2003.09.15
道の駅 No.40 ニセコビュープラザ
昭和39年6月25日の狩太町議会定例会において、町名を変更する条例が全員一致の賛成で可決して、
当時としては極めて珍しいカタカナの町名となった。これにより開村の明治34年以来65年間の歴史を
持つ”狩太”の名称に終止符をうち、”ニセコ町”として新生一大転換に臨むことになったのである。
この町名変更には一部で反対運動が起こったものの大当たり、現在では毎年、多くの観光客がニセコ町を
訪れている。そして”道の駅 No.40 ニセコビュープラザ”は市街地中心に近い国道5号線沿いに供用
されている。道の駅スタンプラリー2003、76個目のスタンプはアウトドア王国でゲットした。
ここはニセコビュープラザという観光案内所がメイン施設となっている。レストランはなく、小さな売店が
営業している。また向かって右側のフリースペース棟では5月から10月まで、地元農家で生産された
旬の野菜や果物等が直売されている。
道の駅 No.40 ニセコビュープラザ
◎アウトドア王国
冬のニセコ・・・。ニセコ町には美しい白樺林と豪快なダウンヒルコースが自慢の”ニセコ東山スキー場”、
ファミリーに人気の”ニセコアンヌプリ国際スキー場”、そして競技スキーヤーのメッカとして知られている
”ニセコスノーパーク ラ・ポンテ”とそれぞれに個性を放つ3つのスキー場がある。ふんわりとしたパウダー
スノーの感触と地形を生かした多彩なコースであらゆるレベルのスキーヤー&スノーボーダーを魅了する。
綾小路さんは北海道に来るまで極端な話、冬のスキーだけが目玉と思っていた。しかし春から秋にかけての
ニセコのアウトドアは多彩である。リバーカヌー&シーカヤック、熱気球フライト、パラグライダー、登山、
ホーストレッキング、マウンテンバイク、渓流釣りとおよそ考えられるアウトドアのほとんどが体験できる。
その中で最近の人気はラフティング激流ツアーだそうだ。ゴムボートに乗り、尻別川の急流をずぶ濡れに
なりながら下るという。これは夏でも冷たそうだなあ。この中で綾小路さんが経験したのはアンヌプリと
東山でのスキーだけか。もったいない気もするが、綾小路さんには他にやる事がある。
◎有島記念館
有島武郎は”或る女”、”カインの末裔”、”生まれ出づる悩み”などで知られる大正時代を代表する白樺派の
作家である。ニセコ町に有島記念館が建っているのは知っていたが、単なる作家の記念館だと思っていた。
しかしどうやらそれだけではなさそうだ。調べて興味が湧いてきたので後日(03.10.12)立ち寄ってみた。
有島武郎はニセコ町に父から引き継いだ広大な農場を所有していた。まだ狩太村の時代である。羊蹄山を
望むニセコの地は”カインの末裔”や”親子”の舞台ともなり、日記に自分の死後は亡骸をこの地に埋めて
ほしいと記したほど忘れがたい土地であったという。欧米留学を通して自らの理想を追求してきた有島は
小作人の耕作する農場の所有に矛盾を感じて、大正11(1922)年に440ヘクタールを超える農場の
全地積を農民全員の共同所有という形で無償解放する事を宣言した。これは農場解放と言われている。
有島記念館(左)には書簡や書、写真、初版本はもちろん、有島武郎の生涯と農場解放に至る軌跡などが
紹介されている。また、記念館近くの農場解放の宣言を行った弥照神社前の小丘には農場解放記念碑が
建てられている。(右) これには当初、旧小作農の求めにより記念碑文として有島が書いた”この土地を
農民の頭数に分割して譲るという意味ではない、合同で所有して相互扶助してほしい”との旨が刻まれる
予定だったという。しかし当時、土地の私有の否定は体制への批判とされ、建碑の許可が与えられる事は
なかったのである。結局は有島の死の翌年、共生農団発足の年(大正13年)に実弟生馬の文および書で
建てられた。背面には”父有島武開拓之”と”子有島武郎解放之”が並んで刻まれている。うーん、感動した。
何か有島文学を読んでみたくなり、有島記念館が発行した”カインの末裔”を購入したのであった。
そして歴史はどこかでつながっている。有島が札幌農学校時代の教授が新渡戸稲造であった。現在の
5000円札に印刷されている人物である。そして岩内で少し触れた木田金次郎。”生まれ出づる悩み”の
主人公のモデルとなった画家で、運命的な出会いをしたそうである。こういう歴史の糸を紐解くのは
おもしろい。木田金次郎美術館にも行ってみたくなった。
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◎その他の観光 in ニセコ
倶知安町との境界に頂上がある秀峰ニセコアンヌプリは標高1308m。(左) 道道を挟んでイワオ(硫黄)
ヌプリという北海道の火山によく付いている名前の山もあり(右)、隣の蘭越町と合わせて周辺には数多くの
温泉が湧き出ている。ニセコ町に限らず挙げれば、ニセコひらふ温泉、ニセコワイス温泉、ニセコ昆布温泉、
ニセコ五色温泉、ニセコ湯元温泉、昆布川温泉。おお、結構入っているなあ。この中でニセコ町の温泉は
ニセコ五色温泉の五色温泉旅館である。イワオヌプリの写真を撮影した近くにあり、これまた観光名所の
ニセコお花畑も写っている。白く見えるのは雪ではなく硫黄の山肌で、山合いの野趣たっぷりの秘湯である。
もうひとつがニセコ昆布温泉のグランドホテル。ここは綾小路さんお勧めです。内湯から続く大露天風呂は
庭園風に作られ、山の中腹に作られているため眼下に広がる原生林の眺めも壮観である。有名な温泉で
まだ入っていないのはニセコアンヌプリ温泉とニセコ駅前の”綺羅乃湯”という公共温泉施設ぐらいか。
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