写真の色について

フイルム式画像の色について
写真には「目に見えるものをありのまま写し取る」と信じている人が沢山いるが、1面では正しいのですが、実は写真に対する人間の感情を増幅して、目に見えるより綺麗に、印象的に写し取ることができるように、フイルムの設計者が工夫を凝らしています。
フイルムは画期的な「ベルビア」、素晴らしい彩度の「フォルティア」等が発売されて、まさにミクロの芸術の域に達しています。
決してフイルム式写真を蔑にするつもりは有りませんが,所詮フイルムの特性の上での写真でしかありません、言い換えるとフイルムメーカの掌で写真を楽しむしかありませんでした。

フィルムの色域について記載しているデーターがなかなか見つかりませんでいたが、アメリカ、Bluce Lindbloom氏ウェブサイトのhttp://bricelindbloom.comのなかにありました。
上図色の点がそれぞれのフィルム色再現をプロットしたものです。
フイルムはAdobeRGBの色域に近い再現能力を持っていることが解ります。しかし、さくらそうの濃い紅色はフィルムでもありません。

デジタル画像の色について
デジカメの撮像素子で記録する色領域は広いのですが、これを出力するには、色領域の狭いAdobeRGB,sRGBに変換します。この時にカメラメ−カは、彩度を上げたり,コントラスト、色温度を操作して人が奇麗に感じるように工夫をしています。更に撮影者が意図的に彩度、コントラスト、色温度等を意図的に操作できるようになっています。

デジタル画像は好みの色に変換できる
変換できるといっても、狭いsRGB色領域範囲内ですが、モニターで確認しながら調整できるのは素晴らしいことです。
時々写真の大家が「デジタルは後から画像をいじれるので写真ではない」と述べていますが、フイルム写真も現像焼き付けの段階で、画像をいじっています。
一般の方がフイルムを現像焼き付けに出して戻ってきた写真は、現像所で1枚1枚写真をチェックし修正しています。
フイルム式画像は、フイルムメーカ、現像所の手の中で画像を楽しむしかありません。
デジタル画像は自分で思うままに操作できる、ここが楽しいことです。
私はデジタル写真の撮影の仕方をガイドしていますが、この楽しみを広めたく、必ずデジタル画像処理もガイドいたします。

人工画像は見た目より綺麗に見せる
フイルムだけではありません、モニターも、テレビ映像も、すべて「目に見える映像」より、奇麗に、印象的に人間が心地良く感じる画像を作るように努力しているのです。

一般の写真であれば、これで何も問題ありません。
しかし花の写真、真実の色を残したいと思うと困ったことになるのです。真実の色をありのまま再現する努力はされていない現在の写真システム(フイルム、デジタル)では、できるだけ近い色に再現することしか出来ません。

園芸の世界、花の写真の本を作る際に、大変困った事が発生します。花の大家はその分野では大変優れた感性を持ち、少しの色の違いも見落としません、ところが実際の色は、特に紫、紅色では違う色に変ってしまいます。
写真の色特性の知識を持ち合わせていないと編集者、印刷所と険悪な関係になってしまいます。
奇麗ならいいか!と割り切るしかありません。