熱戦譜〜2004年3月の試合から


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試合日 試合 結果
2004.03.06  WBA世界バンタム級
 暫定タイトルマッチ12回戦
 フリオ・サラテ  判定  戸高秀樹
2004.03.06  WBC世界スーパー・バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 オスカー・ラリオス  判定  仲里 繁
2004.03.06  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦 
 ウィラポン・ナコンルアンプロモーション  判定  西岡利晃
2004.03.06  ノンタイトル10回戦  カルロス・マウサ  判定  佐竹政一
2004.03.06  日本スーパー・バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 中島吉謙  判定  瀬川設男
2004.03.13 6回戦  亀田興毅  KO1R  プラカルソン・ツインズジム
2004.03.13  WBA世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 ジョニー・ブレダル  判定  仲 宣明
2004.03.15  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 サーシャ・バクティン  判定  熟山竜一
2004.03.20  日本ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 嶋田雄大  判定  稲田千賢
10 2004.03.20 10回戦  榎 洋之  TKO8R  船見征二
11 2004.03.20 8回戦  結城康友  KO3R  ルンタワン・ソーウォラピン

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                 2004年3月6日(土)    さいたまスーパーアリーナ
                  WBA世界バンタム級暫定タイトルマッチ12回戦
                挑戦者(同級10位)            チャンピオン
             ○  フリオ・サラテ     判 定    戸高秀樹   ●
                (メキシコ) 118 lbs                 (緑) 118 lbs


 初回から長いリーチを生かした左ジャブ,ストレートあるいは左アッパー,フックを放って積極的に前に出ながら手数を出して行くサラテ。戸高は下がりながらチャンスを伺う。2回,サラテはロングレンジから踏み込んで左ストレートをボディに。戸高の入り際に左右アッパーを合わせて快調に飛ばす。戸高は右フックを食い,早くも苦戦の様相。3回からはサラテは足を使い,左右に忙しく動き回る。サラテは前に出て反撃の突破口を探る戸高に的を絞らせず,左アッパー,右ストレートを放って主導権を掌握した。
 5回後半,戸高の右フックでサラテの膝がぐらりと揺れる場面が見られたが,後続打が決められない。7回以降は完全にサラテのペース。うるさく足を使い,スピーディな左ジャブ,右ストレート,左アッパー,フックを放って優勢。9回,戸高はバッティングで左目上をカットするハンデを負うが,終了間際に右フックをヒットした。
 10回,左フックを食ってよろめく戸高。ロングレンジからの右ストレートも決まってのけぞる場面があった。戸高は11回にもサラテの右ストレートで腰が落ち,ピンチを迎える。そして12回,形勢逆転を狙って攻勢に出るが,逆にサラテの左フックをカウンターで合わされ,再びよろめく。右ストレートも食って足に来るが,前進だけは最後まで諦めなかった。

 サラテの速いフットワークと左ジャブにしてやられた戸高。最後まで勝負を捨てなかった態度は立派だったが,自分のボクシングをさせてもらえず,完敗となった。非常にやりにくい相手ではあったが,もう少し揺さぶりをかけ,フェイントを使いながら序盤からボディを叩きたかった。
 サラテは長いリーチに恵まれた典型的なボクサータイプ。非常に足が速く,目と勘がいいのが特徴。パンチに威力はないが,非常にスピードがある。上下に打ち分ける左ジャブ,ストレート,ロングレンジからの右ストレート,相手の入り際に合わせる左右アッパーなど,多彩な攻撃を誇る。

採点結果 サラテ 戸高
主審:ルイス・パボン(プエルトリコ) *** ***
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 117 111
副審:文 武弘(韓国) 115 116
副審:ウリエル・アギレラ(コロンビア) 116 112
参考:MAOMIE 118 112


     ○サラテ:24戦21勝(14KO)2敗1分
     ●戸高:26戦21勝(10KO)4敗1分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史&飯田覚士
     実況:村山喜彦

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                  2004年3月6日(土)    さいたまスーパーアリーナ
                  WBC世界スーパー・バンタム級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン           挑戦者(同級4位)
             ○  オスカー・ラリオス   判 定     仲里 繁   ●
  
                 (メキシコ) 122 lbs             (沖縄ワールドリング) 121 1/2 lbs

 年間最高試合に選ばれた昨年4月の第1戦を受けて行われた再戦だが,仲里はここ一番での決め手を欠き,またしても判定負けで涙を呑む結果となった。
 前回仲里の強打にアゴを骨折しているラリオスは危険な打ち合いを避けて足を使うと見られていたが,初回からワイルドな右ストレートを振って強引に仕掛ける。強打者同士の緊迫した試合となったが,3回,仲里は左フックでラリオスを後退させ,左アッパーでボディを叩く。5回開始早々,左フックでぐらつかせ,一気に攻め落とそうと攻勢に出る仲里だが,ラリオスはクリンチで窮地を脱した。後半ラリオスがムキになって打ち返し,激しい打ち合いになった。
 6回,再び壮絶な打ち合いになる。強打の応酬でお互いにぐらつく場面があり,シーソーゲームになった。
 しかし,7・8回,ラリオスの右ストレートで仲里がぐらつきピンチ。仲里はラリオスの左右ストレートを食う。9回にはラリオスがワンツー,左右フックで強引に攻勢をかける。仲里はロープやコーナーを背に棒立ちとなった。
 10回以降,疲労の色が滲む仲里は左フック,アッパーを上下に放って反撃に転じるが,ラリオスはそれまで使わなかった足と左ジャブ,ストレートを使い,要所を締めた。

 仲里の敗因はやはり試合前から指摘されていた手数の少なさ。上体が立ち過ぎてしまったために決定力を欠き,ここ一番で攻め切れなかったことが痛い。何度かラリオスをぐらつかせる場面はあったが,肝心な所で見てしまい,決定的なダメージを与えるまでに至らなかった。
 ラリオスは4度目の来日だが,デキは今回が最も悪かったと言える。足が動かず,いつものような左ジャブ,ストレートを軸としたリズミカルなボクシングは見られず,力任せの右強打に頼る場面が目立った。終盤になってようやく足と左が見られたが,こちらも上体が立ってしまい,バランスの悪さが目立った。しかし,ピンチを迎えても要所を締めるうまさ,しぶとさはさすがである。

採点結果 ラリオス 仲里
主審:リッチー・デービス(英国) *** ***
副審:ダルビー・シャーリー(米国) 120 107
副審:デビッド・チュン(韓国) 116 112
副審:ヒューバート・ミン(米国) 118 109
参考:MAOMIE 118 113


     ○ラリオス:55戦51勝(35KO)3敗1分
     ●仲里:31戦24勝(18KO)7敗

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史&セレス小林
     実況:船越雅史

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                 2004年3月6日(土)    さいたまスーパーアリーナ
                     WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン               挑戦者(同級1位)
           ○ ウィラポン・ナコンルアンプロモーション   判 定   西岡利晃   ●
  
                  (タイ) 118 lbs                        (帝拳) 118 lbs

 ウィラポンの1勝2分を受けた西岡にとっては4度目の挑戦だったが,結果は完敗となった。
 『精神面がポイント』と言われた西岡は初回,左ストレートのボディブローを多用して好調なスタート。2回には左フックでウィラポンがバランスを崩す場面も。左ストレートを上下に打ち分ける積極的な攻撃でいい滑り出しを見せた。
 3回にウィラポンがバッティングで右目上をカットし,西岡減点。逆に4回,西岡がバッティングで右目上をカットし,ウィラポンが減点されるという波乱含みの展開になったが,5回以降,ウィラポンが地力の差を見せ付けて西岡を圧倒して行く。
 西岡はよく左ストレート,右フックで応戦するが,ウィラポンがプレッシャーを強め,ノーモーションからの右ストレートを多用すると試合の主導権は完全にウィラポンのものとなった。西岡は回り込んで自分から仕掛けたいところだが,ボクシングが直線的で読まれてしまい,ウィラポンの右ストレート,左アッパーをことごとく浴び,ズルズルとポイントを失った。
 終盤は右目上からの出血がひどく,西岡はますます苦しい戦いを強いられる。ドクターチェックのための再三の中断があり,いつストップされても不思議でない状態が続いた。
 10回,ウィラポンは左から右のワンツー,あるいは右から左の”逆ワンツー”に次ぐ左アッパーをまとめ打ち。11・12回,ウィラポンの右で西岡の顔が再三上を向いた。

 西岡はウィラポンの老獪なボクシングに完全に手玉に取られ,完敗。序盤こそ意気込みを見せるかのように積極的に仕掛けたが,中盤以降は完全に主導権を握られ,終わって見れば大差の判定負けである。やはり直線的で正直なボクシングではウィラポンは崩せない。
 12度目の防衛に成功したウィラポンは相変わらずの老獪さを見せた。ノーモーションからの右ストレート,左アッパーを軸に,まったく危なげない勝利である。

採点結果 ウィラポン 西岡
主審:ローレンス・コール(米国) *** ***
副審:マーチン・デンキン(英国) 116 110
副審:リチャード・フラハティ(米国) 117 109
副審:ヘラシオ・ペレス(メキシコ) 118 109
参考:MAOMIE 116 110


     ○ウィラポン:45戦42勝(29KO)1敗2分
     ●西岡:30戦23勝(14KO)4敗3分

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:鈴木健

※ 第3ラウンドのヘディングによるウィラポン,西岡の各減点1を含む採点。

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                 2004年3月6日(土)    さいたまスーパーアリーナ
                         ノンタイトル10回戦
                ラテンアメリカ             東洋太平洋            
                    S・ライト級チャンピオン            S・ライト級チャンピオン

             ○   カルロス・マウサ    判 定    佐竹政一   ●
                (コロンビア)  141 lbs                 (明石) 141 lbs

                  WBC24位                 WBC6位  WBA5位

 世界挑戦が期待されている佐竹が超変則のマウサに不覚を取った。長身のマウサは変則的な動き,低いガードからワイルドな左右フックを振ってどんどん前に出て来る。2回1分過ぎ,左をかわしざまに佐竹が合わせたカウンターの左ストレートがアゴに決まり,マウサ呆気なくダウン。佐竹は非常に落ち着いている。
 しかし,3回以降マウサが反撃に転じると試合の様相は楽勝ムードから一変した。マウサは佐竹のカウンターを恐れず,ぐいぐい前に出て,上への右フック,左ストレート,ボディへの左右フック,右アッパーを放ち,スピードこそないが手数で押して行く。
 5回,佐竹は左ストレートをヒットするが,恐れを知らぬマウサの執拗な前進に辟易した様子。調子に乗ったマウサは佐竹の右フックのカウンターに合わせてボディに右アッパーを相打ちするという大胆な攻撃を見せる。
 7回にはローブローで減点されるマウサだが,お構いなしのボディブロー,大きい左右フック。8回にはポンポンと繰り出すスピードのない左ストレートを食ってのけぞる佐竹。ロングレンジからの右ストレートを許し,ますます相手のペースにはまって行った。
 結局最後まで後手に回った佐竹は2回に奪ったダウンの貯金を守り切れず,不覚の判定負けを喫した。

 佐竹は鮮やかなカウンターでダウンを奪ったものの,内容的には完敗。変則的なマウサの執拗なボクシングで後手に回り,自分から試合を作ることができなかったのが敗因。ときおり見せた左ストレート,右フックのカウンターは相変わらず非凡だが,いずれかの選手に振り分けてポイントを与える世界的な採点傾向のもとで世界に挑むには印象が悪過ぎる。
 昨年10月のリチャード・レイナ(ベネズエラ)に続いて,今回も中南米の世界ランカー相手の試合。このこと自体は非常にいい経験になる。今回の反省点を十分に吟味し,次回につなげて欲しい。
 マウサは長身で非常にリーチが長い。”超”の字が付く変則的なボクサーファイターである。スピードはなくディフェンスも穴だらけだが,非常に勇敢で,恐れを知らないという印象を受けた。相手にとっては非常にやりにくいはず。パンチのタイミングも独特な間合いがあり,掴み所がない。ただし,膝のバネがなく,追い足は鈍い。上体だけでボクシングをしているのが難点か。

採点結果 マウサ 佐竹
主審:内田正一 *** ***
副審:金谷武明 96 95
副審:浦谷信彰 95 96
副審:森田健 96 94
参考:MAOMIE 96 94


     ○マウサ:18戦17勝(15KO)1敗
     ●佐竹:26戦19勝(12KO)3敗4分

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:舟津宜史

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               2004年3月6日(土)    さいたまスーパーアリーナ
                日本スーパー・バンタム級タイトルマッチ10回戦
                チャンピオン          挑戦者(同級1位)
            ○   中島吉謙   判 定    瀬川設男    ●
             
  (角海老宝石) 122 lbs            (ヨネクラ) 122 lbs
                  WBC5位

 ヘルニアで欠場となった石井広三(天熊丸木)の代役として急遽代理挑戦が決まった瀬川。12日間で10kgという厳しい減量の末に2度目の計量でようやくパスしたが,ベストコンディションとは言えず,短期決戦にすべてを賭ける。初回から頭を低くして潜り込み,乱戦に持ち込もうとする瀬川。右アッパー,左フックを放ち,若い中島をかき回しにかかった。2回には右アッパーに続く右から左のフック攻撃で迫る。大きい右フックがヒットし,中島の動きが一瞬止まる場面があった。中島はうっすらと鼻血を流すが,中盤から右ストレートを軸に的確な左ジャブ,ストレートで反撃を見せる。
 ヒッティングで右目上をカットした瀬川は出血をものともせず頭を低くして潜り込み,左右アッパー,左フックを浴びせて乱戦狙い。しかし,さすがに急激な減量が響いたのか,5回以降は動きが鈍くなる。逆に中島が自分のペースを握り,足を使いながら丹念に左ジャブ,ストレートを突いて挽回して行った。6回には中島の右ストレート,左アッパー,ワンツーなどの矢継ぎ早の攻撃で瀬川がバランスを崩す場面が見られた。
 7回に入ると中島は作戦を切り替え,ボディに標的を絞って攻勢に出る。左ジャブからボディへの左アッパーを多用。自ら接近戦を挑み,左右アッパーをボディに集中し,プレッシャーを強める。減量に苦しんだ瀬川はスタミナをロスした後半になってのボディ攻撃に苦しそう。終盤に入ってもよく頑張る瀬川だが,スピードが落ち,中島の左右アッパー,右ストレートに抱きついてピンチを逃れる場面が多くなった。

 この試合に関しては,まずは代理挑戦を受諾した瀬川の勇気を讃えよう。35歳という年齢で降って沸いたチャンスをモノにしないと後がないという思い,自分が代役を受けなければボクシング界の命運を賭けた大きい興行に穴をあけてしまうという思い・・・・・交錯したであろう様々な思いをグッと呑み込んで精一杯コンディションを作り,堂々と戦ったプロ根性には脱帽ものである。最大限の敬意を表したい。できればベストコンディションでやらせたかったと悔やまれる。
 2度目の防衛に成功した中島。渡辺純一(楠三好),金井彰廣(大鵬)に次ぐ厳しいマッチメークを乗り越えて結果を出したことは大きなプラスになるはず。パンチ力に欠け,派手さがないため,メディアや一般のファンからの評価は今ひとつだが,こういう試練を何度も克服していれば,知らず知らずのうちに力が身に付いて来る。この選手がどこまで伸びて行くか,もう少し長期的に観察する必要があるだろう。今後の本人の精進はもちろんだが,角海老宝石ジムのマネジメントにも注目したい。進め方は絶対に間違ってはいない。勇気を持って現在の方針を貫いて欲しい。
 ただし,今夜の試合も序盤にやや苦戦の様相を見せた。まだまだ左ジャブ,ストレートが足りない。自分の生命線がフットワークと左ジャブ,ストレートに続く回転力抜群のコンビネーションブローやハンドスピードであることを忘れてはならない。自分の持ち味にさらに磨きをかけて欲しい。

採点結果 中島 瀬川
主審:島川威 *** ***
副審:内田正一 97 95
副審:福地勇治 98 94
副審:森田健 99 94
参考:MAOMIE 97 93


     ○中島:24戦15勝(3KO)5敗4分
     ●瀬川:25戦21勝(12KO)4敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:寺島淳司

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               2004年3月13日(土)    大阪市中央体育館サブアリーナ
                              6回戦
               日本フライ級(ノーランク)   K      O    タイ国フライ級(ノーランク)
            ○   亀田興毅      1回1分12秒   プラカルソン・ツインズジム  ●
             
  (グリーンツダ) 111 3/4 lbs                       (タイ) 111 1/2 lbs

 17歳でアマチュアの社会人王者という実績を引っさげて華々しくプロ入りした亀田のプロ第2戦。
 初回開始早々いきなり左を振って突っかかる亀田。右フックでアゴを跳ね上げられたプラカルソンはもんどり打って呆気なくダウン。再開後,左右フック,左ストレートで猛然と襲い掛かる亀田にプラカルソンは防戦一方。最後は左フックが決まって2度目のダウン。そのままカウントアウト。

 デビュー戦の初回44秒KO勝ちに続く圧勝。格下相手ゆえ当然の結果だが,思い切りの良い攻撃を見せた。スピード,踏み込みがよく,カサにかかったときの攻めは見事である。不躾とも思える大胆な発言で物議を醸しているが,ボクシングそのものは良いものを持っている。しかし,一方で矯正すべき欠点も目についた。ラッシュのときにアゴが上がってしまい,ガードがガラ空きになることが気になる。また,外側からのパンチが主体であり,体が開いてしまう点も要注意。6回戦クラスではまったく問題ないが,今後上位を目指すには不安が残る。

     主審:宮崎久利,副審:北村信行&野田昌宏&藤田輝雄
      ○亀田:2戦2勝(2KO)     ●プラカルソン:戦績不明
     放送:TBS     解説:畑山隆則&竹原慎二     実況:新夕悦男

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               2004年3月13日(土)    デンマーク:コペンハーゲン
                  WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                 チャンピオン            挑戦者(同級8位)
             ○ ジョニー・ブレダル    判 定    仲 宣明   ●
                   (デンマーク) 118 lbs                 (尼崎) 118 lbs


 海外での初挑戦というハンデにも関わらず善戦した仲だが,老獪なブレダルを崩せなかった。
 ブレダルは初回から速いフットワークに乗せた左ジャブ,ストレートを的確にヒットして主導権を握る。果敢に追う仲はプレッシャーをかけてボディを叩くが,ブレダルの左がうるさく,いきなりの右フックをもらって不安なスタート。
 4回,ブレダルをコーナーに詰める仲だが,逆にタイミングのいい左アッパーをアゴに受け,呆気なく尻餅をついてダウンを奪われる。立ち上がった仲はブレダルのボディを叩いて反撃を見せた。6回,仲の左アッパー2発がボディに決まる。ボディブローをいやがるブレダルをロープに詰めた仲は左から右のフックをヒット。ブレダルは仲のパンチが効き,ピンチ。
 しかし,それ以降もブレダルの足と左は止まらない。仲はブレダルをよく追うが,捉えきれない。ブレダルは9回,ブレイク直後に仲が放った軽い右アッパーで大袈裟にひさまづいて一時中断。さらに10回にも仲のローブローによる一時中断の合い間にうまく休むなど,最後まで老獪な試合運びを見せた。

 仲は鳥を追い込むように左右に動きながらプレッシャーをかける詰め方はセオリーどおり。1ヶ月余り前に急に決まった試合にも関わらず,足の速いブレダルを想定して,かなり相手をロープやコーナーに追い詰める練習を積んだ痕跡が見られた。しかし,ボディブローを主体に何度かチャンスを掴んだが,接近するまでの捨てパンチがなく,縦横無尽に動き回るブレダルを捉え切れなかった。左右にステップを切り,左ストレートを出しながら距離を詰めていく場面では仲のパンチもヒットしており,もっと捨てパンチがあればと惜しまれる。この善戦は貴重な経験になるはず。これを糧に,さらなる精進を望む。
 175cmの長身ブレダルはソウル五輪にも出場した35歳のベテラン。非常に足が速く,的確な左ジャブ,ストレートが光る。間合いの取り方が絶妙であり,相手にとっては非常にやりにくい。相手の反則などを利用して巧みに休むなど,老獪さは心憎いばかり。ただし,ボディ攻撃をいやがり,手数を前面に出して波状攻撃を仕掛けられるのは苦手の様子である。

採点結果 ブレダル
主審:マーク・ネルソン(米国) *** ***
副審:ダニエル・カロン(フランス) 117 112
副審:リカルド・ルンカン(パナマ) 117 111
副審:シルベストレ・アバインサ(比国) 118 109
参考:MAOMIE 117 114


     ○ブレダル:57戦55勝(26KO)2敗
     ●仲:20戦17勝(11KO)1敗2分

     放送:よみうりテレビ
     解説:六車卓也&辰吉丈一郎
     実況:尾山憲一

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                   2004年3月15日(月)    後楽園ホール
                    日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン          挑戦者(同級1位)
             ○  サーシャ・バクティン  判 定   熟山竜一    ●
                
 (協栄) 118 lbs             (JM加古川) 117 3/4 lbs        ※ 熟山=みのりやま

 両者は2001年12月に対戦しているが,このときはサーシャがダウンを奪われながらも判定勝ちしている。今夜はタイトルを賭けての再戦。
 初回,武器としている高速の左ジャブを連発するサーシャは積極的に前に出て右ストレート,左フックを放つ。熟山も左に回りながらワンツーを見せる。4回,熟山は下がりながらチャンスを窺い,飛び込んでボディを連打する。この攻撃にサーシャが一瞬苦しそうに息をつく場面が見られた。
 6回にはサーシャは左ジャブ,ワンツー,左フックを飛ばす。右ストレートを受けて熟山はロープ際に後退。終盤,熟山もボディ連打から右フックを決めて反撃を見せた。
 善戦する熟山だが,7回,左ストレートを受けてのけぞり,連打を浴びる。終盤にボディ連打を受けてクリンチに逃れるサーシャだが,相変わらず左は鋭い。9・10回には疲れの見える熟山は動きが鈍り,後退が目立つ。サーシャは左ジャブでコントロールし,ワンツー,左フックを浴びせる。

 3度目の防衛に成功したサーシャ。鋭く精度の高い左ジャブ,ストレートは相変わらずだが,上を狙うにはまだまだ経験不足。ボディを攻められて露骨にイヤな顔を見せるなど弱点を晒したのは頂けない。いろいろなタイプとグラブを交えて経験を積ませることが必要である。
 熟山は攻防のバランスが取れた右ボクサーファイター。よくサーシャを研究しており,サーシャがいやがるボディ攻撃を主体に善戦した。しかし,サーシャの鋭い左ジャブになかなか突破口を開けず,後手に回る場面が目立った。終盤に疲れが見られ,ペースダウンしたことが惜しまれる。

採点結果 サーシャ 熟山
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:内田正一 99 94
副審:福地勇治 97 94
副審:浅尾和信 98 94
参考:MAOMIE (68) (66)


     ○サーシャ:10戦10勝(5KO)
     ●熟山:22戦14勝(6KO)5敗3分

     放送:TBS
     解説:畑山隆則&竹原慎二
     実況:新夕悦男

※ 第2・3・8ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                    2004年3月20日(土)    後楽園ホール
                    日本ライト級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン         挑戦者(同級1位)
              ○  嶋田雄大   判 定    稲田千賢    ●
                
 (ヨネクラ) 135 lbs              (帝拳) 135 lbs

 今年のチャンピオンカーニバルの中でも屈指の好カードとあって,通路や2階バルコニーまで満員に膨れ上がった後楽園。期待を裏切らない熱戦となったが,キャリアで優る嶋田に一日の長があった。
 初挑戦の稲田は日本人離れした体型から繰り出す,リーチを目一杯に生かした左ジャブでスタート。2回には自分から前に出て左ジャブ,ワンツーを浴びせ,好調をアピール。嶋田が打ち気に出ると元に戻し,サークリングに切り替えて左ジャブを突き,落ち着いた立ち上がりを見せた。
 しかし,ベテラン嶋田も負けてはいない。3回,右から左のフックで稲田がバランスを崩す。ボディ連打から左右フック,アッパーを決める嶋田。左フックで稲田がのけぞる場面も見られた。低い姿勢で潜り込む嶋田を左ジャブで止め切れない稲田。一方,上下の動きを取り入れた独特な間合いの取り方で肉薄する嶋田は得意の接近戦に持ち込み,老獪な攻撃で中盤戦をリードした。
 5回には思い通りに行かないのか,稲田はクリンチしながら首をかしげる場面も見られた。6回,左フックでぐらつかせて攻勢に出る嶋田。稲田もワンツー,左フックで応戦するが,距離が中途半端なため,嶋田を崩せない。7・8回,身長とリーチで劣る嶋田が踏み込みよく左ジャブ,ストレートを的確に決めた。
 しかし,9回,ポイントで不利と見たのか,稲田は作戦を変更し,ガードを固めながら果敢に前に出て,敢えて接近戦を挑む。稲田がワンツー,左右フックで攻勢に出ると,疲れの見える嶋田は足をわずかによろめかせ,ピンチ。終了間際には稲田の右フックがヒットする。10回にも死力を振り絞った白熱戦が展開されたが,稲田の右ストレートで嶋田がわずかにぐらつく場面があった。

 難敵と見られた稲田を退けた嶋田は4度目の防衛に成功。うま味が滲み出るような老獪さは相変わらず。序盤こそ稲田のペースになりかけたが,中盤は完全に主導権を掌握していた。左右の動きに加え,上下の動きを織り交ぜた独特の距離の詰め方は稲田にとってはやりにくかったはず。鋭く踏み込んで放つ左ジャブ,ストレートは体格面での不利を感じさせない。微妙にポジションをずらして放つ左右フックなど,変幻自在なボクシングが光る。年齢的には無理が効かないが,今後も円熟味を増した試合運びを見せて欲しい。
 初挑戦に失敗した稲田は距離の取り方が今ひとつ中途半端で嶋田につけ込まれたことが敗因。9回に自ら接近戦を挑んで失地挽回を図ったが,上体が突っ立ってしまい,効果的なパンチを打てなかったことが惜しまれる。今夜は老獪な嶋田に屈して初黒星を喫したが,将来性があることは間違いなく,恥じることは全くない。この敗戦は必ず血となり肉となるはず。ぜひ今夜の経験を生かして今後につなげるように精進を望みたい。

採点結果 嶋田 稲田
主審:ウクリッド・サラサス *** ***
副審:森田健 96 96
副審:内田正一 97 95
副審:島川威 96 95
参考:MAOMIE 97 94


     ○嶋田:18戦14勝(8KO)3敗1分
     ●稲田:16戦15勝(11KO)1敗

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:舟津宜史

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                    2004年3月20日(土)    後楽園ホール
                              10回戦
                日本フェザー級1位   T   K  O   日本フェザー級(ノーランク)
              ○   榎 洋之    8回2分01秒    船見征二     ●
               
(角海老宝石) 126 lbs               (宇都宮) 126 lbs

 来る7月に日本タイトル初挑戦を目指している榎。大事な前哨戦をTKOで飾ったが,精彩を欠き,大いに課題を残す結果となった。
 試合は初回から榎のペースで進む。左ジャブを突きながらサークリングする船見をじわじわと追い,左ジャブ,ストレートに次ぐ右クロスをヒット。2回1分過ぎ,左フックでぐらりとくる船見。榎は余裕を持ってどんどん前に出てプレッシャーをかける。左アッパー,フックを上下に打ち分け,右クロスもヒット。
 3回には船見は鼻血を流し,苦しい戦いとなる。ますますブレッシャーを強める榎だが,こちらも距離を詰めるスピードが足りず,決定打を打ち込めない。6回,船見の鼻血がひどく,ドクターチェックのために一時中断。試合は一方的になった。いつストップされても不思議でない状態。
 船見は鼻血で口の周りを赤く染めながらも足が止まらない。榎も接近するまでの詰め方に策がなく,船見の左フック,右ストレートを被弾する場面が見られた。
 しかし,8回,榎がプレッシャーを強めると船見の頑張りもここまで。コーナーでワンツー,左ボディブロー,左右フックなどの連打があったところでついに内田主審がストップした。

 パンチ力には定評がある榎だが,今夜はいつになくスピードに欠けた。相手との間合いの詰め方に課題を残した。接近してから打とうとしているのが気になる。その距離を詰めるスピードも足りない。この辺を矯正する必要がある。
 船見は一方的にリードされながら最後まで足が止まらず,榎に手を焼かせた。

7回までの採点 船見
主審:内田正一 *** ***
副審:杉山利夫 70 63
副審:鮫島英一郎 70 64
副審:ウクリッド・サラサス 70 65
参考:MAOMIE 70 63


     ○榎:20戦19勝(15KO)1分
     ●船見:16戦7勝(2KO)6敗3分

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:寺島淳司

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                    2004年3月20日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                日本スーパー・フライ級1位   K      O     タイ国バンタム級(ノーランク)
              ○  結城康友      3回2分23秒    ルンタワン・ソーウォラピン  ●
                
(ヨネクラ) 118 lbs                    (タイ) 117 1/2 lbs

 トップコンテンダーの位置まで上昇してきた結城が会心のKO勝ちでタイトル挑戦に弾みをつけた。
 初回,左ジャブを突いて左右にサークリングしながらチャンスを窺う結城。ワンツー,左フックを浴びせるが,逆に素早く肉薄するルンタワンの右ストレートでのけぞる。相打ち狙いの右フックを放つルンタワン。
 2回,リング中央での相打ち気味の右ストレートは結城が上。左ジャブからボディに左アッパーを放ってルンタワンを追い詰める。そして3回,結城は左アッパーをボディに連発し,右クロスをヒット。いやがるルンタワンのボディにパンチを集めて一気に攻勢をかける。コーナーでの連打から最後は左フックが決まり,ルンタワンはたまらずダウン。そのままカウントアウト。

 以前は線の細さが目立った結城だが,たくましくなった。しっかり左ジャブを突きながら左右にサークリングして次の攻撃につなげるパターンに徹しているところがいい。しかし,足と左を忘れないこと。パワーアップしているが,絶対に力で倒そうなどと思わず,コンビネーションブローに徹するように心掛けて欲しい。
 ルンタワンは19歳。やや変則的だが,思い切りよく距離を詰め,右フック,ストレートを強振する。

     主審:島川威,副審:森田健&鮫島英一郎&内田正一
     ○結城:22戦14勝(8KO)3敗5分     ●ルンタワン:13戦8勝(2KO)5敗
     放送:G+     解説:なし     実況:高橋雄一

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