大雪高原温泉
今年の“夏休み”は、海外旅行は断念。せっかく北海道にいるのだから、と、普段なかなか足を伸ばせないでいるところを周ることに。そして選んだのは、折りしも紅葉シーズンとなっていた大雪山の周辺でありました。
まず最初は、大雪山の南側。天人峡というところへ。これは「羽衣の滝」と呼ばれる滝。駐車場からすぐの便利なところにあるのに、見事! ダイナミックなのに優雅。ほんとは、これより奥にも滝があるらしいのだけど、先日の台風で道が崩れているらしく、見に行けず。今回の旅行では、この台風の“痕跡”(“爪あと”とは言わないよ〜)をあちこちで見、時に影響を受けることとなりました。でも、こうした“撹乱”は、生態学的にはとても意味のあることだと思うんですよねぇ
大雪山の山頂付近は紅葉が終わり、という時期でありました。それでも最高峰の旭岳には行きたかったのに、雨で行けず。天気には勝てませんね。でも、次の日に行った大雪高原温泉は、天気に恵まれました。紅葉は終わりかけらしかったけれど、それでもこんな感じ! 神様に感謝せずにいられませんね。
赤い葉はナナカマドとかなのかなぁ? かつて植物分野を勉強してはいましたが、分類は苦手な分野であります(苦笑)。でも、ただ美しい、だけではなくて、紅葉というのは葉緑素が抜けて・・・とかいう仕組みを知っていた方が、より深く目の前の現象を味わうことができるとは思いますね。
ここは沼めぐりコースが設定されていて、一周約4時間のハイキングコースがあり、ところどころに沼があります。ヒグマの生息地でもあり、彼らが確認されるとコースは一周できなくなることもあります。今回は大丈夫でした。これも沼の一つ。
紅葉する木々と向こうの山肌です。草地になっているところはヒグマがよく目撃されるそうです。この距離でなら、ぜひとも見てみたいんですが(笑)。
葉は鮮やかな色にはなりませんが、幹の肌がきれいなダケカンバ。白樺の親戚ですね。私も見分け方はよく知りません(苦笑)。この地の空気の冷たさ、空の青さ、頭のすぐ上を過ぎ行く雲の流れなどなどと、とてもよくマッチしています。
故奥田元宋画伯の絵に出てくるような、赤く染まった木々ですね。
これは一風変わった風情の沼でした。鮮やかな黄緑色の湿原と、まるで日本庭園のような岩。その向こうの水面とダケカンバの林。自然の造形って面白いですねー。
歩いていて目に入るのは、必ずしも赤や黄色だけではありません。たまにこんなリンドウの青に出会うと、目に新鮮に映ります。とても効果的な“アクセント”ですね。
これもダケカンバの幹が光を反射して白く輝く光景。ほんとに雲がすぐ上を通過するので、こうして青々とした空と白く輝く幹をタイミングよく撮るのは難しいんですよね。あまり写真を撮ることに気を取られて、もっと大事な“自分の目”でここから発せられてくるものを受け取ることを忘れてしまっては、本末転倒ですしね!
たっぷり歩いた後は、温泉へ。
これは、途中の三国峠から。“原生林”とは言いませんが、良い森ですね! こういう風景がまだ残っている、という感動と、それでも随分変わってしまっているのだろう、という思い、また、ほんの百年程前にはこんな風景がどれほどあったのだろう、という思い・・・なかなか複雑ですね。
最後は然別湖の奥にある東雲湖。神秘的な小さな沼です。誰もいなかったので、ここで「やっほーっ!」と叫んでみたわけ(笑)。とってもよく響きましたよー!