2003.07.22
道の駅 No.6 江差
江差は江戸時代には北前船が往来し、”江差の五月は江戸にもない”といわれたほど繁栄を極めていた。
その栄華を物語る歴史的建造物が数多く残されている江差町は非常に魅力的である。
市街地から3キロ北、江差市街地の入口には”道の駅 No.6 江差”がある。
道の駅スタンプラリー2003、51個目のスタンプは追分流れるロマンの町でゲットした。
ここはトイレと観光案内を兼ねた売店があるだけである。
双方とも地元産のヒノキを使用して切妻屋根の建物に仕上げられている。
道の駅 No.6 江差
◎綾小路さんのいちおし in 江差
江差町には文化財が数多くあることは知っていたが今まで郷土資料館にしか行った事がなかった。
そこで今回は何ヶ所かの文化財を見学する事にした。最初は旧中村家住宅に行った。確か表側も脇の道も
通行した事があり古い旧家があるぐらいにしか思っていなかったがこれがとんでもないものだった。
松前藩では米がほとんどとれず、多量に獲れる鰊が経済を支えていて、”ニシンは魚に非(あら)ず米である”
という発想から”鯡”と書いてニシンと読ませていたらしい。そのニシン漁の基地として江差は繁栄していた。
旧中村家はこの地に近江出身の呉服商人が廻船問屋を営むものとして建設され、建物は地元産のヒノキを
主体に、土台には北前船で運んできた越前の笏谷石、瓦は若狭国中井村産のものを使用して完成した。
まず驚いたのが旧中村家は4つの建物の集合体からなっている事である。
宅地が狭く浜にかけた傾斜地に建設していて、道路に面した切妻造りの母屋、母屋から浜側まで文庫倉、
下ノ倉、ハネダシが続く”通り庭様式”で当時の問屋建築の代表的な造りだとか。
次に”ハネダシ”、江差を中心に発達した特殊建築で宅地が狭く、正規の家敷地から落差のある海浜へ
建物が突き出していることからこう呼ばれたそうである。浜に太く大きな掘建て柱を建てて一階とし、
その上に二階をあげているものである。この”ハネダシ”の近くまで北前船や艀が入って一階から倉庫に
通じる階段に歩板を渡して荷役したらしい。一階はニシンの一時貯蔵場所、二階は作業場などに使用した。
文庫倉には頑丈な扉が設けられていて当時の繁栄ぶりがうかがえるものである。
母屋と文庫倉は明治22年頃、下ノ倉は幕末頃もしくはもう少し早くに建築されたものと考えられている。
こんな貴重なものが見学でき、丁寧な案内までついて200円である、綾小路さんいちおしです。
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(上左)切妻造りの母屋、道路側から望む
(上右)奥から母屋、文庫倉、下ノ倉、ハネダシ、複合建築物である事がよく分る。浜側から望む
(中左)海岸部は埋立てられて現在は国道227号となった(手前側道路) (中右)ハネダシの掘建て柱
(下左)下ノ倉の中央付近からハネダシまで続く階段 (下右)文庫倉の分厚い扉
◎旧檜山爾志郡役所&江差追分会館
次にすぐ近くにある旧檜山爾志郡役所に行った。こちらは明治時代の洋風建築である。
この地域は過疎であったために檜山郡と爾志郡の双方の役所が同じ建物に同居したそうである。
北海道では唯一現存する郡役所であり、当時の郡役所紹介や修復のようすが展示されている。
このあとは開陽丸を見学する予定であるが両施設の見学でかなりの時間が経った。
しかしセット券を購入していて他に江差追分会館が見学できた。どうするか迷ったが郡役所の
受付の人に聞くと、江差に来たからには追分会館にはぜひ行ったほうがいいとの話を聞いた。
そこで江差追分会館に行き時間がないので目玉は何ですかと聞いたら江差追分を聞く事らしい。
そんなの全部聞いている時間はないので途中で抜け出そうと思ったが観客はひとりだけだった。
そう綾小路さんだけだったのである。他に観客がいないので少し開演時間が過ぎているが
待っていたのであった。江差追分全曲やソーラン節など本来は20分の公演らしいがここは
江差追分だけにしてもらった。しかし、江差追分の全国大会があってその優勝者の実演であり、
雰囲気は堪能できるものだった。
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(左)旧檜山爾志郡役所 (右)江差追分実演
◎開陽丸
開陽丸は幕末に海外列強に対抗すべく、幕府がオランダの造船会社に発注した軍艦である。
新政府となり時代は明治となったが、すでに榎本武揚率いる旧幕府軍は開陽丸他7艦を強奪し脱走していた。
えぞ地共和国を夢見て北海道に向った旧幕府軍であったが、開陽丸は江差港で暴風雪のため沈没した。
旗艦である開陽丸を失った旧幕府軍は急速に弱体、翌年に五稜郭で降伏し箱館戦争は終結した。
現在の施設はオランダに残っていた設計原図を元に復元したものであるが、内部には海底に沈んでいた
開陽丸から引揚げた数多くの遺品が保存作業を施されたあと展示されている。
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◎その他の観光 in 江差
他にも文化財は多く、横山家はニシン漁時代の網元商家で漁業、商業、廻船問屋を営んでおり、
築160年以上の建築物内部に当時の生活用品などが数多く展示されている。
また300年前から明治30年代まで松前藩第一の豪商として江差で廻船問屋を営んでいた旧関川家には
別荘があり江差が最盛期のころの古文書や調度品が大量に保存されていている。
その他、温泉は道の駅の近くの江差温泉、キャンプは開陽丸展示場近くのかもめ島で楽しめる。
かもめ島には徳川幕府の砲台跡があり、追分記念碑も建っている。
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