熱戦譜〜2004年2月の試合から


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試合日 試合 結果
2004.02.07 ノンタイトル10回戦  長嶋健吾  引き分け  デニス・ローレンテ
2004.02.07 10回戦  池森久貴  判定  金 正完
2004.02.08  WBA世界スーパー・フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ヨーサナン・3Kバッテリー  TKO7R  杉田竜平
2004.02.08  日本スーパー・フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 川端賢樹  判定  プロスパー松浦
2004.02.08  10回戦  金井晶聡  KO3R  セーンシー・ポー・チャイワット
2004.02.09  日本ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 小熊坂 諭  判定  松本博志
2004.02.09 10回戦  相澤国之  判定  パノムデット・オーユッタナコン
2004.02.09 10回戦  日高和彦  KO6R  トンダーン・ソーウォラピン
2004.02.15  東洋太平洋フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 小松則幸  負傷判定8R  エドガー・ロドリゴ  
10 2004.02.15  ノンタイトル10回戦  長谷川穂積  判定  デッチシャム・シスフォーダム
11 2004.02.16  日本ライト・フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 畠山昌人  判定  林田龍生
12 2004.02.21 10回戦  福島 学  判定  ヨックタイ・シスオー
13 2004.02.21 10回戦  長井祐太  KO7R  森川和雄
14 2004.02.23 10回戦  真鍋圭太  判定  伊地知 崇

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                         2004年2月7日(土)    後楽園ホール
                            ノンタイトル10回戦
                WBC世界ライト級3位         東洋太平洋ライト級チャンピオン
             ×    長嶋健吾     引き分け   デニス・ローレンテ    ×
              (エイティーン古河)  136 lbs           (比国)  136 lbs


 リーチのあるサウスポー同士の対戦。相手の左ストレートを警戒し,お互いに手数が少ない。長嶋は初回,左右でボディを叩くが,ローレンテのガードは固い。2回,バッティングがあり,長嶋は早くも右前頭部(髪の生え際)をカットするハンデを負う。
 ときおり思い切りよく左を振って飛び込んで来るローレンテの迫力に萎縮したのか,長嶋は右ジャブが出ず,本来のリズムに乗れない。ローレンテも攻撃が雑でなかなか決定打をマークすることができない。
 6回,コーナーにローレンテを追って行こうとした長嶋にローレンテが応戦して打ち合いになる。左ストレートがアゴをヒットし,長嶋はもつれるように倒れる。明らかなノックダウンだったが,サラサス主審の判定はスリップ。長嶋は誤審に救われた。
 結局長嶋は最後まで自分のペースで戦えず,終了ゴングを聞いた。

 結果は三者三様のドロー。世界3位にしてはあまりにもお粗末な試合内容で,長嶋は出直しを迫られよう。自分から試合を作る姿勢もあまり感じられず,ローレンテの荒っぽいボクシングに合わせてズルズルとラウンドを重ねる拙戦。確かにやりにくい相手ではあったが,この程度の相手に苦戦していては世界など夢のまた夢。もう一度チャンピオンカーニバルからやり直すべきである。3月に予定されている嶋田雄大vs.稲田千賢戦の勝者に挑戦し,改めて出直しをはかる必要がある。
 ローレンテは前OPBFスーパー・バンタム級王者ペドリト・ローレンテの実兄。リーチに恵まれたサウスポーのボクサーファイターである。機を見て左ストレート,フックを振り,飛び込むようにして打ち合いを仕掛けて来る。弟ほど手数は多くないが,スピードがある。非常に懐が深く,ボクシングが変則的なので相手にとってはやりにくい。

採点結果 長嶋 ローレンテ
主審:ウクリッド・サラサス *** ***
副審:森田健 97 96
副審:山田一公 97 97
副審:福地勇治 96 97
参考:MAOMIE 96 97


     ×長嶋:29戦25勝(14KO)2敗2分
     ×ローレンテ:25戦19勝(11KO)2敗4分

     放送:G+
     解説:ファィティング原田&浜田剛史
     実況:寺島淳司

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                   2004年2月7日(土)    後楽園ホール
                            10回戦
                日本バンタム級3位        韓国バンタム級1位
              ○   池森久貴     判 定    金 正完    ●
              (帝拳) 118 3/4 lbs       (韓国) 118 3/4 lbs


 9ヶ月ぶりの復帰となった池森。荒っぽい右で迫る金を冷静に見て,右ストレートのカウンターを合わせる。池森は2回には鼻血を流したが,よく見て右ストレートにボディへの左右アッパーを交えて攻勢。3回に入ると池森はガードを固め,金の攻撃の合い間を縫うようにボディにパンチを集める。ボディが効いた金は早くもスピード,手数が鈍るが,ここからが金の本領だった。苦しそうだが,絶対に倒れない粘りを見せる。
 バッティングで5回に左目上,8回には右目上もカットする池森だが,中盤もボディブロー主体の攻撃で金を圧倒する。9回,右ストレートでグラリと膝が揺れる金。チャンスだが,池森も集中打が出ず,驚異的な金の粘りもあって,倒し切れなかった。

 昨年5月のジョニー・リア(比国)戦での痛恨のKO負け以来,久々のリングとなった池森。冷静な試合運びと得意のコンビネーションブローで再起第1戦を飾ったが,内容的には課題が残る。
 カウンターで合わせる右ストレートには切れがあったものの,体のスピードが今ひとつ。上下の打分けはよかったが,あれだけ一方的に攻めて,相手も効いているのが明らかなのだから,集中打を見せて欲しかった。相手の正面に立つ悪い癖も相変わらず。その点に不満は残るが,もともといいものを持っているテクニシャンであり,第2戦以降に期待したい。
 金は細身だが,驚異的な粘りを見せる。ボディが効いて顔は苦しそうだったが,最後まで試合を捨てない根性はなかなかのもの。ややラフな右ストレート,フックを振って打合いを仕掛けて来る。

採点結果 池森
主審:熊崎広大 *** ***
副審:森田健 100 91
副審:住吉栄一 100 94
副審:ウクリッド・サラサス 99 92
参考:MAOMIE 100 90


     ○池森:28戦19勝(10KO)6敗3分
     ●金:6戦3勝(1KO)3敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:高橋雄一

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              2004年2月8日(日)   岐阜メモリアルセンター
                   WBC世界スーパー・フェザー級タイトルマッチ12回戦
                 チャンピオン   T   K  O  挑戦者(同級15位)
           ○ ヨーサナン・3Kバッテリー  7回2分49秒   杉田竜平   ●
                (タイ)  130 lbs           (畑中)  129 1/2 lbs


 初回,左右に動いて右ストレートを上下に放つ杉田。サウスポーのヨーサナンはジリジリと距離を詰め,後半,杉田をロープ際に追い込んで,左ストレート,右フックを浴びせる。杉田はクリンチに逃れる。
 2回,王者の強打が火を噴いた。右フックでぐらついた杉田は鼻血を流し,早くも苦しい展開。よく打ち返すが,ヨーサナンのプレッシャーがきつくなる。終盤,左ストレートでぐらついたところに連打を浴び,杉田はロープ際で崩れるようにダウン。ダメージは深く,完全に足に来ており,ここで止められても不思議ではない場面だった。
 ヨーサナンは3回以降は無理をせず,手堅く右ジャブ,フックを当てて行く。杉田は真っ直ぐ下がる場面が多く,王者の左ストレートを食う。ヨーサナンは右フックに次ぐワンツー,あるいはボディへの左右アッパーで徐々に杉田を弱らせて行った。杉田もよく持ち直し,ときおり右ストレートで反撃の構えを見せるが,王者の右ジャブ,フックで出バナを叩かれる。
 よく頑張る杉田だが,破局は7回。終盤,ロープに詰まったところに強烈な左ストレートを食い,大きくぐらつく。必死に抱きついてピンチを脱しようとするが,王者の詰めは鋭く,ロープを背にして左ストレート,左右フックの乱打に晒された杉田をミルハム主審が救って試合終了。

 杉田は初回こそ左右に回り込めたが,それ以降は王者のプレッシャーをかわし切れず,真っ直ぐ下がったり,同じ場所に止まったりする場面が目立った。よく食い下がったが,最後はパワーで圧倒的優位に立つ王者に屈した。左右に回り込めていれば違う展開になっていたことも考えられ,非常に残念な結果となった。
 2度目の防衛に成功したヨーサナンはコワモテのイメージとは裏腹に,冷静で頭脳的な試合運びが目についた。パワーはあるが,絶対に大振りや無駄打ちをせず,手堅く的確にパンチを当てに来る。特に右ジャブ,フックを多用していたのが非常に効果的だった。この的確な右リードブローによって,反撃の芽を摘んでいたのはさすがである。パンチは多彩で,右ジャブ,フックに次ぐ左ストレートあるいはボディへの左右アッパー,アゴへの右アッパーなど,どこからでも手が出るのが強み。
 しかし,ヨーサナンは左目を腫らしていたことが物語るように,けっしてディフェンスは完全ではなく,難攻不落とは言えない。また,意外にも追い足はそれほど鋭くない。この辺が攻略のヒントになりそう。

     主審:ミルハム,副審:フック&金光洙&ガルシア
     ○ヨーサナン:46戦43勝(36KO)2敗1分     ●杉田:29戦25勝(21KO)2敗2分
     放送:CBC     解説:薬師寺保栄&飯田覚士     実況:高田寛之

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                2004年2月8日(日)   高砂市総合体育館
               日本スーパー・フライ級タイトルマッチ10回戦
              チャンピオン         挑戦者(同級2位)
          ○  川端賢樹    判 定   プロスパー松浦  ●
            (姫路木下)  115 lbs         (国際) 114 3/4 lbs

            WBA4位

 昨年9月に2回KOで松浦から王座を奪った川端の初防衛戦。前回はローブローに端を発したKO劇で熊崎主審が2ヶ月間のサスペントとなるなどの紛糾を見せたが,今回は因縁のリターンマッチ。
 初回から積極的に前進して仕掛ける川端。早くも右フックがヒットし,松浦がバランスを崩す。松浦は足を使って速い左ジャブ,ストレートを突くが,川端は2回にも右フックをクリーンヒット。わずかに腰が落ちかけた松浦はクリンチに逃れる。意欲的な川端はなおも右ボディブローから右アッパーをヒットして優位に立った。右クロスを合わされることを警戒し,松浦の左ジャブが出にくくなる。
 川端は3回,ガードを固め,巧みなインファイトで主導権を握った。松浦の左に合わせた右クロス,右フックからボディブロー。さらに右アッパーで松浦がのけぞる。
 しかし松浦も負けてはいない。5回,スピーディな左ジャブから接近して左右アッパーを突き上げて反撃。6回には再び川端が優勢。松浦も左ジャブ,ワンツー,左フックを返すが,右ストレートでチャンスを掴んだ川端が攻勢。右アッパー,上下への左右フックで松浦はロープを背にする。
 9回,松浦は手数でリードしたが,最後まで巧みなインファイトを見せる川端が2−0の判定勝ちをモノにした。

 160cmの短躯・川端は積極的に仕掛け,巧みなインファイトで全般を通して優位を保った。松浦の左に合わせるクロス気味の右フックが効果的であり,序盤は松浦が左ジャブを出しにくい状況を作っていた。終盤に手数が減り,松浦の反撃を許す場面もあったが,持ち味である鋭い踏み込みから素早く肉薄する戦法が光った。
 雪辱に燃えた長身171cmの松浦だが,やはり自分の距離を維持できなかったことが敗因。中盤以降,手数で上回る場面もあったが,川端のインファイトを封じられなかった。

採点結果 川端 松浦
主審:宮崎久利 *** ***
副審:安田裕候 97 93
副審:ビニー・マーチン 96 96
副審:北村信行 97 95
参考:MAOMIE (68) (66)


     ○川端:29戦22勝(12KO)5敗2分
     ●松浦:27戦22勝(10KO)5敗

     放送:よみうりテレビ
     解説:六車卓也
     実況:野村明大

     ※ 第3・7・8ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点はカットされたラウンドを除く集計結果です)。
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               2004年2月8日(日)   高砂市総合体育館
                         10回戦
               日本フェザー級5位    K      O     タイ国フェザー級チャンピオン
          ○  金井晶聡      3回2分37秒    セーンシー・ポー・チャイワット  ●
            (姫路木下)  128 lbs                   (タイ) 127 lbs


 金井がデビュー以来の連続KO記録を12に伸ばした。
 初回こそ探りあいの静かなスタートとなったが,2回に早くも試合が動いた。金井はノーモーションからの右ストレート,ボディへの左アッパーで仕掛ける。サウスポーのセーンシーはワンツーから右フックを返して応戦。
 3回,金井は体を沈めて左アッパーのボディブローを放つ。セーンシーのワンツー,右フック,金井の右ストレートが交錯する。打ち終わりにパンチをもらう金井だが,ノーモーションからの右ストレートがヒットし,セーンシー,呆気なくダウン。立ち上がったが,右フックで2度目のダウンを喫し,そのままカウントアウト。

 金井は右ストレートに伸びがある右ボクサーファイター。パンチの威力は十分だが,欠点も目立つ。相手の正面に立ってしまうのと,パンチの引きが遅いため,打ち終わりの被弾が目立つ。攻撃面では武器の右ストレートを打った直後に体を左前方に不必要に沈めてしまうため,バランスが崩れて後続打につながらない点が気になる。うまい相手にかかった場合,単発ではなかなか崩せないはず。上位進出を目指すためには,この点を改善しないと苦しい。
 セーンシーはサウスポーのボクサーファイター。手数は少ないものの,パンチは重そう。ドッシリとした構えから左ストレート,右フックをカウンター気味に放ってくる。

     主審:野田昌宏,副審:上中一郎&北村信行&宮崎久利
     ○金井:12戦12勝(12KO)     ●セーンシー:25戦17勝(8KO)8敗
     放送:よみうりテレビ     解説:六車卓也     実況:尾山憲一

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                2004年2月9日(月)   後楽園ホール
                 日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
              チャンピオン         挑戦者(WBA12位)
          ○  小熊坂 諭    判 定   松本博志  ●
            (新日本木村)          (小倉高橋)

             104 1/2 lbs           105 lbs
            WBC6位,WBA11位

 クリンチ,ホールドによるもみ合いが多く,ローブローなどによる中断などもあってダーティな試合になった。世界ランカー同士のチャンピオンカーニバルにしては非常に低レベルな凡戦。
 サウスポー同士の試合。スタートから152cmの小兵・松本が上体を振って果敢に飛び込みんで仕掛ける。小熊坂は落ち着いて松本の動きを見て,右フック,アッパーを合わせる。2回には右フック,アッパーに次ぐ左ストレートで松本の足がもつれる場面も。試合はパンチの的確さで優る小熊坂が確実にポイントを押さえて,リードを広げた。松本は小熊坂の右フックでぐらつく場面が何度も見られた。
 しかし,試合はお互いにエキサイトし,反則行為の応酬で非常に後味が悪い。4回にはカッとなった小熊坂が松本の後頭部を打って島川主審の注意を受けた。中盤から終盤にかけても,もみ合いが多く,せっかくの好カードが台無しとなった。8回には混戦から小熊坂のパンチがローブローとなり,松本が倒れて中断する場面もあった。
 ようやく白熱したのは10回。疲れの見える松本は小熊坂の左右フック,左ストレートで倒れるが,後頭部への加撃やプッシング,押さえ込みなどの小熊坂の反則行為があり,ダウンとは判定されなかった。

 小熊坂はWBC王者イーグル赤倉(角海老宝石)への挑戦を表明したが,とてもそういうレベルではない。身長差が13cmもあるのに,右ジャブ,フックが少ないから簡単に潜り込まれてしまう。突き放すテクニックもないし,今夜の相手程度をさばけないようでは,世界など夢のまた夢である。
 松本は果敢に攻め込むファイタータイプだが,ディフェンスに難があり,こちらも世界ランカーとしてはあまりにもお粗末。

採点結果 小熊坂 松本
主審:島川威 *** ***
副審:森田健 100 91
副審:安部和夫 100 92
副審:内田正一 100 94
参考:MAOMIE 99 92


     ○小熊坂:28戦20勝(9KO)5敗3分
     ●松本:22戦15勝(7KO)4敗3分

     放送:フジ739
     解説:川嶋郭志
     実況:長坂哲夫

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               2004年2月9日(月)   後楽園ホール
                       10回戦
            日本フライ級7位          タイ国フライ級4位
       ○     相澤国之    判 定  パノムデット・オーユッタナコン ●
          (三迫)  115 lbs          (タイ) 115 lbs


 拓大でアマ全日本王者として鳴らした相澤のプロ転向第6戦。一方的にリードしながら右拳を痛め,フィニッシュを逸した。
 初回,力を抜いてリラックスした動きから左ジャブ,ボディへの左アッパーを決めて,早くも優位に立つ相澤。4回には右ストレートのカウンターでダウンを奪う。立ち上がったパノムデットにワンツー,左ボディをまとめ,KOへの期待が高まった。5回にも多彩なコンビネーションブローを浴びせる相澤。この回,終了間際には左フックでパノムデットの足がもつれた。
 しかし,パノムデットもタフでしぶといところを見せる。一方的にリードされながらもKO負けは免れた。相澤は右拳を痛め,倒し切れずに試合終了のゴングを聞く。

 右拳を痛めたとは言え,あれだけワンサイドゲームになりながら相澤がフィニッシュを逸した点には非常に不満が残る。素晴らしいテクニックやコンビネーションブローを持ちながら,初回からラストまで一本調子で,ボクシングにメリハリがないことが気になる。打ち終わりにガードが下がることも要注意。アマと違い,プロではいくら打っても倒れない相手はザラにいる。今後の課題として精進して欲しい。
 しぶといところを見せたパノムデットはこれと言うパンチはないが,非常にタフ。

採点結果 相澤 パノムデット
主審:福地勇治 *** ***
副審:森田健 100 88
副審:染谷路朗 100 89
副審:安部和夫 100 88
参考:MAOMIE 100 90


     ○相澤:6戦5勝(4KO)1分
     ●パノムデット:47戦31勝(11KO)16敗

     放送:フジ739
     解説:川嶋郭志
     実況:佐野瑞樹

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                   2004年2月9日(月)   後楽園ホール
                           10回戦
             日本S・ウェルター級5位  K   O  タイ国S・ウェルター級(ノーランク)    
           ○    日高和彦     6回45秒   トンダーン・ソーウォラピン ●
               (新日本木村)              (タイ) 

                146 1/2 lbs               146 1/2 lbs

 トンダーンが元々スーパー・フェザー級の選手ということで,体格差が目立つ試合。初回,サウスポーの日高は右ジャブを軽く突き,左ストレートをヒットする。トンダーンは小刻みな動きから左右にスイッチする変則的な試合運びで幻惑するが,日高は構わず前に出て,4回にはロープに詰め,左右の連打で攻勢。終了間際,左ストレートでトンダーンがのけぞる。
 6回開始早々,右ジャブから間髪入れずに放った左ストレートでたまらず崩れ落ちるトンダーン。そのままカウントアウトされた。

 いかつい顔とは裏腹に,日高のボクシングは基本に忠実で,非常に丁寧に右ジャブから左ストレートにつなげる。重量級には珍しい教科書的な試合運びが特徴。フットワークもよく,スピードがあってパンチもシャープである。
 ただし,パンチを出さずに不用意に接近する欠点が気になった。攻撃面ではあまりボディを打たないことが気になる。連打の中にボディブローを取り入れれば攻撃の幅が広がるはず。ぜひ取り組んで欲しい。


     主審:内田正一,副審:島川威&染谷路朗&福地勇治
     ○日高:20戦16勝(12KO)4敗     ●トンダーン:10戦5勝(2KO)5敗
     放送:フジ739     解説:川嶋郭志     実況:桜井堅一朗

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                  2004年2月15日(日)   大阪市中央体育館サブアリーナ
                      東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦
                 チャンピオン     負 傷 判 定    挑戦者(同級1位)
             ○  小松則幸     8回1分45秒    エドガー・ロドリゴ  ●
                (エディタウンゼント)                (比国)
                 112 lbs                  111 1/2 lbs


 初回,サウスポーのロドリゴが素早く距離を詰めて放った左ストレートで小松は膝が揺れ,早くもピンチ。ロドリゴは思い切りのいいワンツー,左右フック,ボディへの左ストレートで小松をロープに詰めて攻勢。しかし,終盤,左ストレートを振って前に出たところに合わせた小松の左フックがヒット。この起死回生の一発でロドリゴはたまらずダウン。2回に入ると小松は体格差を生かし,右ストレート,左フックを浴びせて攻勢に出る。小松のラッシュで今度はロドリゴがタジタジとなった。
 しかし,ロドリゴも負けてはいない。3回にはフェイントをかけて右ストレートを放つ小松だが,逆にロドリゴの右フック,左ストレートでぐらつき,ロープを背にロドリゴのラッシュを許した。4回には中間距離での左ストレートで小松は腰が落ちて後退。小松はジャブが出ず,不用意なパンチをもらう場面が目立つ。
 一進一退の白熱戦となったが,6回にはロドリゴの左ストレートで後手に回った小松が終盤に反撃。右ストレート,左フックでロドリゴをぐらつかせた。7回に偶然のバッティングでロドリゴが右目尻をカット。再開後,勝負を急いだロドリゴが激しい打ち合いに出る。しかし,ロドリゴの傷が深く,8回にドクターのチェック後にストップとなった。

 小松は4度目の防衛に成功。上体を揺すってフェイントをかけていた点はよかったが,ジャブが出ず,振りが大きい右ストレート,左フックに頼る癖が直っていない。ダウンを奪った左フックこそ見事なカウンターだったが,相手の正面に立って不用意なパンチをもらう場面が多過ぎる。このあたりが今後の課題である。
 敗れたロドリゴはサウスポーで,やや低いガードから鋭く間合いを詰めて攻勢をかけるファイタータイプ。ノーモーションからの左ストレートあるいは左右フック,ボディへの左ストレートなどの速攻は見事。追い足の鋭さが目についた。しかし,ガードの低さからか,肝心なところでの被弾が目立った。

8回を含む集計 小松 ロドリゴ
主審:アネック・ホントンカム(タイ) 79 72
副審:安田裕候 80 71
副審:ジオンゴ 75 76
参考:MAOMIE 77 74

     ○小松:23戦18勝(8KO)5分
     ●ロドリゴ:18戦10勝(5KO)4敗4分
     放送:スカイA
     解説:山口圭司
     実況:松原宏樹
     ※ 8回途中で偶然バッティングによる試合停止のため,当該の第8ラウンドを含む採点の結果で勝敗を決する。

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                   2004年2月15日(日)   大阪市中央体育館サブアリーナ
                           ノンタイトル10回戦
            東洋太平洋バンタム級チャンピオン        タイ国スーパー・フライ級3位
           ○   長谷川穂積      判 定  デッチシャム・シスフォーダム   ●
            (千里馬神戸)  118 3/4 lbs        (タイ) 118 1/2 lbs

 初回右ストレートをかわし,すぐ左ストレートをカウンター気味に決めてデッチシャムを棒立ちにさせ,早くも優位に立つ長谷川。なおも右ジャブを突き,左ストレートあるいは右アッパー,フックを決める。デッチシャムは動きは鈍いが,ときおり強烈な右フックを振って応戦する。しかし,3回以降も長谷川は鋭い左ストレートを上下に打ち分け,左右の連打でデッチシャムを圧倒する。5回,左ストレートでのけぞらせ,ボディへの右フックで攻め立てる。ボディを打たれたデッチシャムは苦しそうな表情を見せる。
 一方的にリードする長谷川だが,直線的な攻めに終始し,タフなデッチシャムを崩せない。思うようなボクシングになっていないためか,8回終了後には首をかしげながらコーナーに戻る場面が見られた。9回,ボディ攻撃で露骨に苦しそうな表情を見せるデッチシャム。終盤には左ストレートでガクッと腰を落としたデッチシャムを追い,長谷川が一気にラッシュ。しかし,タフなデッチシャムを捉え切れず,フルラウンドを戦い抜く結果となった。

 長谷川のワンサイドゲーム。相変わらず非凡なところを見せた。スピード,パンチの切れ,多彩なコンビネーションブロー,思い切りのよさなど,申し分のないボクシングである。
 しかし,攻防ともにタテの動きが主体であり,横の変化に乏しいことが非常に気になった。直線的で単調な動きに終始し,ボクシングが正直になってしまうと,今後世界を狙う上では不安要素となる。WBC王者ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)あたりの老獪なボクシングにかかったら,今のままでは通用しないだろう。いいフットワークがあるのだから,左右に回り込む動きを取り入れて欲しい。前後の動きだけでなく左右への変化が身につけば,攻防両面で幅が出るはず。
 長谷川はいずれは世界を狙える逸材である。すぐに挑戦するのではなく,課題をひとつずつクリアし,確固たる自信を持てるように精進を願いたい。
 デッチシャムは上体が発達し,ときおり放つ右フックが非常に強烈。ベタ足で動きは鈍いが,なかなか油断のできないファイタータイプである。

採点結果 長谷川 デッチシャム
主審:野田昌宏 *** ***
副審:宮崎久利 100 90
副審:安田裕候 100 90
副審:原田武男 100 90
参考:MAOMIE 100 91


     ○長谷川:17戦15勝(5KO)2敗
     ●デッチシャム:19戦8勝(4KO)11敗

     放送:スカイA
     解説:山口圭司
     実況:松原宏樹

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                2004年2月16日(月)   後楽園ホール
                 日本ライト・フライ級タイトルマッチ10回戦
              チャンピオン         挑戦者(WBC4位)
          ○  畠山昌人    判 定   林田龍生  ●
            (協栄札幌赤坂)        (渡嘉敷)

             107 1/2 lbs          107 3/4lbs

 ガードを固めながら前に出て左右フックを放つ林田に対し,畠山は左ジャブから右ストレートで応戦。2回,畠山の右アッパーに右フックを合わせる林田。体を密着させてのもみ合いからボディを打つ林田だが,畠山の右ストレートがカウンター気味にクリーンヒット。3回にはバッティングで右目上をカットする畠山。林田はもみ合いに持ち込み,左フック,アッパーを放つ。
 序盤から中盤にかけては林田がやや優勢に進めたが,終盤に畠山が猛反撃を見せる。8回,畠山の左フックで足がもつれる林田。俄然攻勢に出る畠山は終盤ボディ連打で猛追。9回,スローダウンした林田は体を預けるようにして前に出るがパンチにならない。そして10回,林田は体を預けてピンチを凌ごうとするが,畠山はそれを振りほどくようにして右フックをヒット。林田はもみ合いに持ち込もうとするが,足に来ており,終盤右フックを受けてぐらつき,やっとのことで終了のゴングを聞いた。

 3度目の防衛を果たした畠山。しかし,体を預けるようにして執拗に出る林田を突き放せず,前半は非常に苦戦する結果となった。その原因は得意のストレート系のパンチが出ず,簡単に肉薄を許したこと。すっかりスロースターターという評価が定着してしまった畠山。反撃の余地がある相手なら通じるが,それでは上は狙えない。もっと前半から自分で試合を作って行く姿勢が要求される。
 林田はやはり世界4位という肩書きが重荷かも知れない。気迫は立派だが,体を預けてもみ合いに持ち込むばかりで技術的には見るべきものに乏しい。前半から攻めの姿勢がある相手だったら,間違いなく倒されていただろう。陣営は世界挑戦に固執しているが,まず自らの力を客観的を把握するようにお願いしたい。

採点結果 畠山 林田
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:吉田和敏 97 93
副審:館秀男 97 96
副審:内田正一 96 96
参考:MAOMIE (87) (86)


     ○畠山:16戦12勝(4KO)2敗2分
     ●林田:21戦17勝(8KO)3敗1分

     放送:TBS
     解説:畑山隆則&竹原慎二
     実況:新夕悦男
     ※ 第4ラウンドのみカットして放送(MAOMIEの採点は第4ラウンドを除く集計結果です)。
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                2004年2月21日(土)   後楽園ホール
                       10回戦
           日本S・バンタム級2位       WBA世界バンタム級4位
          ○  福島 学     判 定   ヨックタイ・シスオー  ●
             (JBスポーツ)            (タイ)

             120 3/4 lbs            120 3/4lbs

 初回から迫力ある左右フック,アッパーの交換となった。福島は左ボディブローから右フックを叩きつけて攻勢。ヨックタイも負けじと左フックから右アッパーを浴びせる。激しい主導権争いとなったが,前半は福島がわずかにリードした。
 3回終盤,激しい打ち合いの中から福島がワンツー,左右フックを浴びせるとヨックタイの動きが止まる。終了ゴングと同時に体ごと割って入った浦谷主審の顔面にヨックタイの左フックが”クリーンヒット”。浦谷主審の左目下が腫れ上がるハプニングが見られた。
 4回にも細かいパンチで福島がわずかに上回る。6回終了間際には福島のワンツーでわずかにヨックタイがぐらつく。しかし,ヨックタイもしぶとい。手数で押して行く福島に再三左フックをヒットして反撃。8・9回,左右ボディ攻撃からの右フック,接近しての右アッパーなどでヨックタイが盛り返した。
 見せ場は10回。両者死力を振り絞っての激しい打ち合いが続くが,福島の気迫が上回り,終盤左右フックの連打でぐらつき,足がもつれるヨックタイ。福島は執念で勝利の女神を呼び込んだ。

 昨年12月の分の悪いドローを受けての再戦となった福島。負ければ進路を絶たれて引退の危機にも直結する状況であり,まさに背水の陣で臨んだ一戦だったが,見事な気迫を見せた。序盤から主導権を握ろうとする姿勢が見られ,気持ちで負けなかったことが好結果につながったものと考えられる。
 ただし,相変わらずディフェンスに難があり,不用意なパンチを食う場面が目立つ。上体が伸びたまま相手の正面に立ってしまう悪い癖も直っていない。この辺が今後の課題か。
 ヨックタイは相変わらずの老獪さを見せた。今夜は福島の執念に屈したが,要所にうまくパンチを集中するうまさはさすがである。

採点結果 福島 ヨックタイ
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:森田健 97 96
副審:住吉栄一 97 96
副審:安部和夫 97 94
参考:MAOMIE 98 96


     ○福島:33戦25勝(17KO)6敗2分
     ●ヨックタイ:36戦29勝(18KO)4敗3分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:長谷川憲司

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                    2004年2月21日(土)   後楽園ホール
                            10回戦
          東洋太平洋S・バンタム級6位   K      O   日本S・バンタム級(ノーランク)
          ○  長井祐太        7回1分49秒    森川和雄  ●
           (角海老宝石勝又)                (ヨネクラ)

             120 3/4 lbs                  120 3/4lbs

 新鋭・長井の鮮やかなワンパンチKO。
 足を使い,スピードのある左ジャブ,右ストレートを繰り出す長井。2回には左ジャブ,右アッパーに次ぐ細かい左右連打で早くも優位に立つ。森川も左右フックを返すが,スピードの差は歴然で,終盤,長井のワンツーを浴びて鼻血を流す。3・4回にも長井がスピードのあるワンツー,左右フックでリード。
 粘り強く食い下がる森川は5・6回,やや手数が減った長井に単発ながらも左ジャブ,フック,アッパーをヒットして反撃する。しかし,7回,前に出る森川のアゴに右アッパーをヒットする長井。なおも前進を止めない森川だが,リング中央で再び長井の痛烈な右アッパーがアゴを打ち抜く。右膝を折るようにして仰向けに倒れる森川。立ち上がったものの足元が定まらず,カウントアウト。

 長井はスピード十分の右ボクサーファイター。足があり,左ジャブ,ワンツー,ボディへの左アッパーなど,多彩なコンビネーションが特徴。ただし,手数が減る傾向があり,そこを攻め込まれるのが気になる。
 森川は右ファイター。追い足は鋭くないが,非常に粘り強く食い下がるタイプ。左ジャブ,フック,アッパーなど,ときおりいいパンチを浴びせてよく長井を苦しめたが,パンチが単発で次につながらないことが惜しまれる。今夜は長井のスピードに屈したが,1発2発で終わらず,3・4・5・・・と続く間断ない連打を身につけて欲しい。

    ○長井:14戦12勝(9KO)1敗1分     ●森川:18戦11勝(2KO)4敗3分
    放送:G+     解説:葛西裕一     実況:羽鳥慎一

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                 2004年2月23日(月)   後楽園ホール
                          10回戦
          日本スーパー・フェザー級3位           日本ライト級(ノーランク)
         ○   真鍋圭太       判 定    伊地知 崇  ●
           (石川) 135 lbs                (角海老宝石)  135 lbs


 初回,まずは左ジャブ,ストレートの交換からスタート。ともに伸びのいいパンチを放つが,伊地知の左ジャブ,ワンツーがやや上回る。2回,早くも波乱が起きた。真鍋の有効打で伊地知は左目上をカット。しかし終盤,左ジャブの打ち終わりを突いた伊地知の鋭いワンツーでモロにアゴを打ち抜かれた真鍋はたまらずダウン。立ち上がったものの,右ストレート,左フックを浴びてぐらつきピンチ。3回にも真鍋はガードが下がったところにワンツーを浴びる場面が目立つ。ここまでは地に足がついていない感じの真鍋に対して,伊地知の冷静なボクシングが光った。
 5回,真鍋は積極的に手を出してリードしたが,7回,伊地知の右ストレートを受けて真鍋の顔が上を向く場面が見られた。伊地知はやや手数が減るが,よく見て右ストレートを決めた。真鍋は伊地知の有効打で左目上をカットし,苦しい戦いを強いられた。
 ポイントで劣勢だった真鍋の自慢の強打が爆発したのは8回。疲れが見える伊地知に対して真鍋はなり振り構わぬ攻勢をかける。ワンツー,左フックに次ぐ左ボディブローで体を苦しげに折り曲げた伊地知はクリンチに逃れるが,終盤真鍋のワンツー,ボディへの左アッパーを受けてついにダウン。
 9回にも激しい打ち合いが続く。真鍋がややラフになりながらもワンツー,左右フックで攻勢に出ると伊地知はグロッギー。伊地知も右ストレートのカウンターで応戦するが,真鍋の攻撃にタジタジとなった。勝負どころの10回,両者死力を振り絞り,ガード無視の激しい打ち合いとなる。これは余力を残していた真鍋が打ち勝った。伊地知は試合終了と同時に力尽きたようにロープ際で倒れ込んだ。

 壮絶な打撃戦,ダウンの応酬となったが,パワーで優る真鍋が競り勝った。真鍋は右ストレート,左右フックに破壊力がある好戦的な右ボクサーファイター。パワーに絶対の自信を持っており,試合を捨てない粘りとガッツあふれる試合ぶりが人気を呼んでいる。その一方でガードが甘く,パンチの引きが遅いので,打ち終わりの被弾が目立つのが難点。また,打ち合いの最中に中途半端に両足が揃うのも気になる。ランキング上位には位置しているが,タイトルを目指すには課題が多い。
 元高校3冠王者として注目された伊地知。プロ入り後は伸び悩んでいたが,今夜は強打の真鍋を相手に一歩も引かぬ試合ぶりで意地を見せ,ホールを沸かせた。前半は非常に冷静なボクシングで鋭いワンツーを浴びせていたが,中盤以降に真鍋が反撃に出ると一転して弱気な面を見せてしまった。今後復活のためには精神的なウィークポイントを克服することが先決。いいものを持っているだけに,ぜひ立て直して欲しい。

採点結果 真鍋 伊地知
主審:福地勇治 *** ***
副審:浅尾和信 95 94
副審:鮫島英一郎 93 95
副審:島川威 96 95
参考:MAOMIE 95 94


     ○真鍋:18戦17勝(15KO)1敗
     ●伊地知:11戦5勝(3KO)5敗1分

     放送:なし
     解説:なし
     実況:なし

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