国東〜福岡東部
4回目の国東半島。前回が3年前、その前は6年、その前は8年のブランク。だんたん間隔が短くなっている(笑)。沖縄以外でこれほど惹かれる場所は、今のところ他には無い。沖縄でも、何度も行ってるのは水納島くらいなので、私の中で国東半島がかなり特別な場所なのだということがわかる。今回は、帰りの飛行機の都合もあって、後半は福岡東部へ足を伸ばしてみた。
空港に降り立つと、天気予報通りに雨がそこそこ降っていた。今回はそもそもが「お礼参り」的な気持ちだったので、まぁそれも良かろう、と思っていた。
通りがかり、谷あいの田んぼを見下ろす位置に良い雰囲気の御社があったので、ご挨拶がてらにお参りしに行った。
「山神社」というこれ以上ないくらいに素朴なお名前の神社で、由緒も何も書かれてないけれど、良い感じだった。左は拝殿の天井画、右は阿形の狛犬さん。こんな大きな口は初めて見た(笑)。
最初の目的地の千燈寺さんに向かう途中、成仏寺さんなどに立ち寄り、お昼を濤音寮さんで頂いた。タコ飯もカンパチの刺身も、お野菜類も、みな美味しかった。ギャラリーとして使われている建物も素敵だし、置かれている作品もとても良かった。
こちらは2か所目の目的地の無動寺さん。
今回の最大の目的は、こちらのお寺の奥様に3年前にお借りした藤原新也さんの本を返しに行くことだった。
ただ、とても残念なことに、前のご住職が亡くなられていて、奥様も引っ越されていてお会いできなかった。お近くにはいらっしゃるそうで、今のご住職に本をお預けし、無事に届いたようなので良かったけれど。
千燈寺さんも、前回・前々回といろいろ良くしていただいたのでお礼に伺ったのだけれど、あちらもご住職のお母様の葬儀の片付け中だった。
人がいなくなっていくというのは寂しいことだけれど、また新しいつながりが生まれるのも素敵なこと。
国東半島は石仏の多いところで、無動寺さんの裏庭にもたくさんいらっしゃる。
みなさん、とても素敵な方々ばかり。
初日の宿の全メニュー!
国宝の富貴寺の隣にある「蕗薹」さんにて。ピーナッツ豆腐やこんにゃくなどの御膳、鰈の煮付けと里芋の揚げ団子?のようなもの、合鴨とさんざん迷って選択した豊後牛の陶板焼き、椎茸などの天ぷら、地元産を使った自家製のそば、グリーンピースご飯、珈琲に地元産レモンを使ったシフォンケーキ。
お料理は美味しいしお部屋は素敵だし温泉は気持ち良いし…しかもお値段もリーズナブル。またぜひともお世話になってみたい!
初日の昼過ぎにはすっかり雨も上がり、夕飯を食べたあとに酔い覚ましに外へ出ると、星空に三日月が浮かんでいた。川まで降りて行くと、期待通りにたくさんの蛍が舞っていた。蛙たちの声に包まれ、遠くからは梟の声も…。これ以上の幸せってあるだろうか?
翌朝は宿のすぐ隣の富貴寺へ。
朝一番のためか、まだ参拝者は誰もいない。ちょうど読経をされているところで阿弥陀様と一人向かい合う贅沢を味わった。
国東半島にストーンサークルがあるというのは、前回までは知らなかった。
私が好きな作家さんや写真家さんがそのことをツイッターやブログで語っていたので、できれば行ってみたいと思っていた。しかし、今回は天気予報が悪くて無理かなぁと思っていたのだけど…
おかげさまで無事に行くことができた。左は入口で、右はストーンサークルからの眺め。
写真や言葉では伝えられないけれど、やはり神聖な場所なのだということは感じられた。
ここでも、一人でこの時間・空間を味わう贅沢だった。
ストーンサークルのある猪群山を降りて麓の温泉で汗を流した後は、国東を離れて北上。
正直、半島を出るとともに自分のテンションが落ちると言うか俗世の感覚に戻ってしまうと言うか…仕方ないですかね(苦笑)。それだけやはり、自分が国東に親和性があるのだと思うのでありました。
まぁでも、この後に訪れたところも良いところではありました。
左上は、久しぶりに訪れた宇佐八幡宮。歴史上でも重要な神社ですけど、国東半島にとっても重要な存在ですね。たしかにやはり、神域であることを感じさせられます。
右上は、神宮近くの大楽寺。写真の五大明王も良いですけど、本堂の仏様たちもすごいです。
左は、東光寺の羅漢さんたち。
宇佐からさらに北上して中津で自性寺大雅堂へ寄った後、門司港まで到達。帰りの飛行機が北九州空港だったということもあるけれど、泊まりをココにした理由は、2年前に行った「かざぐるま」さんを再訪するため。前回はフグ刺しやカサゴの煮付けなどをいただいて、とても美味しかったのだ。そして今回は…
鯵の刺身、岩牡蠣、蛤の酒蒸。写真は無いけど付け出しの貝や筍も含め、どれも最高! しかも、右の写真は蛤の汁を使った「ちゃんぽん」で、これはサービス。美味くないわけがない♪
また機会があればぜひ行きたいお店。女将さんもスタッフさんも素敵です。
最後は、空港近くに「内尾薬師」さんというお寺さんを見つけてお参りした。お寺のある場所の地形の面白さや御本尊はもちろん、参道に並んでいらっしゃる仏様たちがなかなか魅力的だった。
やっぱりこういう旅は良いな。またできるだけ近いうちに、国東へ行こう…
天念寺前の川中不動さん。
川に錦鯉が放ってあるのは私の好みに合わないけれど、それはさておいても良い場所。
こちらのお寺は、国東で有名な修正鬼会という行事の舞台。いつかぜひとも観てみたい。
最後の日は、あまり時間も無かったので、空港に向かいがてらに「平尾台」というカルスト台地に行ってみた…ら、思ったよりすごく良いところでちょっとびっくりした。
千佛鍾乳洞というところも、美しさという点ではさほどでないにせよ、冷たい水の中をじゃばじゃば歩いたり、なかなか楽しかった。