《 続・王様ゲーム 》



将臣の提案で王様ゲームを始めて既に数刻が過ぎていた。
そろそろ終わりにしたいと思う将臣と望美をよそに、
叔父・甥の朱雀コンビはゲームに燃えている。
ヒノエの背後には炎のオーラが。
弁慶の背後には真っ黒なオーラが。
その様子を見て将臣と望美は顔を見合わせて苦笑するしかない。

「姫君、将臣、さぁ・・続きをやろうぜ?」
不敵な笑みを浮かべたヒノエが次を急げとばかりに促す。
「お前なぁ・・ガキじゃねぇんだから、もうそろそろいいだろう?」
「いいえ、将臣君。これはきっちりと決着をつけなくてはいけませんよ?
 元はと言えば君の命令の所為なんですからね?ヒノエと僕に火をつけたのは」
「おいおい・・弁慶まで・・・ったく、大人気ねぇなぁ・・・手の甲で許してやったのによ・・」
「とにかく、ヒノエはともかくとして、僕の気の済むまでやらせてもらいますよ?いいですね?」
「おい、弁慶!オレはともかくとして・・なんて聞き捨てならないね。
 オレも気の済むまでやらせてもらうよ?」
「・・・・あぁ・・分かった・・・好きにしろ・・・」

将臣の言葉はあっさりと弁慶に却下され、王様ゲームを続行する事となったのだ。
将臣の深い溜息、その理由は朱雀コンビ以外のメンバーに痛い程伝わっていた。



第四回戦開始
「せ〜の!」
「「「「「「「「「「「王様だ〜れだ」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」」
「おい、王様は誰なんだ? ヒノエと弁慶が黙ってる所を見ると、二人は違うみたいだな(笑)」
誰も何も言わない事に痺れを切らした将臣が問いかける。
「えぇ、ご推察の通りですよ」
「オレも。だけど、ゲームはまだこれからだしね」
「お前等、ホント王様になりてーんだな・・(苦笑)」

「あの・・私なのだが・・・・・」
「何だ、敦盛か。 早く命令しろよ」
「だが、将臣殿・・・どの様な命令をしてよいのか・・・」
「何だっていいんだよ。お前の好きな命令をしろよ」
「私が、誰かに命令するなど・・・・」
「はぁ〜・・(溜息) 敦盛、お前なぁ・・・(呆) 
 いいか?これはゲー・・いや、遊戯だ。そんな事気にすんなって。な?」
「ですが将臣殿・・・(うるっ&上目遣い)
「!! お前、その女房装束(かっこう)で、そんな目をするなっ!」
「も・・申し訳ありません・・・将臣殿・・・」

時間が勿体無いという理由から、将臣と敦盛は一回戦で命令された
装束のままなのである(笑)

「ふぅん・・敦盛、お前・・そんな表情が出来るんだね。 男にしておくのは勿体無いよ(ニヤリ)」
ヒューと口笛を吹きながら口を挟むヒノエ。
「っ・・ヒ、ヒノエ・・(/////)」
「(クスッ)赤く頬を染めるとより一段と女っぷりが上がるね」
「・・・・・(/////)」
「ヒノエくん、そのくらいにしてあげなよ・・敦盛さん困ってるじゃない・・」
「おっと・・口が過ぎた様だね。神子姫様に嫌われると困るから、この辺にしておこうか」
「もう・・ヒノエくんったら・・・」
「では敦盛君、命令を出して下さいね?(にこっ/黒笑み)」
「(ビクッ!)分かった・・弁慶殿・・・・・」

気になる第四回戦の皆の番号は以下の通りである。

王様:敦盛
一番:景時
二番:ヒノエ
三番:朔
四番:譲
五番:弁慶
六番:白龍
七番:望美
八番:リズ
九番:将臣
十番:九郎

「六番の者が楽を奏で、十番の者が舞を披露してくれないだろうか?」
「うわぁ・・敦盛さんらしい優雅な命令だね^^」
望美がにっこりと微笑みながら敦盛に言葉をかける。
「そうだろうか?神子・・・」
「はい。とても素敵な命令です^^」
「そうか・・それなら良かった・・・」
望美にそう言われて嬉しそうにほんのりと頬を染める敦盛。
「(何だ・・また俺が当たったのか・・・ 舞・・と言われてもなぁ・・・)」
九郎はやや困っている様子である。
「敦盛・・・六番は私・・だけど・・・楽を奏でる事はできない・・知らないから・・・」
「白龍・・だったのか・・・すまない・・私の命令の所為で、困らせてしまったのだな・・・
 ならば、白龍の代わりに私が笛を・・」
「敦盛・・あのね? 『歌』・・は、楽・・に入る?」
「歌・・?」
「うん・・・歌。 歌なら・・歌える・・・龍神の・・歌・・・」
「へぇ、いいじゃねぇか。龍神様の歌なんて滅多に聴けるもんじゃねぇしな」
「本当?将臣・・歌で・・いい?」
「あぁ、構わねぇぜ。望美も喜ぶぜ」
「神子が・・喜ぶ? それなら、私も・・嬉しい!(にこにこ)」
「あぁ、頑張れよ。白龍」
「うん。私、頑張る!」
将臣に望美が喜ぶと言われ、嬉しそうな白龍。

「敦盛・・十番は俺だ・・・だが、頼みがある」
「九郎殿が・・舞い手?  あの・・私に頼みとは一体・・・」
「剣舞でも・・構わないか?」
「えぇ。 九郎殿の剣舞を見られるなどとは思ってもいなかった・・是非、お願いしたい・・・」
「分かった・・」
「白龍の歌に乗せて九郎さんが剣舞を披露するなんて、素敵!」
望美は目をキラキラと輝かせている。
「あ・・あまり期待するなっ!(////)」
「そんな事言われても期待しちゃいますよぅ。剣舞なんて初めて見るんですから」
望美の期待は膨らむ一方である。

「歌って・・いい?九郎」
白龍が尋ねる。
「あぁ、構わない」


『 愛とは 嵐だろうか
 愛とは 痛みだろうか


 さみしさを
 抱いて産まれた
 人は誰でも


 ――――― 略 ―――――

 
 遙かなる傷を 越えてここへ  
 遙かなる明日がまた 今日から始まる

 あなたの心が 燃え上がる時  
 運命の鼓動が響く
 
 終わらない鼓動が響く』


白龍の可愛らしく澄んだ歌声が響く中、凛々しい剣舞を披露する九郎。
白龍の清らかな歌声と九郎の美しく流麗な剣舞は見事に調和している。
九郎の剣舞に見惚れ、白龍の歌に聴き惚れていた九人は
 歌と舞が終わった事にも気付かずにいた。
九郎の剣舞と白龍の歌声は、それ程までに素晴らしかったのだ。

「神子・・みんな?どうしたの? 私・・失敗した・・・?」
心配そうな表情で望美の顔を覗き込んでくる白龍。
「えっ!あぁ、すごく良かったよ、魂抜かれるかと思った!」
「ほんと?私・・神子に喜んでもらえたんだね・・・?」
「うん。ありがとう、白龍。九郎さんも凄く素敵でした。ありがとうございます」
「神子・・(感動)」
「ば・・馬鹿っ・・俺は別に・・・敦盛の命令に従っただけだ・・・(////)」

望美はぎゅっと白龍を抱きしめた。『素敵な歌を、ありがとう』の意味を込めて・・・
望美の「ありがとう」の声に聞き惚れていた者達が一斉に盛大な拍手を送る。

「九郎殿、白龍・・・私がこの様な命令を出してしまったばかりにご迷惑を・・・
 ですが、素晴らしかった・・・ありがとう・・・」
「と・・とにかく、拍手を止めろ・・照れ臭い・・・・(////)」
「いやぁ〜、ホントいいものを見せてもらったよね〜。このゲームも悪くないねぇ〜」
「景時はまだ酷い命令をされてないからそんな事が言えるんだぜ?
 男の手に口付けしたオレの身にもなってよ・・・」
「あはは〜、まぁ、アレはアレで面白かったじゃない」
「よく言うよ・・・はぁ(溜息)」
「では、次にいきましょうか。ねぇ、ヒノエ?(にっこり)」


第五回戦開始
「せ〜の!」
「「「「「「「「「「「王様だ〜れだ」」」」」」」」」」」

「俺・・だ・・・」
「何だ九郎か」
「あぁ・・」
「さて、源氏の大将殿はどんな命令を出すんだろうねぇ?」
またもや王様になれなかったヒノエがそんな言葉を投げかける。

王様:九郎
一番:景時
二番:将臣
三番:ヒノエ
四番:リズ
五番:白龍
六番:譲
七番:敦盛
八番:朔
九番:弁慶
十番:望美

「命令か・・・結構困るものだな・・・」
「そうですよね?私も最初王様になった時、凄く悩んじゃいました」
「あぁ、今ならお前の気持ちが分かる」
「早くしろよ?後がつかえてるんだからさ」
「ヒノエくん、そんなに急かしちゃダメでしょ?」
「おや?姫君は随分と九郎の肩を持つんだね。妬けるね」
「そ・・そんなんじゃないよっ!(////)」
「そうだぞ?可笑しな言い掛かりを付けるなっ(////)」
「全く揃いも揃って頬を染めちゃってさ・・・」
「ヒノエくんっ!(////)」
「あ〜、はいはいそこまでね〜。 で、九郎・・命令は考えられたかな〜?」
「いや・・それが、思い浮かばなくてな・・・戦での命令ならば容易いのだがな・・(苦笑)」
「そんなに難しく考える事ないんじゃないの〜?ほら、ゲームなんだしさ〜」
「あぁ・・分かっている・・・」
「九郎、ここは一つ愉しいのを頼むぜ?」
「愉しいの・・と言われてもな・・・」
「ホラ・・俺が命令したみたいなヤツとか?(ニヤリ)」
「まっ・・将臣っ!(////)」
「平凡な命令じゃ面白くないぜ?」
「だが・・あまり可笑しな命令を出して、それが万が一弁慶に当たったりでもしたら・・・・」
「そんなの恐れるなって。これは遊戯なんだぜ?」
「う・・うむ・・・・(悩)」
「九郎、まだですか?」
「うわっ!べ・・弁慶っ!!(焦)」
「おや、如何したんですか?そんなに慌てて」
「いや・・何でもない・・何でも・・・・(汗)」
「そうですか?それなら構いませんけどね。そろそろ命令を出してくれませんか?」
「わ・・分かった・・・」
「頼むぜ?九郎。同じ青龍だろ?」
「将臣、それは関係ないだろう?」
「期待・・してるぜ?(ニヤリ)」


「俺からの命令は・・・一番が八番を横抱きにして、あ・・あ・・・ぁ・・・・・(/////)」
「あ・・??? おい・・九郎、お前なぁ〜に赤くなってんだ?
 それに、あ・・の続きは何なんだよ?」
「恥ずかしいんだ、仕方ないだろう・・・(////)」
「一体どんな命令をするんだかな・・フッ、楽しみだぜ」
「あ・・愛の言葉を・・さ・・囁いてくれっ!(/////) い・・以上だ・・」
「おや、これは・・・九郎にしては随分と大胆な命令をしたものですね(ふふっ)」
「う・・五月蝿い・・・文句なら、将臣に言え・・・(////)」
「ちょっと待て、俺に罪を擦り付けるな」
「お前の希望だろう?」
「九郎、お前なぁ・・・」

命令を考え付けずに将臣の言葉に従った九郎。だが、口付け・・となると前例もあるので、
 横抱きくらいなら良いだろう。と考えた末の命令であった。

「ねぇ、九郎〜。その命令さ、変える気ないかなぁ〜?」
「ない・・」
「そこを何とか・・さ?」
「もうこれ以上は考えられない・・・・ん・・?景時、お前なのか?」
「ん〜・・実はそうなんだよねぇ〜・・いやぁ、参ったなぁ〜。あはは・・・」

景時の言葉を聞いて顔面蒼白になる朔。
けれど、なるべく平静を装って九郎に告げる。

「九郎殿、私もそう思うわ。兄上にその命令は似合わないもの」
「あはは〜、そうだよね。やっぱり朔もそう思う?」
「えぇ。(キッパリ)」
「ゲームなんだから、似合う似合わないの問題じゃないだろ?黒龍の神子姫様」
「ふふ・・僕が察するに、もう一人の該当者は朔殿、あなたですね?」
「・・・・・(ギクッ)」
「黙っているのは肯定の意味と解釈しますよ?」
「へぇ・・兄妹で愛の語らいか・・見ものだね」
ヒューと口笛を吹くヒノエ。
「あ〜ぁ、こうなったら仕方ないねぇ・・朔、やるよ?」
「兄上っ!!」
「何かなぁ〜?」
「私は嫌ですっ」
「我侭を言っちゃダメだよ〜。朔〜」
「分かってます・・けれど私には黒龍が・・・」
「その辺は心得てるよ。九郎の命令は覚えてるよね?
 言葉だけだからさ、サラッと聞き流してくれればいいんだよ〜」
「兄上・・」
「恥ずかしいのは朔よりオレの方なんだからさ・・」
「分かったわ・・」
「さてと・・それじゃ、始めるよ。朔、ちょっと失礼するよ〜」
「!!(////)」

妹の朔を軽々と抱き上げる景時。

「朔はオレを黒龍だと思って聞いててくれればいいんだからね〜?
 全部オレに任せちゃってよ」
「兄上を黒龍と思う事など、絶対に出来ません!」
「朔〜、そうまで否定されると流石のオレも傷つくなぁ〜、ははは(苦笑)」
「と・・とにかく、さっさと終わらせて降ろして下さいっ(////)」
「御意〜ってね」
「朔・・誰よりもキミの事が、大好きだよ・・・」
「・・・・・(/////)」
「これでいいかなぁ〜?」
「景時、お前さ・・愛の語らい・・だろ?そんなのオレでも言わないぜ?
 もっと気の利いた台詞はないのかい?」
「いやぁ〜、『愛してる』って言おうと思ったんだけどさ〜。照れ臭いじゃない?
 それに、朔はその言葉を黒龍以外の人に言われたくないと思うんだよね〜。それに、
 朔を好きって気持ちに偽りはないしね。妹として好きっていうのは真実だから、
 これでいいでしょ? 悪いけどさ、これでOKにしてくれないかなぁ〜?」
「兄上・・」
「ふふっ。景時さん優しいんですね。朔も素敵なお兄さんを持って良かったね^^」
「いや〜、参ったなぁ〜。そう言ってくれるのは望美ちゃんだけだよ〜」
「望美・・そうね、兄上を見直したわ(微笑)」
「九郎さん、景時さんと朔はこれでいいですよね?」
「あぁ、構わない。 よくやったな、景時、朔殿」
「いや〜、演技とは言え緊張したよ〜」
「ふふっ。景時さん、格好よかったですよ^^」
「そう?ありがとう、望美ちゃん」
「では、次ですね(にっこり)」


第六回戦開始
「せ〜の!」
「「「「「「「「「「「王様だ〜れだ」」」」」」」」」」」

「運命の女神様はオレに微笑んでくれたみたいだね」
ヒューと口笛を吹きながらヒノエが満足気に笑う。
このヒノエの言葉を聞いた途端、ヒノエを除く全員が「ヤバイッ!」と思っただろう。

王様:ヒノエ
一番:将臣
二番:白龍
三番:弁慶
四番:敦盛
五番:朔
六番:望美
七番:景時
八番:譲
九番:九郎
十番:リズ

「さて・・それじゃ、命令といこうかな」
「「「「「「「「「「(ごくり・・)」」」」」」」」」」

不敵な笑みを浮かべながら言うヒノエに皆、冷や汗をかきつつ唾を飲み込んだ。

「おっと、その前に・・将臣、聞きたい事があるんだけど、いいかい?」
「ん・・何だ?」
「命令は二人までなのかい?」
「いや・・三人でも四人でも構わないぜ?」
「そう。それはよかった」
「だけど・・全員命令はなしだぜ?」
「ふぅん・・まぁ、それは仕方ないね。分かったよ」

頭の回転が早いヒノエは何かを思いついたらしく、こんな質問を将臣にしたのだ。

「そうだなぁ・・九番と六番の激しく甘い口付けが見たいね」
「!!(い・・今・・ヒノエくん・・・六番って言ったよね・・六番って・・・
 しかも命令の内容がハンパじゃないよっ・・・(////)一体相手は誰なの?)」
「!!(また俺なのか? しかも、激しく甘い口付け・・だと?(////)
 俺は何でこんな命令にばかり当たるんだっ!(////)
 ヒノエ・・恨むぞ・・・相手が男だったらどうするんだっ。俺は絶対に嫌だからな!)」

望美と九郎は心の中で悲痛な叫びを上げている事などヒノエが知る由もなく、
先程の仕返しとばかりにヒノエはさらに命令を下す。

「それから、三番にはオレにたっぷりと甘い甘い愛の言の葉を
 囁いてもらう事にするよ・・(ニヤリ)」
「(ヒノエ・・・あなたという人は・・・・)」←(弁慶、ブラックオーラ発動/笑)
「おい望美、九郎・・ま〜た、お前等だろ?該当者(苦笑)」
「ど・・どうして私だって分かるの?将臣くん・・・(////)」
「んなの見てりゃ分かるだろ・・(呆)お前等は分かり易いんだよ。
 二人して顔を真っ赤にしてるからな」
「「・・・・・(////)」」
「やれやれ・・男同士で口付けさせようと思ってたのに、
 まさかこんな展開になるとはね・・・(溜息)」
「残念だったな、ヒノエ(ニヤリ)」
「将臣・・覚えてろよ・・・」
「ヒノエ、確率の高さから男同士の口付けを狙ったのでしょうけれど、残念でしたね」
「あぁ、全くだよ・・」
「この口付けで男二人が減れば、オレに囁いてくれる姫君達の確率が上がるからね」
「ですが、残念な事にそれは男ですよ」
「何だって?! 弁慶・・まさか・・・」
「えぇ、そのまさかですよ。キミと僕は随分と縁がある様ですねぇ・・・(にーっこり)」
「ちょ・・ちょっと待った!命令を変える!!」
「ダメだ、ヒノエ・・・お前、それでも男か?男に二言はないんだぜ?(ニヤリ)」
「将臣、テメェ・・・」
「さて・・それじゃ、その命令を堪能させてもらうとするかな」
「チッ・・王様になる事が必ずしも良い事だとは限らないって事か・・・」
「そういう事」
「あのさ・・将臣、弁慶の命令だけでも取り消し可能にならないかい?」
「ダメだ・・ お前が眺める側だったら取り消し可能に賛成しねぇだろ?」
「・・・・そう・・だな・・・」
「将臣君、あなたを恨みますよ?」
「そんな事言っていいのか?俺の最初の命令は何だったっけなぁ?
 アレ・・復活させてもいいんだぜ?(ニヤリ)」
「・・・・・(溜息)仕方ないですね・・確かにあの時は将臣君が折れてくれたお陰で
 僕も助かりましたから・・・」
「弁慶・・手短に頼めるかい?」
「手短に済ませたいのはやまやまですけどね、王様の命令は
 『たっぷりと甘い甘い愛の言の葉を囁いてもらう』でしたからね・・・(にこにこにこにこ・・・)」
「(うわ・・絶対怒ってる・・・コイツ・・・/汗)」
「では、王様・・ヒノエ、後で覚えていなさい・・(耳元で素早く囁き)」
「(ビクッ!)」
「あなたに一目逢ったその日から私の心・身体・全てはあなた様のもの。
 あなた様を思わぬ日など一日とてありません。あなた様が恋しくて恋しくて・・・
 あなた様の事を想うと私の心はこんなにも乱れてしまうのです。
 お慕い申し上げております、ヒノエ様・・・」
「(ブルブル、ゾクゾク)」
「と、こんな感じで如何です?(にっこぉぉぉ)」
「背筋が凍る程に素敵だったよ(棒読み)  あー、悪寒が走る・・・(ぼそっ)」
「おや、こんなに甘い台詞を囁いたのにまだ足りないんですか?(にーっこり)」
「とんでもない、素敵すぎてほら、こんなに鳥肌が・・ね?
 ありがとう、嬉しかったよ弁慶(感情なし)」
「そうですか、それはどう致しまして(にーっこり)」
「弁慶、お前よくもまぁ、それだけの台詞が次から次へと出てくるなぁ。
 まるでヒノエをそのまま大きくしたみたいだぜ。さすが叔父・甥だな(笑)」
「それは褒め言葉として受け取って良いんですか?将臣君」
「好きに解釈してくれ・・」
「では、褒め言葉として受け取っておきますよ」
「あぁ・・」
「ヒノエくん・・やっぱり、命令に従わないと・・ダメ?(うるっ&上目遣い)」
「おっと、そんな潤んだ瞳でオレをみないでくれよ、姫君・・
 オレとしてはこの命令はなかった事にしたいんだけどね・・将臣がね・・・」
「み・・みんなのいる前であんな命令にしたがえないよっ(////)」
「オレだって、姫君が他の男と口付けしてる所なんて見たくはないんだぜ?
 出来る事なら俺が口付けたいんだから・・・」
「将臣く〜ん・・・(じろっ)」
「俺に助けを求めるな」
「だって・・・(うるっ)」
「いいじゃねぇか。お前、九郎の事が好きなんだろ?」
「まっ、将臣くんっ!!!(/////)」
「(望美が俺を好いている・・?望美が俺を・・・望美が俺を・・・・)←(エンドレス/笑)」
「さっさとやっちまえよ」
「酷いっ!将臣くんのバカッ!(////)」
「ホントの事だろ?」
「・・・・・(////)」
「おい九郎、こういう時は男のお前が男らしくビシッと決めてやれ」
「・・・・・・・・(/////)」
「って、おい・・九郎?」
九郎は望美と将臣のやりとりを聞いて硬直していたのだ。
「おいっ、九郎!」
「そ・・そそそ、そんな事、人前で出来るわけないだろう?無理だっ!(/////)」
「(そ、そうそう!そうだよっ。九郎さん、頑張って!九郎さんだけが頼りだよ・・)」
「それに・・望美も困っているじゃないかっ(////)」
「(九郎さん、もう一押しっ!)」
「だが・・命令には従わなければならない・・・」
「(えっ!九郎さん・・・何言って・・・/ドキッ)」
「ヒノエの命令には場所の指定はなかった。 別の場所で・・してくる・・・・(////)」
「ちょっ・・九郎さんっ!(/////)」
「行くぞ・・望美・・・・(////)」

九郎は素早く望美を抱き上げ、足早にその場を後にした。

「フッ、なるほど・・これはやられたね。
 だけど、俺は激しく甘い口付けが見たいって言ったんだけどね(苦笑)」
「ヒノエ、九郎にはその言葉、伝わってませんよ。既にこの邸を出た様ですし(苦笑)」
「あぁ、そうみたいだね。 いいさ、次のゲームで取り返す・・(ニヤリ)」
と、不敵な笑みを浮かべるヒノエであった。
どうやら運命の女神様はヒノエに微笑まず、九郎と望美に微笑んだ様である。


「兄さん・・やっぱり九郎さんが一番得をしてるよな・・・」
「そうだな・・(苦笑)」
「はぁ・・・(溜息)」
「譲・・お前、そんなに恨めしそうな顔すんなって。みっともないぜ?」
と、言葉を交わす有川兄弟。


王様になれたにもかかわらず、思い通りにいかなかったヒノエ。
そして、未だ王様になれずにブラックオーラを纏っている弁慶。
この二人が満足できるまで王様ゲームは続く。

気になる九郎と望美の『激しく甘い口付け』は当事者である本人達だけの秘密。



* * * * * * * * * * * 

BLUE BLUE MOON の華霞紫苑さまから 
前作 《 王様ゲーム 》 の続編を戴きました。
W朱雀、リベンジならず。残念!
>むしろ、前よりも酷い事になってる様な・・?
黒い弁慶さんに愛の言葉を囁いて貰いたい〜!と
一人悶えたおバカ野郎です:苦笑
愛の逃避行(違う)の九郎&望美ちゃんもさる事ながら
敦盛姫の 『うるっ&上目遣い』にココロを鷲掴みされました!
ソレ反則ですっ!あぁ〜傍で見てみたい〜〜v 
>欲望に負けてちょこっと描いてみたギャグ絵はコチラ

紫苑さま、素敵なお話をありがとうございました(ぺこり)

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