2001年8月 鉄砲玉日記
 
 
2001/08/27  あさなゆうなVOL4(田辺マモル他):下北沢ガレージ@東京:世田谷区
 
知らないうちに舞台の上に出てきて準備を始めるマモルくん。なんだかしゃがんでいる時間が長い。立って、すぐに、まだステージのライトもつかない前から「こんばんわ。田辺マモルです」とご挨拶。

「えーとーーー、あさなゆうなVOL4ですか。3、4ヶ月前に、こういうイベントがあるんですけど、田辺さん出てくれませんかというメールが届きました」話ながらもマイクの向きを直し、ギターの調整を手馴れた感じでやってる。「それ以来のやりとりがほとんどメールで、出演者が誰それになりました、とか誰それさんがいけそうです、というメールをずっと交し合っていて。それで、メールって現実感ないじゃないですかぁ。今日来るまで、本当にこのイベントあるのかなと思ってそれに何度聞いてもフルルバ・・・フルルバミルクフリーク・・・ってあってんのかな?その名前もあやしくって、ステージが始まって、上でモニター見ていてもこのへんしか映らなくって(マイクのあたりを四角に囲んでみるマモルくん)、ここは・・・神隠しにあったんじゃないだろうなとか、ココ(ステージ)に来てみると人の暖かさが伝わってきて、よかったです」言い終わるか終わらないうちに、ギターを弾き出す。会場も大受けはしないものの、いい感じで受けているもよう。座っているお客さんも多く、不思議な雰囲気。「もぉ僕、学生時代はほど遠いんですけど、学生時代もありました。あ、どうしたんですか・・・」と前の方のお客さんに何かあったようで気を使うマモルくん。しかし、何でもなかった模様。軽く笑いながら「ペッペッペッです」

M1:ペッペッペッ 終わると一礼。M2:犬とネロ 一番の間奏で「いえぇぇぇえーー」と軽く歌い、2番の「僕のこと驚いてくれないとか」でホンの短くブレイク。チューニングの後、「一緒に寝たけど何もしなかったぁ」と題名を言ってギターを弾き始めたけど、すぐに止めて、しゃがみこんでしまうマモルくん。床の機材を確かめて、もう一度「一緒に寝たけど何もしなかったー!」M3:一緒に寝たけど何もしなかった。ちょっと裏声カスレ気味。でもなんだか素敵な感じ。「ありがとう」。そして、椅子に座って「記憶という歌です」。

M4:記憶。泣きそうなマモルくんの唸り声に心臓が雑巾絞りされちゃうくらい、キューッとくる。歌が盛りあがってくると、左右の足を交互に踏みしめる。終わって、しばらくしてから、一礼。再び立って、ハーモニカを取り付けて、M5:ラブストーリー。今日はなぜかいつもよりももっとすがすがしくって、すーっと体に染みてくる。サビの部分ではマモルくんの声がピーンと響いて、思わず涙が溢れてきた。「ありがとうラブストーリーという曲でした」

「イエーっ」とまたもや照明がつく前に話を始めるマモルくん。「・・・愛されちゃって、シンガーソング・・・」なんだか最後までキチンといえず照れてやめちゃうマモルくん。「イエーっていうのが最近好きで。イエーっ!!愛されちゃってシンガーソングライター」M6:愛されちゃってシンガーソングライター。イントロの部分では、少しだけ舌を出してた。間奏の部分で口笛失敗。仕方なく歌ってみたりもしていた。サビの手拍子もバッチリ決まる。「手拍子ありがとうぉぉぉぉ」なぜか声が裏返ってる。

「最後の曲はこの夏よくやってるんだけど、夏しかできないからやります〜。花火!!」M7:花火。「うちあげよーぜ」ところで、ギターのネックをきゅーって上にあげてみたり、間奏で飛びあがってみたり、悶えてみる、バンザイしてみたり、力はいってた。でも、その後のエンディングの疾走感がたまらんくよかった。気持ち良かった。「ありがとう、ありがとう、ご清聴ありがとう!!。さんきゅぅ」ここでギターを下ろし、ライトも消えるんだけど、そこで、もいっかいマイクを掴んで「どうもぉ!」今日は、ライトが消えていても油断ができなかった。ライト前に始まり、ライト後に終わるライブだった(笑)。

でもって、私の感想は・・・。怒って、燃えて、泣いて、感動して、笑って、弾けて。マモルくんの選んだ曲の流れに合わせて、気持ちがどんどん変わってくの凄く感じた。すごく気持ち良くって、素敵なライブだった。という感じです。感想短いけど、こんな風に感情を直接いじられているように感じるライブってはまったくもって初めてのような気がした。「カッコいいっ!」とか「スゲエッ」とか「楽しいッ」とか「感動っ」ってのは、色んなライブでいっぱい感じさせてもらってるけれど、こう歌の主旨と自分の感情が同調することなんてなかったんだけれどね。すごくさりげなくって、あっさりとしたライブだったのかもしれないけれど、自分的には何かとっても不思議な経験をしちゃったようなライブだった。(この後、自分で歌っていても、他の人が歌っているのも聞いていても、歌自体の力でとってもエモーショナルな状態になっちゃうことが何度か続いている。何か新しいシナプスの結合でもできたかもしんない:笑)


 
2001/08/26 ムサシノコズミックバスキングVol.7(GOING UNDER GROUND, CARNATION):渋谷CLUB QUATTRO@東京・渋谷区
 
2日目。この日は、ダンナが同行してくれました。番号もよかったのでステージに向かって右手の椅子席が楽々取れて、座って見ることに。この位置からだとギターの鳥羽さんが全然見えないのが残念なんですが、昨日よりはずっとステージ全体が見えます。今日のゲストはGOING UNDER GROUND。何度も見ていて、好きなバンドなんだけれど、だからこそ小姑根性でついアラが目に付いちゃうから、カーネーションとの対バン結構心配だったんですが、そんなちっぽけな心配を吹き飛ばしてしまうほど彼らは成長しておりました。曲の本来持っているセンチメンタルな疾走感がガンガン伝わってくるほどの気持ちの良い演奏。勢いのよさがメロディのよさをより引き立たせてくれます。もちろん、ソウくんの美声は今日もはち切れんばかりで(興奮ついでに書いてしまえば「空も飛べるはず」や「ハチミツ」の頃のマサムネの声を彷彿とさせる声です。心の琴線に触れる声ってこういう声かと)、ホントに今、ゴーイングはキテます。新曲もどれもカッコいいし。ソウくんのMCがなんだかチグハグではあったんですが、それをギターの中沢くんが上手くフォローして。ウエケンそっくりの髪型といい、頻繁に足を蹴り上げながら弾くギタースタイルといい、いつも挑戦的なステージ態度といい、ヘンな言い方だけれど何か心が温まるものを感じました(笑)。

で、幕間にトイレに行ったら、上田禎さんとすれ違いました。マエストロ姿ではなかったので今日は出演されないのかな?とちょっと寂しく思いつつ、2日目のカーネーションを待ちます。対バンがゴーイングだし、昨日がかなり私的にはストロングスタイル(人によってはソフトだとおっしゃるかもしれません)だったので、今日はもちっとポップ路線(つーか、シングル路線だな:笑)だといいなぁと思っておりました。1,2曲目は前日と同じ。One dayはやっぱり最高っす。そして、立て続けに幻想列車。ソロで一度聞いたときも直枝さんのボーカルの迫力にぶっとんだのですが、今日のバンドバージョンもバックにきっちりと刻んでいくリズム体の音が入り、また違った強さがありました。で、CDでも聞けた最後の棚谷さんのキーボードの音色がまた迫力満点。ふーむむむ、興奮するなぁ。

ジェイソンのパート間の音の絡みもとんでもなくカッコよくって、オーラスでの少しづつズレながら色んな音がカンカン鳴っていくところなんて、もぉトランス系も真っ青の頭クラクラもんでした。メンバー全員が音と格闘するように、どんどん熱くなっていく様子を見て、こういうのを今の時代にあえて手でやる凄さといいますか、精巧な人形に命が吹き込まれる瞬間を感じたような気がします。でも、前日はやった歌の部分での直枝さんの指に糸を巻きつけるフリがなかったのはちょい残念。あと、恋の不思議惑星の柔らかくグルーヴする感じがよかった。音全体がフワーッと広がって、直枝さんの自由気ままな感じのヴォーカルと相俟ってすごく楽しい演奏でした。しかし、緊張感溢れるリズムから、こうした柔らかくもダレない(そう、どんな曲でもカーネーションのグルーヴはダレないから凄い)リズムまでグルーヴしてしまうカーネーションのリズム隊の矢部さんと大田さんはホント凄いです。

この日は直枝さんの42才のお誕生日だったせいか、どことなくリラックスムードが漂っていて、前日よりもしゃべりが多かったような気がします。始めの方で、鳥羽さんが「今日は何の日でしょう?」と声をかけ、なんとなく気恥ずかしそうな直枝さんを横目に「今日は青山陽一の誕生日です」とスカしちゃったり、昨日やった新曲のレインボウは実は直枝さんが間奏ぶっとばしてしまって「高校生でもやらない間違いをしちゃって」と言ったら、即座に棚谷さんが「高校生が怒るよ」と冷たくツッ込むのでした。ドギマギする直枝さんが妙にカワイイ。いや、なんだかみなさん個性強いです。直枝さんがイジラれ役になってるとはレコード聞いてるときには思いもよらなかったりして(って、なんつー、聞き方かと思いますが:笑)。そして、やっとアンコールでは真城めぐみさんがバースデイケーキを持って登場。フロアも全員でHappy birthdayを歌って、直枝さんのお誕生日をお祝いして、いっぱい花やプレゼントが投げ込まれて、それを丁寧に一つ一つ拾う直枝さんの姿を見て、すっかり幸せな気分になったところに・・・・「もぉ、一人ゲストがありますっ」。

おぉ、やっぱり今日もマエストロ上田禎登場!と思ったら、今日はマエストロ姿ではなくベレー帽に、Tシャツ&ジーンズの軽装。でも、どっちかというと私はコチラの方が素直にカッコいいかも・・・と思ったりして。今日の第一声は「今度、バンブルビーレコーズからアルバムを出すことになりました、ニーノ・トリンカの上田ですぅ」。うわーーーっ!!!、バンブルビーから出すんですかい?。ホント??、なんて幸せな一言と感激してましたのに、ステージのいっちゃん前に移動した上田禎さんは何を言うと思えば「ステージの裾で、幻想列車を聞いて、思わずオシッコ、チビっちゃいました」、次がソレかいっ!!と爆笑モンの私でしたが(そういえば、9月のニーノのライブでも同じ主旨のようなMCを角森さんが言ってたなぁ。うーむ、ハミングスって元々そういうバンドだったのか:笑)、それを聞いたダンナが「ぜーったい、ニーノ・トリンカのライブには行かん」と宣言。うみゅ〜、マエストロぉ、逆効果になってますぜっ。そして、昨日と同じく棚谷さんの壮絶ナンバーBack in the U.S.S.R.に引き続き、夜の煙突で大団円。直枝さんは何度も何度もステージの右から左へ左から右へ往復し、大田さんのTシャツを後から抱き着いて脱がしそうになり、倒れこんだ上田禎さんの上に乗っかるなど、色々疑惑の行動で大暴れして、なんかもぉ楽しくって、楽しくってしょうがないうちに初カーネーションの2日間は終わったのでした。はぁぁぁ、ほんと短い、一瞬の夢だったような気がする。今度、いったいいつ見られるんだろう、ぐすん。

で、この日のセットリストです。Rock City, One Day, 幻想列車, 1/2のミッドサマー, Low Pressure, ジェイソン, レインボウ, 恋の不思議惑星, Rocket of Love, Garden City Life, The End of Summer(Encore)Sweet Baby,Future Rock Show, It's A Beautiful Day,Back in the U.S.S.R.(棚谷vo.),夜の煙突。アルバムを聞いたときの印象や直枝さんの様子から、カーネーションって大学の軽音楽部の最上回生でやってる一番上手いバンドっていうイメージがあったんだけど、ホントにそうでしかも未だに熱くて、一生懸命で、グルーヴの力を存分に示してくれる人間臭いバンドだったのでした。レピッシュといいカーネーションといい十年以上同じバンドでやり続けて、いまだにどっかハングリーで、何かを求めてやまないような佇まい(なんていうか未だに完成してない感じがする)を持っていられるのは本当に尊敬に値することだと思う。色々大変なんだろうけど、色々あるんだろうけど、これからもたのんだぜ、ベイビー(恥)。


 
2001/08/25 ムサシノコズミックバスキングVol.7(HARCO, CARNATION):渋谷CLUB QUATTRO@東京・渋谷区
 
長かったぁ、やっと、やっと、やっとの初カーネーション。カーネーションを聞くようになったのが前アルバムLOVE SCULPTUREが出た時という超初心者で、それもウエケン経由で行ったというかなり変則的ファン(それもウエケンプロデュースによる大傑作との誉れ高いParakeet & Ghostのよさはわからなかったというトンチンカンな私。でも、ライブに行ったら、パラゴーがかなり好きになってきたかも)な私だったが、知ってからライブに行くまで1年半もかかったというのも珍しい。日頃、日本の不景気とは無縁(つうか、ますます不景気に陥らせるよう)な生活をしている私であるが、たぶんこのことは不景気と密接に関係しているかもしれない。反省(って、関係ないってば)。

開演の7時過ぎにこれまた初の渋谷クワトロに行ったら、HARCOのライブは始まっていた。クワトロはウッディな作りで、とってもキレイでおしゃれな雰囲気。椅子席も結構あって、思ったよりも小さなハコ。お客さんもかなりぎっしりで、そうそう動けないので、真中のフロア下りる段の上に立ってとりあえず見ることに。飲み物はあんまり種類がなくってウイスキーソーダを貰う。HARCOは2,3人のメンバーを従えて、キーボードで弾き語り風に自由自在な感じで歌っている。時々調子っぱずれになる歌、ちょっと変わったメロディライン。私の好みのタイプじゃないけれど、なんだか気になるひっかかる存在。なにより音楽に対する前向きな気持ちが伝わってきて、いいヤツだなぁという印象が残った。

HARCOが終わった後、少し前に移動して、フロアのほぼ真中あたりに場所を取る。20代後半くらいの結構若い男の人が多く、ステージが結構見づらい。すぐ前のカップルは最初フツーの距離を保っていたものの、そのうちにぴったり寄り添い、女は男の肩に頭を乗せて、前方視界を完全に塞ぐ。うぐぅぅぅぅ。そうこうしているうちに、場内が暗くなり、シナトラのあの曲(題名忘れた)がかかり、メンバー登場。直枝さんはメガネをしていない、カッコいい。他のメンバーは全員初めて見るんだけれど、なんとなく初めてっていう気がしない。ベースの大田さん(あ、2回目か)、ギターの鳥羽さん、ドラムの矢部さん、そして隙間からちょっとだけ見えるキーボードの棚谷さん、どの人も輪郭がはっきりしていて、存在感ありあり。膨らんだ期待が大きすぎるのかもしれないけれど、ステージにメンバーさんが並んだだけで、もぉメロメロになっていた。そうよ、私は見た目に弱いのよん。このメンバー一人一人の際立ち感がないバンドには引っかかれないんだよな(音楽性は結局2の次なのよね)。

カーネーションのオフィシャルサイトによれば、一日目のセットリストはRock City、One Day、 ぬけがらとかげろう、市民プール、Low Pressure、ジェイソン、レインボウ 、学校で何教わってんの、Rocket of Love、Garden City Life 、The End of Summer(Encore)Back in the U.S.S.R.(棚谷vo.)、Dear Prudence(棚谷vo.)、ロック・ゾンビ、夜の煙突の全14曲。まず最初のRock Cityのずっしりと落ち着きながらも、自然と腰が揺れてくるようなグルーヴ感に圧倒された。直枝さんのボーカルもウネリまくり。私も色んなロックが好きだけれど、久々にホントのロックを聞いてるっていう不遜な思いが湧きあがってくる。次のOne Dayがまた圧巻。同じメロディが延々と繰り返される曲だけれど、その繰り返しに徐々に取り込まれていって、サビの部分で大田さんのコーラスでパワー倍増された直枝さんのボーカルがドーンと放出される時の快感。もぉむちゃむちゃカッコよかった。棚谷さんのコーラスも最高だし、予想はしていたものの、ここまで声の比重が大きいバンドだったということがたまらなく嬉しかった。

3曲目からは前2曲以上にじっくりとした曲が続き、家でステレオで聞いてるならば多分寝てしまってるところなんだけど(私にゃ、カーネーションの本当のよさってのは一生わからんかもしれない:恥)、ライブで聞くとダウナーな曲調の中にもピーンと張り詰めた緊張感と熱くウネるグルーヴがあって全然飽きさせない。そして、やたらに棚谷さんのキーボードのフレーズや効果音が耳に入ってきて、これがまた、楽しい!。なんだかえらく主張する棚谷さんのキーボードだった。中盤は本当に徐々にヒタヒタと盛りあがっていったので、本編最後のThe End of Summerのスコールのようなサビのコーラス(もぉ、大田さん、素晴らしすぎっす)を浴びながら「うぉーーっ、もっとぉぉ」とエクスタシー寸前、ちょっと前のところだったものですから、直枝さんが「ありがとう!」と言って、さっとメンバー全員が引き上げてしまったときには、正直あっけにとられた。あぁぁ、全然足りない、もっと喰わせてくれ〜と地団太踏んじゃったりして。

で、アンコール。まず素晴らしいのはお客さん達。素晴らしく早く拍手が揃い、それも2拍子、4拍子、乱れ打ち、などなど様々なリズムが自然発生的に整然と行われる訳で、こんなお客さんも初めてで、アンコールの拍手を打つのがこんなに面白かったのも初めてかも。そして、メンバーが出てくると思いきや、直枝さんの姿がない。と思ったら、直枝さんの声がスピーカーから聞こえてくる。キョロキョロ探してみると、キーボードのところに直枝さんはいるようだった。そして、ゲスト登場!!。なぁーーんと上田禎さんじゃありませんかっ!!。きちんとマエストロ姿っ!!。肩には黒のリッケンバッカーっ!!!「こんばんわぁ、ニーノ・トリンカの上田禎ですぅ」とステージの一番前でお客さんを煽る。思わずお客さん達も前の方に突入。そして直枝さんの「あの男が帰ってきた!」との紹介で現れた棚谷さん、ビートルズの曲という2曲をハンドマイクでアクション付きで熱唱。カッコぇぇ。本編では大人しかったお客さんも前の方ではもうわやくちゃ、ここに来て貯めに貯めてたものが大噴出した感じ。

そして、直枝さんがボーカルに戻ってきても、テンションは全く下がらず。そこに鳥羽さんのギター炸裂のロックゾンビと来たもんだから、ますますフロアはヒートアップ。直枝さんがステージに座り込んで、フロアへ向かって腕をコイコイするもんだから、老若婦女子はもぉ群がるほどに押し合い状態。みんなで腕を突き上げ「カッコイイーッ」のキメ台詞もバッチリ決まって、「これは穴じゃないよな、カーネーションだよな」と頭が朦朧としつつもしっかり汗びっしょりになって、最前近くで暴れてしまったのでした。そして、噂に聞くこれが大団円「夜の煙突」。棚谷さんのキーボードがクレイジーに鳴り響く中、直枝さんもフロア連中もごたまぜでモンキーダンスを踊ってグテングテンになって、私の初カーネーションは終わったのでした。

私は振れ幅の大きいバンドってのが、どっか無茶してる、年甲斐もなく、若い者の真似しててもしょうがないでしょ、と言われてしまうようなバンドが大好きな訳ですが、この日のカーネーションはまさにそのお手本のようなバンドでありました。そこにはロックの、ライブの、ホントの意味があると思いました(大袈裟)。


 
2001/08/23 ana summerツアー(THE JERRY LEE PHANTOM, analers):横浜CLUB24@神奈川・横浜市
 
穴サマー後半戦初日でした。遅れて会場入りしたので、THE JERRY LEE PHANTOMは数曲しか聴けず、めっちゃ残念。しかし、短い間に聴いた曲々の濃度の高さっていったら。ボーカルのひさし君のトウトウと流れ、飛び散る汗そのままの熱さと躍動感。見る度によくなってるような、ドンドンはまっちゃいそうな感じです。そろそろ、対バンじゃなくって、ジェリーリーだけでも見に行きたいかも。

さて、穴ですが、まずはセットリストは順不動で次の通り。smack!、タイムマシーン、アップル、ワーパー電波、ASAP、USO、ミスターコールテン、ワンピース、ダークネス、アンダーグラウンド、BABAR、メリーゴーランド、シェリー、レッツゴー。(アンコール)TACO、便所。smack!から始まったのですが、恭一抜き。インストでリズム感バリバリでカッコよかったですね。そしておもむろに登場する恭一さん、一瞬だけなんですが恭一が登場する時に発するちょっとコワモテというか、不機嫌な雰囲気がまたたまらなく好きだったりします。ダークネスの時に舞台向かって左の方にめっちゃ鋭い目線を送っていて、その後の恭一MCによれば壁に貼ってあった裸の男女が抱き合うイラストが「アレは、ほんとに入っとるんやろかね?」と疑問に思ってじーっと見てしまったということだったんだけど。

とーもかく、この日はウエケンがカッコよかった。やっぱりウエケンが元気でノリノリ(笑)だと、私としちゃ、楽しさ10倍。本編最後のレッツゴーのグルーヴとノリがもぉ素晴らしくって、その上、バシッとキレルあのサビのコーラス。もぉ、ものすごくカッコよかった。やっぱり、ウエケンが穴ライブの肝に感じるんだよなぁ。音的にはちえりさんや洋一くんのギターだと思っているけれど、できあがった音に生気を吹き込むのはウエケンだなって。それもゴチャゴチャになってメタメタになってるくらいじゃないと満足できないって気がする。なんかねぇ、こういう認識って今の穴の流れとは離れちゃってるのかなとも思うんだけど、やっぱり穴にはすっごく単純な意味でパンクあって欲しいなと。あと、久々にシェリーが聞けたのも嬉しかった。恭一の煽りが凄くって、腕のあたりをパンパンって!。で、コイコイもですねーー、いつもより気合入ってるというか、ナマな感じでよかった。


 
2001/08/17,18 RISING SUN RCK FESTIVAL 2001 in EZO:北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横特設ステージ
 
えっと、なんかいっぱいのことがありあすぎて、まだ感想まとまってません。今年中にはあげます(笑)。もちょっと待ってね。。。

 
2001/08/04 nino trinca:MANDA-LA2@東京・吉祥寺
 
ずーっと上田禎という人が気になっていました。事の始めは、カーネーションを好きになったきっかけともなった「恋するためにぼくは生まれてきたんだ」。上田禎さん(フルネームで行きます。名前だけはちょっと気恥ずかしいし、苗字だけだと誰のことだかわかんなくなるので)のアレンジがとても好きで、そのPVにも出演されており、その摩訶不思議な風体(うっすら紗がかかっている)に妙に惹かれたことでした。その後、色々インターネットで情報を得ながらも、上田禎さん関係のライブに行くこともなく、早1年半近くが経ってしまいました。でも、その名前が頭の中から消えることはなく(まぁとてもよく似たお名前の方2人が始終頭の中を飛びまわっているというせいもありますが)、とうとう、上田禎さんが現在やっているnino trinca(以下、ニーノトリンカ)の HP までたどり着き、8月4日のワンマンコンサートがあることが判明。すぐその場でネット予約をしたのでした。ネット予約って本当に素晴らしいです。売り手と買い手がストレートに結ばれているってことを、このくらい実感できるもんありません。もちろん、お客さんの数が膨大になってくると無理なんだろうけど、とりあえず今の幸福をしっかり噛み締めておこうっと。

ステージが始まったのは開演時間をかなり過ぎてからでした。まず出てきたのは(日によってメンバー構成が変わるらしい)は、ドラム&パーカッション&ボーカルのチャコさん、コントラバスの鹿島達也さん、トロンボーン&ユーフォニウムのYassyさん、クラリネット&サックス&アコーディオン&ベルのアラン・パットンさん、ヴァイオリン&マンドリン&キーボード&ピアノ&コーラスのHONZIさん、ピアノ&キーボード&ギター&コーラスの上田禎さん。はぁぁ、書くのが大変。メンバーも多いけれど、それぞれどんどん楽器を変えて演奏するから、もぉそれだけで圧倒されそう。チャコさんは70年代風ゴーゴーガールのような襟のたった上着と超ミニスカートでめっちゃキュート。HONZIさんはピンクの花柄のアンサンブルワンピースでサイケな感じ、でもヴァイオリンを持ってキュッと立つと、本当に毅然としていてとてもカッコいい。そして、ずっとずっと逢いたかった上田禎さんは黒のぴったり目のスーツに黒の山高帽。で、なんだかウローっとしていて、ちょっとゴリラ系というか、野生の雰囲気というか野放図な雰囲気を登場から発散しまくっていて、いや、なんか予想と全然違ってる。当初の予定ではもっと王子様系だったんだけど・・・・(笑)。そして、しばらく演奏の後、メインボーカルの角森隆浩さんが登場。茶色のサングラスをかけているけれど、白地のストライプのシャツに白系のパンツ。他のメンバーに比べてもとーってもカジュアルな雰囲気。なんというかてんでバラバラって感じの第一印象でしたよ、ニーノトリンカ。

で、ニーノトリンカ。演奏は?曲は?と問われても、素晴らし過ぎて、なんとも言葉にできないんですよね、まだ。初めて音が鳴った時、全部のパートの音が口々にはっきりとした声で主張し始める。7人もステージの上に乗ってるのに誰も引かないというか、全員の姿がはっきりと目に入る。全員キャラが立ってる!。全員があんなに生き生きとした動きを見せてくれる(観客にアピールするっていう意味で)バンドなんてまずない。それに度肝をまず抜かれました。上にも書いたようにほとんどアコースティックっぽい(もちろんマイクは通しているけれど)編成なのに音が大きくって、でも、ただ大きいという訳でもなく、きちんとピアノとフォルテの区別があって、小さな音からだんだんと音が大きくなって行き、サビでパーンと大きな音が鳴るんですよね。当たり前のよーだけど、とっても久々な感覚。だんだんと高まっていくグルーヴ。そして、区切り区切りで全員の音が揃ってパシっと出る時の気持ちよさったら。そして、ですね。このバンド、足を踏む音が始終聞こえるんです。HONZIさんがリズムにのって足踏み鳴らす音、上田禎さんがぐーっと乗ってきてガツーンと踏みしめる音、角森さんがダンスを踊りながら軽くステップする音、つい、見ているこちらまで足を踏み、リズムを取り、体が弾みと、完全にあちらの世界に連れ去られてしまった感じです。

なんだかこの世のものではないよぉ、みたいな気持ちよさが満ち溢れたステージなんですが、そこに浮世の風を吹き込むのが角森さんのMC。関西アクセントで、流れるように次から次へと言葉がリズミカルに溢れ出して行く。この日のMCは「自分の体毛の薄さ」と「最近こんなに暑いのにクーラーが故障したから、素っ裸で寝ていて、それでも暑いから、寝ているうちに陰毛を全部むしっちゃって、熱帯雨林が枯葉剤で全滅したような感じになっちゃって」その辺りに集中してたんですが、それら本編(?)の内容に自分自身へのツッコミや、お客さんへのツッコミなども忘れず。合間に「ありがとう、ありがとう、ニーノトリンカです」というフレーズを挟みながら、いやぁ、久々に素晴らしい関西弁のMCを聞かせていただきました。私が知ってる範囲で言えば、どんととリクオさんとマグミとムシャクシャの梅ちゃん(角森さんも踊るだけの曲がある)を足して4で割って、どんとをもぉ一振りした感じなんです。当然、オカマっぽいお色気が満載でもあったり、なのに歌い出すと途端に少年のような初々しい表情と寂しげな情感に溢れた声に変わって。通り一遍の言い方で申し訳ないことしきりなのですが、こんなにカワイイ人、ほんといないですよぉ。あーー、もぉ惚れちゃいましたね。

で、最初はゴリラみたいに見えた上田禎さんですが、やっぱりステージ上での動きも野性味たっぷりです。体の動きが大きいし、曲が終わる度といっていいくらいに、立ちあがってなんか唸ってるし。鋭い目線で、ステージの色んなところに鋭い目線を発射していました。角森さんを除くほかのメンバーさんはミュージシャン的にパフォーマー的に「カッコいい」んですが、上田禎さんはその辺りの枠からとうにはみ出しちゃってる感じがします。演奏は、とってもパワフルでグルーヴを感じさせながら、ピアノの音の一つ一つの端の立ちあがりの部分が秀麗というか流麗というか非常に涼やかというか、理知的な印象のするピアノだなぁと思いました。そして言わずもがななんでしょうが、コーラスが非常に非常にカッコいい。特にHONZIさんと2人でコーラスをつける時なんて、なんて言ったらいいかわかんないですわ、あはは。そして、ライブが終わって、最後までステージに残った上田禎さんが手を大きく広げて挨拶をした時の人柄の大きさに、「あー、この人を追っかけてきてホント正解だったな」と自分で自分を誉めたくなりました(笑)。

あぁ、まだまだ全然消化しきれていなくって、書けば書くほどトンチンカンな文章になりそうなので、この辺りにしておきますが、本当に素晴らしいバンドです、ニーノトリンカ。もぉ、どんな方にでも絶対お勧め。特にレピッシュ好きな人には本当に、本当に聞いて欲しいです。ちなみに9月12日に下北沢CLUB QUEでライブがあります。ぜひ、行って見てください。