updated::2005/3/22   
寒い冬の間、暖房のある部屋においてあるクンシランは       
毎年三月になると輝くようなオレンジ色の花を咲かせます。       
肉厚の葉を孔雀の羽根のように広げ       
まっすぐに伸びた茎に凛とした花を付けるクンシランには       
その名の通り「高貴な花」の装いがあります。       
しかし、豪華な花の雰囲気を持ち       
名前にも「蘭」の文字が付いているのに       
このクンシランは「蘭」の仲間ではなく       
意外にも彼岸花の仲間なのだとか・・・。       
確かに花の咲き方や形などは       
彼岸花や同じ科のアマリリスに似ていますね。       
母がこの花の小さな株を頂いたのはもう20年も前のこと。       
最初は葉をいかに多く育てるかがポイントだったそうです。       
そして、三年目の二月にようやく       
十二単のように重なったつやのある葉の間から       
白くて小さな花芽を見せて、母を喜ばせてくれました。       
この喜びは、育てた者だからこそわかるものだと母は話しています。       
それからは、母は毎年二月になると       
必ずこのクンシランの葉を覗き込み、微笑みながら       
花芽との再開を楽しんでいます。       
母が花好きのお友達とこの株を分け合う時はいつも       
花芽が付いた株を差し上げています。       
「せっかく育てたのにもったいない」と言う私に       
「この花が咲くのを見ていたら       
その家の人たちも明るい気持ちになると思うよ。」との返事。      
確かに、クンシランのオレンジ色の花々を見ていると       
周囲に灯りをともしているように見えます。       
北国に遅い春が来るまでの間       
このクンシランが多くの人たちの心を温かくし       
そして、「もう春が来ますよ」と       
元気を与えてくれることでしょう。       
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