つげ義春の「長八の宿」に泊まる
春もたけなわの4月最初の土曜日、西伊豆の松崎に行ってきました。
どこかに遊びに行きたいなあ・・・とつぶやく私に、
では、松崎の長八の宿に泊まりましょう、とやけに決然と言う夫。
聞いたことはないけど、伊豆の里山は桜と菜の花が見られるからいいよね、と宿のホームページをチェックしてみると→山光荘
それはアヤしくも不思議な、つげ義春の世界なのでした。
私はあまり詳しくないのですが、レトロでビンボーくさい漫画を描くつげ義春が、夫はいたく好きらしい。彼の旅するところなら、昭和20年代のような、うらぶれた雰囲気に違いない。普段出たがらない夫が簡単に決めたから、どうも変だと思ったらそういうことか。ちょっと騙されたような気もしたけど、なんだか楽しそうと助手席に乗り込んだ私でした。
伊豆半島に入るとのどかな景色が続く 夕刻、山光荘に到着 なんだか良さげな雰囲気です ロビーはこんな感じ
予約した「長八の間」の二階和室 座敷蔵の上下階を使った部屋の外観 一階は板敷きでなかなかお洒落 海の幸中心の夕食はこんなに豪華
夕暮れの町を歩く いつか見たような光景 Mくんご満悦 鄙びた漁港に心地よい風が吹く
レトロな床屋さん コンクリの懐かしいごみ箱 白猫の親子を見かけた お医者さんらしき洋館
きれいに保存されている「なまこ壁」 翌朝は小雨で始まる いつも短パンなMくん 猫を見るとついカメラを向けてしまう
「長八美術館」のモダンな外観 あ、葉詳明の世界だ! 川面に桜と菜の花が映りこむ 明治13年築の「岩科学校」
宿は予想に反してセンスが良く高級(Mくん基準)で、食事も美味しく、こじんまりとした温泉が心地よかった。松崎の町は、昭和30年代にタイムスリップしたような懐かしい風情で、夕焼けを見ながらの散策に子供時代を思い出した。桜と菜の花と小川の土手をセットで見たいという私の希望もかなったし、満点の松崎温泉春の旅でした。

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