02.秘め事



彼の誕生日は2月14日。そう世に言うバレンタインデー。
だからその日のためにお姉ちゃんと一生懸命にチョコ作り
の練習をしていた。
そして当日。基君の家におよばれして誕生日プレ
ゼントとバレンタインのプレゼントを
必死で隠して彼の家ので行った。
なんだけど私はとてもわかりやすいらしくて・・・。



「基(もとい)君!!あのあのあの…あのね、」
「恵(めぐみ)。顔が真っ赤だよ。考えている事が手にとるよ
うにわかる。」
「え!?え・・・あのね、」
「ありがとう誕生日プレゼントをわざわざ用意してくれ
てVv」
「にゃ!?なんでわかるん??」
「んー。まぁいいじゃん。こっちにおいで?」
って言いながら基君は私においでおいでと手招きをしてきた。
そして私がとてとてとそこに歩き出すと
「相変わらず恵はペンギンみたいだなぁ・・・。俺可愛すぎて
参っちゃうんだけど?」
一瞬にして熱くなる顔。目の前で爆笑しだす基君。
「うーわー顔真っ赤。本当にわかりやすいなぁ恵は・・・。」


なんだか私は悔しくて悔しくてたまらなくなった。


悔しかったので近くにいって弱点の脇をくすぐってやった。
「あははははは!!!!やーめーれー恵。」
「へへんだ!!ペンギンはこんな事しないも!!基君の…馬鹿
最後の方は私の声が小さくなってしまったけどなんとか言え
た。
すると基君は言った。
「んんー?なんか言った?泣き虫恵ちゃん。」
にゃ!!!!!悔しいぃぃぃぃぃ!!!!!
いつもこういう風に言いくるめられてしまう。
「…ばーか」
今度は大きい声でいってみた。


「そんな事いうのはこの口かな恵ちゃん。」


言われてから「っは!!」と気付いた。いつもこのパターンにお
ちいってこの後…なので言い訳を考えた。
が、みつかるはずもない。
「ち、違いましゅ。」
「あはははは!!しゅ?しゅ!?かーわーいいなぁ恵はvv」
「にゃ!?ちょっと日本語が言えないだけだも。」
「何?日本語言えないのでちゅかー?そうだよねぇ、恵は火星
人だもんね!!!!」
…火星人?私人間じゃないの?基君には私そう見えるの?タコさ
んみたいに見えるの?
そう考えたら涙が出て来た。馬鹿にされないように俯く。
「基君には…っ…私は火星人に見えるの…?」
「っふ!!違うよ。何よりも可愛く見えるんだけど?」
そう言って基君は私を引き寄せて、ぎゅっと抱き締めて来た。
「あーあ。俺恵泣かせちゃったじゃん。」
「ふぇ…っ…。」
「ハイハイ。ごめんね恵?」
「基君の馬鹿。」
「うん。ごめん。だからキスしよ?」
…私は固まってしまった。
いつもそうだ。基君はストレートにそう言う事を伝えてくる。
嬉しい時もあるけど・・・。ねぇ・・・?
「今無理ぃ・・・。」
「えぇー!?折角俺の誕生日なのにキスしてくれないのぉ?悲し
いなぁ・・・。あ!!もしかして恵は俺のこと嫌いなの・・・?」
「違うも!」
思わず上を向いてしまった。
しまった。と思った時にはもう遅い。
顎をつかまれて下を向くことはもう不可能。
そして基君からとどめの一言。


「今日は誕生日だから恵から。」


マジっすか!?
ってか学校の彼はもっと違う。
カッコ良くて優しくて。私には勿体無いくらいだ。
実際ちょっと嫌がらせをうけていたりする。
彼には秘密だけどね。
まぁとりあえず彼の誕生日と言うことで。
「誕生日おめでとう基君。」
そう言って彼に口付けた。
「ありがとう恵vv」
彼を見るとそれはもう満足そうな笑みを浮かべていた。
その顔を見て真っ赤になって私はやはり俯いてしまった。




「んでバレンタインの分のキスは?」





「はい?」
こうして私の苦悩の日々は続いて行く。
彼に勝てる日はくるのでしょうか?







はい。ここまでで終わりです。
誰かわかりますか?
ヒントは連載中の小説にいる人物。
わかってくれた方がいたら私はとても嬉しいデス☆