熱戦譜〜2009年7月の試合から


MENU
MENUのbクリックすると各観戦記にジャンプします

試合日 試合 結果
2009.07.04  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 三浦隆司  TKO7R  矢代義光
2009.07.04  東洋太平洋ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 佐々木基樹  7R負傷判定  デクスター・デラーダ
2009.07.04 8回戦  山中慎介  TKO1R  村田匡教
2009.07.04 8回戦  五十嵐俊幸  TKO6R  ユーチ・キャリーボーイ
2009.07.05  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 大場浩平  判定  馬野 晃
2009.07.05 8回戦  小出大貴  TKO6R  鮫島康治
2009.07.07 10回戦  粉川拓也  判定  熊 朝忠
2009.07.14  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 長谷川穂積  TKO1R  ネストール・ロチャ
2009.07.14  WBA世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 ローマン・ゴンザレス  判定  高山勝成
10 2009.07.14  WBC世界フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 エリオ・ロハス  判定  粟生隆寛
11 2009.07.26 8回戦  井岡一翔  TKO2R  松本博志
12 2009.07.26 8回戦  國重 隆  判定  ルンニルン・サクポトーン
13 2009.07.26 6回戦  石田 匠  判定  森川真一郎

ホームページのトップに戻る     熱戦譜のトップに戻る     ← 2009年6月に戻る     2009年8月に進む →


                        2009年7月4日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                    挑戦者(同級1位)   T K O    チャンピオン
                ○   三浦隆司     7回30秒   矢代義光   ●
                        (横浜光) 130 lbs                (帝拳) 129 3/4 lbs
                                            WBA12位

 初回からスリル満点の展開になった。鋭い右ジャブの交換から立ち上がるが,矢代の相打ちの左ストレートがオープニングブローとなった。終了間際にも矢代の打ち下ろしの左ストレートがヒット。
 最初の波乱は2回。ニュートラルコーナーでの左ストレート,右フックでぐらつく矢代。三浦は一気に勝負に出る。矢代の左ストレートで逆に三浦がぐらつくが,終了間際に三浦が見舞った右フックで矢代はニュートラルコーナーに腰から崩れ落ちてダウン。
 3回,今度は矢代がお返しのダウンを奪って王者の意地を見せた。左フックで脅かして矢代をロープに追う三浦だが,正面から行ったところを突かれる。相打ちの場面は矢代の左ショートストレートが一瞬早くアゴを捉え,三浦は前のめりに落ちてダウンを喫した。
 4・5回は手数が少ない三浦に対して矢代がややリードしたが,6回中盤に三浦の強打が炸裂した。ロープを背負った矢代はアゴに左ストレートを打ち込まれて腰が砕ける。クリンチで逃れようとしたがそのままキャンバスに落ち,ダウンを取られた(カウント9)。再開されたが,三浦の右フックでよろめいた矢代はロープからロープに後退する絶体絶命の大ピンチ。青コーナーで棒立ちになったところに左ストレートを浴び,崩れるように2度目のダウン。立ち上がったが三浦の猛攻にKO寸前に追い込まれ,辛うじてゴングに救われた。
 7回,矢代のダメージの色は濃い。開始早々のバッティングによる束の間の中断も味方せず,三浦の右フックでぐらつく。攻勢に出る三浦。赤コーナーを背にした矢代に右フックを浴びせたところでタオルが投入され,劇的な幕切れとなった。

 ダウンの応酬に加え,攻守交替の連続で一瞬たりとも目が離せない壮絶な打撃戦となった。
 三浦は3度目の挑戦を実らせ,劇的なTKO勝ちで悲願の王座奪取を達成した。狙い過ぎによる手数の減少で大振りになる欠点が出たが,矢代の動きが鈍った6回に2度のダウンを奪って試合の流れを引き寄せた。何と言っても左ストレート,フックの強打が魅力だが,最近はこれに右フックが加わった。ここに今年1月の第1戦で見せたような突き刺すような独特の右ジャブが出れば,さらに攻撃力が増すだろう。ただし正面から行き過ぎるのは今後改善すべき点である。
 初黒星の矢代は3度目の防衛に失敗。鋭い右ジャブ,左ストレートで上々の滑り出しを見せたが,打たれ脆さが出てしまった。三浦の手数が減って雑な攻撃になっている場面が見られたので,右ジャブ,フックで徹頭徹尾突き放す試合運びに出ていれば,違う結果になっていたことも考えられる。

6回までの採点 三浦 矢代
主審:土屋末広 *** ***
副審:ビニー・マーチン 56 55
副審:浦谷信彰 56 54
副審:島川威 56 55
参考:MAOMIE 55 55


     ○三浦:19戦16勝(14KO)1敗2分
     ●矢代:24戦21勝(12KO)1敗2分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:田中毅

このページのトップに戻る


                       2009年7月4日(土)    後楽園ホール
                     東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン      負 傷 判 定    挑戦者(同級8位)
            ○   佐々木基樹    7回1分14秒    デクスター・デラーダ   ●
                     (帝拳) 146 lbs                       (比国) 146 lbs
                 WBA15位,WBC13位

 序盤から佐々木がプレッシャーをかける。サウスポーのデラーダをロープに詰め,右ストレートからボディに左アッパーを打ち込む。ボディブローを嫌うデラーダは早くも腰が引けた。
 4回,ワンツー,左アッパーのボディブローでデラーダをロープに詰める佐々木。終了間際にも左右フック,左アッパーの連打でデラーダを青コーナーに詰める。5回,佐々木のワンツーがクリーンヒット。佐々木の連打にデラーダは守勢一方で,さらに消極的な姿勢が目立つ。
 7回,ジリジリとプレッシャーをかける佐々木。しかし,デラーダが左ストレートを振って入ろうとした瞬間,バッティングが発生。佐々木も額をカットしたが,デラーダの左目上の傷が深く,ドクターチェックの末に続行不能とされて試合がストップした。

 佐々木は3度目の防衛に成功。ワンサイドに攻めながらフィニッシュできなかったが,左フックのボディブローを中心に得意の連打が出ており,内容的には良かった。右ストレートからすかさずボディへの連打をまとめるなど,上下への打ち分けも出ていた。
 デラーダは180cmという長身で,サウスポ−のボクサータイプ。長いリーチから放つ右ジャブ,ワンツーを武器としている。しかし,今夜は佐々木のボディ攻撃に序盤から腰が引けたままで,挑戦者としては消極的という印象は否めない。

7回までの採点 佐々木 デラーダ
主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 70 64
副審:ウクリッド・サラサス 70 65
副審:ビルジリオ・ガルシア(比国) 69 64
参考:MAOMIE 70 64

     ○佐々木:40戦32勝(20KO)7敗1分
     ●デラーダ:25戦18勝(12KO)7敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:高橋雄一

このページのトップに戻る


                       2009年7月4日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                  日本バンタム級3位  T   K  O  日本バンタム級(ノーランク)
               ○   山中慎介    1回2分17秒    村田匡教   ●
                       (帝拳) 118 lbs                     (塚原京都) 118 lbs
                                         村田匡教=むらた・まさのり

 南京都高の先輩・後輩対決となった。開始早々から6年先輩の村田が小刻みなウィービングで距離を詰めにかかる。山中は右ジャブで牽制しながら距離を取ってチャンスを窺う。2分頃,タイミングの良い左ストレートから右フックを受けた村田はぐらついて腰が落ちるピンチ。このチャンスに山中が敏感な反応を見せた。左ストレート,右アッパーに次ぐ左ストレートという鮮やかなコンビネーションに村田はたまらず腰から落ちてダウン。カウント9で辛うじて再開となったが,山中の詰めは鋭い。ワンツーの連打に村田がロープを背にしたところで浦谷主審が試合をストップした。

 若手の成長株・山中が鮮やかなTKOで存在感を十分にアピールした。サウスポーのボクサーファイターで,左ストレート,右フックに抜群の切れがある。デビュー当初は詰めの甘さが目立ったが,これで3連続KO勝ちと倒すコツが身についた模様。もともとパンチ力はあるので,今夜見せたようなチャンスにおける貪欲さが出れば,さらにKO率が上がるだろう。まさに赤丸急上昇,注目株の筆頭と言える。まだ11戦目だが上位に進出しており,来年のチャンピオンカーニバルでタイトル挑戦というのも不可能ではない。
 村田は右ファイタータイプ。短躯ながらもウィービング主体にどんどん距離を詰めて接近戦を挑む展開を得意としている。揺さぶりをかけていたが,山中のリーチに阻まれて完敗となった。

     主審:浦谷信彰,副審:島川威&ビニー・マーチン&杉山利夫
     ○山中:11戦9勝(5KO)2分     ●村田:20戦7勝(5KO)13敗
     放送:G+     解説:なし     実況:藤田大介

このページのトップに戻る


                        2009年7月4日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                     日本フライ級3位   T  K O   タイ国フライ級チャンピオン
                ○   五十嵐俊幸    6回15秒   ユーチ・キャリーボーイ   ●
                          (帝拳) 113 lbs                  (タイ) 112 3/4 lbs

 初回,右ジャブ,ワンツーを伸ばして積極的に出た五十嵐が左アッパーをボディに。ユーチの懐も深く,逆に右ストレートで顔が上を向く場面があった。
 しかし,2回以降は軽快な動きに乗せて放つスピーディなパンチで五十嵐が優位に立った。3回,アゴへの左フックでひるんだユーチをロープに追って攻勢に出る五十嵐。
 5回,五十嵐は左右アッパーのボディブローを集め,ユーチをロープに詰めて攻勢。ボディ連打からワンツーを浴びせて押す五十嵐に動きが鈍ったユーチは後退が目立つ。
 6回開始早々,右フック,左アッパーをボディに集中すればユーチは守勢一方に回る。右フックを引っかけられてキャンバスに両グラブをついたところでサラサス主審が試合をストップした。

 昨年12月の王座統一戦で清水智信(金子)に敗れた五十嵐がTKOで再起戦を飾った。やや唐突な幕切れだったが,まずまずの内容と言える。サウスポーのボクサーファイターでスピード十分の右フック,左ストレートを得意としており,足もある。軽快なフットワークから放つスピーディなコンビネーションブローを生かせば,再びチャンスが訪れるだろう。やや無駄な動きが多いことが気になる。
 ユーチは長身の右ボクサータイプ。リーチが長く,懐が深い。ワンツーを武器としているが,打たれ脆いことが弱みである。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:島川威&土屋末広&杉山利夫
     ○五十嵐:10戦8勝(6KO)1敗1分     ●ユーチ:32戦20勝(14KO)12敗
     放送:G+     解説:なし     実況:藤田大介

このページのトップに戻る


                     2009年7月5日(日)    名古屋国際会議場
                       日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級10位)
                ○   大場浩平    判 定    馬野 晃   ●
                      (大一スペースK) 118 lbs             (ハラダ) 118 lbs
                     WBA10位,WBC5位

 フリッカージャブを出して変則的に攻める大場。初挑戦の馬野も積極的なところを見せるが,大場は出バナに左フックを合わせる。
 2回,大場は速い左ジャブ,フックを見舞うが,後半は馬野が左右フック,アッパーで攻勢。接近戦でのパンチの応酬になる。大場は右アッパーを返すが,この回は馬野の攻勢が上回った。
 馬野の積極果敢な連打にやや戸惑った大場だが,中盤以降はほぼワンサイドで試合を進めた。5回,馬野はバッティングで左目上をカット。大場は変わり身の素早さを見せ,左ジャブ,フックで間合いを作ったかと思うとロングレンジからいきなり右アッパーを見舞う。
 6回,足を使って左ジャブ,フックを放つ大場だが,馬野が出ないと見るや左フック,右アッパーで攻勢に転じるなど,テクニックの差を見せる。この辺りの馬野は手数が減ったが,スタミナの問題ではなく,大場にうまく間合いを取られてコントロールされているように見えた。
 8回,待っていては勝機がないと見た馬野は必死に接近戦を試みるが,それにに応じた大場は逆に左フックでボディを攻めた。大場はなおも左右アッパーをボディに集中する。
 9回,大場のボディ打ちが効いた馬野は体を預けるように応戦するのが精一杯。ボディが効いたと見るや,一転して左フック,右アッパーを上に飛ばす大場。
 10回,左フックをボディに打ち込まれた馬野はロープに後退。飛び込みざまの右ストレートで大きくのけぞった馬野は辛うじて持ちこたえ,終了ゴングを聞いた。

 大場は4度目の防衛に成功。格下相手とはいえ,不本意な試合だった過去3度の防衛戦に比べればまずまずの内容だろう。距離を取って左ジャブ,フック,右アッパーあるいは接近戦でのボディ攻撃など豊富なバリエーションは相変わらず。ただ,ワンサイドに進めながらもフィニッシュに持ち込めなかったのは反省点。ビッグパンチが目立つが,その中に小さなパンチを織り交ぜればKOも増えるだろう。
 馬野は右ファイタータイプで左右フックの連打を武器としている。執拗な攻撃が身上であり,パンチ力もある。最後まで食い下がったが,スピード,テクニックの差は歴然。大場に間合いを取られ,待っているところにパンチを受ける場面が目立った。

採点結果 大場 馬野
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:村瀬正一 99 92
副審:半田隆基 98 93
副審:堺谷一志 97 93
参考:MAOMIE (79) (73)


     ○大場:26戦25勝(10KO)1分
     ●馬野:13戦10勝(6KO)3敗

     放送:CBC中部日本放送
     解説:飯田覚士&星野敬太郎
     実況:伊藤敦基

※ 第3・4ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

このページのトップに戻る


                      2009年7月5日(日)    名古屋国際会議場
                               8回戦
                   日本ライト級4位   T   K   O   日本S・ライト級(ノーランク)
               ○   小出大貴    6回2分50秒     鮫島康治   ●
                      (緑) 136 1/4 lbs                     (グリーンツダ) 136 3/4 lbs

 左の小出,右の鮫島の顔合わせ。ともに長身の大型ボクサータイプの対決となった。やや距離を置く鮫島はジリジリと下がりながら,機を見て右ストレートを伸ばす。小出のガードの外に回り込んで左フックを打つなど,上々の滑り出しを見せた。
 4回,小出は積極的に出てワンツーから接近して左アッパーのボディブロー。しかし,後半は鮫島が攻勢。ロープに詰めて左右フックに次ぐ右ストレートを浴びせれば,小出がわずかにぐらつく場面が見られた。
 5回,小出が反撃に出て左フック,右アッパーで積極的にボディを攻める。やや後手に回った鮫島も右ストレートで反撃を見せ,展開は急速に緊迫した。
 6回,小出が鮮やかに試合を決めた。左アッパー,右フックのボディ攻撃に出る小出。鮫島がニュートラルコーナーに下がったところ,踏み込んで放った左ストレートがアゴを捉える。この一発で鮫島はロープ際で仰向けにダウン。立ち上がったが,もはや勝負の山は越えていた。小出の攻勢を必死のクリンチで逃れようとするが,ロープ際での攻勢から左ストレートが決まったところで半田主審が試合をストップした。

 ランキング上位に進出した小出が,鋭いパンチに定評がある鮫島に打ち勝った。長身で長いリーチに恵まれたサウスポーのボクサーファイター。やや変則的な足の運びから,左右アッパーのボディブローやワンツーなどが良く出る。気の強さが持ち味である。
 鮫島は左フック,右ストレートを武器とする右ボクサータイプ。相手のパンチに合わせて鋭いカウンターを合わせる。序盤はサウスポーの小出に対して右ストレートあるいは左フックを合わせていたが,中盤からボディブローを主体とする小出の攻勢に押された。待ちのボクシングになって小出に攻め込まれたことが敗因。

     主審:半田隆基,副審:石川和徳&ほか2名不明
     ○小出:17戦14勝(6KO)1敗2分     ●鮫島:22戦16勝(6KO)4敗2分
     放送:CBC中部日本放送     解説:飯田覚士     実況:伊藤敦基

※ 第2・3ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

このページのトップに戻る


                      2009年7月7日(火)    後楽園ホール
                              10回戦
                   日本バンタム級(ノーランク)       WBC世界フライ級15位
                ○   粉川拓也     判 定    熊 朝忠   ●
                       (宮田) 114 1/2 lbs               (中国) 113 lbs
                   粉川拓也=こがわ・たくや

 左右フックを振り回して迫る熊に戸惑う粉川だが,2回には熊の入り際に左アッパーのボディブローを合わせる。さらに下から上にダブルの左アッパーを見せる粉川。
 熊は3回開始早々から猛然と攻勢に出るが,粉川の右アッパーがアゴに決まり,ガクンと腰を落とすピンチ。熊の右ストレートで粉川がぐらついてクリンチに逃れる場面も見られた。
 粉川は4回終了間際に熊を赤コーナーに詰めて攻勢に出る。中盤から終盤にかけても熊の突進に対し,間合いを取って戦う粉川が正確さで上回った。

 粉川は右ボクサーファイターで左フック,右ストレートを得意としている。スピードがあって手数が良く出るのが長所。足を生かし,ガードを低くした構えからスピーディな左ジャブ,フックで試合を組み立てる。しかし,脇が開いており,パンチの威力が半減しているのが欠点。世界ランカーとは言いながら,熊は2階級下のフライ級でも小柄な部類だろう。圧倒的な体格差がありながら,逆に押し込まれる場面もあった。相手に合わせるのではなく,足と左ジャブ,フックで突き放す試合運びが見たかった。実力を証明するためには,バンタム級の日本ランカークラスとの手合せが望まれる。
 熊は去る5月の世界戦で内藤大助(宮田)のWBC王座に挑んだばかり。短躯の右ファイタータイプで,体ごと叩きつけるような思い切った左右フックを振り回して攻める。

採点結果 粉川
主審:福地勇治 *** ***
副審:島川威 99 93
副審:染谷路朗 96 94
副審:葛城明彦 98 93
参考:MAOMIE 98 93


     ○粉川:14戦13勝(7KO)1敗
     ●熊:16戦12勝(8KO)3敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:佐藤修&内藤大助
     実況:伊藤隆佑

このページのトップに戻る


                   2009年7月14日(日)    神戸ワールド記念ホール
                     WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン    T   K   O  挑戦者(同級4位)
             ○   長谷川穂積   1回2分28秒   ネストール・ロチャ   ●
                    (真正) 117 1/2 lbs                   (米国) 117 1/2 lbs

 開始ゴングと同時に軽く右ジャブを伸ばして牽制しながら前に出る長谷川。初挑戦のロチャは緊張からか動きに硬さが見られる。50秒過ぎ,軽い右ジャブ,左ストレートから返した右フックで早くもバランスを崩すロチャ。長谷川は攻め急がず,なおも右ジャブ,左ストレートで距離を確認する。フェイント気味の左ストレートから切り返した右フックがアゴに炸裂し,ロープを背にしたロチャはたまらず前に落ちた。カウント9で再開となったが,もはや勝負の山は越えていた。ロープに詰めてワンツー,左右フックを浴びせれば,ロチャは四つん這いに2度目のダウン。辛うじて立ち上がったものの,足元がおぼつかないロチャ。ここでリッター主審が試合をストップした。

 長谷川は9度目の防衛に成功。しかも,これで4連続KO防衛という充実ぶりである。スピード,パンチの切れはもとより,相手の状態を読み切る力量などすべてにおいて名王者の貫録十分。軽い右ジャブ,左ストレートをフェイントに使って距離を測定し,返しの右フックを決め手にする心憎いテクニック。まさに脂が乗った円熟期に入っており,今後どこまで活躍の場が広がるのか想像もできない。複数階級制覇や米国進出などの夢が膨らむ。
 ロチャは攻防のバランスに優れる右ボクサータイプ。2度の来日経験がある。右ストレート,左右アッパーなどの多彩なコンビネーションブローを武器としている。しかし,今夜は最初から動きを読まれ,良いところを出せないまま沈んだ。充実している長谷川とはすべての面で開きがあった。

     主審:ゲイリー・リッター(米国),副審:アラン・クレブス(米国)&ステファン・ブレア(米国)&ミゲル・アクーニャ(メキシコ)
     ○長谷川:29戦27勝(11KO)2敗     ●ロチャ:23戦21勝(7KO)2敗
     放送:日本テレビ&G+     解説:飯田覚士     実況:鈴木健

このページのトップに戻る


                    2009年7月14日(日)    神戸ワールド記念ホール
                      WBA世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン             挑戦者(同級1位)
              ○   ローマン・ゴンザレス    判 定    高山勝成   ●
                     (ニカラグア) 104 1/4 lbs                 (真正) 105 lbs

 高山がこれ以上ないほどの素晴らしい立ち上がりを見せた。目まぐるしく動いて王者を撹乱し,左ジャブからワンツー,左右フックを浴びせる。さらにゴンザレスが出たところに左フックをアゴに決める。ゴンザレスは追うが,高山のスピードについていけない。
 しかし,2回に入るとゴンザレスのプレッシャーが強さを増した。相手の逃げ道を塞ぐような得意のフットワークでグイグイ追い詰め,右ストレートから左フック,アッパーを振る。良く動いて対応する高山だが,4回終盤には青コーナーに追い込まれて波状攻撃に足が止まりかけた。
 6回には高山の左フックに次ぐ右ストレートでゴンザレスの動きが止まる場面があったが,右ストレートを受けた高山は左目上をカットしてドクターチェックを受ける(ゴンザレスの有効打による傷)。
 7回,高山はゴンザレスが正面から打って出るところに右ストレート,左右フックを浴びせる。終盤にも連打を浴びせて見せ場を作った。
 しかし,高山の健闘もここまで。8回以降はゴンザレスの連打で徐々に動きが鈍った。9回,接近戦で左右アッパーのボディブローを応酬する両者。我慢比べのような打ち合いになるが,これはパワーで勝る王者の思う壺。かなり消耗した高山はこの辺からクリンチに出たり,体を預ける場面が多くなった。
 10回,高山の動きが鈍ったことを察知したゴンザレスが勝負に出る。左右アッパーに次ぐ右ストレートでぐらつく高山。終盤には右ストレートでグラリと上体を揺らしてロープを背負うピンチ。さらに右アッパーで膝が揺れ,辛うじて足を動かしてゴングに救われる。
 11回,左右アッパーに次ぐ右アッパーでのけぞる高山。両足が揃ったところに右ストレートを打ち込まれた高山は後退し,赤コーナー付近でキャンバスに落ちた。ノックダウンとされても仕方ない場面だったが,濡れたキャンバスに足を取られたと見たアバインサ主審はスリップダウンとした。もはや足の踏ん張りが効かない高山は終盤にも青コーナーに詰まり,連打でピンチに陥った。
 12回,当然のようにゴンザレスは仕留めにかかる。2分過ぎ,右ストレートで大きくのけぞってロープに飛ぶ高山。左アッパーに次ぐ右ストレートでぐらつき,ダウン寸前のピンチ。しかし,必死に足を動かして手数を出し,終了ゴングを聞いた。

 ゴンザレスは2度目の防衛に成功。倒し切れなかったが,これは高山の粘りを讃えるべきだろう。このクラスでは破格のパンチ力がありながら,けっして強振するわけでなく,左フック,アッパーに次ぐ右ストレートを間断なく連打して倒すのが得意とパターン。2度の防衛戦はいずれも判定に持ち込まれているが,もつれても勝ちに持っていける技術が身についていると見るべきだろう。かつてのアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)のような幅を持った息の長い王者に成長する可能性を秘めている。
 王者の強打に耐えて健闘を見せた高山だが,やはり最後はパワーの差に泣いた。足でかき回して連打を浴びせては離れる作戦通りの最高の序盤だったが,中盤以降はゴンザレスの執拗な連打に消耗してジリ貧に陥った。しかし,最後まで試合を捨てず,フィニッシュを許さなかった健闘は称賛に値する。

採点結果 ゴンザレス 高山
主審:シルベストレ・アバインサ(比国) *** ***
副審:レビ・マルチネス(米国) 118 110
副審:セルジオ・カイズ(米国) 118 110
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 118 110
参考:MAOMIE 117 111


     ○ゴンザレス:24戦24勝(20KO)
     ●高山:27戦23勝(9KO)4敗

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:尾山憲一

このページのトップに戻る


                      2009年7月14日(日)    後楽園ホール
                     WBC世界フェザー級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級1位)             チャンピオン
               ○   エリオ・ロハス    判 定    粟生隆寛   ●
                      (ドミニカ) 124 1/2 lbs              (帝拳) 126 lbs

 小刻みに動きながら前に出てプレッシャーをかける粟生だが,ロハスは長いリーチから右フックのボディブロー,右ストレートを伸ばす。2回,ロハスの左フックに合わせた粟生の左ストレートが決まる。ロハスはこのカウンターでバランスを崩すが,ロングレンジからの右ストレートで対抗した。
 前に出る粟生だが,肝心の手数が今一つで3回以降はロハスに主導権を握られる。4回には右フックのカウンターをヒットするが,ロハスに先手を取られる場面が目立った。
 4回終了後に発表された途中採点で2〜4ポイントのリードを許していることを知った粟生は5回開始と同時に攻勢に出るが,逆にロハスにワンツー,右ストレートで先行された。
 粟生は6・7回に右フックでロハスをぐらつかせる場面を見せるが,ロハスは細かくパンチを出して決定的な流れを作らせない。9回にもロハスの手数に苦しむ粟生。左ストレートでぐらつかせてチャンスを掴むが,ここでも決定的なダメージを与えられない。
 10回以降は完全にロハスのペース。距離を取って右ストレートを浴びせたかと思えば,一転して接近戦に応じるなどの変化のある試合運びで粟生を翻弄する。その間にも左ストレート,右フックをコツコツと当てて最後までポイントを集め続けた。

 粟生は初防衛に失敗。ロハスの老獪な試合運びに翻弄され,完敗となった。間合いを取られ,攻め倦むところを先に打たれてさらに手数が減る悪循環。前に出てプレッシャーをかけていたものの,肝心の手数が出なくてはどうしようもない。何度か右フック,左ストレートでぐらつかせてチャンスを作ったが,後続打を打ち込めず決定的なリードを奪えなかったことが響いた。従来から指摘されていた手数の少なさが大事な初防衛戦で出てしまう結果になった。
 ロハスは250戦を超えるアマのキャリアを誇る右ボクサータイプのテクニシャン。身長170cmだが,178cmという長いリーチに恵まれている。ロングレンジから放つ右ストレート,左フックを武器としている。目と勘に優れ,懐が深いことが特徴。広いスタンスとフットワークで距離を取り,長いリーチを生かした右ストレートをジャブのように多用する。接近戦に応じる場面も見せるが,不利と見るやクリンチに逃れ,離れ際にワンツーを浴びせるなどの老獪なテクニックを誇る。

採点結果 ロハス 粟生
主審:ローレンス・コール(米国) *** ***
副審:アネック・ホントンカム(タイ) 117 111
副審:デュアン・フォード(米国) 118 110
副審:ヘラシオ・ペレス(メキシコ) 116 113
参考:MAOMIE 116 113


     ○ロハス:22戦21勝(13KO)1敗
     ●粟生:20戦17勝(8KO)2敗1分

     放送:日本テレビ&G+
     解説:セレス小林&西岡利晃
     実況:寺島淳司

このページのトップに戻る


                      2009年7月26日(日)    大阪府立体育会館第1競技場
                                  8回戦
                  日本L・フライ級(ノーランク)   T   K   O   日本ミニマム級7位
                ○   井岡一翔      2回2分59秒    松本博志   ●
                        (井岡) 107 lbs                       (角海老宝石) 106 3/4 lbs
                   井岡一翔=いおか・かずと

 井岡が開始早々から主導権を握った。サウスポーの松本は前に出るが,井岡は足を使いながら右ストレート,アッパー,左フックをビシビシとヒット。攻め口を見出せない松本に対し,若い井岡の表情には余裕さえ感じられた。
 2回,井岡が鋭い詰めで大器の片鱗を見せた。松本の左アッパーを外してすぐにカウンターの右ストレートを決める井岡。井岡はさらに右ストレート,アッパーで容赦ない攻撃を見せる。松本が不用意に出た瞬間,井岡の鋭い右フックがアゴを捉える。この一撃に一呼吸遅れて足をもつれさせた松本は仰向けにダウン。カウント8で再開に応じたが,井岡の猛攻に晒され,力なくロープを背にしたところで福地主審が試合をストップした。

 粟生隆寛,大迫亮に続いて史上3人目の高校6冠を達成した井岡(大阪・興国高→東京農大)がプロ2戦目を鮮やかなTKO勝利で飾った。経験豊富な松本が相手とあって正直なところ苦戦を予想したが,しぶとさに定評があるベテラン松本を全く問題とせずに見事に仕留めた会心の勝利である。2階級制覇の元世界王者・井岡弘樹氏の甥という血筋の良さがマスコミで取り上げられたが,けっして話題先行ではない。低いガードから左ジャブ,右ストレート,アッパー,左フックなどの多彩なパンチがどんどん出る。最初にダウンを奪ったのは,直前に見せた右アッパーのボディブローで下に注意を引きつけておいて,松本がなおも出てくるところをアゴに見舞った右フックの一撃。アマ経験があるにしても,とてもプロ2戦目の20歳が見せるテクニックではない。タフな松本が一発で沈んだのはパンチ力の証明である。目と勘の良さやパンチの鋭さに加え,常に攻め続けるアグレッシブな姿勢が素晴らしい。素質的には2階級制覇の叔父を上回っているかも知れない。久々に感じた新星出現の興奮に酔った。安易で無謀で胡散臭い世界挑戦が横行する中,流されることなく本物のキャリアを積んで大きく育って欲しいと願うばかりである。
 松本はサウスポーのファイタータイプ。豊富な経験を誇るベテランとして知られ,タフでしぶといインファイトを得意としている。懐に潜り込んで若い井岡を慌てさせたいところだったが,動きを見切られた末に鋭いパンチを入り際に容赦なく浴びせられて完敗。

     主審:福地勇治,副審:中村勝彦&坂本相悟&宮崎久利
     ○井岡:2戦2勝(2KO)     ●松本:33戦18勝(8KO)11敗4分
     放送:スカイA     解説:浅沢英&藤原俊志     実況:田野和彦

このページのトップに戻る


                 2009年7月26日(日)    大阪府立体育会館第1競技場
                              8回戦
                 WBC世界L・フライ級7位         タイ国ミニマム級(ノーランク)
                ○   國重 隆      判 定   ルンニルン・サクポトーン   ●
                     (大阪帝拳) 107 3/4 lbs                (タイ) 105 lbs

 初回,軽く足を使い,右ジャブで牽制する國重。左ストレートを一つヒット。ルンニルンは右ストレートを伸ばして積極的に前に出る。
 3回,國重は右フックからボディに左ストレートを送る。右アッパーに合わせて放った右フックがカウンターになり,ルンニルンの顔が上を向いた。手数が少ない國重だが,4回にようやく攻勢が見られた。右フックのカウンターでぐらつかせ,ロープに詰めて右フック,左右アッパーを上下に浴びせる。
 5回にもルンニルンをニュートラルコーナーに詰めた國重がラッシュを仕掛けたが,倒し切れず消化不良の印象だけが残った。ルンニルンも右ストレートで応戦する構えを見せる。
 終盤の國重は見ている時間が長く,格下のルンニルンを仕留められないままに終わった。

 一向に盛り上がらず,会場が沸かない凡戦。
 國重はサウスポーのボクサーファイターでワンツー,右フックを得意としている。勝つには勝ったが,世界ランカーとしては何とも淋しい試合内容。手数が少なく,見ている時間が長いことが目立つ。正面からの単調な攻撃では相手の目が慣れてしまうだろう。
 ルンニルンは18歳の右ファイタータイプ。ムエタイ出身者特有のアップライトスタイルから,右ストレートを上下に放って果敢に打ち合いを挑む。アゴのガードが甘いことが欠点。

採点結果 國重 ルンニルン
主審:宮崎久利 *** ***
副審:坂本相悟 78 76
副審:中村勝利 79 75
副審:福地勇治 78 75
参考:MAOMIE 79 75


     ○國重:25戦20勝(2KO)3敗2分
     ●ルンニルン:9戦7勝(2KO)2敗

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&藤原俊志
     実況:桑原学

このページのトップに戻る


                 2009年7月26日(日)    大阪府立体育会館第1競技場
                              6回戦
                 日本S・フライ級(ノーランク)       日本S・フライ級(ノーランク)
                ○   石田 匠     判 定    森川真一郎   ●
                      (井岡) 114 1/2 lbs             (高砂) 116 1/2 lbs
                   石田匠=いしだ・しょう

 大阪・秋桜高で国体少年バンタム級を制した石田のプロ入り3戦目。
 開始早々から速い左ジャブ,ストレートを多用して出バナを叩く石田。しかし,森川が左からつないだワンツーを受けて石田がバランスを崩す場面が見られた。
 しかし,3回に入ると石田がスピードの差を生かして優位に立った。左ジャブから左右ショートフック,右ストレートを浴びせる石田。2分過ぎには石田のコンビネーションブローが回転し,森川が棒立ちになった。
 揺さぶりをかけたい森川だが,5回にも石田のワンツースリーフォアが鮮やかに回転する。石田は2分過ぎにも森川をロープに詰めてワンツーの連打でのけぞらせた。
 6回は打ち疲れが出た石田に対して森川が左右フックでやや打ち勝ったが,形勢を逆転するには至らなかった。

 石田は右ボクサータイプ。171cmというこのクラスでは恵まれた長身とリーチを誇る。フットワークに乗せた左ジャブ,ストレートは非常に速く鋭い。この左につなぐ右ストレート,左右フックのコンビネーションが武器になっている。アマの実績があるだけに,その試合運びは基本に忠実。将来性を感じさせるが,打ち疲れによって終盤に失速の兆候を呈した。上位を目指すには,フルラウンドを戦い抜く体作りとスタミナの養成が求められるだろう。
 森川は右ファイタータイプで左右フック,ワンツーを武器としている。高いKO率が示すようにパンチ力があり,しばしば石田をぐらつかせた。正面から攻めてパンチを浴び,棒立ちになる場面があった。左右に揺さぶりをかけ,変化をつけて攻めるようにすると良いだろう。

採点結果 石田 森川
主審:中村勝彦 *** ***
副審:北村信行 59 57
副審:坂本相悟 58 57
副審:宮崎久利 59 56
参考:MAOMIE 58 56


     ○石田:3戦3勝(1KO)
     ●森川:10戦7勝(6KO)2敗1分

     放送:スカイA
     解説:浅沢英
     実況:田野和彦

このページのトップに戻る


熱戦譜のトップに戻る     ← 2009年6月に戻る     2009年8月に進む →

ホームページのトップに戻る