![]() ☆★☆ たこやきめぐり 第6回 ☆★☆
熊谷 真菜![]()
大阪中津、東洋ホテル前。
ここにケッコウイケルたこ焼屋台があることは、情報として知っていた。
ただ開店が夕方。子持ちの母としては時間が許されない。
そんなこんなでなかなか食べに行けなかったのだ。
意を決してさあ、突撃。もちろん西川も同行してくれた。
「さ、サラリーマン、今度はなにをたのもうか。
お嬢さん何が食べたい? え? すいか? よしよし、
ではサラリーマンに千円ずつ出してもらって、すいかをご用意いたそう」。
すると主人のそばでニコニコと座っていた青年が「行ってくるわ」と、
すいかを買いに走る。
カウンターのまえのたこ焼の鉄板では、コロコロとたこ焼が焼かれる。
主人は思い出したように焼きはじめる。ごま入り、ねぎ入り、何もなし。
どうやらこの店のメニューは3種類のたこ焼を核にして、
あとはオーダーすれば、近所の特約店へだれかが買いに走ってくれる、らしいのだ。
いつのまにか、私たちのまえにたこ焼の皿が並ぶ。
ソースのついているのもあれば、ないのもある。
探偵たちも、おそるおそる爪楊枝で口に運ぶ。雰囲気がいつもとちがう。
主人の会話、作業に独特のペースがあり、それに割り込んで、
口をはさむことがなんとなく許されない雰囲気なのだ。 続く...好っきゃねん大阪 月刊たこやきめぐり 真菜のホームページ |