レゴボロBOX 〜旅の途中編〜 6〜10
*伝説の功績
旅の一行はたき火を囲んでいた。
「ほう。ホビットの皆様も、先の指輪戦争の折りに、偉大な協力をなされたとおっしゃるか」
剣も使えぬホビットを知るだけに、ボロミアは首を傾げながら、メリーに尋ねた。
「勿論! ボロミアさん。パイプ草だよ!」
「そうだよ。すごく偉大な功績だ。パイプ草を吸いながらのおしゃべりなしに、どうやってエルフと人間の共同戦線が作られたってのさ!」
ピピンも、腕を振り回して力説した。
*踏んだり蹴ったり
ボロミアの右隣に腰を下ろそうとしたアラゴルンは、後からやってきたレゴラスに退くようにと言われた。
ボロミアが困ったような顔をして頭を下げたので、アラゴルンは、左隣へと移った。
しかし、ボロミアの左隣には、昼間、悪戯好きのホビットが掘った落とし穴が隠されていた。
*なるほど
「アラゴルンの旦那。あんたは、パイプ草をやめなすった方がええですだ」
わずかに咳き込んだアラゴルンに、控えめなサムが珍しくはっきりと言った。
「どうしてだい?ホビットご自慢の長窪印のパイプ草だ」
アラゴルンは少しうれしそうだった。
「サム、もしかして、私の健康を心配してくれているのかい?」
「いいえ、旦那。旦那が腰を下ろしているのは俺のマントですだ。焼けこげを作られちゃ困るんです」
*この世の真理
ボロミアが、アラゴルンを羨望の目で見つめていた。
「なるほど、アラゴルン殿は、多くの神秘を残した険しい自然の中に身を置き、この世の真理に思いを馳せて自分自身の地平を広げんがため冒険の旅に出られたというのか。すばらしいですな。うらやましいことです」
レゴラスが、ボロミアの手を引き、立ち上がらせた。
「野伏殿。そうだったのですか? 私の記憶によれば、あなたが旅に出られた理由は、アルウェン姫が料理を作られるようになったからだだったように思うのですが」
*お仕事
旅の苦労は平等に与えられた。
ボロミアは慣れない洗濯をするため、湖の端に座り一生懸命になって仲間の衣装を洗っていた。
一枚、洗い終わったところで、サムが、ボロミアを止めた。
サムは、困惑するボロミアに何度も頷いて、立ち去るようにと言った。
続きの洗濯をするサムの側をアラゴルンが通りかかった。
野伏は、木の枝につるされたモノを見上げ、尋ねた。
「これは、なんだ。サム?」
「旦那、レースですだ。綺麗な細工のレースじゃありませんか」
干すのを手伝ったレゴラスも、木の上から加勢した。
「そうだよ。こんな芸術的な仕上がりのレースを作るのなんてエルフにも無理だ」
「レース? 俺の目には、俺のマントの残骸に見えるんだが」
身体を小さくしているボロミアがしている仕事は、たき火の守だった。
慣れない旅です。
レゴ、裂け谷ほど、エッチに持ち込めません(苦笑)