「おや? 望美さん、ソレは初めて見るゲームですね」
「コレですか。    
 鬼の罠で、主人公の女の子が夢の中で4人になっちゃって、ホンモノは誰?    
 ってボードゲームなんです、面白いんですよ〜v」
  
自分を振り返る事無くゲームに熱中している恋人に、若干黒い思想がうごめく。   
しかしそこは百戦錬磨の腹黒策士。   
にっこりと白い(見える?)微笑みに隠し、やんわりと嗜める。
     
「貴女は、いけない人ですね。  
 夜更かししていると、折角の美しい肌が荒れてしまいますよ」
     
背後から顎に手を添え、頬にkissをした。
  
「べっ、弁慶さんっ!(///)」
     
真っ赤になって抗議する様が、楽しくて仕方がないといった笑い零す。
  
「僕は先に休んでいますから、ゲームも程々に・・・じゃないと『お仕置』ですよ」



 
《 目が覚めて思うこと 》



  
先にベッドに入り、手持無沙汰を紛らわす為の小説を読みながら   
...30分...1時間...1時間30分...
  
とうとう2時間たってしまい、小説も読み終わってしまった。   
まぁ、内容は余り覚えていないので意味はないが
  
「さて、コレは『お仕置』してもいいですよね〜v」
    
今夜はどうしようか、などと黒さを隠す事無く北叟笑みながら   
リビングに戻ってみると、そこには誰もいなかった。   
TVもゲームも電気も点けっぱなし、まるで先程まで人のいた気配もある。
  
キッチンかな?と移動しようとした時、いきなり背後から抱きつかれた。
  
「だ〜れだ!」
  
誰などと問われなくても、間違えようのない声。
    
「望美さ・・・ん!?」
  
振り向くと、懐かしい龍神の神子スタイルで照れくさそうに微笑む望美。   
しかし弁慶の言葉が詰まったのはソコではなく、その視線の先。   
同じ格好をした、望美が3人もいたのだ。   
今抱きついている彼女も合わせて、全部で4人。   
流石にこの異常事態には、冷静な策士もとっさの対応が出来ずに固まってしまった。
    
「弁慶さん、どうしよう」   
「気が付いたら4人になっちゃってたの」   
「皆、私だって自覚があるんですけど」   
「困っちゃいましたね」  
     
よく見ると、瞳と髪と装束の色が違ってたり、話し方や表情や雰囲気がそれぞれ違う。   
『可愛い望美さん』だったり『幼そうな望美さん』だったり   
『理知的な望美さん』だったり『儚げな望美さん』だったり
  
ここは、何としてでも自分が解決案を出すべきだろう!
  
弁慶はじっくり考えて、真摯な表情で今一番最優先の言葉を弾き出した。
  
「僕は、4人同時でも大丈夫です!」       
「「「「!!!!」」」」



  
一人の男性の阿鼻叫喚な悲鳴が響いたのは、言うまでもない。  



  
弁慶は、咄嗟に飛び起きた。
  
破裂しそうな程脈打っている心臓を何とか治めながら、現状を知る為に辺りを見渡すと     
隣にはスヤスヤと安心しきった寝顔で寝入っている望美。
  
何時の間にが、自分の方が先に寝ていたらしい。   
そして、アノ夢。   
どうやら、寝る前の望美の言葉が強く影響してしまった様だ。   
可愛らしい寝顔を眺めながら、長い髪の一房を恭しく手に取ると、そっと唇を落とす。
  
「本当に、望美さんなら何人でも、どんな望美さんでも嬉しいのですよ。   
 ・・・一緒に生きて、側にいてくれて・・・」



「まぁ取り合えず、今その嬉しさを教えて差し上げないと」

弁慶の嬉々とした手が、望美に忍び寄る。
  

 
その先?・・・『答えられない』




* * * * * * * * * * * 


私が押し付けた4コマのお返しに
セアル様の初書き遙か3創作を頂戴しました〜。
しかも弁望っすvわーぃ、側室2号v←え
なお、作中の
『弁慶・4人同時おっけぃ発言』 
是非、お見逃しなく (邪笑)
「そういう問題ぢゃないだろぉぉ!」と突っ込むと同時に
「流石、元・荒法師…」と変に納得もしたワタクシでした。
(ちなみに、背景のイメージ絵・ちょっと大きいVerはコチラ→
セアル様、どうもありがとうございました!(深々)

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