カプリ島・ローマ
この旅は、ローマのヴァチカン博物館のシスティーナ礼拝堂にあるミケランジェロの『最後の審判』を見るのが目的でした。つまり、その他はすべて「おまけ」であって、たいした目的意識はなく、ただのんびりしてきたという、ある意味では本来的なスタイルの“旅”でした。
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初日、ローマで1泊した後、バスでナポリ、ポンペイを経由してソレントへ。ナポリはあまり興味がなかったのだけれど、通過中に路上の市場なんかの様子を眺めていると、やっぱり歩いてみたい気になる(笑)。ポンペイは・・・すごいですね。あの時代からあんな文化があったということ、今のイタリア人の生活文化が、根本的にはこの頃から変わっていないと思われること。ヴェスビオ火山の噴火で一瞬にして時が止まった街は、確かに悲劇ではあるけれど、永遠のときを刻んでいました。一緒のバスに乗ってたオーストラリア人のお兄さんと少し話す機会があったけど、彼は今どうしているだろう?

ソレントといえば夕景で有名。こんな見事な景色に出会えます。大勢の観光客が周りにいるけれど、みんな静かに見入っています。小さなリゾートの街は、これから賑々しい宵を迎えようとしています。
晴れ渡った朝・昼は、こんな様子です。断崖にならぶホテル群からは、地中海の広々した眺めが楽しめます。撮影場所は旧伯爵家の博物館の庭で、だ〜れもいないなか、海から吹きつけるさわやかな風を感じながら、至福のひとときを過ごしていた私です。
これはソレントの港。港から街を見上げた構図です。港でちょっと釣りをしてみましたが、小さな魚しかいなくてなかなか針にかからない。ビキニのおねーちゃん2人にからかわれながら、ようやく釣れた魚は5cmくらい(笑)。おねーちゃんたちに向かって「Big fish!」とかなんとか言って、笑いながら帰りました(笑)。
ソレントから船でカプリ島へ。時間にして 30-40分くらいのもんだったけど、結構揺れて酔いそうだった。日帰りツアーの人はこのまま「青の洞窟」までさらに小船で数十分だから、しんどいだろうな。私は迎えの車に乗って、隣町のアナカプリにある宿へ。
宿で休憩した後、バスで青の洞窟へ行ってみると、波が高くて中止! 1泊だったらアウトだったかも・・・と思うと、ちょっとコワイ。仕方ないので、ロープウェイにのって山の方へ行った。とても景色の良いところで、これはぜひともくるべきところ、と思いましたね。写真右手にある離れ岩が、有名な「ファラリオーニの岩」です。バカンスを楽しむ人たちの船がたくさん遊んでいます。
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ロープウェイを降りるときに撮影したアナカプリの街。島の中心のカプリの街とは違い、賑やかさはほどほどで、泊まるにはいい街でした。夕食では、メニューがなんだかわからずに適当に頼んだら貝が皿に山盛りになって出てきて・・・でも、美味い! “ハウスワイン”で出てきた白ワインがまた美味しくて、「はっ!!」と気がついたら、頭がぐらぐらしてる(笑)。こんな風に酔ったのは、後にも先にもこのときだけだろうなぁ。歩いて帰れず、レストランのそばの教会前の広場で、ベンチに座って酔いを覚まして帰りました。道行く観光客の家族連れの楽しそうな姿を見ていると、こちらもとても幸せな気分になりました。そんなのんびりした街です。
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これはアナカプリにあるサン・ミケーレ教会の床板。アダムとイブの話を描いたユニークなものです。「写真とってもいいよ〜」と係りの人が言ってくれたので、シャッタースピードを遅くして撮ったら上手く写ってくれました。
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青の洞窟の内部です。かなり無理やり撮りました(苦笑)。もう、ほんと〜〜〜に、神秘的な色です! ぜひ一度、実物をごらん頂きたい! 船頭が調子よくって、チップチップとうるさいのもご愛嬌! 奥に見えているのが「入り口」なわけです。「こんなとこ入れんのか???」と思うようなところへ、見事な操船技術で入ってくれます。チップは惜しまずあげましょう(笑)。

船には日本人のご夫婦と一緒に乗りました。ほんとのカタコトだけでもイタリア語になじんでいる私が、頼りにされちゃったのが嬉しいような恥ずかしいような。
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カプリ〜アナカプリ間はバスがつないでいて便利ですが、その運転技術はすごいです。せまい交通量の多い坂道を、がんがん飛ばしていきます(笑)。ときどき街路樹などに、車の脇やら屋根やらがぶつかっていたような気がしないでもなかったですが(笑)。

カプリの街を抜けてファラリオーニの岩を間近で見たものです。このあたりから島の東側の散策路を歩きましたが、最後に結構な階段があり、へとへとになりました。でも、その階段の上のバールで飲んだオレンジジュースの美味かったこと!!
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カプリ島からナポリへ船で移動。船では宿も一緒だったらしい日本人の女の子2人とご一緒しました。2人とも船が弱いということだったので、なるべくしゃべりつづけていました。駅まで一緒のつもりだったけど、港からの車が別々で、そのまま別れることに。挨拶しておきたかったな〜。代わりというか、駅では青の洞窟で一緒だったご夫婦とばったり。やはり同じツアーだったようで、ローマまで電車ということなので同行することに。やっぱり同行者がいると、トイレに立つ時の荷物番など、ありがたかったな〜。彼らみんな、元気かな。

ローマ駅に着いてご夫婦と別れ、私は荷物を預けて散策へ。上の写真はいわずもがなの「トレヴィの泉」。観光地なので期待もせずに冷やかし気分で行ってびっくり! その造形と水の迫力は一見の価値ありでした。
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ホテルに戻って、翌朝、ついに旅のメインのヴァチカン博物館へ。システィーナ礼拝堂のミケランジェロの『最後の審判』は・・・それはもう、言葉では表現できない素晴らしさ!!! 芸術として、これ以上のものってありえるだろうかと思うほど。こういうものに出会えるだけで、生きてて良かったと思えるくらいでした。もちろん、みどころは他にもいっぱい。中でもラファエロの作品群。神経の感度が振り切れてしまったひとときでした。

博物館内を4-5時間歩き回り、よろよろになってサン・ピエトロ大聖堂に登ったときに撮影したのがこの写真。ありきたりの構図ですが、やっぱりいい感じ。この後さらに、広場の先の道路が川に突き当たるところの左手、丸い建物のサンタンジェロ城まで、体を引きずるようにして歩いていきました・・・。もはや病気(笑)。
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左はコロッセオ。その巨大さのあまり、こんな構図でしか撮れませんでした。“競技場”と呼ぶにはあまりに残酷な“ゲーム”が行われていた場所ですが、それが当たり前の時代を、今の倫理観で単純にどうこうは言えないですね。

右はパンテオン。神殿で、ラファエロなどが葬られているそうです。わざわざこの写真を載せたのは、
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この写真を紹介するためでした。パンテオンの内部です。採光窓は日時計の役割があるそうですが、とても幻想的な雰囲気。お気に入りの写真です。

ローマの最終日、もう夕方には飛行機に乗るよ、という段階に来て、地下鉄でスリに遭遇! あぶなくすられるところだった・・・。子供連れの女3世代のスリ。気が緩みがちなところでの“貴重”な経験でしたな、これも・・・。