これは朝の月である。
月はほとんど沈まず、ずーっと見え続けており、日本のように「あぁ、昨日より丸くなった」という感じではなく、気がつくとだんだんと丸くなっている、という印象があって面白かった。
緯度が高いので夏に「白夜」となるのと逆で、この時期は明るい時間がほとんど無い。朝の9時はまだ真っ暗だし、太陽は申し訳程度にしか顔を出さず、明るい時間帯も「夕方」の雰囲気にしかならない。そして午後の4時ともなれば再び「夜」・・・
国内線のプロペラ機で北東部のミーヴァトンという地方へ行った。
溶岩と湖がモザイク状に入り組んだ地帯で、レイキャビクの都会やそこからアクセスする南西部の見どころの風景とはかなり違った印象である。
気温は低く、積雪量も多く、木が多い。
でもこのあたり一帯は野生の生き物たちの気配でいっぱいだった。
いったいどうやって生きているのだろう??
たくましいな・・・と思う。
神々しく荒涼とした印象・・・
太陽が出そうで出ない。
貴重な光である。
地熱発電所付近の湯気の向こうに見えてきた太陽。
造形は雄大なものだけではなく、繊細なものもあるのだ。
今回はなかなかハードなツアーで、食事もコンビニのサンドウィッチ程度の場合が多かった。
でも、食べ物はなかなか美味しかった。
特にレイキャビクのCarusoというこのお店はとても美味しかった!
ロブスターのスープ、きのこを焼いたもの、ナマズ、サーモン・・・だったかな?
通いたいくらいだったし、他のお店ももっと行ってみたかったな。
左はレイキャビクのメインストリート。朝の10時くらいかな?
中央にそびえるのがハトルグリムスキャルキャ教会の塔。(この名前は覚えられんな〜)
アイスランドは9世紀頃にスカンジナビアの人たちが移住し始めた土地らしい。古いとも新しいとも言い難い微妙な歴史時間を有している。
右はその塔の展望台から見た街と港の風景。国の人口30万人のうち半分くらいが首都および周辺に住んでいるらしい。その数字から想像していたよりも都会として大きく、ちょっと驚いた。
年越しの際には、この街中で夜通し何時間も打ち上げ花火が華やかに上げ続けられ、その光景にもとても驚いた。
レイキャビクの街中には小さな湖がある。
湖面は凍っていて、人々が集っている。
2008年の金融危機の影響をこの国は大きく受けたそうだけれど、旅をしている分にはそういうことは何も感じられない。
こうして仲よさそうな親子は、どんな生活を営んでいるのだろう?
アイスランドは温泉もある。
旅の最後は「ブルーラグーン」と思わず苦笑してしまうような名前のつけられた温泉に行ってみた。
地熱発電の排水を利用した広大な露天風呂で、なかなか気持ちよく思っていたよりも楽しめた。
ちょっと泉質がきつくて肌に刺激が強すぎたけれど。
温泉から立ち上がるもうもうとした湯気の向こうに浮かんだ、美しい月を写真で捉えようとする友人の姿です。
アイスランドの印象というものが、上手く自分の中で整理ができないでいます。
自然は雄大で美しく、人は優しく、食べ物も美味しい、良い国でした。
でも、自然の「質」がどの程度に良いものなのかはわかりませんでした。
歴史は微妙な長さで、合州国や北海道ほど浅くは無いけれど、神話を感じるほどには深くもない。
人と自然の関係もどういうバランスになっているのか、あまりつかめませんでした。
冬という季節だったから難しかったのかもしれません。
フィヨルドと海の風景を楽しむためにも、夏にも訪れてみたい気がします。
そして、オーロラはまたいつかどこかで必ずや・・・