レゴボロBOX 〜旅の途中編〜 1〜5

 

*旅立ちの日

 

ついに、裂け谷を旅の仲間達が立つ日が来た。

谷の主人であるエルロンドの前を辞す男達は決意も新たに立ち上がった。

しかし、二人の男は立ち上がることが適わなかった。

一人は、涙ぐむアルウェン姫にマントの裾を引かれたアラゴルンだった。

もう一人は、自分でマントの裾を踏んだボロミアだった。

 

 

*まかせといて!

 

旅に出て、早速、小さな人にレゴラスとむつみ合っていた現場を見つかってしまったボロミアは、恥ずかしそうに申し出た。

「申し訳ないのだが、メリアドク殿。さっき見たことは秘密にしておいていただくわけにはいくまいか?」

「まかせといてよ。ボロミアさん。でも、次の奴が必ず秘密を守れるかどうかは、わかんないよ」

 

 

*さすが、サム!

 

旅の途中、立ち寄った店から出てきたサムはぷんぷんと怒っていた。

「一体どうしたの?サム」

フロドが、こぼれそうに大きな目で心配そうにサムをみた。

「ボロミアの旦那に買い物を頼んだら、釣りに偽札を掴まされて帰ってきたんですだ」

「でも、ボロミアさん、町に出て買い物なんてしたことないだろうし、仕方がないよ。この店なの?」

フロドはちょうどサムが出てきた店の扉をちらりと見た。

「いいえ、ここは、今、俺がその偽札で支払いをしてきた肉屋ですだ」

 

 

*お気の毒

 

シチューの様子を見ていたサムは、夜食にがっついているメリーとピピンの二人に言った。

「なぁ。旦那方、聞いてくだされ。アラゴルンの旦那は、人間のくせに、もう、五十年ちっとも変わってないそうですだ」

「それは、可哀相に」

「うん。俺もそう思う」

「……ですな」

アラゴルンは、寄り添いあって眠るレゴラスとボロミアの隣で、一人、風に吹かれていた。

 

 

*目が見えないの?

 

ボロミアは、サムに取ってくるよう頼まれた香辛料の在処が分からず、おろおろとしていた。

「おーい。メリー、いや、ピピンでもいい、サムが言っていた黒胡椒は何処にあるか知らないか?」

恋人を助けるため、レゴラスがホビットを呼んだ。

「なに? レゴラス。エルフアイって威張ってたけど、全然役に立ってないし」

「ほら、すぐそこにあるじゃん。オート麦って書いたパイプ草の缶の中だよ」

 

 

やっと旅立ちました!