっぱい描いた。
障子、縁側、出窓、瓦屋根。トタン貼りの外壁、ガラス障子の引き戸のお店、丸いポスト。ボンネット型のバス。
古い資料写真を、山のように見た。
元々近視と乱視に加え、そろそろ老眼もキテいる目で、障子の桟のでこぼこを描くのはしんどかったが、自分では描かない物をたくさん描いて、改めて「こうなってるんだ…」と思うことも多い。
昔の日本家屋には出窓が多かったというのも、意外な発見。予定通り8日の午後、仕事を上がらせてもらった。
ベランダで先生の育てる“ネコの草"が、来た時は1cm位だったのが、帰る日は5cmに育っていた。すごい!春ねぇ。
まだ日のあるうちに電車に乗って家に帰れた。
金沢のB先生に電話もして、明日会う手はずも整えて、とにかく眠らなくては!と、意気込むものの、気分がハイになってしまって寝付けない。やれやれ…。
出稼ぎから一夜明けて、予定通り金沢へ出発。
出稼ぎ先では毎日9時には起きる生活だったので、普段(昼起きも稀じゃない…)よりは起きやすかったかも。
東京発9:44の上越新幹線。家を出るのは8:30、起床は7:00。
今回安いビジネスパックで取ってしまったので、列車の変更が利かない。乗り遅れたら乗車券もチャラ、というので、緊張した。なんだか寝たんだかなんだか、という感じで目覚め、東京駅でコーヒーでも飲んでいればいいや、という気持ちで出かけたのに、着いてみたらそんなに余裕は無かった。危ない、危ない。
2時過ぎに金沢駅に着いてB先生に電話。
兼六園下のバス停で待ち合わせを決めて、ホテルのチェックインが3時だというので荷物を持ったまま周遊バスに乗る。
バス停は右手に金沢城、左が兼六園。右も左も桜だらけ!満開。
兼六園前の茶店でお団子を買ってお城の野外休憩所で食べる。残ったのは明日の朝食用。
金沢城は残っているのはお堀と外壁と門だけで、中の建物は平成に入って再建されたそうな。新しいので有難味は薄いが、何も無いより楽しいかも(笑)。
B先生が「夫に上まで登らされて大変だった、疲れた、疲れた」と連発するので、景色の良さ気な上の方へ登れなかった。まあ、後で1人で来るからいいや。私ナントカと煙で高い所好きだから。
兼六園は無料公開中。桜は山盛り、花盛り。赤い椿の立派な木も多く、こちらも満開。
そして何より、コケが美しい。お庭中を小川が流れる。ちょっと下水臭いのは仕方ないか。
「兼六園の茶店の団子が旨くてお皿がもらえる」という情報をくれたDさんにメールで子細を問い合わせると、「店の名は覚えてないけど兼六園内」「多分“時雨停"」と、写真まで送ってくれたが、時雨停に行ってみると写真と違う。あれれ?送られて来た写真は入り口前の土産物屋と茶店の並ぶ一角で、「店頭に被毛線」はどこの店も同じで手掛かりにならず。
結局時雨停には入らず(さっき団子は食べたし)、兼六園脇のクラシカルな喫茶店で焼きリンゴ(おいしかった!)を分け合ってコーヒーを飲んだ。お堀端の桜並木を下って右に折れ(この道も桜だらけ!)繁華街・香林坊へ行く頃、日が暮れる。桜並木に飾られたピンクのぼんぼりに灯がともる。
B先生の旦那様から電話があって合流する事になり、待つ間冷たい風をしのごうと近くのデパートへ入ったら、伊万里焼の無料展示会をやっていたので見学。金沢で伊万里焼(笑)。でも、綺麗で面白かった。旦那さんオススメの寿司・懐石屋さん“蛇の目寿司"へ。川沿いの雰囲気の良いお店で、個室座敷に通され、加賀料理に寿司の付いたセットメニューをいただく。
名物と聞いて、まず食べたかった“治部煮"もコースに含まれている。しかも本式、鴨の肉。
とろみの付いた煮物で、
なかなか。、煮物なんだけどワサビを付けるのが気に入った。さくさくした青菜が美味しかったが名前は不明。何だろう?ホタルイカの煮物や酢の物も美味しかった。煮浸しに入ってる白っぽい野菜は「ハスイモです」ホホー。そう言えばベトナムで食べた“蓮の茎"も、こんな歯応えだった。美味しい!
冷酒を一本いただいて、品数の多いおかずに寿司が8個くらい?激烈に満腹!
車で駅前まで送ってもらって、B先生が昼まで寝てると言うので起きたら電話してもらうよう約束して今日は解散。ホテル“ドーミーイン金沢"は、去年の秋にできたばかり、という事で、去年編集のガイドブックにも出ていない、ちょと迷ってしまった。電話して道を聞き、やっと到着。
赤い顔でチェックインするのは恥ずかしかったが、ホテルの部屋は12階、夜景が綺麗で、ベットはセミダブル、値段の割りにゆったりしてるがバスタブは無くシャワーのみ。
14階に大浴場。加賀温泉。
赤い色の付いたお湯はナトリウム泉だそうで、硫黄泉のような刺激も臭いも無くて快適。
露天風呂は、こんな街中なので壁に四方を閉ざされて味気ないが、空は空いていて一応気分は味わえる。湯船からではないが小さな丸窓から夜景を覗く事もできる。
湯上がりに缶ビール一本飲んで就寝。ダイエットとは、しばしのお別れ(笑)。
4/10(火)6:30に目覚める。日常ではありえない時間(笑)。朝食はホテルに頼まなかったので(980円でバイキングだそうで)昨日の残りの団子を食べて温泉に浸かる。
大浴場の丸窓は東向きだったらしく、丸くくり抜かれた朝日が筒状に差し込んで湯気を反射して、とても綺麗。
8時頃出かけて徒歩で15分程の近江町市場で朝食、ガイドブックに出ていた定食屋に入り『煮魚定食』をいただく。
カレイの煮付けも酢の物も漬け物もとても美味しかったが、せっかく市場へ来たのに生物食べれば良かったかなと途中で悔やむ。でも、朝から刺身定食とか、海鮮丼とか…、食べたいわ(笑)。
市場では、生きた甘エビやドジョウの子をビニール袋に水を張って売っていたりして面白かったが、お買い物はできないわね、残念。ブリがうまそうだったなー。ウナギの蒲焼きとか。
そのまま歩くとすぐ近くだったので、また金沢城へ行き、お堀端を歩いたり、上まで登ってみる。金沢の街を一望。とにかく桜がすごい!
お天気も良くて、途中少し汗ばむ程。
久しぶりに、白い花のタンポポを見かけて感動し、柵の中に侵入して(ご免なさ〜い!)撮影したけど、あとから歩く先々にいっぱい咲いていた(笑)。
昨日下見をした“時雨停"に入ってみる。
花見団子って雰囲気じゃなく(朝も食べたから団子はもういいんだけど)抹茶または煎茶と和菓子のセットのみ、中は被毛線が敷かれてちょっとしたお茶席の様子。D氏の証言はガセだった(笑)。
綺麗な桜を象った“桜山"という練りきり(大好物!)に、タップリの抹茶。障子の美しいいい和室で、外は綺麗な日本庭園。お茶の後縁側に座ってボンヤリ日向ぼっこした。団子はガセネタだったけど、まあいいや(笑)。
金沢は古い町並みが多く残っている。一昨日まで描いていたような和風建築がいっぱい。
細い障子窓、ガラス障子の玄関口、ずっしりとした瓦屋根。出窓も、なるほど多い。
今回のアシスタントの仕事をしていなかったら、またはしていても少し日にちがあいていたら、こんなにまじまじと日本家屋を見る目にはなっていなかっただろう。
ちょっと不思議なタイミングだな、と思う。
周遊バスで西へ行き、犀川沿いを散歩。日差しが心地良く眠くなる。桜は、ここでも満開!
犀川を渡って歩いて忍者寺・妙立寺というのに行ってみたが、待たされるようだし前に見たのをウッスラ思い出したのでそのままスルー。でも、このあたりはお寺が多く良い雰囲気の通りだ。
また川を渡り、
武家屋敷街へ向かう。
いいかげんお腹も空いて、午後1時を過ぎてもBさんから電話が無いので、通りかかったおでん屋さんで定食を食べる。金沢は一年中おでんが食べられる、おでん好きな街なんだとか。
“おでん定食"には、好きな大根が付いていなかったので大根を追加注文。味は、普通。茶飯が美味しかった。
楽しみにしていた“長町友禅館"を見学、付ききりで解説をしてくださるので少々面食らったが、製作工程を丁寧に見せてもらえて面白かった。美しい友禅染めの着物、暖簾も展示してあるが、「着るのか!?」と、思わんでもない。綺麗すぎて…。
すぐ側の
“武家屋敷・野村邸跡"に入り、立派なお庭を眺めていたら携帯が鳴った!シマッタ、消音しし忘れた、旅行ボケ!
先生、今起きたそうで、昨日と同じ兼六園下で待ち合わせして、一緒に兼六園の周辺の施設を廻る。
加賀友禅伝統産業会館、石川県立伝統産業工芸館を見学。
友禅伝統産業会館では、素晴らしい展示品の他に彩色の実演も見られる。細かい作業で、よくはみ出さないな〜、と、極めて素人的感想を言い合った。PC画面で客の写真に友禅着物を着せたシミュレーションを見せてくれるサービスもあって、ちょうど若い女性がやっていたんので後から覗く。色や柄がパパッと変わり、面白そう!友禅染体験もできるが、京都でやったからもういいや。
産業工芸館は、さらに金箔の仏壇、和傘、おもちゃ、和紙、漆器、九谷焼。
金沢って本当、凄い街だ。友禅、金箔、九谷焼。続けて見てたら、目がすっかりキラキラになってしまった(笑)。かなり好き。
産業工芸館の途中で5時の閉館になってしまったので慌てて残りを見て出口へ向かうと、もう戸締まりが終わっていて、また開けさせてしまった。ご免なさい。
B先生の新しいお家を訪ねるので、工芸館の前からバスに乗る。
明日の朝食を確保するためスーパーに入り和風総菜セットといなり寿司、それにB先生の旦那さんオススメのサツマイモ“五郎島金時"を一本、自分にお土産で買った。
金沢大学の跡というのがあって、ここもまた素晴らしい桜並木。見事な木にツタが絡んだりして手入れがされてない感じが痛ましかったが、花は凄い勢いで咲いていた。
大学跡をぐるりと半周して、裏手にあるB先生の新居を訪問。
一時借りだという借家は、ちょっと凄いレトロ調で、幼い頃遊びに行った友人の家を思い出した。私は団地だったので、ちょっと違ったけど、いかにも昭和初期の匂い。
83歳になるお母様は、昔私がアシスタントに行っていた頃何度かお会いした事のあるハイカラな方だが、足を傷めて出歩けないそうで、ちょっと辛そうだった。別れ際に泣かれてしまった。
自分の親には孝行してないくせに、人様の親御さんが年老いたのを見ると胸が締め付けられる。
またお会いできるだろうか。そんな事考えるのも、申し訳無いけれど。
夕食は近所の『夢庵』でとB先生が主張するので、仕方無くそこで済ませた。いや夢庵が悪い訳じゃない。旅に出てまで全国展開のチェーン店はイヤだと言ったんだが「地方によってメニューは違うわよ」と言い張る。そんなの真に受けていなかったが店に入ってから「前住んでた埼玉には無かったから分からないけど、ちょっとは違うはずよ」。ナゼに夢庵!?
食べ終わって長話をしていると、また旦那さんが電話をくれて、今夜もホテル前まで送ってくれた。
車で待ってもらって、先生に部屋を見せる。
ロビーでパンフレットをもらおうとしたら、「まだ出来ておりません」。おいおい、秋オープンなら半年経ってるでしょ?
車を見送って部屋に戻ると、お風呂に行く前にちょっとウトウトしてしまった。
旅行でハイになってるけど、出稼ぎ明けで来たから、かなり疲れは溜まってるはず。
チェックアウトは11時と言うから、朝食も確保したし、明日の朝は少しゆっくりして行こう。
4/11(水)7時に目覚め、用意したスーパーの朝食を食べる。
金沢のお料理は、(京都もそうだけど)色は薄いが塩はきつい。薄口醤油?塩味がダイレクトに感じて、白いご飯が無いとちょっと辛かったな。ここにも治部煮が入っていた。
一休みしてお風呂に入り、のんびり支度して10時頃チェックアウト。
徒歩2分の金沢駅のコインロッカーに荷物とコートを預けて、スタバでコーヒーをテイクアウトして、のんびり飲みながら歩いて…と、思ったら、胸にコーヒーをこぼしてしまった!ギャー!!
お気に入りのターコイズのカーディガンに、コーヒーのシミが!
目的地の市立安江金箔工芸館に駆け込んでトイレで洗わせてもらおうと思ったら、入り口でまたピッタリと“ともさかりえ"似の解説員が付いてどんどん説明を始めてしまい、言い出せなくなってしまった。
もう乾いてしまったので腹をくくって見学に没頭する。
ここは小規模だが、金箔の製作工程の説明、お茶(むろん金箔入り!)と干菓子を小さなお座敷でふるまわれ、職人さんの金箔切りの実演と解説、作品展示と、内容は濃い。
金沢って、金箔の生産が全国の93%って知ってた?
またまた目がキラキラになって、見学を終了、駅に駆け戻って駅ビルのトイレでコーヒーのシミを洗うが、やっぱりもう落ちない。けっこう混んでいて、乾燥機はあったが乾くまで独占はできないので、やむなくカーディガンは手に持って半袖Tシャツの上にシャツ、という軽装で歩き出す。ちょっと寒い。
ついでにファッションビルも軽く覗く。服もアクセサリーも、やっぱり雅でカラフルで、しかも上品、な気がする。
100円で乗れる“ふらっとバス"で、町民文化館へ。
バスの中で先生から電話が入って、見学が済んだ頃に近くの郵便局で待ち合わせる事に。
ところが町民文化館、土日祝営業だった!
近くにもう一軒、菓子文化会館というのがあって、こちらも興味があったんで行ってみたらまた休館日。
同じ敷地内に泉鏡花記念館があって、建物が良いのでフラフラと入ったが、しまった。泉鏡花に興味が無かった(笑)。
待ち合わせをしてしまったので動けない。郵便局の前の金沢文芸館に入ってみたら、わりと居心地が良くて金沢のビデオを見て待つ事ができた。携帯って便利。ここも桜満開の淺野川を渡って、昼食は東茶屋街の洋食屋。
明治時代の銀行をそのまま使ってる建物とかで、なかなか風情があった。
せっかくなので、メニューは“輪島のマス"のムニエルに。カリッと焼いてあって美味しかったけど、うーん?やっぱり、塩辛い。
市場の海鮮丼が心残りだが、来た道を戻らなくちゃならず、時間も無いので仕方ない。
そろそろ乾いたカーディガンを着込んで出発。朝は照ってた日差しが影って、ちと寒くなって来た。
東茶屋街入り口の無料休憩所では、古い商家がそのまま使われ、定年退職後とおぼしきおじさま方が熱心に解説をしてくれる。
入り口が縦開きの雨戸になっていたり、吹き抜けの上の障子窓がヒモで開閉できたりと、合理的な造りを実演して見せてくれた。
それにしても、金沢は白人観光客が多い!英語よりも、イタリア語やフランス語が耳に付いた。地元の人が言うには、ここ半年程で欧州勢がグッと増えたんだそうだ。
そう言えば、友禅会館では“着付け体験"をやっていて(けっこうなお値段なので私はやめたが)友禅の着物を着せてもらって街を歩けるコースもあり、パンフには嬉しそうな白人女性が写っていた。
私が外人でも、来たいわ、金沢。
ガイドブックにはそう多く出ていなかったが、茶屋街の大半は飲食店になっていた。ここでお昼にしても良かったな。
通りの外れに前田利家ゆかりという神社があって、ここの桜もまた見事。
茶屋街の一軒に入って、またしても金箔入りの抹茶に蕎麦まんじゅう(練りきりじゃなかった…ちょっとガッカリ)で一休み。B先生は金箔入りの葛切り、どこまでも金箔(笑)。ぜんざいも良かったな、もちろん金箔入り。淺野川に出て、土手に降りて桜の写真を撮っていたら、もう4時近く。
帰りの列車が4:48発で、駅でちょっとお土産も買いたいので、戻らねば。
バス停で駅行きのバスに乗り、先生と慌ただしく別れた。
次に会うのは、いつの事やら。まあ、今までもそう頻繁に会ってたわけではないけれど。
冬もいいよ、と言うので、次回は冬行こうかな。でも寒いのはイヤだな…。
夏の能登とか、良さそうなんですけど。
でも、とにかく桜は堪能した!オナカ一杯気分で大満足。駅には“百番街"という大きなショッピングモールがあって、お土産はここで一気に全部済ませた。お菓子と生麩。
午前中覗いたファッションビルで、気に入ったカエルのスワロフスキー製ブローチを購入。黄緑色でカワイイのよ!
駅弁は『お松御膳』と悩んだ末『利家御前』を買った。
無事乗り込めてホッとしたけど、帰りの電車は超退屈した。乗換駅が終点じゃないので眠るのもちょっと心配だし(寝たけど)、ガイドブック以外本も持って来なかったのは失敗だった。
早めに開けた『利家御前』はパッケージも内容もなかなか豪華、だけどやっぱり塩辛い。これにも治部煮が入っていて、ちょっと嬉しい。鴨肉は好物だけど、この料理は意外と鶏の柔らかさが合うかも。
長岡で無事乗り換えて、次の新幹線は2階建て!と、思ったら席は下の階だった。残念!
ところで、帰りの列車でつくづく思ったんだけど、やっぱり安いパックは色々面倒だわね。
まず乗り遅れると乗車券もチャラというのは思いも寄らなかったし、ガラガラの車内を見渡せば指定席の必要は全く無しと分かる。予定の変更ができないのは、全く私好みじゃないし。
少し割高でも、のびのび遊べるフリーな旅が、やっぱり好きだな、私。
でも金沢は、とっても気に入ったけどね。
今度は海鮮丼、食べるぞ!(結局それかい…笑)
追記:D氏に確認したところ、「“時雨停は抹茶が飲めるし、雰囲気あるよ・・・という情報のつもりだったのですが。」「お皿をもらえるのは、写真を添付した茶店のほうです。」との事で、どうやら行き違いがあったようです。
冤罪ご免。
訂正して謝罪いたします(笑)。
でも、誤解したおかげで時雨停の美しいお庭と座敷、美味しい抹茶と練りきりを楽しめました。
4/15(日)今日の和裁教室は、特別企画で『浴衣のアイロン掛け』と『三味線体験』(こちらは希望者のみ)の2本立て。
単純に好奇心から、両方とも受けてみました。と、言っても、相変わらず身支度に手間取って、30分以上遅刻して到着。
ドアを開けると、すでにアイロン掛けの講習が始まっている。すみませ〜ん!
出稼ぎ・旅行と続けて無理したのか、疲れが抜けず、金曜日のシナリオ勉強会へ行くのも電車を2度も乗り越してしまい、今日も乗り越しで5つも先へ行ってしまった。なにやってるんだか…。ちょうど女物の浴衣のアイロン掛け実演が始まった所。
先生は、かなりのご年配、とは思ったが、「あと10年で100歳」と聞いてビックリ!
ここの和裁教室の看板を、見事な筆で書いてくれた方だそうだ。(習字の専門家じゃなかったんだ!)
長年クリーニング屋さんをやって、著名なお姐さん達にもご贔屓された、なんて話を聞かせてくれた。
今時、落語や時代劇でしか聞けないような、江戸言葉がキモチイイ。
女物に続いて男物の浴衣は、皆に少しずつ実習させてくれたが、これが難しい。
私は(何をやってもだいたいそうだが)「力が入り過ぎ」。驚く程優しく扱うようだ。
とは言え、「軍隊では大きな銃の上げ下ろしをやらされて、皆へたばっていたが、私はアイロンを持ち慣れていたから平気だった」と自慢していらしたので、やはり体力のいるお仕事なのだろう。
浴衣の後、ハンカチのアイロン掛けも教えてもらった。1人一枚ずつ実習もして、「これなら家で実用できる!」と思ったものの、帰ってやってみたらなかなか勝手が違う、だいたいアイロン台が狭いし、アイロンが軽いし、そう簡単には名人の真似はできないんであった。
先生、お元気で張り切ってはいても、アイロン掛けに熱が入り過ぎると呼吸が荒くなって来て、ちょっとハラハラしてしまった。
でも、姿勢も良く、動きも表情も機敏。ちょいエロ(笑)なトークもお見事だ。アイロン講習が終わって、先生がお婿さんに付き添われて帰られ、お茶の時間。
話題の“長命寺の桜餅"をいただく。私、初めて!
噂に聞いた通り、でかい桜葉が3枚で巻いてある。2枚をはがし、1枚だけ巻いたまま葉のシンを取って食べる。
う〜ん、皮が美味しい!シッカリした歯応えで、うっすら甘味と塩味。餡は、私の好みではもっと甘い方が好きだけど、さっぱりしてこれくらいの方が人気なのかも。(私は激甘好きだからな…笑)三味線の先生が到着するまでの間、和裁の方を少し進めた。
いよいよ浴衣に突入、という事で、先日買った反物を広げて見積もりをしてみるが、あらら、意外と短い。
結局時間も足りず、アイロン掛けもしていないので、裁断まではできなかったが、先生は「なんとか少しずつ切り詰めて、できそうよ」と言ってくれたんで、頑張ろう。
今まで縫っていた“肌襦袢"は、家で完成したかな?という所までいったんだけど、今日見たら荷物に入っていなかった!
もう、本当にボケボケ。
完成したのかしないのか、先生に見てもらわないと分からない。
着られなくはないと思うんだけど…。バタバタしているうちに、三味線の先生が登場。
こちらもまた、一見して“粋なご老人"だ。
アイロンの先生よりは一回り下、と言っても70代。
羽織姿の背筋の美しい事!タダモンじゃないオーラがムンムン。そしてやっぱり、見事な江戸言葉。
体験、という事で、私の前にもう1人が全くの初心者で、聞いてると、すぐに曲っぽくなっていく。だんだん緊張して来た。
前の人が終わって交代。まず私のスカートがよろしくないと、手ぬぐいで押さえさせられた。三味線でずり上がってしまうそうだ(赤面)。
三味線は弦楽器だが、ギターと違ってネック…“棹(さお)"だよ!…に区切りが無い。先生は私らドシロート向けに、押さえるポイント(と、言っても一カ所)にセロテープを貼ってくれていた。
恐る恐る持ってみると、意外に重い。そして、猫の皮(練習用なので犬の皮だそうだ)と聞いて想像していたより、乾いた手触りだった。そして、棹が3つに分解できると知って感動!継ぎ目が全然見えないのも凄い。
(ちなみに、“猫"も近頃ではもっぱら輸入に頼っているそうな。愛猫が三味線に!なんて悲劇は日本では今は昔。)
で、習ったのは「さくらさくら」の4小節。4つしか音が無い。押さえるのは3カ所だけ。
でも、やってみるとなかなかいい音が出ない。左手は人差し指の爪で押さえると言うが、爪が弱くてペコペコしちゃうし、すぐに痛くなって来る。手加減すれは音が濁る。使い慣れないバチは、なかなかスカッと弦を弾かず、他の弦まで触れてしまったり、戻す時に当たったり、余計な音がいっぱい。
そう言えば昔、ギター弾いてたんだっけ、私。ちょっと思い出したけど、何の役にも立たず。
手先に気を取られると、すぐに最初に習った姿勢が崩れている。
時間にして15分位?だったと思うけど、汗だくになってしまった(マジで)。改めて自分の不器用さを思い知った(笑)ものの、かっこいいお年寄り(なんて言ったら怒られるかな?)に二人も出会えて、とても有意義だった気がする。
姿勢を正す。技術を磨く。言葉を明瞭に。
それを心掛ければ、人は随分美しくなれる、と思う。
しかし江戸弁って、本当にカッコイイね。
4/20(金)『レオナルド・ダ・ヴィンチ −天才の実像』展を見に行った。
ぶっちゃけ、ダ・ヴィンチの絵画はそんなに好みじゃないけど、飛行用器具や、建築デザイン、人体研究等の展示もあると聞いて、そちらをむしろ楽しみにして行った。駅の2階でうまい蕎麦と天丼のセットを食べて、外へ出ると、上野の森は上天気。
風はちょっと冷たいが、すっかり新緑に染まってキラキラしてる。人出も「どうした!?」ってくらい、多い。
修学旅行、バザー、桜はとうに散ったのに花見気分全開でお酒酌み交わす人も。
公園の噴水の向こうに、何やら凄い大人数が座り込んでいて、その前で演説をしている。何事か?と思ったら「悔い改めよ」だった。座って神妙にしている人々の殆どはホームレスらしい出で立ちで、演説する白人男性の脇では大きなナベが用意されようとしている。地べたにアグラをかいた人々は、多くはひたすらうつむいて動かない。
近頃こういう光景を目にすると、明日は我が身かも…と、ネガティブな思考が頭にチラつく。平日とは言え有名どころのダ・ヴィンチ展だから、覚悟はしていたものの、あのでかい東京国立博物館の本館前には長蛇の列。
…ざっと見た感じだと、リタイヤ後のご年配の男女が多い、気がする。そりゃ平日でも集まるわ。
さかんに係員が呼びかけるので、わりとスムーズに進み(しかし展覧会に来て「立ち止まらないでください」と言われるのは、どうも納得が行かない…)すぐ館内に入れた。ロッカーに荷物を預け、『第一会場』へ。
薄暗い中、なんだか込み入ったスロープが設えられていて、辛抱強く列に従って歩いて行くと、今回の呼び物『受胎告知』が遠くに見えて来る。お、と思う間も無く、係員の「近くに行けますから、ここで立ち止まらないでください」の声。なるほど、蛇行した列が絵の前まで続いている、と納得して前の人の背中だけ見ておとなしく進んだら、カーブを曲がった所で突然ロープが張ってあって自動的に前から2列目に振り分けられてしまった!嘘つきー。
しかもなお、「立ち止まらずお進みください」。結局止まって見られる場所は、どこにも無いのであった。
奥の方でご婦人が、「押さないでください、さっきからすごく押されてるんですけど」すると後の人「進まなきゃダメでしょ」おお。「じゃあ先に行ってください、交代しましょ」おお〜。修羅場一歩手前。
かと思えば、すぐ前にいたおばちゃん2人組みは「え?これ一枚?」「そうみたい」(この第一会場ではこの絵が一枚だけ展示してある、と言っても今回、本物の絵画は結局これ一枚だったんだが)「ええ?たったこれだけ?これだけで1500円!?」食い下がるおばちゃん。いや、展示はまだまだ続きますよ、イヤっちゅーほど(笑)。
そんなドサクサに背中を押され、“実物"はろくすっぽ鑑賞できず外に押し出された。マリアの腰布が見事だったな、とか、草花がヘン、とか、その程度の印象。同行の友人は「マリア偉そう…」うん、なるほど。一旦建物を出て、奥にある平成館へ移動、第2会場へ。
階段を上るとまず、でかい翼が見えて来てワクワクする。飛行装置のモデルだ!(重くて飛ばなかったらしいけど)
デジタル再生の絵画展示はショボかった(たった今チラ見した『受胎告知』の、見劣りする事!)が、他にも有名な人体図やら、巨大な鋳型を使った馬の像の考案図や制作途中の模型、鋳物工場のシステム、飛行船や教会や放物線用コンパスの設計図、模型、解説ビデオ。ヘンテコな歩くライオン。解剖学的デッサンの数々。コンパスと定規による楕円の描き方(おおー!)なんてのも、ビデオで解説してくれる。
名画『最後の晩餐』のコーナーでは、12使徒それぞれの役割や動きに着目したビデオ。(当然、あちこちで『ダ・ヴィンチ・コード』の話題・笑)さらに過去映画で使われた『最後の晩餐』を使ったシーンの数々もビデオで流され、懐かしや『ジーザス・クライスト・スーパースター』も!こんな所でお目にかかれるとは…。
最後にミニシアターで、先ほどチラ見した『受胎告知』の解説を含むビデオ3本上映。はー、もう、おなかいっぱい!な気分で出口を抜けるとグッズ売り場。
正直、ダ・ヴィンチのキャラクターグッズって魅力無い。色はくすんでるし表情は暗いし。
でも、一つだけ目に付いたのが、『受胎告知』と『モナリザ』の、陶器製のプレート。
幅25cm程度?と、小さいし、色合いが綺麗で(少しにじんだ感じだけど)目を引いた。
と、思ったら販売員に捕まって(笑)長々と解説を聞かされたんだけど、なんとジノリのオリジナル、200点注文限定発売!通しナンバーと職人&購入者の名入りで¥370000ナリ。
ごめんね、買う気(経済力も)は全く無いんだけど、ちょっと興味だけはあったの。綺麗です。
お金持ちの方に、オススメ(笑)。
それにしてもこのプレート、通しNo.1はヴァチカンの法王様に贈られると言うし、阿部総理は昨日見に来たと言うし。この力の入り方は何なんだ…と、思ったら、“日本におけるイタリア年"の企画だったんでした。
…そうかー、今年はイタリア年だったのね。ちょっと、地味。
街中にイタリアンカラーが溢れかえったりとか、美味しいイタリアンフーズがバカバカ売り出されたりとか、しようよ。
して。で、実に行程、3時間余。
混んでるせいをサッ引いても、すごい濃厚な展示会だ。
ダ・ヴィンチさんが、天才なのは、よお〜く分かった。
…でも、天才的頭脳の持ち主であり、視野が広く好奇心旺盛なのも天才的であるという意味であって、芸術的センスはいかがなモノか?
やっぱり、と言うか、解説を聞けばますます、美意識よりも解析力、という気がする。早い話が「考え過ぎ」。
それにしても本当、みんな好きだよね、ダ・ヴィンチ。
G.W中は夜8時まで会館、開催は6/17まで。ついでに、書籍『レオナルド・ダ・ヴィンチが遺した宝物』ってのが面白そう。
上野の森を少し歩いてから地下鉄に乗って、渋谷に着いた頃には程良く日も暮れた。
昨年末に行き損ねた、“魚の旨い店"へ、再トライ。
今日もやっぱり混んでいて、『10分程度」と言われて待つ事(多分)20分ばかり。
「食い物屋の前で並ぶなんて女がすたる!」ってタイプの私だが、このままでは永遠に入れない気がする(笑)。春の宵だし、まあいいさ。
と、待つ間、入れ替わり立ち替わり、客が来る来る。相当な人気のようだ。
後で聞いたら制限時間があるそうで、おかげで「あと10分」なんて対応ができるようだ。
待つ間に来た客の中に、とても可愛らしいお嬢さんがいて、「ここで待ってれば通してもらえるんですか?」と聞かれたので「(お店の人に)言って来た方がいいです」と答えた。目が大きくて、ウルウルしてる。星がいっぱい入ってる。抜けるように肌が白い。華奢。お店に入って出て来ると、思わず見とれる私にニッコリ。美人って屈託が無い。やっと呼ばれて、2階へ通される。
板の間に座布団が敷かれただけの、しかも狭い座席。もちろん、満杯。
この道具立てで繁盛するとは、ますます期待はつのる(笑)。
ビールと、店員さんオススメの“ズワイガニのむき身"に“なんとかダイの刺身"と“生タコ"。
常連の友人が言うには、人数分以上品数を取ると絶対に残す、それ程量が多いと。
まず、カニ。一見して納得した。平皿に、むき身のカニ脚がビッシリ、積み重なってる。
タイは、お頭付きの姿作り。タコも、直径1.5cmの吸盤と5cmの脚が山盛り。
カニはふんわり、タコはプリプリ、タイはプリプリを通り越してコリコリ。
いやー。なるほど。
こんなに大量に、海産物だけでオナカいっぱい!になれるのは凄い。しかも、新鮮。あまりの豪勢さに、他所様の注文品も気になって思わずキョロキョロ。
あちこちで、携帯カメラでパチパチしてる。ああ、やっぱ撮ればよかった!?
ふと見ると、一つ飛んで向こうに、さっきの瞳ウルウル美人が座ってる。
豪快に“いくら丼"か何か頬張っていた。あんなに華奢なのに、いい食べっぷり。
残念だったのは、“酢"が置いてない事、練りワサビな事。醤油もイマイチかな。それに、どっちかって言うとカニはショウガ?
そうそう、突き出しはカツオのショウガ煮。最後にご飯でいただいたのが、むちゃウマかったー!
で、やめときゃいいのに、その後茶店に行って、ついついパンケーキなんぞをオーダーしちゃうし。
来週は沖縄だってのに、青空の下に膨らんだオナカをさらすのね。
ああ…(泣)。
2007年4月後編へ