鉄砲玉日記

 

1999/12/25
LA-PPISCH(東京:On Air East)

今日は目出度くもレピッシュのクリスマスライブに行けることになった。でも、チケット取りが遅く、整理番号はAの725番。イーストのキャパは公称でスタンディング800くらいらしいので、ホントに終わりの終わりかあと気合いも入れず、開演10分前に会場に到着したら、まだ客入れをしていた。番号を聞いていると「Bの200番から400番の方、ご入場ください」だって。「えーっ、私達の後に、まだそんなにあったの?もっと早く来ればよかったよぉ」とまずは後悔。一体、どれだけチケットが出たのやら。当日売りもあったようだし。大丈夫かなあと会場に入ると、本当に素晴らしい入り具合。体育館のように広いイーストのフロアは5/6くらいはもうぎっしり状態で、後ろの後ろだけに人がスムーズに歩けるくらいのスペースが残っていた。出入口近くで「まだお客様が入りますので、前にお詰めください」とイベンターの人が叫んでいる。隣ではとあるおねーちゃんが「そんなに入れるなよ〜」とボヤく。「うん、うん」と頷く私。しかし、もうじき正月なんだもの、餅代を稼がないとなっ!(笑:しかし、マグミはきっとそう思ってるぞ、餅代)

イーストは本当に体育館のようなライブハウスで、広い上に、まったくフロアに段差が作っていない。その上、ステージの高さがそれほどある訳でもないので、もう既にステージが全然見えない状態になっていた。なんとかマイクの先が見える場所に移動して、ライブの開始を待つことになったが、最初っからちょっとくじけ気味だった。場内が暗くなって、メンバーが出てきた。しかし、やっぱり頭のさきっちょくらいしか見えない。せいぜい上半身しか見えない状態で服装をチェックしてみた(以下、敬称略でございます)。現ちゃんと恭一はほぼ渋公の時と同じART OF GRADATION公式ジャケット。恭一の黒襟はちゃんと今日も出ていた(笑)。現ちゃんは8つのレンズがついてるクモサングラスを着用。髪の毛が大分長くなって、根元がちょっと黒くなっていた。TATSUはダンガリーっぽい生地のシャツ。ミュージッククリークに出演してた時に着てたシャツかな?幸好は全く見えず。頭のみ(笑)。そして、マグミは緑のシャツに大きな格子柄のモスグリーンのジャケット。フランネルみたいな厚い生地のヤツね。パンツは赤と黒のチェックのパンツ(バグパイプ風)。実は最初の内はまったくこのパンツが見えなかったんだけど、ジャケットとあってたのかなあ、なんか心配(笑)。

今日も一曲目は1.Hello ! Psychedelic Mania。この曲を弾く時の恭一の弾けっぷりというか跳ねっぷりが好きなんだよなあ。で、2.COMPLEX。やっぱり一斉ジャンプがあると会場にまとまるんだよなぁ(しみじみ)。フロアもしっかりと暖まった感じで、3.LOVE SONGS。このあたりは名古屋のメニューと同じ感じの構成。でも、どちらかと言えば、LOVE SONGSは後ろの方が私としては好き。でも、ひとまず恭一先生は元気そうだ。とりあえず一安心する(最近、持病の首がまた出てるそうで結構心配してたの)。で、この後にちょっとしたMC。「今日はどこも行くところがなかったのかな?」と嬉しそうなマグミ。言うと思ったー(笑)。「いやいや、今日はせっかく来てもらったんだから、存分に楽しんでいってくれ」というようなことを言ったのかな。今日は自分がサンタクロースになったつもりでと言ってた気もする。

MCの最後の方でトランペットをくるくる回してたから何だろうと思ってたら、4.F5。今日は渋公以上にザクザクと華包丁で肉を叩き斬っていくような幸好ドラムのノリがカッコよかったー。しかし、この曲今回のツアーで3回目だったけど、聞けば聞くほどよくなってくるね。5.バイバイ。この曲はライブ初体験。ノリがいいような、妙に重いような不思議なノリの曲だわ。6.プライベートビーチ。おお!怪しい!!。低めのマグミの声が地を這うようにやってくる。ジャクジャク進んでいくリズムがたまらん。こういう怪しい曲をやらせたらレピッシュにかなうのもはないと思う。渋公のような明るい感じも好きだけど、やっぱりこういうのがないとねと思っていたら次は7.サイクリングだよー!。この曲圧巻でした。恭一のギターがリズムにのってひっきりなしに鳴っていたのも嬉しかったけど、最後の部分、マグミの高い声のメロディの裏で恭一が歌う本線メロディの熱いことといったら。恭一はほとんど泣くんじゃないかというくらいの状態になっていて、それに煽られた私も私も泣きそうだった。バックのリズムや現ちゃんのキーボードもマグミのボーカルも勿論素晴らしかったんだけど、この恭一にはまたもややられましたね。怪しいを越えて、もお、涙、涙。現ちゃんの曲の哀しい曲をマグミが歌うとじんわりと哀しくなる一方でどっか透明な部分がぽっかり浮かんでくるんだけど(でそれがいいんだけど)、恭一が歌うと圧力4倍増くらいで感情がストレートに出てきちゃうんだよなあ。あー、訳わかんないこと書いてすいません。

赤黒い照明から薄暮といった感じの照明にかわって8.Blue Gradationへ。一気に高まった緊張がふーっと軽くなる。感情を少し休ませた後は、9.満員電車は故郷を目指す。このあたり聞きたかった曲がどんどん出てくる。重い三拍子の部分と速い突入部分のコントラストが楽しいんだけど、重い部分のマグミの声がすんごく好きだと思った。これだけ三拍子を歌わされるロックボーカリストは世界広しと言えどもマグミくらいなもんだろう(笑)。速いところでの現ちゃんの突入シーンが見られるかと思ったけれど、確認できなかった。この日は現ちゃんの姿を確認するには条件が悪過ぎた(笑)。会場も再びノッてきたところで、10.poor boy。もう場内一斉に飛び跳ねるは飛び跳ねる。もお、楽しいーーーっ!!。あーっ、マグミが向かって左手のスピーカーの上に出現!(高さ約2.5m)。降りる時もヒョいっと軽く着地して、カッコいいぜ、松岡修三じゃねえ、マグミ(笑)。現ちゃんもショルキーを持って、中央のPAの上に!。PAにショルキーをグリグリとやってた。お次は11.ヒゲパワー!もお、今日の選曲って言ったらば嬉し過ぎ!。ART OF GRADATION追加公演と銘打ちながら、その内容はART OF GRADATION補完公演。わんさか出し惜しみせず、みんなが聞きたかった曲をやってくれてるって感じ。初ヒゲだったけど、雪好のドラムソロ、すっげー速くて、どあーっと風が吹き荒れてるような感じでした。なんかね実際風圧を感じた気がするんだよなぁ。それぞれのパートがカッコよくってさすがにみんなで作った曲なんだなあと感動。これ、毎回聞きたい。

すっかり盛り上がった後は、12.BIG HOUSE。軽いゆっくり目のスカがすんごく気持ちいい。また気持ちがふわーっと広がってくる。今日の現ちゃんボーカルは粋な感じだったけど、反対に恭一がめずらしく自分のパートを入り間違えて、とても恥ずかしそうにしてたのが印象的だった。でも、実は恭一のアンラッキーはこれからが本番になるんだった・・・・。とはいえ全体的にフロアがいい感じでゆったりとしたところで、クリスマスにちなんだ、13.回送電車、14.シュワキマセリの2曲を。この聞かせ所でマグミが回送電車の入りを間違えた。でも、やり直す間に現ちゃんがとっても素敵ななピアノソロを弾いててくれてできればしばらくそのソロを聞きたいくらい。シュワキマセリはマグミのボーカルがじっくり堪能できて、すっごく満足。この日は低い音の方が好調そう。哀しいけど妙に荘厳というか呪術的というか。こういうニュアンスはマグミならではだと思うな。続いて、妙に怪しげなギターソロが鳴りだす。ちょっとだけ、シタールというかインドっぽいフレーズが混じっている。あー、あれだよ、あれ!今日もアレはやるんだ!!と期待いっぱいでステージを見つめていると、白い光がパーっとステージから差し込んできて「あーあーあーあー」のコーラス!。15.Blackbirdって聞くたびに感動してるんだけど、この日は本当に最高だった。コーラスも勿論だけど、本線に入ってからのマグミの歌が力み過ぎず、かつ、ビートもしっかりあっていい感じだったの。いいノリでした。最初のイントロのギターも初めて聞けたし、すごーく満足度高し。

じっくり聞かせられちゃった後は、16.miracle、17.混沌とした時代と続く。やっぱりこの日はリズムのシャキシャキした感じが心地好くって、ダレないで聞けた。で、今日もやっぱり18.MATSURI・365!で、この曲に入ると今日もやっぱり「限界への挑戦」という言葉が頭をよぎる(笑)。最後の壁というべき歌だよねー。マグミの力振り絞りって汗飛ばしまくってる姿がとっても好き。そしてこの日の本編ラストは19.美代ちゃんの×××。またもや気付かない間に、マグミが向かって左側のスピーカーの上でラッパを吹いてる。そして右のスピーカー上には現ちゃんがサックスを吹き鳴らす。で、あんまり見えないけれど、恭一が中央でギターをガンガンやってるらしい。あー、すげーよっ!カッコいいいいいいっ!!。でも、スピーカーから降りる時、現ちゃんは何度も下を見ては躊躇し、躊躇しのくり返しで、ちょっとカワイかった(笑)。

アンコールの一曲目は、「○ンポが立たなくってゴメンね」とマグミに紹介されてしまった20.If。でもねー、このネーミング、ほんとぴったり(笑)。マグミも36歳だもんね。そういうこともあるよね。ベットの中で女の子の肩なんて抱きながら歌うマグミを想像してしまえるほど素晴らしい別名に受けてしまった。まあ、いいの、共感できるって素晴らしいことだから(笑)。で、2曲目はリクエスト。マグミはカップルで来てる人〜ってことで一番前の人を指名。「21.歌姫」と声がかかると、「お前ら、そんなに間違えさせたいのか」と妙に嬉しそうなマグミ。恭一はソロの部分を一生懸命練習している。現ちゃんのアコーディオンも軽やかだし、マグミの歌は堂々としてるし、ばっちりギターソロも決まって、恭一は得意満面の笑み(と思ったんだけど、実はソロ部分間違えてたらしい。照れ隠し笑い?)。しかし、その後、ギターの音が出なくなってしまう。ブルーくん、レッドくんと2本ともダメ。観念したか恭一は一旦袖に下がってしまう。すっごく無表情な恭一の顔にかえってオロオロしてしまった。

さて、恭一はどうなるんだーと思っていたら、別のEギターを持って恭一登場。あー、よかった。次の曲もリクエストで決まって22.イージンサン。曲名を聞いた恭一、がーんとした顔つきになって「イージンサンかぁ」と口が歪んでいた。だったらアコギ持ってきたのによおとでも言いたげ。でも、ちゃんとやりました。エレキイージンサン。マグミに「ハードにやろうと思って」とか「シャッフルっぽく」とかフォローなんだかツッコミなんだか言われてたけど(そういうのもちょっと見たかったなぁ)。そして、23.Animal Beatは最後の独唱部分をほとんど切らないで歌いきったのがステキだった。色々と趣向があるのも楽しいんだけど、好きなメロディなので今日みたいに一気に歌ってくれると益々嬉しい。最後は24.Magic Blue Case。今日は最初のホーン部分みんなキーボードでやってたみたい。うーん、ちょっと迫力にかけたかなあ。とはいえ、このへんはドロドロに踊っていたので、実はよくわかっていない(笑)。

今日はアンコールが終わっても拍手が全くなりやまない。1回目のアンコールよりもずっとずっと大きくてそろった拍手と歓声があがっている。いやあ、これがホントのアンコールの拍手よねと思っていたら、それに応えてメンバー登場。特に雪好への歓声がひときわ大きい。2回目のアンコール最初は25.旭タクシー!!。カッコよく恭一のギターから始まったと思ったら・・・・、また音が出なくなった。恭一も色々と試みているんだけどやっぱり音は出てこない。1番はほとんどアカペラ状態になってしまった。この曲はギターの存在が大き過ぎるのよねえ。その間も残りの4人は演奏を続けてた。当たり前なんだろうけど、やっぱり凄いと思った。特にマグミ。偉いわ、アナタは。で、なんとかギターの音が復活!あー、よかった、よかった。今度こそオシマイかとも思ったよ。演奏が終わって、会場やメンバーに手を顔の前にだして、しきりと頭を下げる恭一。たぶん煮えたぎってる彼の心中を、勝手に察してドキドキと心配する私だった。ホント、アンコール、胃に悪かった(笑)。そして、ホントの最後は26.昭和生まれ。最後の気力って感じでした。はあー、もお体力も気力も振り絞って全部使い果たしたって感じだった。

アンコール後の恭一先生のギタートラブルが強烈でどうなることやらと思ったけど、今日もまたレピッシュの前回、前々回とは違う面が見られてすっごく満足だった。個人的に大好きな怪しい曲、回送電車やシュワキマセリのようなじっくり聞かせる曲、三拍子もたくさんやったし(笑)。これでもまだライブレパートリーの全てを聞いてないのかと思うと、その間口の広さに驚嘆してしまう。なんだか、曲にしても、演出(というかセットリスト)どこをとっても過剰な気がする。それは、逆に、ある意味中途半端に通じてしまうものだけれど。このメリハリのないバラエティさとパワーにヤラレていると思うんだ。パワーだけでも物足りないし、計算されたバラエティさだけでも物足りない。やっぱりグチャグチャしてるレピッシュが一番好きだなあと思うのだった。そうそう、マグミがね、途中でマイクスタンドぶん廻し芸を披露してくれたの。最後のオチでちょっと頭にあててみようときっとマグミは思ってたんだろうけど、予想以上にバチンと強く当たって、非常に痛そうだったの。きっと血が滲んでると思う。そんなライブだったかな。