鉄砲玉日記

 

2000/3/29
十番勝負 喧嘩上等(東京:下北沢Club Que)
(出演:analers,THE JERRY LEE PHANTOM)
 

嵐のチッタの翌日、東京はお昼過ぎまで風は強いけどいいお天気だったのに、夕方からはまた雨模様になってきて、午後4時ごろからは暗雲立ちこめ、とうとうカミナリまで鳴りだした。今日はどんなライブになるんだろう?なんたって「喧嘩上等」なんだしぃ、って不安な気持ちで家から出ると、辺りはなんと真っ黄色。えっ?どうしたの?と見回すと、西からは真っ黄色の夕日が雨雲で被われた空をコウコウと黄色に照らしだしてた。東の方向を見てみると、うっすらとだけど虹がかかっている。なんとも不思議な光景にゾクゾクしながら下北沢に出発した。(以下、ほとんど敬称略ですっ、よろしくーーーっ!)

Club Queに到着したのが開場の6時半でもう客入れが始まっていた。ぴあちけっとはやはり一番後回し系なのだろうか整理番号96番という一見悪い感じのしない番号なのに入場した時にはすでにフロアはほぼ満員って感じ。1月の時より一回り多く人が入ってる。なんとか後ろに荷物を置いて、上着も脱いで、いつでも前に突入できるようにフロアの中程、ちょっと洋一よりに場所をとった。ドリンクを飲みはじめて間もないうちに、穴のローディさん達が楽器や器材のセッティングを始めた。やっぱり今日は穴が先発らしい。穴のライブの前っつーのは独特の緊張感がある。穴ライブっていつも「アタリっ!」って感じに終わるし、レピッシュに比べてもトラブルが少ないはずなのに、出てくるまではめっちゃ緊張するのよねー。うむ〜、なぜなんだろう?。

照明が落ちてフロアから歓声があがって、メンバー登場。やっぱりいつものようにちえりから登場。ステージ中央でちえりは一旦立ち止まり、ペットボトルの水をぐびっと一口。もしかして、フロアに向かって吐き出すのっ?って身構えてたら、そのままゴクンと飲んじゃって、何事もなくキーボードの前へ。で、メンバーが次々と出てくる。今日の衣装はちえり以外は穴Tシャツ。洋一は赤のTに、赤のタータンチェックのズボン。ちえりは上にシャツをはおっていて、髪型が変わっていた。金髪に細かくくりんくりん跳ねる感じのパーマが全体にあたってて、とてもイギリスっぽいというか、こういうピアニストいたよね〜〜って感じなんだけど、忘れた(笑)。そして、キーボードの上には白く光る丸いものがあった。よく見ると上にキティちゃんがついた電灯のよう。すんごくカワイイっ。カナちゃんとウエケンの色は忘れてしまったんだけど、ウエケンは髪を切ったようで毛先が外に跳ねてて、サラサラで素敵だった!。最後に出てきた恭一はいつもの青のジャージー。中に黒の新作T着て、紺の毛糸帽子(白房つき)にサングラス。

カナちゃんのドラムがどかどかと鳴り出したて、「ふぁいあーーーっ!」と気合いこもりまくりの恭一の第一声。「喧嘩上等〜、ケンカ、ケンカ〜っ!」と最初っからフロアを煽って、少し声をひそめて「うぃーあー、あなら〜〜ず」。いやーっ、最初っからカッコいいよおおおおおお!。聞きなれないギターのロックっぽいギターのリフが鳴って、すぐにダダダダッツって感じでカナちゃんのドラムが入ってきたっ。そして「おしりをふりふりっ」って恭一の歌。あぁ、これはきっと、あの1.新曲に違いない〜っと思ってたら、サビの部分で「・・・・振り乱して求愛ダンスっ!」の歌詞。すんげぇ、ノリのいいロックンロールって感じの曲だった。恭一も最初っからギターをフロアに向けて、煽る、煽るっ。

立て続けに2.My Name is Bob。このイントロ大好きーーーっ。でも、最初の入りで恭一ちょっと遅れた。で、ウエケンと洋一のコーラスがカッコいい。なんかねぇ、パンクって感じなんだよねぇ。声で煽られちゃうのよねぇ。ウエケンが参加してる昔のCDを聞くとこういう感じのパンクなコーラスがよく入ってて「これはやっぱりウエケンの声っ?」ってドキドキするんだよなぁ。で、曲が終わった途端、恭一が「ドラム上げて、ドラムっ」上に手を向けて指示してた。いや、渋かったーー。3.バカにつける薬。今日は向かって右のスピーカーの前にいたからちえりキーボードがよく聞こえる。嬉しいーーっ。最後の「のーぴるけあけあふる」のセリフ(?)をいやに粘っこくマイクに絡みつくように言う恭一。で、ジャンジャンジャジャンの洋一のギターカッティング、おお、なんだか久々な気がするっ、やっぱり4.ミサイルの最初はこれじゃなくっちゃ!って感じで始まった。2番からどんどん早くなっていくのがカッコいい。早過ぎて、恭一が歌詞を言い切れなくなっちゃうくらい速かった。

この後、MC。「喧嘩上等、喧嘩上等!。今日はJERRY LEE PHANTOMのライブに呼んでいただきありがとうございました。あまりにスゴイタイトルなので、もしかして、横浜銀蝿みたいなバンドだったらどーしよーと思ってました。したらリハで見たら、これがカッコい〜っバンドでした。お楽しみにっ。(ギターをジャンジャンジャン)じゃ、ヘンな名前のバンド、とっとと行きます」と妙な外人っぽいイントネーションで言う恭一。たぶん、ここでまず上着を脱いだ。でも、サングラスはしたままで、もしかして今日はずっとしたままなのかなぁと、とっても残念に思ってたら、後ろを振り向いて、さっとサングラスを取って、正面を向く恭一っ!何だよーーーっ、その思わせぶりな取り方わっ!。ふええええ、やっぱサングラスなしがカッコいいのよーっ(爆)。で、曲もお誂え向きの5.ワンピース。目がおっきい。口がおっきい。鼻の穴もおっきい。特に口の開け方がとんでもなくって歯の裏側まで見えそう。で、左右に移動しての煽りが激しいっ。しかし、サビの部分では目を細めて歌う時にはほんとセクシー(照)。

うわわーっ、このイントロはっ!洋一が弾いてるけど、まさしく6.朝っぱらから遊びに行く歌じゃないかーっ。洋一ギター弾きまくりっ。ちょっとたどたどしくもあるけど、なんて繊細でもの悲しげな音なんだろう。ほんとに繊細な音なんだよねぇ。でも、じーんと響いてくる音でさ。マサムネのギターってこんな感じだなぁ。ソロではテッちゃんぽかった気がした。上手くはないけど、すごくひっかかる音でギターを鳴らす洋一、すっごく真剣でカッコよかった。今回はテンポがとってもミドルって感じ。ポップすぎず、サイケすぎず、とってもブルージーで今まで3回聞いたなかでは一番よかった。そして、サビの部分ではちえりと恭一のコーラスがパーンとなってとってもドラマチックなアレンジになってた。で、その後ではエコーばんばんだったりして(笑)。カッコよかったよっ。でも、なんていい歌詞なんだろう、しっかり聞けば聞くほど、悲しいような、ほっと安心するような、寂しいけれど、楽しくもあるような、不思議な気分になる曲だなぁ。

ため息をつく暇もなく、細かいギターのシャカシャカシャカシャカというイントロが聞こえてくる。うわーっ、また7.新曲?。なんかギターカッコいいっ。カナちゃんのドラムが走る走るっ。疾走系って感じ。サビの部分では「うっそ、うっそ、うっそ」と連呼する曲。これは恭一ギターもウイーンウイーンって鳴りまくりっ、こんなに鳴らしてるのになぜ暴れられるんだっ。ちえりキーボードも一緒に鳴りまくりで、弾いてるちえりがいやにカッコいいっ。いやぁ、この曲、めっちゃ好きかもっ!続けざまに響いてくるベースのソロ。8.BABARーだっって思った瞬間。後ろからどどーっとファンが詰めかけてた。そうだよねぇ、ババーって突入曲なんだよねぇ。もう前の方はぐっちゃぐちゃです。で、サビの部分では、ちえりが「ううううーっ」って高い音でふわーって覆うようなコーラスを入れててすんげぇよかった。

「ああああーーーー」「あぁぁぁぁ〜〜」「ふわあああああ」「あー、えっ、ふわあああっつ」とMC入ると見せ掛けて、なかなか入らない恭一。受けてるせいか何度もくり返してる(笑)。「僕はあーとうーしか言えないので中村前監督みたいだと言われてますが」(あははーとフロア結構ウケる。その様子を見てほっとした感じで微笑む恭一:笑)。「アルバムが出ます。(いえぇぇぇ!)。4月の・・・、あっ、違うっ。5月のにじゅう・・・・?(よーん!:フロア声を揃えて)4日に(いやぁ。まいっちゃうなぁとでも言うように向かって口の右の方をあげながら、半分嬉しそうに笑う恭一。この日一番いい表情だったよーな:笑)、すぱーみんぐという9曲入りのアルバムが出ます。(ううぉうぉうぉうぉ!)9曲入って1800円!9曲入って1800円!(いえーい!)だんだんディスカウントショップみたいになってきましたが。あと、それを記念しまして、「すているほーるつあーほしまーくごーるど」という全国ツアーをやりますっ!ほとんどぉ、ホームページ以外で告知がありませぇんん。友達に宣伝してくださぁい。そうしないと楽しい動員のライブがありそうです。おう!喧嘩上等!こんなにだらだらしててはいけないっ!」いやぁ、いい感じのMCだった。

そして「9.便所っ!」の恭一のかけ声。ひええ、飛ばしますかっ!フロアもステージ上もガンガンでズバーン(謎)。でも、ステージ上ではなかなか全員が揃わずちょっとガチャガチャしてたけど、なんとか合わせようと頭を横にふりふりっつとしながら一生懸命リズムを取ろうとする洋一が素敵っ。しっかりリズムもあった中間からはもう恭一は天井のパイプをもってぶらんぶらんとフロアに足ばっかりみせてるし、さっそくミニキーボードを持って前に出てきたちえりも同じようにパイプにぶら下がってるし、すんごい状態になってた。それで見えたんだけど、ちえりパンツはゴールドっぽいヘビ柄だった(笑)。便所の余韻でフロアもステージ上もドタバタしている中、真ん中で恭一がそれに輪をかけて何やらドタバタしている。何だろう?って思っていると恭一以外のメンバーでイントロが始まり、なんと恭一はギターを肩にかけたまま、マイクをスタンドから外して歌いだした。ふええええっ!。ハンドマイクーーーーっ!!。左手でマイク、右手でマイクのシールドを持って、左右に動きながら歌う恭一。カッコいいんだけど、あんまりにも見慣れない光景で、すごい衝撃的だった(笑)。1番歌いおわるとギターもちゃんと弾いてたし、マイクはどこにいったんだろう?。曲は速い、激しい、かつグチャグチャ(笑)。ほんとかっこいい曲!。グルグル感もあって、久々に「うわぁぁぁ、ローザみたいやん。」と思うような曲調だった。恭一もステージの隅っこの方まで来て、煽りに煽る。ファンのノリも多分最高潮で、こちらも久々に酸欠状態になった。死ぬかと思ったくらい、ほんと凄かったー。なんかね、スゴイとしか言えんのよ、この曲。ほんととんでもないぞーーーっ!で、この曲が10.新曲シェリーだと思う(笑)。

そして、シメは11.TACOちゃん!なんかもう覚えてないっすよぉ(涙)。この日の最速パワー☆グチャグチャなノリの総決算みたいなTACOちゃんだった。なんかねー、演奏がばらついてたところとか、歌詞がとんじゃったところとか色々とあったような気もするんだけど、ステージから溢れだしてくるパワーがとんでもないんだもの。ほんと凄いわ。で、最後の最後、洋一がローディさんにギターを渡して、フロアの方をキッとした感じで見つめて、フロアの中央に向けてダイブ敢行!。しかし、横向きでしかも背中が丸まっているせいか、そのまま下に落下してしまった。で、おいしょおいしょと洋一救出をしてるうちに、カナちゃんがダイブ。両手を水平に伸ばして、背筋をぴーんと伸ばしたままで飛び込んでいく。そして、ポーンと戻ってくる。あぁ、見事だっ!。そしてもう一回。いやーん、やっぱり戻りが軽いっ。スゴイなぁ。あーーーー、いやぁ、頭真っ白だよぉと思っているうちにいつしかステージ上からメンバーはいなくなってて、穴Qは終了となっていたのだった。いや、こんなの初めて(笑)。ひっさびさに頭真っ白だったよー。ホント、覚えてなくって御免。

そして、この日メインのTHE JERRY LEE PHANTOMの登場。ギター&ボーカル、ベース、ドラム、キーボードの4人編成だった。キーボードの女の子が昔のモデルの小夜子さん似で長めのボブヘアがとてもキレイ。衣装がテクノっぽい感じだったから、キーボードもピコピコ系なのかなと思ったら、これがとんでもないバンバン弾きまくり、速いぞ、パワフルだぞつ、でもって正確だぞっっていうピアニストさんでありました。ほんとこの人のキーボード凄かった。曲調もパワフル&踊れるんだけど、ロックともなんともいいようがない不思議な感じの曲が多かった。長めの曲が多いのも好きだなぁ(どうも曲が短いのって、聞きやすいけど、それでいいのかな?って思ってしまう)。で、ファンの子たちがこれまた楽しそうに踊るんだ〜〜。見ててこちらまで嬉しくなった。で、最後にボーカルさんがダイブ。これがポーンと上に飛び跳ねて、そんなに飛んだら勢いつき過ぎるんじゃ?って思ったんだけど、そんなに人数もいなかったファンの子たちがちゃーんとポンと受け止めて、ぽーんとステージに戻してた。いや、上手かった。あの息の合い具合にバンドとファンの心の繋がりの確かさをひしひしと感じた。

ライブも終わったんだけど、なかなか体が動かない。ほんと今日は充実してた。喧嘩上等っていうサブタイトルぴったりの気合いの充実したライブだった。その余韻に浸ってたら、右の奥の楽屋の入り口付近に人がだかりが。よく見てみると、カナちゃんやちえりが出てて、知り合いの人やらファンの人達やらと話してたのだった。カナちゃんはとっても素敵なニコニコ顔だし、ちえりはファンの人が入れ代わり立ち代わりで、何度も頭を下げていて、礼儀正しそうだった。その様子を遠巻きに見ていると、なんと、ひょいっと陰から、恭一が顔を出したんだった!。たぶんベレー帽にサングラス。でも、まだ人がはけないフロアを見て、くちびるを横に伸ばして「ありゃま」ってな感じの表情を作ってから、奥に引っ込んじゃった。ホントに恭一って表情豊かだなぁ、最後の最後にいいもん見させてもらいましたって感じでQueを名残惜しく後にした。雨はすっかり上がっていて、帰りに寄ったラーメン屋はとっても美味しかった。ほんと幸せっ!。