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1999/11/13
LA"-PPISCH(愛知:クラブ・クワトロ)
ようやく行けましたよ、レピッシュ。はあ、長かったぁ。レピッシュのことを知ってまだ3カ月も経っていないのに、この渇望感は一体なんなんだろう?。10月半ばにツアーが始まってからというものどれだけ悶々とした日々を過したのかっ?。会場に向かうにつれ、どんどんドキドキしてきて、もう吐きそうなくらいで、まるでこれから初エッチするよーにあがってしまって、なんでもいいから早くすませちゃいたいッって感じの乙女な私だった。で、初体験をすませた私はすっきりしたのかというと、とんでもない。もう体ボロボロ。首はムチ打ちだし、背中から腰にかけてはパキパキだし、最近ゆるみ気味の太股も再びパンパンだわよっ。初体験と同時に子どもできちゃって、出産もすませてきたって感じだわね。あー、これからこの子の面倒、一生見ていくのねって感じで頭の芯がまだ痺れてるわよ。ちゃんと養育費払えよっ、レピ〜〜っ!!、と私は叫びたい(笑)。
開場の6時ちょっと前にクワトロに到着すると、すでに結構な人が並んでいる。会場の入口が狭くって、その横にトイレやらロッカーやらが隣接しているので、なかなかフロアに進めなくって、ちょっとイライラ。すでにステージ前には人がごった返していたので、諦めて、3段階になっているフロアの中段の最前列を取った。でも、ここ、フロント3人が見渡せて大正解。気分はあがったままビールをぼーっと飲んでいるうちにぞくぞくと人が増えて、始まるころには、動けないほどじゃないけれど、きちんと満員になって、ざわざわした雰囲気がとってもいい感じ。ステージ前は熱心そうなファンの熱気で始まる前から相当興奮状態みたいだし。常連さんらしい周りの人達も「今日は多いね〜」って口々に言っていた。
7時を少し回ったくらいで、すんなりメンバー登場。今日はアルバムジャケットおなじみの公式(?)スーツを全員着用(雪好(Dr.)は違ったかも)。マグミ(Vo.&Tr.)、髪の毛切ってる。昔みたいな刈り上げで、前がいくぶん長く残してあって、上げてある。その長い前髪がふよふよしてて、色もふたたびピンクが濃くなっていて、なんかヒヨコっぽい髪型になってました。ちょっと残念(マグミの長髪が好きなのー。バビロンのPVとかたまらん)。現ちゃん(Kb.,Sax.&Vo.)の髪は少し伸びて、寝せてあるくらいになってました。精悍というか厳しい表情をしていて、いつもより若く見えたわん。恭一(G&Vo.)はおなじみのヘアバンド。帽子&サングラスはなし、おっけー。ぐーよっ、やっぱり、サングラスはアカンのよ。ちょっと頬が痩けてて、10月の穴の時より痩せた気がした。雪好と達(B.)はきちんと見れず、残念。
そして、マグミの「ハロ〜ッ!クワトロ〜ッ!!」の一声で、1.Hello ! Psychedelic Mania。のっけから、恭一、モニターに足をかけてギャギャギャギャとギターをかき鳴らしてる。熱いぞっ。そして、サビの部分の「はろはろ、さいけでりっくまにあ」の現ちゃん&恭一コーラスにじーんと体が痺れる。やっぱりこの二人のコーラスって体に来るっ。で、アルバム通りに2.℃。マグミ、首が長い。サビの部分を歌う時にはますます首が伸びて、首の付け根あたりに入るスジスジが色っぽい。恭一がいやに慎重に音を出してるように見えた。一つ一つの音を注意深く、ぽとりぽとりと落としていっている感じがして、やっぱり穴の時の恭一とは違うわっと当たり前のことをいやに感心する。
で、すっかり気分が落ち着いて、このままブルーグラデーションかとのほほんと構えていたら、デ・デンデデンデン・・とベースが鳴りだして、3.LOVE SONGS。!!パンクだわよっ、行くわよ〜って、もう場内騒然。一気にまた気分が盛り上がる。でも、℃から LOVE SONGSのつながりってめっちゃカッコよかった。現ちゃんもショルキーで当然前に出てくるわ、スピーカーに登るわだし、恭一のギターもグイングインウネってるし、何より雪好のドラムの速さに痺れた。4.miracleは題名紹介つき。バカみたいなんだけど、力が溢れてくる曲。なんど聞いても「世界中の金を燃やすぜぇ!」という歌詞に痺れてしまう私は貧乏人。照明が暗ーくなって、ウニョウニョした音がめっちゃカッコ良い5.東京ドッカーン。よかったー。リズムのウネり具合とマグミの声のネチョネチョ具合がめっちゃ合っていて。頭がグルグルン回り出して、すでに記憶は飛び加減。
このまま、飛び状態が続くのかと思っていたら、ステージからフロアに向けてかーっと光が差し込んできて、6.Blackbird。白い光の中に浮かび上がるフロント3人のコーラスったらばっ。もぉぉぉ、崩れ落ちそう。あー、なんてスゴイんだろうね、この3人のコーラスはぁ。3者3様の声が重なりあう時の快感と言ったら。どっか引っ掛かるような所もあって、キレイキレイって感じでもないんだけど、その分、背中やら、肩やら、体の表面にワサワサワサッというバイブレーションが起こるの。歌に入るとマグミの野太いゴツゴツとした歌がまたクるし、それに重なる恭一のウニョウニョとした高い声のカッコよさったらば。アートオブグラデーションの恭一のコーラスワークってホントに涙が出ちゃう。声の質のグラデーションによるコーラスって感じでさ。で、そのまま新譜シリーズへ戻って、7.Picnic。この曲のボーカルは素直&耽美系でマグミは声質の転換がちょっと難しそう。最初の方はハスキーなピクニックになっておりました。でも、そのことで色んな声で歌わなきゃいけないレピッシュの曲の凄さをまた発見したりして。ノコギリ音がアルバムより大きくてカッコ良かった。いろーんな音が聞こえてきて、キーボードってイイもんだなあとほれぼれ。この日の現ちゃんってずーっと厳しい表情をしていて集中力が凄かったと思う。時々シルエットになるんだけど、それが凛とした感じを強烈に発していて、崇高な感じさえしたの。もしかしたら風邪でもひいて暴れられなかっただけかもしれないんだけど(笑).。8.ムーンライト。今回の名古屋で私的には一番、凄くて、よかった曲。バンドの一人一人がこんなことしたい、あんなことしたいっていうのが凄くあって、それが目に見えるようだった感じ。濃いかった。特に、恭一の空中ぶらんこみたいなギターがいい。どんどんムーンライトの夢の世界に立ちんぼだったお客さんが取り込まれていって、最後にはみんなでふわーりふわーり体を左右に揺らしていて、フロア全体にあの世界が広がっていったって感じだったなあ。幻想的で、色んな仕掛けがしてあって、最後にはその世界に取り込まれちゃうっていう感じ、やっぱり「夢」って曲と共通するものがあると思う。「夢」の生まれ変わりじゃないかとも思うわ。こういう曲があるから、私の中で特別なバンドになってるんだろうなと思う。
しかし、すっかり浸っていたところで、バーンとひっくり返されるのがレピッシュ。で、9.COMPLEX!。あーん、ひっくり返し度、キツ過ぎ。最初のジャンプに間に合わなかったじゃん。ぼやぼやしてるとついていけないわっ、気を引き締めなくっちゃ。たぶん、この曲でマグミはTシャツも脱いで上半身裸になった。Tシャツはフロアにプレゼント。羨ましい〜っ!。他の曲ではあんまり煽らなかった恭一も「コンプレックス、コンプレックス・・・」のところでちょっとだけ煽っていた。ちょっとだけなのにキョウレツな煽り。思わず飛んでいきそうだったわよ。すっかり条件反射ついちゃってるのかも。その後は10.胡蝶の夢。新参者のファンにも優しいこの選曲(昔ポピュラーだった曲ってなかなかやってくれないものね。ハーメルンとかも聞きたいんだけど)。恭一はちゃんとバンザイポーズしてくれる。昔のビデオで見てたのと同じ表情でなんだか感動。マグミも、もうそのヘンの俳優さん顔負けの豊かな表情と身振り。特に遠くを見る時の目線がほんとーに遠くを見る目つきでドキドキしちゃう。あの目、やられますよ、直撃受けたら。飛んだり跳ねたりは思いのほか少なかったけど、その分、演技力向上してる。やばいよー、マグミ。カッコ良すぎなんだもの。トリ頭に見えてたのが、だんだんデビット・ボウイに見えてくるし(笑)。
MC明けは、「次の曲は、そうだな、『私のチ○ポは七色変化』という曲だ」という紹介で始まる11.Blue Gradation。でも、この名前に妙に受けてしまった私。あー、頭の中を妄想が駆け巡る。可笑しくて、笑いが込み上げてくるのを止められない。ステージではキレイなギターに爽やかなボーカルが重なっているっていうのに。マグミの術中に填まってしまって悔しい(笑)。ようやく落ち着きを取り戻したのは、12.Ifが始まろうかという頃。恭一の12弦ギターに現ちゃんのアコーディオンだわよ。マイクにもちょっと近づこうとしてハウってしまって、さっと身を引いた現ちゃんが可愛かったわよ。でも、可愛かったのはこの時だけなアダルト現ちゃんでもあったわよ。マグミのボーカルも優しくて、どうしたって顔が腑抜けに。でも、もうちょっとだけゆっくりと、曲間を十分に取ってくれたら最高だったんだけどなぁ。ブルグラから7までの新譜シリーズは気合い十分過ぎてか、どっか慌ただしい気もして、ちょっとだけ残念。とは言え、次の13.フィルムは空気がたっぷり入った感じのオルガンの音色から始まって、次第にピアノの音に変っていくっつー変化がたまんなかった。マグミの声が伸びるんだー、聞き所がたくさんありすぎる感じ。どの曲でも息が抜けないんだもの。14.Dear Smell Bluesくらいちょっと軽めにやってくれたっていいのに、キーボードからは色んな音が聞こえてくるし、恭一が突然後ろにあるアンプの横に行くから、「故障かっ?」って心配して見ていたら、アンプのつまみを回しながら、ギターをしゅわーんと擦ったり、撫でたりして、効果音を作っていた。嬉しそうだ、恭一(もしかするとこの曲ではなかったもしれない。間違っていたらゴメン)。スメルも終わり、照明が落ちて、次は何の曲?と思ってすぐ、マグミと恭一が向かい合うと同時に「がらーくたー」&「じゃーん」(すまん、ギターの音だ)。こんな入り方で始まった15.7-nana-。カッコ良すぎ。この曲はリズムがウネルので再び頭ふっとんで踊った。すぶずぶとどんどん落ちていくようで、それなのに力強いの。なんか恐いよ、どこまで連れてかれちゃうんだろうって感じだった。照明も歌詞をキチンと再現してる感じでよかったとですよ。
もお、このあたりからノンストップ。16.混沌とした時代、「元気かい〜?」が聞けて嬉しい。17.予言者とハードな曲が続いていく。やっぱりマグミの目ってスゴイやぁ。こういう純粋にカッコいい曲でのカッコいいマグミもいい、と思っていると、マグミとお客の「すいよーせー」掛け合いが始まっちゃうんだよなぁ。どこまで行っても浸りきらせてくれないんだから、ニクイわん。でも、18.水溶性は正味よかったです。とにかく、ぐあんぐあんって、ノリが大きいんだよねー。凄いわっ、達&雪好。現ちゃんの思いっきりコーラスが気持ちいい。恭一のギターもひっきりなしで鳴ってるし。あぁ、幸せだぁ、生水溶性。で、図ったように(図ってるんだろうが)19.Magic Blue Case。もう無礼講、頭振って、体くねらせて、行くとこまでいかんといけんでしょう。はっきり言って、全然ステージ見とらんかったもんね。なんかねー、音に浸りきっとったよ。みんなカッコよくってステージ一杯見たいんだけど、それをさせてくれない程、音に捕まえられちゃって、没頭して、踊らんと損だぜぇ状態を満喫してしまいました。終わると、さっと引き上げるメンバー。ああ、短い、短すぎる。
で、アンコールに応えて、まずは20.Space Fish Go! Go!。マグミの情感たっぷりの振り付けが素敵。本当に表現力があるんだよなあ。唐突な言い方かもしれないけど、フィギュアスケートの選手みたいな表現力。ジャンプも頻繁にするしなあ(笑)。2曲目は21.Good Morning Good Morning。現ちゃんがキーボードをぐいんぐいんとするんですが、なんか倒れそうになってませんでしたかっ?。で、一旦、MCに入ってマグミが「ここから先は決めてないんだよな」とブツブツ。最前列のファンの子達が「リクエスト〜」とか何か曲名を言ってるようだったけど、マグミは「いやだよーっ」って。あうう、名古屋はリクエストないのね。みんなに嫌がられても「ハーメルン」をリクエストしよと思っていたのに(笑)。で、マグミが決めた曲は22.BIG HOUSE。これ、楽しいねー。フロント3人の掛け合い(これまた恭一の声がいつもと違っていて妙にセクシーだったわん)や現ちゃんとマグミの並んでホーンとか、ステージ全体がぱーっと明るくって、みんなに人気あるのがよくわかった。23.MATSURI・365で会場をガンガンに盛り上げといてから、最後、ラストは24.美代ちゃんのはっぱぁぁぁ!!!。このラストで、フロアのみんな、切れたね。ぶちーっという音聞こえたもん(笑)。で、私も切れた。前奏、ドラムがドンドコドンドコじゃん。現ちゃん&マグミのホーンで燃えるじゃん。恭一が前に出てきて、魔性の煽りギター鳴らすじゃん。こんなに盛り上げられたら、もうダメ、もうダメッ!!。最初の一斉ジャンプの時に思わず体は前へじゃーんぷ。すーっと私の前には道が開けて、ジャンプしてるだけでどんどん前に進んでいくんだわさっ。気がついたら、前から3〜4列目くらいでモッシュしておりました。でも、不思議と横揺れのモッシュだったのさ。リズミカルな満員電車のように左右に揺すられながら、「はーっぱ、はっぱ、はっぱっぱーっ!!」と切れまくってしまいましたが、よかった、切れて。前には前の楽しさがあるね。後ろには後ろのよさも当然あるんだけど。どこで見ても、いいよ、レピッシュ(笑)
ほんとに凄かったよぉ。凄いなんて足りないね。この日のレピッシュは鬼気迫るものがあったと思う。演奏に、音にかける意気込みというか真剣さがすっごく見えたの。それを上手く、マグミが和らげてはくれるんだけどさ。私ね、ちょっと反省したよ。レピッシュについての見方、まだ全然甘かったよぉ。前に穴の記事で恭一が「レピッシュに比べれば、アナラーズはまだ全然ひよっこだけど」とか言ってたのね。それを読んだ時に恭一が謙遜してるんだとばかり思ってたんだけど、この日の演奏はその発言が素直に頷けるほどのもんだったのさ。恐いバンドだよぉ、レピッシュは。うん。
では、最後になりましたが、マグミのMC。覚えてる部分だけですが、どーぞ(笑)。
「赤みそクサイ〜。赤みそクサイ〜。」−味噌煮込みの麺は固いからキライだそうだ。
「アルバムはいつもどおりの芳しくない売れ行きだったのだが。いつまでも日本のアンダーグラウンドだと思ってると大間違いだぞ。世界のアンダーグラウンドになると少しは金持ちになるぞ〜」