*2005年4月のワタクシ。*
卒業大学のマン研のOB会名簿作成が、進んでいる。
こんな御時世なので、住所や電話番号が分かっていても、勝手に載せる訳にはいかない、と言う事で、本人に「何を載せていいか」いちいち確認を取る、という。
私は最初、大変だからやめようよ、そんな事、と思っていた(し、言った)。
でも始まっちゃったから、ちょっと働いてたら、結構面白かった。
学生時代、そんなに親しくなかった人でも、メールの返信読むとミョ〜に懐かしく感じたり、電話で意外に話がはずんでしまったり。幸い私は、イヤな扱いは一度も受けなかった。
しかし作成委員長のG先輩は、大変だったろうなあ。お疲れ様です。
で、その一環で後輩にFAXを送ったら、20年ぶりにもかかわらず「今度飲みましょう!」嬉しいじゃないか。
この日はネームを持って早朝から1日放浪して、すっかり行き詰まってしまい、ゲンナリして夕方家に戻って来た。 PCでメ−ルチェックをしたら、後輩K君から「今S君と飲んでるんですが」。
おお。渡りに舟。 速効で出かける。
マン研では少数派の体育会系K君と、デザイナーのS君。
二人とも、変わったような、変わらないような。
このところマン研ルネッサンスって感じで、久々のメンバーによく会うけど、人ってそうそう変わるもんじゃないのかな。変わっちゃう人は昔の友達になんか会いたがらないのかも。
ポッカリ空いた長い時間は、すぐ忘れてしまうから面白い。
家庭持ちのK君が携帯で奥様に言い訳するのを尻目に、ダラダラ飲んでしまいました(笑)。
そのK君に、名簿の件でG先輩から電話があった、と言う。
若い世代の人達は、連絡ツールは携帯電話とメールが中心。しかし先輩世代からすると、「携帯はアブナイ」んだそうだ。
それで、中間くらいの年齢のK君に「どう思う?」という御相談だったとか。
K君はG先輩と面識が無いらしい。「真面目そうな方ですよね」………。G先輩を知る私とS君は、一瞬答えに詰まった。
いえね、真面目で誠実な、働き者の方に間違いはないのよ。
でもね、見た目は金髪でモヒカンなのよ(笑)。
近いうちに大宴会をやるという話なので、実際見た方が面白いから黙っていたけど。
で、返りの電車の中でふと思ったんだけど、後輩、礼儀正しいのよ。
そう言えば、学生の頃も、我々の一つ下の人達から下は「先輩」「ですます」だった。
私らの学年って、先輩にもタメ口たたいてるもんなあ。
先輩とは友達付き合いで、後輩からは先輩扱い。
なんかエラソーじゃん、私。
真夜中頃、中途半端に仕事に飽きてウトウトしていたら、なんか間近でゴソゴソッと不審な物音がする。
寝室に使っているロフトで横になっていて、押し入れのある左手側から聞こえた気がしたが、足元側の隣の音だと自分に言い聞かせて…と、またゴソゴソ!
もしや、ゴキブリ!?
越して来た当初、(先住民が飼っていたらしく)2〜3度ロフトにゴキブリが出現して、イヤ〜な思いをした。コ○バットで一掃したと思っていたが、また戻って来たのか!?
起き出して身構え、音のする押し入れの戸の方を窺う。
と、またゴソゴソッという音、と共に、「ビッ!ビビッ!!」と声がした!!!
セ、セミ!?そんな声だった。でも、こんな春先に、でも……また物音と、声。
やはり押し入れの中から聞こえる。
仕方無い、なぜここにセミがいるのか分からないが、押し入れに閉じ込めてもおけない。
セミが飛び出すのを覚悟して、押し入れの引き戸を少し開けると……………、ぅうおおおぉーーー!?
思わず漏れる雄叫び(咄嗟にキャーとか言えない自分が悲しい)。
セミとばかり思っていた私の目の前に、予想よりもずっと大きな真っ黒い塊が飛び出して来た!
そいつは物凄いスピードで、狭いロフトを飛び回り始めた。
3周目くらいでやっと、「あ、コウモリだ」と事態が飲み込めたものの、どう対処していいか分からず途方に暮れてしまった。蝙蝠はずっと飛び続け、着地の気配すら見せない。
多分奴もパニクッていたんだろう、凄まじい速さでグルグル飛び続けている。
捕まえるのは不可能、無理して傷つけるのもイヤだ。虫と違って明るい所に行くとも聞かないし、ロフトの窓は40cm×50cm位と小さくて、一応開けてはみたが梁が邪魔しているせいか近寄りもしない。高い所がいいのか、下の部屋に降りる気も無さそうだ。
しばらく考えたがいい案も浮かばないので、取りあえず撮影(笑)。
小さいし素早いのでなかなかデジカメに写らない。シャッタースピードが付いて行けず、ボンヤリした黒い矢印みたいになってしまう。ごめん、ストロボ焚いてしまいました。(と、言う訳で、写真。)
少し落ち着いて来た(私が)ので、コウ君は飛ばせておいて、侵入経路を確認。
正体が知れればそんなにイヤな物ではないが、通路があって後から後からお仲間がやって来たんじゃたまらない。ホラーハウスになってしまう。
押し入れを覗き込む。前からいい加減な作りだとは思っていたが、本当に「取りあえずパネルを貼った」という感じの壁と天井。その角の部分に、隙間が空いている。
…でも、隙間の幅は、わずか7〜8mm。飛んでるコウ君は、翼の幅が20cm位。
こんな細い隙間から出て来られるのか!?タコじゃあるめーし。
さんざん探してみたが、他に怪しい所はナシ。
仕方無いので、取りあえずその隙間をガムテープで塞いだが、まだ納得がいかない。
蝙蝠は超音波で物との距離を測って飛ぶので、スレスレまで来てもサッと避ける、と聞いていたので、狭い中凄い勢いで飛んでいても大丈夫と思っていた(あちらだって初対面の人間にぶつかりたくはないだろう)のに、よほどパニクッていたのか、肩やら頭にバサバサぶつかって来る。
フンを落とされるのはイヤだけど、少し独りにしてやれば落ち着くかな、と思い、ロフトの電気を消して下に降りた。
ネットで対処法を検索したが、やはり「窓を開ける」程度の情報しか見つからない。でも、ネズミのように病原菌の媒体になったりはしないようなので、一安心。もういいや、夜行性だから朝になったら寝るかも、とあきらめて、仕事する事にした。
2時間後くらいかな?
上の気配が消えているので、恐る恐る覗きに上がってみたら、いなくなっていた。
あの小さい窓を見つけて飛びさったみたい。
納得するまで、かなり長い事ロフト内を探し回った。
やれやれ、一件落着、感心にもフンの置き土産もナシ。
ホッとすると共に、ちょっとくらい止まって姿を見せてくれても良かったのに、と未練に思ったりして。
でも、無事出て行ってくれて、良かった。
ちゃんとお家に帰れたかな。
(って、お家って多分、我が家の屋根裏よね・笑)
追記:あれ以来、夕方外に出て飛んでる蝙蝠を見かけると、「アイツかな?」なんて思ってじっと見てしまう。
残念ながら、固体識別できる程親しくした訳でもないので分からないんだけど、元気でやってるといいなあ。
夜、仕事を抜け出して、「いだきしん」という人のピアノ即興コンサートに行って来た。
道々満開の桜だらけ。本当にキレイ!
どーにも家に隠って仕事に励む気分になれない。
編集様、毎度の事ながらご免なさい、でも春は特別落ち着きを失うんです、ワタクシ。
同業者のMさんが、ずいぶんと御執心で、前からお誘いを受けていた。
電話で会場までの道を教えてもらい、携帯番号を交換し合って、会場で待ち合わせの約束をする。
18:30会場、全席自由で19:00開演、と言う事で、最寄りの勝どき駅に着いたのが18:10頃。
楽勝、と思って、電話の説明で聞いた通り長い橋を渡るが、…あれ!?左手に見える大きな建物、という話だったのに、大きな建物は右手にしかない。
早い話が最初に渡る橋を間違えたんであった。なのに向こう岸でウロウロ探し回ってしまった。
おかしいなと思って途中何度か電話をしたが、出ない。
会場内は通じないのか、それとも番号を入れ間違えたのか!?
携帯電話握りしめてウロウロウロ。人に聞いても分からない。
先の方に交番があると聞いて行ってみたら、パトロ−ル中で無人。
先日失敗したというのに、今日も慣れない靴で来てしまった。
だって春なんだもん。エナメルは春の物だって聞いたからさ。今しかないじゃん。
駅からすぐって聞いてたし、まさかこんなに歩き回るとは。
暖かい日で、汗かいて足痛くて、そろそろ時刻も18:45。こりゃ今夜はダメかも。
橋を渡る前に、もう一件交番があったのを思い出し、そちらへ戻ってみる。
これでダメならもうあきらめよう、と思ったら、お巡りさんは即答で「すぐそこ、5分くらいだよ」。
交番の壁に掛かった時計は18:50。
走った走った。足の痛みもなんのその、汗だくももはや辞さず。
会場に飛び込んだのは、本当に開始の直前で、受付に訪ねたら、ちゃんとチケットをキープしてくれていた。
封筒にはMさんから「携帯忘れちゃいました、ごめんなさい」のメモ。あ〜。
係の人が誘導してくれるが、会場は満席で座れない、と思ったら、「スタッフ席」と書かれた紙をはがして椅子を空けてくれた。
タキシ−ド姿のピアニストが登場し、演奏が始まっても、しばらく動悸と汗が止まらない。ぜーぜー。足が痛いのを思い出して靴を脱ぐ。
途中休憩が入ったのでトイレに行ってみると、案の定、列の中にMさんがいた。
あー良かった間に合って、会えて良かったー。
Mさんは今日はシャッキリとお着物姿。高校生のお嬢さんも一緒だ。
席に戻ってまた靴を脱いでビックリ。左足が、血みどろ!
爪が伸びていて、隣の指に刺さったらしい。痛いはずだわ…。
さて、演奏だけど、うーん、私はイマイチ、乗れませんでした。
元々即興とか、練って無いものに感動しないタチなのは自分で分かってるので、難しいなとは思ってた。だから余計、興味があるんだけどね。
まあ、予想通りと言うか、逃げ出したい程苦痛も無いかわりキモチヨクもない、といったところ。
両隣りの女性客(スタッフかも)は、かなりコアなファンらしく、熱気のオーラがムンムンに伝わって来る。すんません、こんな私で。
なにせピアニストが礼をすると、両隣りが客席で頭を下げ返すのだ!!なんて礼儀正しい。
見ると前の方にも、結構頭を下げ返してる人がいる。
マツケンだってこんな事はなかったぞ。
終わってからMさんとお嬢さんと、3人でお茶。
Mさんとはいきなり話題が深くなるから好き。
泣かせブームに苦情を呈する私に、「泣けば取りあえず感動だから」とMさん。
私「なんか精神的不感症みたい」Mさん「そう、でも不感症だってカンジたいからモヤモヤしちゃってるのよ」私「あー、それで変態行為に走ってしまうのね」Mさん「そうそう、どんどんエスカレートする」うーん明解だ。…しかし高校生の娘さんの前でこういう会話って…(笑)。
近所で拾った桜の花を、自作のガラス器に浮かべてみました。
今日は、ダブルR子さん達(先輩のR子さんと、そのお友達のRy子さん)と庭園美術館でアクセサリ−展&お隣の目黒自然教育園でお花見。
もはや連日のご乱行、終わるのか、仕事!?
庭園美術館はお気に入りだけど、植物園は存在は知っていたが入ったのは初めて。
すごいっすよ、ここ!
緑深い、本気で植物園、っつーか、途中思わず「ここは本当に東京なの!?」と口走ってしまいました(笑)。
目黒駅からわずか徒歩10分。これでもかと生い茂る木々、草、笹。意外に車の音も聞こえない、緑が吸い取ってしまうんだろうか?
軽い時空トリップ気分が味わえまっせ。
今日のお目当ての桜は、あるにはあって満開だったんだけど、木がとても高くなってしまっていて花が遠い。花びらが舞うので仰ぎ見ても他の木の葉にさえぎられてなかなか本体が見つけられない、なんて事も。ワイルドでありました。
でも、イチゴ、ヤマブキ、ニリンソウ、ハナダイコン、スミレ、コブシ、ヤマツツジ。
いっぱい咲いてた!秋は紅葉もキレイそう。
そして、面白かったのが、カラス達。
多いとは聞いていて、繁殖期は人を襲う事もあると言うのでビビッていたんだけど、今はまだそんなに気が立ってる時期じゃなかったみたい。
数は物凄かったけど、攻撃的ではなかったな。
見てると、色んな奴がいて、面白いのよ。
桜の枝を嘴で折ろうと悪戦苦闘した末に、いざ折るのに成功したらどうしていいのか分からず、しばらくくわえてたけど何も無かった事にして、また他の枝を折りにかかる奴。なぜか桜の花びらを口いっぱいにくわえて澄ましてる奴(下の写真は「梨影子姐さん」からの頂き物。花びらくわえてるのが見えるかな?)。こうして見るとけっこうカワイイ。頭良さそうで、見ていて飽きないし。
カモもいたし、サギを見つけて大はしゃぎしていたら、背後から来た係員の人に「もう閉館です」と追い出されてしまった。
う〜ん、もっと遊びたかった、5時閉館。
今度はもっと、ゆっくり行きたいな、お弁当でも持って。
そんなこんな遊び回った上に春眠暁を覚えず、ってコトで、結局仕上がったのが17日の深夜。10日と言われていたので、一週間の遅れだわ。
催促が無いのをいい事に、だらだら働いてしまった、次の予定も無いしな。
渋谷のモアイ前で原稿の受け渡しを済ませ、ワーイ!開放感。
「阿修羅城の瞳」の映画が一昨日から始まっているので、その足で観に行った。
劇団☆新感線の古参のファンを自称する身としましては、やっぱり映画化は気になる所。
あの舞台をどう映画にするのか、と思ったが、心配した程ヘンテコな物じゃなかった(と、思う)。
宮沢りえちゃんキレイだったー(タメイキ…)。
キレイと言えば樋口可奈子さんも。いくつだっけ!?舞台版の夏木マリさんのキテレツメイクはなんだったんだ(笑・きっと御本人の好みかな)。
むしろ真面目に作り過ぎ?という気もしたけれど、もはや映画といて単独では観られないくらい芝居のイメージが強烈だからな。どうなんでしょうか。
完全に主演男女の恋愛話にマトが絞られちゃってて、せっかく渡部篤郎使ってるのに、普通にワキ役になっちゃってたしな。
私はあの猥雑さを愛していたんだな、と再認識。
主演の染さんは、映画ではちょっと…と、隣の看板のオダギリジョーを横目で見てしまった私でした。
「ベルギー象徴派展」に行った。
先日ピアノコンサートに誘ってくれたMさんと、今日は待ち合わせもスンナリいって、あいにくの雨の中渋谷を行く。
Bunkamuraミュージアムは、かなり私好みの企画が多くて大好き。
今回も、すごく面白かった。
宣伝では「ミステリアスで耽美的」が強調され、確かにポスターで出回ったクノップフ(左図)やデルヴィルは妖しくもお耽美だったけど、殆どマンガだよ〜、と言うようなユーモラスなジェームズ・アンソールや、むしろ醜悪さを楽しむ、といった趣きのフェリシアン・ロップス等、実に色んなタイプの画家が集められて、見ごたえタップリ。広くもない会場(このお手軽さがまたお気に入りなんだが)を一巡するのに、2時間半かかってしまった。
*ベルギ−美術についてはこちらが詳しいです。
ミュージアムの出口前に売店があって、展覧会の絵葉書なんか買って、常設の商品を見てたら、スゴイ物を発見!
近頃流行りの、美術品のフィギアの中に、ボッシュのシリーズがある!!
スゴイです、これ。欲しい!
けっこうなお値段(一体四千円近い)だし、ドコに飾るんだ…というタイプの物ではあるが、物凄くキレイにできていて、うわー、見てて飽きないよ。
展示会場を出ると、Bunkamuraの入口ロビーで、オーチャードホールで上演中のバレエ「マシュー・ボーンの白鳥の湖」のビデオを流していた。
これがまた面白い。
音楽は、確かにあのチャイコフスキーの大仰な曲(笑)なんだけど、ダンサーが全員男性。
ごっつい白鳥の群舞は迫力。
…でも大真面目なんだよね。う〜ん。色んな事やってる人がいるなあ。
出てからMさんとお茶した。
二人とも、ちょっと興奮気味!?展覧会やボッシュや白鳥の話で盛り上がった。
それから、Mさんが最近はじめた畑の話。仕事の方向性の話(同業者だからね…)。
「今日の絵を見てて、作家の声が聞こえたけど、私はそういう仕事をしていない」というような事を言っていた。そうかなあ。
私はそのあたり、あまり不足を感じない。もっと具体的に、原稿料が安いとか、カラーページくれとかならいっぱい不満あるんだけどな。
店内は騒がしく、2時間近く喋ってMさんと別れた後には、ちょっと喉がかれていた。
先日描いた不妊症のマンガ「2シーターのまどろみ」に、読者の方がお便りを寄せてくれていた。
御自身も治療をしていて、今は少しお休み中、身につまされた、というような内容で、「夫と二人の幸せを考えたい」と結ばれていた。
嬉しかった。
出来は満足とは言えなかったけど、出産の夢まで見て描いた甲斐があった。
仕事の依頼が、今のところゼロの状態。
季節はいいし、糸の切れた凧状態でフラフラしている。
仕事中たまった雑務(部屋の片付けとか、衣替えとか…)も、このチャンスにやってしまわねば。
見たいもの、欲しい物もいっぱい。
忙しいぞ!
「マシュー・ボーンの白鳥の湖」、観て来ました。
「ベルギー象徴派展」を見に行った渋谷Bunkamuraで上演中で、宣伝ビデオを見かけて以来気になってて。
(あの場ですぐチケット即買いしておけば良かったのに…とは後で思った事。)
開演1時間前から当日券販売、というので、19:00開演狙って行ったら着いたのが17:55。
5分前……幸か不幸か、その日は豪雨。それでも、購入までに30分並び、やっと2階中央のA席をGet。
なんでこう、ギリギリになってしまうんだろう…。
お腹が空いてたので、向かいのカフェにダッシュして腹ごしらえ、と向かう途中、入口の階段に女性の人だかりが。
覗くと、真ん中に若い白人男性。短く刈り込んだ後ろ頭がキレイ(人だかりで他に見えなかったんだもん)。ダンサーだ!
取り囲んだ女性達は、手に手にカメラ付き携帯で写真撮影、なんか肩とか組んでくれてるみたい。
開演30分前なのに…余裕だな。
横目で見つつ、サンドイッチとコーヒーに走る私。
見ても誰だか分からないし、携帯にカメラも付いて無いしな。
20分で食べ終わって戻って来ると、今度は入口ロビーの中に机と椅子が設えてあり、そこにまた人だかり。
さっきと同じか別か分からないけど、やはり頭の形の美しい白人のお兄さんが、椅子に並んで腰掛けた女性の肩を抱いて撮影に応じている。
すごいサービスだなあ。
開演5分前。
これは今日出の無いダンサーなんだな。
…主役の王子役とスワン役はダブルキャストだったから、ひょっとしたら、ものすご〜く有名なダンサーだったのかも知れない。
私には分からないので、せっかくのチャンスもブタに真珠(笑)。
席は、思ったより二階の高さがあって遠く感じた。
でもまあ、全体が綺麗に見える位置だし、オーケストラボックスの中も良く見えて楽しい。
そう、今回の公演、前半10日はテープだけど後半はフルオーケストラで東京フィルが生演奏。
その分チケット代は高くなるけど、なんかお得な気分だ。
考えてみたら私、クラシックバレエは何回か観てるけどモダンって初めて。
こんなモンなのかな…というのが、始まってしばらくの印象でした。
宣伝ビデオ以外何の予備知識も入れていかなかったので、昔ながらの「白鳥の湖」を男性だけで踊るのかと思っていたら、全然違うストーリーをチャイコフスキーの曲に被せてあるんだった。
白鳥は男性が踊るけど、歌舞伎のように女役を男が演じるのではなくて、女性ダンサーもちゃんと出て来る。白鳥は、男性役なんであった。
これがね。
もう頭の中が「男踊り」モードで調整済みなせいか、女性を見る気が起きない。前半、ちょっと閉口しました。
振り付けも、列をなして移動したり、スト−リ−説明的な細かい動作が多くて、音楽付きのパントマイムみたいな印象。
それがまた、けっこう貧乏臭いっつーか、盛り上がらない設定でさ。
母の愛に飢えた王子が恋をするが、下品な恋人を母は気に入らず…って、こんなとこへ来て嫁姑!?おまけに恋人に会いに行った酒場で酔客と喧嘩になって…というシーンでは、酒場のイメージは「サタデーナイトフィーバー」を思い出してしまった(今は逆にオシャレなのか?まさか)。
いいかげん退屈して来た頃、やっと!王子が踊り出した。
酒場を叩き出されて一人嘆く場面。上半身全部が脱臼したみたい!やっぱり、やればできる(当たり前だ…)!
ここから先は、お待ちかねの白鳥の群舞シーン、舞踏会で謎の男(スワンと二役)と王子のダンス、王子の寝室にまたまた白鳥、と、物凄く盛り上がった!
王子とスワン(と謎の男)の踊りは、交互にリフトし合ったりして見ごたえ充分。全部で15羽のマッチョな白鳥の群舞も迫力!ベッドの場面はちょっとシュールで、ドッキリした。
素人なので許していただきたい。後半だけでいいよ。
終わり良ければ…と、いう事で、とってもいい気分で帰って来ました。
東京公演は終わっちゃったけど、これから南下してあちこち廻るらしいです。
退屈な前半を観ながら、「チャールズ!?」と思っていたんだが、家に帰ってから色々見てみたら、最初の上演は、もう10年も前だったんだって。
10年前、まさか再婚するとは誰も考えてなかったろうな、チャールズさん(笑)
フランス製の騎馬オペラ「ジンガロ」を観て来た。
少し前にR子さんが観て大感激していて、「チケット取れたら」と誘ってくれていたんだが、前売りは終了、という事で、木場の会場まで当日券を狙って行く事に、当日の朝決定。
先日の「白鳥の湖」がうまくいったので甘く見ていた私。
昨夜の睡眠が足りなかった(通常時の私の睡眠時間は幼児並み)せいもあって、現場に到着したのは発売開始時刻を過ぎてから。R子さんを独り並ばせてしまった、すんません。
当日券は売り切れて、キャンセル待ちの10番目。
結果が分かるまで1時間ばかりあるので、隣の東京都現代美術館の中のサ店で時間をつぶす。
ちょうどルオー展をやっていたので、もしダメならこっち観てもいいな…なんて思ったけど、客が行列作ってたのは「ハウルの動く城大サーカス展」(なんだろう…)。
キャンセルが決定したら順番に呼ばれるので、チケットは選べない。ナント最高額のプレミアムシートは22000円!
最初は「それはちょっと…」と言っていた私達、だんだん順番が近付くにつれ、このまま引き下がれるか!ってな気分になって来る。ついにR子さんは「美加の分の差額出すから」とまで言い出すが、その頃には私も腹を決めていた。来るなら来い!(この二人、ギャンブルやらない方がいいな)
開演予定時間は5時。木場公園の放送で5時を知らせるらしき音楽が流れ出してから、「10番目の方」の声が聞こえた。
もはや値段も問わず万札を出す2人。
「えっ、28000円!?」…あ、2枚で。
幸運にも、最初に狙っていたS席に当たったのであった(でも高いんだけどさ)。
R子さんとは席が別れてしまって、独り案内された会場は、すでに妖しい雰囲気。
暗い中、お香の香り(これって馬の臭い消しか?)、今回のテーマだというチベットの坊さん達のお経のような声が流れ、見下ろす円形ステージには薄いテントが張られ、その周囲のトラックで人が寝そべってパフォーマンス中。「演技中の拍手禁止」の放送。えっ、そうなんだ。
ショーが始まってみて、納得。
馬が登場するアングラ芝居みたい。
でも、騎馬術は物凄いし、出し物としての完成度も高い(みたい)。
拍手も許されない中、静かなチベット僧のお経と馬が砂の上を走る音が殆どの音響、場面は終止薄暗く、睡魔が襲わないでもない、んだけど、充分面白くて眠り込む事はなかった。
馬が賢く美しいのは当然と言えばそうなんだが、なんとロバまで見事な演技!アヒルの群れも登場し、こちらは演技という程ではないが御愛嬌で良かった。
音響担当のチベットの坊さん達は、きっとおフランスではエキゾチックで神秘的なんだろうが、顔付きが日本人に近くて親しみ易く、狙いと違う効果になっていたかも(笑)。
残念ながらGWいっぱいで今回の公演は終了。
でも、好評だったみたいだからまた来るんじゃないかな。
地元のHPを見ると他の演出の公演の写真とかも載ってて面白そうです。
本当、世の中には、いろんな事やってる人がいるのね。