国東半島
ずっと国東半島に行きたいと思っていた。前回が6年前。その前がさらに8年前で、今回は3回目。
沖縄ほどの頻度じゃないけど、ここにこうして何度も来ることになるのは、私にとってはなかなか意味が深そうな気がする。
今回はデジカメが修理中で、液晶の壊れた古いカメラを持参したので、すべて「勘」で撮るしかなかった。
そもそも今回はいろんなお寺でいろんな人のお話を聞きたいと思っていたので、あまり写真を頑張って撮るつもりもなかった。
例によって仏様はいろいろ撮らせていただいたので、少しだけご紹介する。
と言っても、すでに旅行から戻って約1か月が経過し、どの仏様がどこにいらした方なのか、すでに記憶があやしい(苦笑)。
このおふた方は、空港から近い小城観音にいらした方々。仁王様の方は、来訪者を「監視」しているというよりは、なんだか「いらっしゃいませ」という感じのポーズに見える・・・
古い参道の入り口、急傾斜の山道を登って観音様にお参りする人たちを、励ましてくださっていたのだろうか。今は、観音様までは車で直接乗り付けられる・・・
最初に上がりこんだのは報恩寺というお寺。
これはあまり見たことのない塔だなと思ったら、わりと新しいものなのだそう。
奥さんにいろいろお話を伺ったのだが、この塔はたしか関東大震災の慰霊のために作った・・・とおっしゃっていたような気がするのだが、あらためてネットで調べてもどこにもそんな記述がない。私の記憶違いかも・・・
こちらのお寺にいらした御本尊は、なかなか厳しい視線の方だったような記憶がある。
どこのお寺だったか思い出せない・・・門前にいらした方々。
手元にあるガイドブック「国東六郷満山 霊場めぐり」にある32か所のお寺ではなかったと思う。
つまり、天台宗ではないお寺、ということ。国東半島の信仰は古くからの山岳信仰に天台仏教が入り込んで体系化されたらしい。その後、禅宗や浄土宗系が入ってきたらしく、山地は天台宗、中腹が禅宗、民衆に近い麓が浄土宗というおよその分布になっているらしい。
たしかこのお寺は禅宗系だったような気がするのだが・・・
左の方も、どこにいらした方か覚えていない・・・
右は、初日の夕刻に閉まっていた戸を開けてもらってまであがりこんだ長慶寺の仁王さん。
ちょっと烏天狗っぽい風貌だったような。
こちらのご住職にもいろいろお話を聞かせていただいた。
戦後間もない頃、東京に修行に来られていたそうで・・・
左は伊美八幡社にいた狛犬くん。こんな姿の狛犬くんは初めて見た・・・健気な姿に撫でてあげたくなるが、それもできない(笑)。
まんなかのお不動様と、右のお地蔵様?は、どこにいらした方だったかなぁ? 千燈寺から無動寺に行くまでのルートのどこかなんですが。
千燈寺は、前回に行った時にいろいろお話を聞かせていただいた上に、おにぎりまでにぎってくださって、しかも帰ってからお礼状を出したらご丁寧にお守りつきのお返事までいただいていたので、ぜひともお礼に行かねばと思っていたのだ。
今回は、前回いらした奥さんがいらっしゃらず、前回いらっしゃらなかったご住職さんがいらした。意外にお若いご住職だったけれど、国東名物の「修生鬼会」で鬼を長年務めていらっしゃるとか、こちらもやはり東京生活のことや住職となられてからの不思議な出来事など、面白いお話をたくさん聞かせてくださった。鬼会のお面もわざわざ出して見せてくださったり。
またいつかお訪ねしよう。
左の写真にかすかに見えているのが無動寺。右は谷の奥の方。川沿いに田んぼと集落が続いている。
無明橋から戻ってお寺に報告に伺い、今度は奥さんと長々とお話をさせていただいた。
和歌山出身の奥さんは、キェシロフスキ監督の映画がお好みだったり、藤原新也さんのファンだったり、共通する趣味があって話がいろいろ広がった。ご好意に甘えて藤原さんの本を借りてきてしまったので、そのうち返しに行かねば・・・(またお訪ねする理由ができた、と嬉しかったりする)
お寺の前の川にはホタルがいると聞き、夜にもう一度来てみた。
カエルの鳴く田んぼ、ホタルの舞う川・・・お米を作る人々、見守るお寺とご先祖のお墓、そして山と森の神様。日本の原風景というか、原型というか。海沿いなら、海の神様も含めて。
今の日本は・・・
無動寺も、素晴らしいお寺だ。
たくさんの素晴らしい仏様を眺め、素敵な天井画を眺め、楽しい羅漢さんたちを眺め、ご住職に少しお話を聞いたあと、前回に麓から眺めて「あそこに行きたい・・・」と思っていた無明橋というところへ、今回は行ってみた。
左がその写真。修行の道のほんの一部を、体験してみたというわけで。
さすがにこの高さでこの幅の橋を渡るには、「無心」になる必要があって・・・
中日、時間があったのでこちらも前から行きたかった姫島に渡ってみた。
国東が天台宗なのに、この島では弘法大師(真言宗)の気配が濃厚だった。何故なんだろう?
左は姫島灯台。灯台は、たいてい絵になるものだ。右は、海沿いなのになぜか馬頭観音さんが祭られたお堂。
盆踊りの「きつね踊り」で有名なこの島。いつかその時期にも来てみたい。
最後の日、最後に行ったのは瑠璃光寺。ここのご住職さんも個性的でお話の面白い方だった。
耳のイタイ話を厳しく、だけどユーモアを交えて語ってくださった。
左は境内にいらしたお不動さん、右はご住職が近隣から集めている古くなった石臼。臼が庭中にたくさんある。
また、国東には来よう。時間を作って、ゆっくり周ろう。