《 甘い約束 〜確実に囚われる〜 》



『もう、隠し事は嫌ですよ』

そう君は言う。

『それと、私を置いていくのもダメですからね』

潤んだ瞳で、君は僕に向かう。

「……そんなに僕は信用ありませんか?」
『ありませんっ!!』

その見幕と瞳から少しだけ散ったそれに、僕は確実に囚われる。

「……すみません、泣かないで」
『弁慶さん……お願いですから、私をもう置いていかないで』

唇を噛み締め、必死で絶えている君は、何て綺麗なんでしょうね。
本当なら、僕みたいな人間が、君の傍にいることなど、許されはしないのだろうけ ど。
でも必死で僕を引き止めようとしている君に、今の僕は抗えない。
いえ。
抗いたくない。
この美しくて輝かしく、とても甘やかな存在に。
僕は確実に捕らえられる。
そしてあろう事か、

「望美さん……」

君は僕を抱きしめた。
その稚いほどの行動に苦笑しながらも、僕は又君に囚われてしまう。

『行かせません、とにかく今はあなたを何処にも行かせません』
「……困った人ですね」

全然困ってなどいないのに。

『……だって』

そんな君だから。

「それなら……」

僕も君をこの腕に抱こう。

『弁慶さん? ……っ!!!!!』
「君がそういう魂胆なら、僕はもう君に触れているしかありませんね』
『魂胆って……っっ』

今更ながらの自分の行動に焦ったのか、それとも僕のそれになのか、
君は慌て始めたけど。
それでも。
君は僕から離れようとはしないから。
だから。

「もう僕は二度と……君の傍から離れません」

そして君は腕に少し力を込めて、

『……約束ですよ』

そう言ってくれた。

「ええ、約束しますよ」

だって、今の僕達は互いを捕らえて離さない。
だからもう、こうしているしかないでしょうね。
これから、君が何を望もうと。
僕は君を離したりはしない。
君が、これから何を望もうと。
僕は君から離れない。
何故ならば、僕は愛している。
狂いそうな位に、君を。
だからもう、僕は二度と君を離さない。


                 
 The End.



* * * * * * * * * * * 


The Faraway Borderland のゆづりは様より弁望SSを頂戴しました。
弁慶殿の 『信用ありませんか?』 の問に
『ありません!!』 と即答したのぞたんに賛同!←をい
最初、「白弁?」 と思って読んでいたんですが
徐々に本領発揮して下さいました♪←そんな言い方って・・・(爆)
ラストのプロポーズちっくな彼の語りがイイですvv
はう〜私も彼に言われたいぃ〜///>是非耳元でv

ゆづりは様、素敵なSSをどうもありがとうございました!(深々)

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