鉄砲玉日記

 

2000/3/28
ロックまつり(神奈川:川崎Club Chitta)
(出演:The HIGH-LOWS、ロリータ18号、SNAIL RAMP、LA-PPISCH)

(注意!:書き始めたのが遅く、ライブ自体の様子がほとんどでてきません。いつもにも増して日記度が濃い〜ので、読まない方が得策だと思います。すいません。)

引っ越しして初めての遠出が川崎クラブチッタ。ちょっと不安だったけど、とんとんと無事にJR川崎駅に到着。でも、川崎駅を出ると大雨に強い風。あちゃーって感じだったけれど、駅を背にして右側の横断歩道を渡るとデパート前からのアーケード街になっていて雨にそれほど濡れないですんだ。そして、チッタのある1筋目の交差点あたりには、若い男の子達がどーっと溜まっていた。「おーっ、多分、ここねっ」と右に折れると、そこにはダフ屋さんが何人も立っていて、左手に派手な看板とともに大きなチッタの建物があった。

もう、客入れもほとんど終わりかけてたので、すぐに入場。チッタの中はコンクリートの打ちっぱなしのようなというか、ツブれた映画館のようなワイルドな雰囲気だった。そのワイルドさをますますもって盛り上げるのが、普段のレピッシュのライブではほとんど見ることができないようなたっくさんの若い男の子たち。いやー、見るからに元気そうだ。Tシャツに「なんとかダイブ連合」とか書いてあったりするんだもの。いったい今日はどんなライブが見られるんだろう?、バンドもだけどお客さんも面白そうだとワクワクしながら、フロアの中に入っていった。

中はON AIR EASTに似た感じで、広さも同じくらい?。真ん中あたりに柵があるのも似てた。たぶん、最初にスネイルランプが出るのだろうか、すでに柵から前は男の子たちでいっぱいだった。フラフラとフロアを歩いていると、「今日は客の年齢が高いよな〜」なんていう若い男の子の声が聞こえた?なんだとー!こちとらちょっくらお前さんたちより年齢は高いけどさ、ノリじゃ負けないよっとタンカの一つでも切りたかったけど、風邪をひいてることもあって、スゴスゴと後ろのステージが見えやすい場所に下がっちゃった。やっぱり後ろは年齢層が高いのかレピファンらしい女の子や、ハイロウズファンらしい革ジャン姿のお兄さんらが多かったよーな気がする(笑)。

さて、1番目に出てきたのは、こちらの予想を裏切って、ザ・ハイロウズ。髪をピンピンに立ててたヒロトは昔(10年以上前)に比べてエラク痩せたように見えるけど、その隣のマーシーは全然かわっとらーん!。Tシャツにあのハチマキ、うちっとも変わってない〜。フロアものっけから凄いノリで、前の方では男の子がダイブしまくり。もう逆さになっちゃって、群集の中から足がニョッキリ2本突き出していたりもして、女の子が肩車されてまるでお御輿のようにかつぎ回されてたりもしたな。で、私のすぐ前にいた女の子はとにかく元気で垂直飛び50cmってくらいのジャンプ連発。曲が終わると「マーシーっ!マーシー!!」の連呼。ほんと元気だったぁ。

曲はブルーハーツの曲とあんまり変わってない気がした。ガンガンロックンロール!ヒロトの歌って、ほんと日本語がはっきり聞こえて嬉しい。初めての曲ばかりなのにね。こっちもガンガン踊っているのに、時々、詞(というか言葉の断片にだけど)にジーンとしちゃたりして。特に25日のオールナイトのDJタイムにかかっていた「なんか喰わせろ〜。なんか喰わせろ〜」の歌がカッコよかったなぁ(石川さん、あんがと〜〜)。で、たまに聞こえてくるマーシーのコーラスがいいんだぁ。ちょっとギザーっとしたマーシーの声が聞こえてくると、すっごい懐かしいというか、昔1度だけ行ったライブの記憶がガーっと蘇ってきてびっくりした。全部で5〜6曲やって、あっさりとステージを引き揚げていった。

ハイロウズが終わると、どーっと前の方にいた男の子達がフロアの外へ出てこようとする。で、もう汗でぐしゃぐしゃなのさっ。みんながみんな。もう、国府宮のはだか祭って感じ(笑)。彼らとすれちがうウチにこっちまで彼らの汗でびっしょりに(涙)。次はなんだろう?ってまたフロアをウロウロしていると、中央の柵の向かって左端のところでMさんを発見。初めて会うのにっぱい話すことができてとっても楽しかった。ありがとでした〜。で、2番目のバンドはロリータ18号。女の子4人で、ロックバンドっすよっ!っていう感じですんごくイイ感じ。ボーカルの子の声がつかせのりこか田中真弓っぽい声で個性的なんだけど、すっごく楽しそうに歌うのがよかった。MCでは昔、チッタへレピッシュを一人で見に行ったって言ってた。羨ましい(笑)。あと、ギターがなんとなくUKっぽくって、とても好きなタイプだった。いいねえ、ロリータ18号、また見に行きたい。

ロリータの後がいよいよ噂のスネイルランプ。中央の柵の前を目指して、次々と若い子たちが詰め掛けていく。私も柵のすぐ後ろで見ることにした。そしたら、隣の女の子が話しかけてきてくれて、しばらく色々とレピッシュやanalersの話をした。今までライブに行って、知らない人(というか相方以外)と話したことがほとんどなかったからとても新鮮。まったくの初対面なのに、ファン歴とか先日のオールナイトの話やら話題がつきないところが面白い。彼女、次の日の穴には行けないって言ってたなぁ。うーん、もったいない、すっごくよかったのにぃぃぃ(という事はこの時点では当然わかってなかったのだけど:笑)。

で、スネイルランプ登場。最初の曲からすでに全員ダイブ状態。すんごい光景だった。ライブが始まるまで後ろにいた人達も前の盛り上がりに煽られてか、どんどん前に突入していく。で、なぜか、その時に私と話していた隣の子の横を通ろうとするんだけど、そこの柵には出入りできるところなんぞないから、みんながみんな、どーんとお腹に柵を当てて「あれ、通れないぞーっ、おっかしー」って感じで何度か突破を図ろうとするのがとってもカワイイ。ほんとに凄い盛り上がりで、とうとう誰か倒れてしまったらしく、何人かの男の子にかつがれて、かなり小柄の女の子が柵の後ろまで連れてこられてた。もうくしゃくしゃーって感じでちょっと心配だったんだけど、その彼女、しばらく後ろで休んだ後、こうしちゃいられないっ!って感じで飛びおきて、また柵の向こうへ跳んで帰っていたのだった。うむー、まだまだ世の中には見なきゃいけないものがたくさんある(笑)。スネイルの曲はとにかく走っていく感じがたまんない。いいなぁ、あのドラム。曲も短くって、どんどんやっていく。40分くらいの間にたぶん12曲くらいやっちゃったんじゃないだろうか。で、MCではドラムの子に彼女ができたとかできないとか、ちょっと内輪ネタだったところがカワイイというか、まだまだねっというか(笑)。結局、割とおとなしく見ちゃったけど、前の方にいる子達のようにモッシュしてジャンプして聞いたら、また違った感じに聞こえるんだろうなぁ。機会があったら、今度は是非、やってみよう!

スネイルが終わった途端、前ですし詰め状態になってた人達がどーっとはけてきた。もうすんごい勢い。濁流のようというか。やっぱりあんまり前を見ないでみんなやってくるもんだから、当の柵目指してガンガンぶつかってきて、こちらもとばされそうだった。今回、この時が一番危険だったかもしれない(笑)。で、いよいよトリのレピッシュだというのに、フロアの前の方はスカスカ状態というMさんとの予想が悔しくも当たるハメになってしまったんだけど、ライブを楽しむにはこっちの方が断然お得。恭一側の柵ちょっと前あたりに移動した。スカスカではあるんだけど、やっぱりいつものレピッシュライブよりは男の子が結構いる。柵の後ろにもずらーっと人が並んでいて、ちゃんと興味は持ってもらってるのね〜って感じだった。

いよいよレピッシュ登場。おぉ、なんとなんと、恭一は上下エンジのスーツ。中にはTシャツ?いやーん、めっちゃ似合ってる。カッコええなぁと見惚れてると、現ちゃんがお揃いのように上下黒のスーツ着て出てきた。こっちも非常にクールな感じ。シブイわぁ。ほんと、オールナイトの時とは全然違う雰囲気でオトナって感じだ。雪好は多分いつものベースボールTシャツで、達はベージュのシャツだったんだけど、ちょっといつものヤツとは違う感じだった。そして、マグミは白のロリータ18号パーカー。いつもながら優しいマグミで、ちょっと嬉しい。でもでも、とにかく現ちゃんと恭一のスーツ姿がカッコよくって、カッコよくって、もうボーっと見惚れてしまった。

セットリストは1.Hello ! Psychedelic Mania、2.Poor Boy、3.Magic Blue Case、4.Blackbird、5.miracle、6.ヒゲパワー、7.バッタ、8.MATSURI・365、9.LOVE SONGS、10.美代ちゃんの×××。イケイケな曲が多くて、イベント仕様って感じ。恭一と現ちゃんのアクションもいつも以上にアグレッシブ。特に恭一は客席に向かって指を指した状態でをくるくるって回してから、コイコイ〜って煽ったりする仕草を何度もやってる。ギターを握ってぐいぐい振る時の握力の強さもいつも以上に見えた(笑)。本当に、みんな気合い入ってたな。前に出てきたバンドに比べても、正直、一番テンション高かった。一番年齢も高いけど、一番アグレッシブ(単によく動くってことじゃなくって)で音楽に賭けてるんだなぁという感じがした。2曲目、なぜかライブ行った直後はcomplexだとばかりずーっと思ってた。後で他の人から2曲目はPoor Boyだと聞いてから、「びんびんびんぼーにん」とか「へっどばんきんぐー」とかかすかに蘇ってくるんだけど、うむー、なぜなんだろう?。曲が似てる訳でもないんだけどねぇ。Magic Blue Caseは久々に聞くとやっぱりよかった。今回の出演バンドはファンクっぽい曲が少なかったから、ファンクっぽくドロドロと踊れるのが楽しくって。こう、腰が横にブルンって感じで揺すれる曲って気持ちいいんだなぁ。

ここでマグミのMC。「どうもこんばんわ、レピッシュです。まだ、みんな元気残ってる?(いえーい)元気残ってる?(いえーい)。まあ、なんていうか、この川崎クラブチッタはほんとにできた時から出さしてもらったんですけど、まあ、なんていうか、もう、ほとんど今月いっぱいでなくなっちゃうみたいで、でも、また次の所に移れるからな。でも、今日はこの最後のチッタを思う存分焼き付けて帰ってください。みんな楽しんでよ」。ヒゲパワー、雪好ソロ、どんどん長くなっているような気がする(笑)。
そして、バッタ。それまでが王道な攻め曲だったから、すっごくびっくりしちゃったというか、かすかに不安になったりして(笑)。でも、周囲の男の子たちを見てみると、この曲で初めてリズム取り出した子とか多くって、意外だと思いながらもとっても嬉しかった。

そんな風にサクサクとイベントは進んでいったんだけど、ラスト間近、LOVE SONGSの時にとんでもないことが起こった。いつも以上に激しい演奏の途中、恭一のギターのストラップが取れてしまった。でも、交換する合間がなかなかなくって、恭一はPAに足をかけて、ギターを膝の上に乗せて、ぎゃぎゃぎゃぎゃと弾きまくっていた。もうスゴイ頑張りようで、窮地に追い込まれたのがほんとパワーになってるわんという弾けっぷりで、その時には「ほんときょーいちってばスゴ〜〜イっ、もう、ほんとカッコええわー、さすがだわーーーっ」と感動の大嵐。で、ようやくギター交換。ほっと一安心と思った矢先、恭一がギターのストラップを肩にかけた途端にギターのお尻(というのか?)あたりの金具が外れてしまった。うわー、どうなるんやろうとドキドキしていたら、恭一とうとうプッツンとキレてしまったのか、持ってたピックを舞台の袖の方向というか、袖の方向の地面に思いっきり投げ付けた。そして、マイクスタンドの新しいピックを取って、弾くかと思いきやガツーンと投げ付け、またピックを剥ぎ取って地面に投げ付ける。ちぎっては投げ付け、ちぎっては投げ付け、ホントに悔しそうな表情で、やけっぱちの表情でギターをかきむしってる恭一。もう息もつけないとはこのことだった。そして、ようやくローディさんが出てきて、なんとかストラップを取りつけたのだけれど・・・・。

この恭一の様子を見て、まずは凄くショックだった。あれだけ気合いを入れてのライブでのトラブル。それもこのところ少なからずあるトラブルだから、恭一の怒りの気持ちというのもわかるんだけど、自分達だけのライブならともかく、他のバンドやそのファンがいる前で器材トラブルに対する怒りをあんだけ出してしまうのはあんまりにもオトナ気ないんじゃないかと思った。この様子を見た他のバンドのファン達にレピッシュのことを悪く思われるのはいやだなぁなんて感じてたのだった。でも、どっかで、怒りを露にした恭一に強烈に魅かれてしまうというか、なんだか『ものすごいもの』を見れて嬉しいという気持ちがあって、時間が経つにつれて、その気持ちがどんどん大きくなっていったのだ。人って他人の前で不快な感情や様子を見せることってあんまりない。オトナになるって、そういうみっともない自分を上手くコントロールして、他人を巻き込まないようになるという面があると思う。できるだけ幸せな気持ちで自分や周囲がいられるようにしたい(ヒロトはこのライブで「幸せになってくださいー」と言った)。そのことは凄く大事なことなんだけれど、怒りや悲しみや不安といったフツーはよくないとされてる感情を全部上手くコントロールしちゃえばいいのかと言ったら、そうじゃない気が最近する。感情って、いい感情もわるい感情もみんな爆発して、自分ではどうにもならないところがないと感情とはいえないんじゃないか。そーゆーのがないとどっかで自分が窮屈に貧弱にになっていくような気がする。で、恭一や現ちゃんが時々ステージで見せるそうした強い感情やがとても大切なものではないかと、オトナになればなるほど大事じゃないかと気がつかされたりしたりして・・・・。まぁ、単にファンである自分の自己肯定に過ぎないのかもしれないけどさ(笑)。

そんなかんなで私のチッタはこの時点で終わってしまったと言ってもいいのだけど、当たり前だけれどステージは続いていて、レピッシュのみなさん(もちろん恭一も)は立派に勤め上げていたのだった。で、マグミが立派でさ、本当にカッコよくって、オトナって感じがした。つくづく、レピッシュってどんなものでも持ってるバンドだなと思う。あり過ぎて整理ついてないけど、突然出されてしまうから、びっくりするだけで終わってしまうことも多いけど(笑)。で、最後に、アンコールのスネイルランプ、ロリータ18号も揃ってのパヤパヤ(チッタからのリクエストだった)の時のマグミのMCでシメようと思う。

「今日出たバンドすげえよかったよな。袖から見てたんだけど、ヒロトとは出会って15年くらい経つと思うんだけど、相変わらずいつもシブイ奴だぜ。ロリータもカワイイよな。スネイルは波に乗ってるぜ〜。ということで、ここでロリータ18号とスネイルランプを呼んでみよう!。ほんとにね、まず、この川崎クラブチッタに、とりあえず、日本人がやるのは明日で最後らしいですけど、ありがとうございました。(拍手)よかった。よかった。でも、あれなんだよな、ライブハウスってのはいい音が出るようになるとなんか移っちゃうんだよな。残念だよな。また、新しい川崎クラブチッタもみんなで育ててやってくれ。今日初めて来た人もまた新しい川崎クラブチッタに行ってね。よろしく頼むぜ!」「じゃあ、今日は川崎クラブチッタからのリクエストということで、私達のデビュー曲のパヤパヤをやります」(大歓声)。「Do you like ska music? We love ska music!」(大歓声)。(演奏後)「サンキュークラブチッタ!そして今日来てくれたみんな〜。サンキュー、川崎クラブチッタ〜っ!」