鶏になった王様

 

 ある町にとても口やかましい王様がいました。

「王様、今度のお祭りには……」

 大臣がおどおどと、しゃべりだすと、たちまち、

「けしからん、絶対駄目じゃ」

 王様は、事もなげに叱りつけました。お陰で、町は祭り事が思うようにいきません。

 困り果てた大臣たちは、八百万の神にお願いしました。

「どうか、お助け下さい」

 八百万の神もさすがに、王様の所業に、業を煮やしておりましので、すぐに願いは聞き届けられました。

 翌朝、王様は目を覚ますと、屋根の上に上り、

「コケコッコー」と、叫んだのでした。

 王様はニワトリになってしまいました。

 最初、大臣たちは、八百万の神の真意が分かりませんでしたが、すぐに分かりました。

「王様、今度のお祭りには……」

大臣がしゃべりだすと、たちまち、王様は、

「こ、ここ結構構ー。こ結構構」と言うのでした。

 (了)

 

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